課題の分離とは

課題を
その課題の結末の影響を
最も受ける人のもの、として
その所有者を明らかにすることです。



課題の分離をされると
「自分のことは自分でやれ」と
冷たく感じることがあります。

それは、相手から
課題の分離自体を目標として
働きかけられたからです。

関係が分断された感じは、
分断自体が目標だったからです。



課題の分離を
「相手より自分優先」として
自分の利益だけを求める
使い方をすると
冷たくなります。

逆に
「自分より相手優先」として
自分と相手の共同体の利益を
求める使い方をすると
あたたかく感じます。



私が子供の頃に
なりたい職業を親に言うと
決まって「それは無理」とか
「それはダメ」と否定されました。

じゃ、何なら良いのか?と
訊いてみると
決まってこう答えます。

「それは自分で
考えることですよ」

おそらくこんなやりとりは
幼稚園の頃から10年以上は
したと思います。

すでに考えて、
その考えた末に言ってるのに
さらに考えろ、と言う。

親は決して
「私にはわからない」とは
言いません。

わかるけど、言わない、と
言い続けてました。

親に逃げられてるようで
親が自分の利益しか考えてないようで、
遠ざけられたような
悲しみばかりが深まっていきました。



また一方で、
私が高校生の頃。

ある日、立ち寄った書店で
占い体験をやってました。

その体験に参加して
占ってもらいました。

その中で
「将来はどんな職業になりたいの?」と
訊かれました。

否定される体験が豊富なので
身構えてしまいましたが、
この人の訊き方が親と違うので
言ってみました。

「○○になってみたいと思ってます」

すると占いの人は
こんな返事をくれました。

「○○って険しい道だね。
でも、できたらすごいね。
占いでは○○は
あなたの天職ではないみたいだけど
やりたいことできたらいいですね。」

なんだか
「あなたの課題だから
やるもやらないも、
あなたが決めたらいいですね」と
やさしく言われたようで、
うれしかったです。

もっとも占い体験なので
不愉快になるようなことを
言うはずがないのですが、
こんな感じに肯定された体験が
皆無な私は、とても勇気づけられました。



課題の分離は
共同体感覚を
高めることを目標として
使うことで、
その本来の力を発揮します。

自分だけの利益を
他人の犠牲があってでも
得ようとする使い方は
共同体感覚を高めてくれません。

共同体感覚が
高まらないので
感じるしあわせは増えません。

感じるしあわせを
増やすなら、
課題の分離は温まる方法で
使いたいですね。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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