前回、日本にトリプタン製剤が2000年に片頭痛治療の世界に導入され、2005年に「慢性頭痛診療のガイドライン」が作成された段階では、こうしたMBT療法という素晴らしい治療手段が既に存在していながら一切記載されることなく無視されてきた事実を私達は冷静に見つめ直さなくてはなりません。なぜ、無視されたのでしょうか? と述べました。
今回は、この続きです。
西洋医学で病気が治らない理由
西洋医学のスタート、それは「資本主義」のスタートと ほとんど同じなのです。
西洋医学は「資本家がお金を儲ける為に作られた」というのが真相です。
これは殆ど知られていない、重要な事実ですので詳しく説明します。
今世界で主流となっている西洋医学のスタート、 これは20世紀初頭のアメリカです。
あなたも映画等で見たことがありませんか?
田舎から出てきた人達が都会の工場で一日15時間の肉体労働、 車を作ったり鉱山で働いたり、ボロボロになるまで働き続ける、その犠牲の上に大金持ちが立派な服を着て、大きな家に住み、おいしい物を食べる、そういうことが露骨に行われた時代です。
この時代、お金持ちにとって労働者は「部品」でしかなかったのですが、 お金持ち達には困ったことがあったのです。
それは 過酷な労働のせいで労働者が身体を壊してしまう事です。
最初の頃は「代わりはいくらでもいるから壊れたら次連れてこい」くらいの気持ちだったお金持ちですが、新しい人を雇うとまた0から仕事を教えないといけない、儲からない仕事が増えているということに気が付きました。
これでは逆に儲けが減ってしまう、なんとか出来ないか、そう思った彼らが考えたのが、恐ろしい事なのですが「完全に駄目になるまでは無理やり働かせろ!」
「痛くて働けないなら無理やり痛みをとってしまえ!」この結論です。
割れたお皿を買い換えるとお金が掛かるから接着剤でくっつけよう、また壊れたらもう一回接着剤、完全に粉々になって 使えなくなったらじゃあしょうがないから新しいのを買おう、これと全く同じ考え方で、労働者をできる限り安く、 最大限に働かせたい!そういう欲求です。
ですから 治すなんてまどろっこしい事には興味がありません 。
如何に素早く、壊れた労働者というパーツを素早く 労働力として復活させるのか、興味のポイントはそこだけです。
そして、そんなお金持ち達の希望を叶える為に発達した技術、 それが日本中の医者が大学で学ぶ医学、つまり『現代西洋医学』なのです。
既に100年以上現代西洋医学の誕生から時間がたっていますが、状況は当時から全く変わっていません。
私たちは身体に悪い物を『早くて楽だから』という理由で 毎日のように食べています。
しかも大きなストレスを抱えながらやりたくない仕事をお金の為に続け、どんどん身体を悪くしています。
そして病気になったら医者と薬です、それが『常識』だからです。
生きる為にお金持ちがもっとお金を稼ぐ為に働く、身体を悪くなったら 薬で症状を誤魔化してすぐに仕事に戻る、100年前と何も変わっていないどころか、悪くなっているかもしれません。100年です。
当時と比べれば技術も知識もありえないくらい 発達しているはずです。
なぜこれだけの時間が経ったのに、西洋医学はスタートした時と同様に私たちの身体を 『治す』事ができない のでしょうか?
いくらスタートが悪かったとはいえ、一生懸命研究を続ける人達は大勢いますし、日々新しい発見がされています。
善意で動く医者もたくさんいるはずなのに、どうして私たちは今でも薬を飲み、対症療法の治療を受け続けているのでしょうか?
