個人事業主にとって小規模企業共済掛金が節税対策に有効であることはあらためて申し上げるまでもないが、節税対策のみならず、資産形成にも多いに役立つ優れた制度。事業廃業後に小規模企業共済契約を解約することにより受取る共済金が退職金扱いとなることで所得税も優遇される。

※(受取共済会➖退職所得控除)✖️の1/2🟰退職所得となる。

さて、小規模企業共済契約者が解約前に死亡してしまった場合、税法上どの様な取り扱いになるのか?

結論から申し上げると…死亡退職金として扱われ、みなし相続財産として相続税の対象になります。

但し、死亡退職金には非課税枠(500万円✖️相続人の数)が設けられていますので、相続税対策としても効果があります。

遺産分割の対象になるの?

共済金は、遺産分割の対象となる本来の相続財産ではなく、民法上は相続人固有の財産のため遺産分割の対象にはなりません。

誰が取得するの?

小規模企業共済法第9条1項に、共済契約者が死亡したときにはその遺族に共済金を支給する旨の規定があります。第10条に共済金の支給を受けることができる遺族が規定されています。

第一順位は共済契約者の配偶者。この場合の配偶者には、戸籍上の妻ではない内縁の妻も含まれます。

内縁の妻の場合には、通常提出書類に加えて、次のような書類を取り揃える必要があります。

 

健康保険の被保険者になっている場合 健康保険証被保険者証の写し

共済契約者に係る公的な遺族給付が支給されている場合 給付金の決定通知書の写し、または遺族年金証書の写し

葬儀の通知文書、会葬礼状(請求者が喪主として記載のあるもの)

郵便物(共済契約者と同一住所に送付されているものや共済契約者と請求者が連名で送付されているもの)、名刺等(通称として同じ姓を名乗っていることがわかるもの)

その他事実上婚姻関係と同様の事情にあったことを証する書類(生命保険の保険証券等)

上記書類はなるべく多くご提出をお願いします。

上記書類のほか、必要に応じて、別途機構が定める書類及び戸籍謄本、ご遺族の同意書等をご提出いただく場合があります。

第二順位は、共済契約者の収入によって生計を維持していた者、例えば子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹などになります。

第三順位は、共済契約者の収入によって生計を維持していなかった子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹、ひ孫、甥や姪などになります。

 

相続の法定相続人、法定相続分とは異なるのです。

相続を放棄した人であっても、この共済金を受取ることができるのも、小規模企業共済の特徴です。

小規模企業共済契約を結んでいる人は、税法上の取り扱いや死亡後の受取人の関係を確認しておくことをお勧めします。