■甘やかす可能性を配慮する

アルフレッド・アドラーは、

親が病気の子どもを看病をしたとき、

その子どもを

甘やかすことになる場合もある、

と指摘しています。

 

子どもを甘やかすことになると

その子どもの関心は

自分自身へと向きやすくなり、

その一方で「他者への関心」は

育ちにくくなります。

 

「他者への関心」が育たなければ

共同体感覚が高まらないので、

感じるしあわせも増えません

 

つまり、

甘やかすことになると、

その子どもが感じるしあわせを

増やしながら生きていける可能性

狭めてしまうことになるのです。

 

そのため、

病気の子どもに対しては

甘やかすことにならないように

配慮することが大切になります。

 

配慮することで

子どもの共同体感覚を高めるような

子育てがしやすくなるのです。

 

なお、

共同体感覚とは、端的にいえば、

自分の居場所がある感覚です。

 

この感覚が高ければ高いほど、

感じるしあわせが多くなります。

 

■病気になると親の関心を得られる

親は子どもが病気になれば、

普段よりも多くの関心を

向けることとなります。

 

それは自然なことなのですが、

普段よりも多くの関心を向けられることは、

その子どもにとって

病気になると親の関心を得られる」と

学ぶことになる可能性もあります。

 

とくに、

普段と病気の時との

子どもに向ける関心の差が大きければ、

子どもにとって「病気になること」が

それだけ価値あること

感じられやすくなります。

 

子どもは、

親が病気に対して敏感に関心を示せば、

実際の症状よりも苦しく見せたりして、

より親の関心を引き出そうと

することもあります。

 

実際には病気でなくても、

せき込むなどして

病気の兆候を示したり、

疲れが抜けないとか、

食欲がないなどと示したりして、

親の関心を得ようとすることさえあります。

 

さらには、

親が子どもを心配して

示した関心が少なく不満であれば、

子どもは親に不平を言ったり

乱暴になったりする傾向を

持つこともあります。

 

変な感じですが、

子どもが、自分自身の健康を盾にして、

親にもっと関心を示すように

要求するようなことです。

 

言う通りにしないと、病気になるぞ

みたいな感じです。

 

もし親が、

こうした要求にこたえる親であれば、

それは交渉によって

親の関心を勝ち取ったこととなり、

生涯にわたってこの体験を

成功」として記憶することに

なることもあります。

 

そうなるとその子どもは、

課題の困難に直面すると、

病気になることで親が

解決してくれると信じて、

病気の自分」を演じるなどで利用して

解決を目指す傾向となるかもしれません。

 

■自立へと導くために

アドラーは、

自分が保護されることや、

自分の負担が軽減されることを

要求するような場合には、

外の状況との接触が不足している、

と指摘しています。

 

つまり、

病気を盾に親の関心を

さらに引き出そうとする子どもは、

「親と子ども」以外の対人関係への

接触が不足しているのです。

 

もし、

もっと関心を向けて欲しいと

子どもが求めてきた場合には、

親以外の誰かとの対人関係に

触れる機会を子どもが持てるように

してあげることで、

改善が期待できるわけです。

 

また、

これ以外にも甘やかすことに

ならないように接する方法としては、

課題の分離」が有効です。

 

子どもの課題を

親が肩代わりしたら、

それは甘やかしです。

 

そこで子どもの課題を

子どもの課題」として、

親の課題を「親の課題」として

それぞれ適切に分けて扱うことです。

 

そうすることで

「課題の肩代わり」を

回避することができ、

子どもを自立へと導けます。

 

しかし、

ただ子どもに

「あなたの課題だから頑張って」と

伝えるだけでは、

子どもは一人で課題に立ち向かうことに

大きな負担を感じるかもしれません。

 

だから、

一人にさせないように

勇気づけ」をすることも効果的です。

 

「勇気づけ」とは、

課題の困難に立ち向かう心の活力が

高まるようなはたらきかけ、のことです。

 

課題の分離はするけれど、

子どもが課題と向き合うことについて

話を聞いてあげたり、

進捗を一緒に確認したりすることも

勇気づけになります。

 

子どもが気持ちを話したときに、

それをそのまま肯定的に聞くだけでも

十分に勇気づけとなります。

 

子どもは勇気を使えれば、

自分の課題の困難に立ち向かい、

そこで自力での解決ができれば、

自分には能力がある感覚

感じられることでしょう。

 

さらに

「他者への関心」も養うような

はたらきかけを続けることで、

子どもは共同体感覚を高める機会

持つことでしょう。

 

実際に高めることができたときは、

しあわせ」の感覚を感じられます。

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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