■ウソがない人はしあわせ増えやすい

仏教には「五戒」という
在家の(出家しない)人向けに
「守るとしあわせになりますよ」
との約束事があります。

五戒だけに5つありますが
今回はその4「不妄語戒」

「ふもうごかい」と読み、
ウソをつかない、
偽らない、
という意味です。


■妄語とは

妄語は
刑法に触れるような
詐欺行為などはもちろんですが、
触れずともウソをつくこと
だけではありません。

「相手より自分優先」な言動
をすると妄語になりがちです。

例えば
「わからないことがあったら
私に何でも訊いてね」と
事前に伝えたのに、

実際に訊かれたら
「そんなこと私に訊かないでよ」
と断ったり。

例えば
「すぐやっておきます」と
自らの意思で伝えたのに
その後何もしなかったり。

意図的にやらないのは
ウソついてることになりますが
単に忘れてしまっても
それはウソついたのと同じです。

例えば
「調べておきますね」と
請け負っておいて
いつまでも調べていなかったり。

「調べてくれましたか?」と
訊かれて
「いつまでに調べるとは
言っていませんよ」などと
自分の都合優先にすると
妄語になるかもしれません。

相手の人のよさに
つけこむような言動も
妄語になるかもしれません。

また、希望的観測や憶測を
事実として伝えることも
妄語になります。

例えば
「男は皆、野蛮なんだよ」
「女は皆、二枚舌なんだよ」
「若い人は他人の話を聞かないよ」
「老人は役に立たないよ」
みたいに。

自分がそう思うのは自由ですが
事実でないことを
事実として相手に伝えることは
ウソになります。

例えそう言ってなくとも故意に
事実に聞こえるような、
相手が事実と勘違いして
しまうような言い方をすることも
妄語に入ります。


■妄語しないなら、何をするのか

「自分より相手優先」
の姿勢で話すと
自然と妄語には
なりにくくなります。

自分が伝えたいことを
伝えることは自然ですが
その「伝えること」の目的を
「相手の理解」に置くことで
対等なやりとりとなります。

その場合に役立つのは
「事実」なのか
「自分が信じていること」なのかを
区別して話すことです。

信用のある情報を得た場合や
実際に自分が居合わせて
体験した場合などは「事実」です。

「事実」は知った経緯も
合わせて話すと伝わりやすくなります。

「自分が信じていること」は
「私は〇〇と思ってる」など
自分がそう信じていることだと
わかるように伝えることです。

「私は、男は皆、野蛮だと思ってる」と
伝えれば、他の人はわからないけど
自分はそう思ってると
伝わりやすくなります。

例えば
「みんな、あなたのことを悪く思ってる」
と伝えるのは妄語です。

一方で
「私は、みんな、あなたのことを
悪く思ってるように、見える」と伝えるのは
「自分が信じていること」を
伝えていることが
わかりやすい伝え方です。


■相手を大切にする

「相手より自分優先」では
一時的なしあわせを感じても
感じるしあわせは
増えていきません。

わざと妄語を使って
相手に嫌な思いをさせるなどの
不利益を生じさせようとしたら
それは自分の心を汚してしまいます。

自分の利益を大切にしてくれる人は
自分の大切な人です。

お互いがお互いの利益を
大切にする関係は
信頼関係が高まります。

そんな状況は
共同体感覚が高まりやすいので
感じるしあわせも増えます。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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