今日は、

過剰に甘やかす親が

子どもに植え付ける考え

について書きました。

 

甘えることが「よいこと」

となることや、

引きこもりに至るまでの経緯、

そして、親の注目を得る段階を

5段階で説明しています。

 

目次

・親の注目の中心に立つことがすべて、という考え

・共依存、引きこもりに至るまでの経緯

・親の注目の中心に立つ方法5段階

 

■親の注目の中心に立つことがすべて、という考え

アルフレッド・アドラーは、

息子を過剰に甘やかす母親は、

息子にただ自分のために、

自ら協力することなく、

いつも注目の中心に立たねばならない

との考えを植え付ける、と指摘しています。

 

アドラーは”息子”と”母親”としていますが、

現代であれば”子ども”と”親”として

捉えてもよいでしょう。

 

過剰に甘やかす、とは、

子どもの課題を親が解決することが

日常的になっている状況のことです。

 

課題に直面すると子どもは、

自分はどうすればよいのかを

親に決めてもらおうとします。

 

親はそれに対して

〇〇してみなさい」みたいに

解決の方法を授けます。

 

子どもは授けられた解決の方法に

従って解決を試みます。

 

そこで解決できなければ

子どもは親に再び

自分はどうすればよいのかを

親に決めてもらおうとします。

 

それにも親は応じて、

解決の方法を授けます。

 

そうしたやりとりが、

課題が解決されるまで

繰り返されるのです。

 

こんなやりとりを

繰り返せば繰り返すほどに

子どもは親への依存を深めます。

 

親への依存が深まると同時に

親の注目の中心に立ってさえいれば

自分は課題に直面しても解決できる

との誤った考えも深めていくのです。

 

1度や2度で終わらず、

甘やかすことが常態化しているために、

子どもは課題に対して

親に依存する以外の解決方法について

学ぶ機会を持とうとしないのです。

 

それよりも確実に解決できる方法として、

親に決めてもらうことばかりを考えます。

 

そしてそれを実現させるためには

親の注目の中心に自分が経ち続けること

重要であると考えるわけです。

 

それで「うまくいった」との

成功体験を重ねると、

親の注目の中心に立つことや

親に決めてもらうことが

よいこと」であるとの価値観が

ぐんぐん育っていくのです。

 

■共依存、引きこもりに至るまでの経緯

親はそんな子どもに対して

一方的に要求をつきつけます。

 

〇〇しなさい」とか

〇〇をやめなさい」みたいに、

自分に従わせようとするのです。

 

親は子どもが自分に依存している、

すなわち、

自分なしに生きてはいけない状況

であることに優越感を感じます。

 

その優越感は、

子どもが自分に従った、

すなわち、

自分が子どもを支配できている感を

得られたとき、

さらには従ったからこそ

子どもが課題の解決ができたと

確信したときに、感じられるのです。

 

そんな親は、

子どもが自立しようとすると

劣等感を感じるために、

親が自分自身にしか関心がない人であれば

その自立を妨げる活動をしたくなります。

 

子どもが従わないときには

お前を注目の中心から外しますよ?」と

ちょっと示せば、

または他の子を注目の中心にしようとすれば、

その子どもを簡単に支配できてしまいます。

 

子どもは課題の解決を

全面的に親に依存しているために、

親の注目の中心から自分が外されることが

死活問題になるからです。

 

そうして共依存関係となってしまうのです。

 

子どもが幼い頃は問題を感じなくても、

成長するにつれて

親は子どもの課題を解決することが

できなくなっていきます。

 

それは人生の課題を見れば明らかです。

 

交友の課題として、

どうすれば友人ができるか、とか、

友人とはどんな関係の人なのか、とか、

友人とは何をすれば関係がよくなるのか、

などが課題としてあがってくるでしょう。

 

仕事の課題として、

子どもは何を仕事とするのか、とか、

仕事の成果を実現させるにはどうするのか、

とか、

仕事関係の人たちとの関係は

どんな関係にするのが最適なのか、

などが課題としてあがってくるでしょう。

 

愛と結婚の課題として、

誰と交際するのか、とか、

交際とは具体的に何をすることなのか、とか、

誰と結婚するのか、とか、

結婚とは具体的に何をすることなのか、

などが課題としてあがってくるでしょう。

 