最初に、説明した通り、西洋医学は労働者を限界まで働かせる為にスタート したのですが、当時のお金持ちは物凄い事に気付いてしまいました。
それは、『病気を治す振りをすればずっとお金が入ってくる』という事です。
考えてみれば当たり前ですが、バシっと病気を治してしまえばそこで患者さんは満足してしまいます。
でも病気の原因は取り除かず痛みだけを取れば、その場では治ったように感じても、また痛くなり戻ってきます。
麻薬と一緒です。
使ったその瞬間は気持ちが良くても、長期的には どんどん身体が壊れていきます。
ですがお金儲けをする側からすれば壊れてくれるなら まさに『儲けモノ』なのです。
だって問題が増えれば増えるほど出せる薬が増え、 もっともっとお金が入ってくるのですから。病気を予防することなど全く、頭にはなく眼中にはありません。論外です。
労働者を働かせる為に利用した手法が『医療』の名の下に 合法的な麻薬として成立してしまったのです。
結果、大きな利益を生み出す『現代西洋医学』は 優先的に研究費が周り、国から優遇され、世界の医学の中心となりました。
私達の身体は私達の『自然治癒力』でしか治りません。
19 世紀の半ばまでは、西洋では5つの伝統医療流派が共存していました。
それは以下のようなものです。
1. 自然療法(ナチュロパシー):食事療法を中心とする。
自然に近づくほど病気は治るという真理に基づく
2.心理療法(サイコセラピー):心を癒やすことで病気を改善していく、暗示、瞑想、呼吸、イメージ療法など。
3.整体療法(オステオパシー):体の歪みを正して、病気を治す。
整体、指圧、マッサージ、カイロプラクテイックス等。
4.同種療法(ホメオパシー):自然治癒力を活かす。
草根木皮や薬石などで治癒を促進する。西洋の漢方の相当。
5.薬物療法(アロパシー):薬物に対する生体反応を利用する。
本来の治癒反応である「症状」を抑える対処療法(逆症療法)である。
伝統医療流派のなかの1~4は、自然治癒力を基本とした医療です。
5の薬物療法だけが自然治癒力を阻害する療法です。
現代医学は、薬物療法が主流とされ、1~4は、自然治癒力を根本とした医療は代替医療と蔑まれ、すべてまやかしとされています。これが現代社会では通念とされています。
これは、現代社会は製薬業界に支配されているため、このようになっているだけのことです。製薬業界の利潤追求が最優先され、私達の健康は二の次に考えられているために、このようになっています。
このような現代医学に至ったのは、”近代医学”まで歴史を遡る必要があります。
この点の詳細は巻末の記事をご覧下さい。
病気を治すのは自然治癒力
古代ギリシアの医聖・ヒポクラテスは「人間は生まれながらに体内に 100 人の名医をもっている」と言いました。この 100 人の名医とは、自然治癒力のことです。
つまり、人間だけではなく生命体にはすべて自らの身体を治す力が備わっています。
あらゆる生命は、自らを「正常な状態」に近付ける能力を備えています。
これをホメオスターシス(生体恒常性維持機能)換言すれば「自然治癒力」と呼びます。
単細胞から多細胞の高等動物まで、すべての生命体に、この機能は備わっています。
ところが、なんと近代医学では、このホメオスターシスを、まったく考えていません。 それどころか自然治癒力の存在すら、医学生に教えないのです。
ですから医師は、この生命の根本原理すら知りません。生命の真理にまったく無知な方々が、患者の生命を預かっています。“彼ら”に、病気が治せるわけがありません。
そして近代医療を支配してきた薬物療法は、この自然治癒力を妨害・阻止する作用しかありません。
大学医学部等の医学教育では、この自然治癒力を教える講座は1時間もありません。
ということは自然治癒力をまったく考えることはありません。
このように医学の世界から「自然治癒力」という概念がいつからなくなったのでしょうか?
