病で寝込んだ時、手当てと看護という医の原点を忘れてはいけない No.382 1月11日発

 

 年を取ると、いくら気を付けていても、病が忍び込むことを防ぎきれないこともあります。

 病気に関することわざは、枚挙に暇が無いくらいたくさんありますが、その中で、意外に役立つのは「病は気から」や「風邪は万病の元」という言葉だと思います。

 このストレスやウイルス感染による、極めてありふれた病が、実は思わぬ大病を引き起こすことがあるのです。

 普段、患者さんを診ていると、極初期のうちにこれといった治療もせずに放置しておいたために症状が悪化して、長患いを余儀なくされる場合もあります。

 特に高齢者では、風邪をこじらせて肺炎を引き起こし、取り返しのつかない容態に陥ることもしばしばあるのです。

 どんなに軽い病でも、初期のうちに治してしまうのが健康寿命を延ばすためにも大切です。

*「手当て」と「看護」の言葉の意味を今こそ胸に刻み込もう

 とかく、病に冒されると、人々は、その苦痛を一刻も早く取り除こうとして、特効薬などにむらがる傾向があります。

 ここで、「手当て」という言葉の意味を考えてみましょう。

 病人の患部を、手のぬくもりで癒すのが医療の原点なのです。温かい手で、病んでいる患部をやさしくさすられると、傷口だけではなく心の底まで手のぬくもりが伝わっていき、病に打ち勝つ勇気が湧いてくるものです。

 また、看護の「看」という文字には、手をかざして目でしっかりと病める人の心と体を観察して労る、という気持ちが含まれています。

 この二つの言葉は、これから先も弱者を救うためには、忘れてはいけない真実の言

葉だと思います。

 こうした、手当てや看護は、これからの超高齢化社会ではますます必要不可欠なものとなると思われますが、もう一つ、豊かな老後を送るためには、住宅やセカンドハウスについての配慮が、今後必要な要素になってくると思います。

 わが国は、欧米諸国に比べると、住処に関しては決して恵まれているとは言えません。

 

「病院にかかるお金がありません!最もかしこい医療費捻出の裏ワザ(幻冬舎)」

本の一部より