美徳の承認その40/52
【名誉:Honor】

名誉とは

名誉とは
清々しく堂々と生きる力です。

自分が恥ずかしいと思うことをせず
誇れる自分で生きる力です。

名誉とは
美徳の力を実践する生き方を
する力です。

名誉の力は
あなたも私も
誰もが持っている力です。

自分を恥じに思う人は
名誉を持っていないのではなく
使っていないだけです。

名誉は
あらゆる人が
生まれながらに持っていて
いつでも使うことができる力です。


■言行一致

名誉を使うときは
現行一致が現象します。

つまり、
言った通りに行動する
有言実行の人になります。

できないことは約束しませんが
できる約束をしたら
必ず守ります。

できる約束と思って結んだあとに
取り組んでみて勘違いや
思い違いをしていたとわかったときは
すぐに相手に相談します。

できない約束は
できる内容に調整できないか
相手に相談して、
調整できたら約束を結び、
調整できないなら
約束は結びません。


■高潔に生きる

名誉を使って生きる人は
高潔です。

それはつまり
「相手より自分優先」ではなく
「自分より相手優先」に生きる
ということです。

そして
「自分より相手優先」とは
仏教の五戒を参考にすると
わかりやすくなります。

五戒とは
仏教の教えで、
出家しない人向けに作られた
「これを守るとしあわせになれますよ」
という約束事です。

その五戒とは、次の5つです。
①不殺生戒(ふせっしょうかい)
②不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
③不邪淫戒(ふじゃいんかい)
④不妄語戒(ふもうごかい)
⑤不飲酒戒(ふおんじゅかい)

以下に簡単に解説しますが、
お読みいただくとわかる通り
「そんなの当然じゃない?」と
思うことばかりです。

知る、思う、は簡単ですが
実践し続けることは
ときに困難を感じます。


■五戒にまなぶ

①不殺生戒(ふせっしょうかい)
「ころさず」という意味です。

殺すとは、
命を奪うだけでなく
機会を奪うことも
含まれます。

他人を悪く言って
共同体の中での居心地を
悪くさせようとすることは
相手を殺そうとしています。

相手を孤立に追い込むことは
アドラーは「孤立とは社会的な死だ」と
言っている通り、
相手を「社会的な死」へと追い込む行為、
つまり相手を殺すことになります。

「相手より自分優先」な人は
相手を「ころす」と
自分の生存可能性が増えるように
感じたりしますが、

そうして「ころす」を続けていくと
最後には自分一人になってしまいます。

「ころす」をすることは
相手ばかりでなく自分も
「ころす」ことになります。

「自分より相手優先」になると
「いかす」になります。

相手を「いかす」人は
自分をも「いかす」ことになります。

②不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
「ぬすまず」という意味です。

相手の物だけでなく
時間も盗むことができます。

待ち合わせの約束に
無断で遅れるだけで
相手の時間を盗めます。

盗む人の近くにいると
誰でも安心できません。

盗む人も
盗んだ責任を問われることに
怖れ続ける日々を送ります。

盗む人は孤立に進みます。
これも自分を社会的な死へと
追いやる行為です。

名誉を使うと
「ぬすむ」ではなく
「あたえる」になります。

物ばかりでなく
時間を与える、
例えば手伝ってあげたり
情報提供したり
きっかけを作ってみたりすることが
できます。

③不邪淫戒(ふじゃいんかい)
「みだれる」という意味です。

性欲に代表される
欲に溺れることです。

自分の欲を満たすことばかり
優先する人は
「相手より自分優先」な人です。

そんな人と一緒にいたら
自分がその人の欲を満たす道具に
させられそうで緊張が解けません。

名誉を使えば
「みだれる」は
「律する」とか「制御する」に
なります。

欲を欲と認識できれば
欲の衝動のままに行動せず
欲を認識した上で
今この場ではどんな行動が
「自分より相手優先」になるかを
穏やかに選ぶことができます。

④不妄語戒(ふもうごかい)
「だます」という意味です。

相手を騙して
自分の利益をあげると
相手は損しますが
自分は得します。

「相手より自分優先な人」は
自分の利益のために
相手を騙したり
相手を煙に巻いて混乱させたりします。

騙された人が悪い、
混乱したあなたが悪い、と
善悪で決着させようとします。

そんな「だます」をする人と
一緒にいたら安心できません。

名誉を使えば
「自分より相手優先」になるので
「だます」は
「誠実」になります。

「誠実」になると
事実は事実として
自分の損得ではなく伝えるので
相手の役に立ちます。

そんな「誠実」な人は
一緒にいると安心できます。

⑤不飲酒戒(ふおんじゅかい)
「おぼれる」という意味です。

お酒や薬に溺れると
依存症になります。

依存症の人は
お酒を飲むことや
薬を摂取することが
目的となり、

そのためには
何でもやろうとしたりします。

その行為は
「相手より自分優先」です。

「相手より自分優先」になるので
相手を「ころす」も
「ぬすむ」も「みだれる」も
「だます」も
使える手段はすべて使います。

「おぼれる」人と一緒にいると
安心できません。

名誉を使うと
「おぼれる」は
「制する」になります。

お酒や薬など
酔って正気を保てなくなるようなものは
溺れずに制します。

自分の支配下に置くので
お酒でも薬でも
正気を保てる範囲で
終わらることができます。

ワーカホリックの人なら
仕事しすぎて家族や友人を
見捨てるところまでせずに、

家族や友人との関係が
良好を保てる範囲で仕事をします。

名誉を使うと
清々しく
堂々と生きることが
できます。


お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。



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「五戒」を日常に活かす③~不邪淫戒(ふじゃいんかい)
「五戒」を日常に活かす④~不妄語戒(ふもうごかい)
「五戒」を日常に活かす⑤~不飲酒戒(ふおんじゅかい)