この「自然治癒力」を否定した人物の名は、ルドルフ・ウイルヒョウ(1821~1902)。
彼は、別名「病理学の法王」と呼ばれ、ベルリン大学の学長まで歴任し、政治家でもあり、ドイツ生理学、医学の頂点に君臨した人物です。
近代医学は、ドイツ医学を祖とし、そのドンこそがウイルヒョウでした。その地位は、神の座と言っても良く、当時ドイツの病理学会では、誰1人、彼に反駁、反論できる者はいませんでした。現在の医師で、ウイルヒョウの名を知らぬ者は皆無とされる程有名です。
当時、欧州の生理学・医学界では、1つの議論が白熱していました。
それは「生命とはいったい何であるか?」という根本的な論争です。
それまで、伝統的医学界では、こう考えられていました。
「生命とは、化学、物理学などで解明できない神秘的な力(生気)によって、営まれている」これを「生気論」と呼びます。古代ギリシアの医聖・ヒポクラテスなど、それまでの医学は、この「生気論」の立場に立っていました。
それに真っ向から異を唱えたのがウイルヒョウたちでした。彼等は、当時、台頭してきた産業革命などに力を得て、「生気論」を迷信に過ぎない、と嘲笑したのです。彼等は「生物も機械のように物体に過ぎない」と断定しました。これを「機械論」と言います。
更に、彼等は「生気論者」に論争を挑んだのです。「化学、物理学で説明できない”生気”なるものが存在するなら、科学的に説明してみせよ」と・・
まさに、これは無理難題の極致・・。
「”科学”で証明できないものが存在する」と主張する「生気論者」に、それを科学で証明せよ、と迫ったのです。そうして、返答に窮する「生気論者」を「それみたことか」と嘲(あざけ)り、一方的に勝利宣言したのです。更に、こう宣言しました。「単なる物体の生命に、自然に治る神秘的な力など存在しない」「病気や怪我を治すのは、我々医者であり、医薬であり、医術だ!」なんという傲慢、なんという誤謬・・・。ウイルヒョウは勝利に酔いしれ、勢い余って「自然治癒力」まで否定してしまう大失態を犯したのです。
以来、近代ドイツ医学では、ウイルヒョウによって、一般的には「病気」とは病理解剖学的所見があるものを指すことになっています。
と同時に、「自然治癒力」という概念そのものは近代医学では、消えてなくなってしまいました。
ですから、以後、大多数の医師は、このホメオスターシスを、まったく考えていません。
それどころか自然治癒力の存在すら知りません。このため医師は、この生命の根本原理すら知りません。
生命の真理にまったく無知な方々が、患者の生命を預かっています。
自然治癒力とは・・・
片頭痛を考える際に重要なことは、慢性片頭痛に至っていない初期の段階では、発作時にトリプタン製剤を服用しなくても、発作期間中に我慢に我慢して、永くても3日間耐え忍ぶことで、また元通りの健康状態に回復してくることです。群発頭痛でも同様です。
なぜ、酷い発作で苦しめられながらもとの健康状態になってくるのでしょうか。
さらに、この発作の期間も短くて4時間、永くて3日間と「国際頭痛分類 第3版β版」では、定義されていますが、どうしてこのように発作期間に差が診られるのでしょうか。
これは、人間本来に備わっている「自然治癒力」のおかげです。そして、発作期間に差がみられるのは、個々の患者さんによって、あるいは発作時の体調によって、自然治癒力の程度に差異があるためです。これが、片頭痛治療を考える上でヒントになります。
一般的には、片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。
自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」により治癒したものです。
「ホメオスターシスの三角形」を構成する”セロトニン神経系””生理活性物質””腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態(発作がいつまでも繰り返される)が持続することになります。
すなわち、脳内セロトニンの低下を引き起こす生活習慣があったり、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活があったり、腸内環境を悪化させる要因が持続するような生活習慣が継続していることを意味しています。
「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続された状態に、さらに「ミトコンドリアの弱体化」、「脳内セロトニンの枯渇」、生理活性物質の問題(必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活の常習化)によって「ホメオスターシスの三角形」のバランスが崩壊することによって、さらに「体の歪み(ストレートネック)」等々の慢性化の要因が加わることによって、自然治癒力が失われた状況に至って、2~3割の方々が慢性化に至ってきます。これが慢性片頭痛の本態です。