いずれの課題についても、

課題の所有者本人である

子どもの目的によって

どうするのかが決まるものばかりです。

 

どうするのかを親が決めてみても

ほとんど解決はできないでしょう。

 

それは、

解決には子ども自身の自立が必要なのに

親に依存し続けるためです。

 

子どもは親の言った通りにしてみても

解決できないために、

どんどんつらくなってしまいます。

 

子どもはそれが

まさか自分に責任があるとは

なかなか考えられません。

 

親や関係する相手に

責任があるとするのです。

 

そうして関係する相手に対して

疑い深くなり、

結局「関係を持たないことが最善

との結論に至って、

引きこもることになってしまうのです。

 

■親の注目の中心に立つ方法5段階

子どもは

何もしなかったわけではありません。

 

自分なりに

親が甘やかすことについて

抵抗したのです。

 

でも、抵抗してみても、

自分で課題を簡単には解決できないため、

最初は勇気を使って困難に立ち向かっても

自分には無理だ」として

諦めてしまうのです。

 

それは当然といえば当然です。

 

その困難に立ち向かう力を

筋肉に例えるなら、

鍛えていない筋肉で

いきなり重たい物を

持とうとするようなものであり、

頑張ろうとしても力が続かず

簡単に力尽きてしまうのです。

 

親が適切な教育により

子どもの困難に立ち向かう力を

養うように接していれば、

子どもはその力を使って

自力で課題を解決していけるように

なるでしょう。

 

しかしその力を養うことを

一人でやろうとするのは、まず無理です。

 

そうして結局、

親に甘えることが最善だと

思うようになるのです。

 

そんな子どもは

親の注目の中心に立つ技

磨きをかけていくことになります。

 

アドラーは、

その方法は5段階あるとしています。

 

①好評価されようとする

自ら親によい評価を

してもらえるよう活動します。

例えば、

「私〇〇できたよ。ねえ、私すごいでしょ?」

と親に好評価を求めるような感じです。

 

②目立とうとする

好評価されようとしてされず、

親の注目の中心に立てなかったときは、

目立つことで親の注目の中心に立とうとします。

 

家族の中で何か目立つことをすることです。

能動的な方法では、奇声をあげたり、

大げさな身振り手振りをしたり、

踊りや楽器演奏など目立つもので

親が気に入るようなものについて

上達しようとしたりします。

 

受動的な方法では、

体調不良や不安を誇張して訴えたり、

実際に病気やケガをすることで

親の注意をひこうとします。

 

このあたりから神経症的な

行為になってきます。

 

③権力争いを仕掛ける

目立つことで親の注目の中心に

立つことができなかったときには、

親に権力争いを仕掛けます。

 

権力争いとは「どっちが上か」を

親と競争することです。

親を敗北させることで

親の注目の中心に立とうとするのです。

 

強さでの競争では、

口喧嘩を仕掛けたり、

暴力的な行為をしたりします。

 

弱さでの競争では、

口喧嘩で親に負けることや、

暴力的な行為で親に負けることを取り上げて、

「自分が正しいから負けているのだ」

などと自分の勝利を示したりします。

 

④嫌がらせる

権力争いでも親の注目の中心に立てないと

親が嫌がることを進んでするようになります。

 

親の大切な物や価値観に傷をつけたりします。

 

⑤自分の無能を示す

親に嫌がらせをしても

親の注目の中心に立てないときは、

自分の無能を示して、

親の注目の中心に立とうとします。

 

子どもの自分は何をやってもダメだから

親のあなたが面倒みなければ

自分はもっとダメになってしまいますよ、

みたいに無能を示して

親の注目の中心に立とうとします。

 

ここまでくると

こんがらがった糸が

さらにこんがらがって

本人も自分が何をしたいのかが

見えなくなってしまっていたりします。

 

③までなら、

過剰に甘やかしていた親が

他者への関心」を養い、

さらに子どもに適切な教育をすることで

状況は改善していきます。

 

しかし、

④以上になると

親だけでの改善は困難であり、

専門家の手を借りなければ

改善が見込めない状況になります。

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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