ホメオスターシス、自然治癒力の法則
先程述べましたように、19世紀、近代医学においては、「病理学の法王」と呼ばれるルドルフ・ウイルヒョウによって、「生気論」と「機械論」の論争で、「生命とは、化学、物理学などで解明できない神秘的な力(生気)によって、営まれている」という「生気論」は否定されると同時に、「自然治癒力」まで否定されることになりました。
これに対して、クロード・ベルナールは、この当時、否定されていた「生気論」にゆかりの深い19世紀のフランスの医師・生理学者で、「生命!、それは創造である」、という一節で、良く知られています。彼の著書「実験医学研究序説」は、近代医学における実験の必要性と正当性を説いた古典として有名です。さらに「内部環境の固定性」と言う考え方を提唱しました。この考え方は後に米国の生理学者・ウォルター・B・キャノンによって「ホメオスターシス」という概念に発展しました。
ウォルター・ブラッドフォード・キャノン(Walter Bradford Cannon,1871 - 1945)は、アメリカの生理学者で、1906年からハーバード大学医学部の教授を務めました。
簡単に述べれば、人体は温度が高くなると身体の表面に近い部分の血管をひらいて体内に発生する熱を発散し、更には汗を出して気化熱で温度調節をします。
また、逆に寒いときには血管を収縮させて熱の発散を防ぎます。
同じように、酸、血圧、血糖、電解質、エネルギー、ホルモン、酸素、蛋白質、など生存に不可欠の要素に対しても、体内、体外の変化に反応して調節機能が働き、正常値を保とうとします。
このようにホメオスターシスとは、外部の環境変化に対して、自ら体内の内部環境を、生存に適するように調節することを言います。即ち身体の恒常性を維持することです。
体温や血糖値の正常範囲外への逸脱は、生体恒常性の異常すなわち病気を意味します。
また「自然治癒力」は生体恒常性の表われと解釈されます。
このように、ハーバード大学教授、ウォルター・B・キャノンによって、「ホメオスターシス」(自然治癒力)と命名された法則です。
ところが、ロバート・メンデルソンは、医師が、「現代医学以外の治療や患者自身の自然治癒力を生かせば効果があるかもしれない」と言ってしまえば、患者に対する威厳・統制力を失うことになります。ですから、医師としてはそんなことは言えません。このため、医師は自然治癒力を認めようとしません。このように述べています。
このようにして、臨床医学では「自然治癒力」という概念は取り入れられることはありませんでした。あくまでも「生理学」領域の”概念”でしかありませんでした。
このため、西洋医学を基盤とする現代臨床頭痛学には「自然治癒力」という概念はまったく存在せず、あるのは「薬物療法」だけしかないことになっています。
改めて、私達の身体は私達の『自然治癒力』でしか治りません。
これまで「頭痛治療」では、頭痛があれば、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は片頭痛の”特効薬”とされてきました。このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
すなわち、慢性頭痛治療の場面では、各種の諸々の薬剤によって、ただ単に”頭痛という痛み”を鎮めることしか考えず、痛みさえとれれば、これで万事OK!「よし」、”一件落着”と安易に・短絡的に考えられてきました。
辛い片頭痛という頭痛発作がトリプタン製剤を服用することによって緩和しさえすれば、これで「片頭痛が治ってしまった」かのごとく思われてきました。
このように、現代臨床頭痛学でも、「自然治癒力」といった観点から論じられることはありません。
このホメオスターシス機能は人が病気になったり、怪我をした時にも発揮されます。
それは、ちょうど振り子が引力で引かれて、正常の位置に戻ろうとする働きと同じです。
この時、真下に引力として働くのが自然治癒力です。
風邪を引いた時を考えると、「病気」が風邪なら、発熱、咳、下痢などは「症状」つまり治癒反応です。
発熱は体温を上げてウイルスなど病原体を殺すためです。更に、免疫力を上げるためです。咳、鼻水、下痢は病原体の毒素を体外に排泄するためです。
これら「症状」の治癒反応のお陰で「病気」の風邪は、治っていくのです。
ところが、西洋医学はこの各々「症状」を「病気」と勘違いする重大ミスを犯しています。そして、発熱には「解熱剤」、咳には「鎮咳剤」、下痢には「下痢止め」の薬物を投与します。まさに、対症療法の滑稽さです。「病気」が治ろうとする「命の振り子」を逆向きに押し返す。ですから逆症療法とも呼ばれます。
治癒反応を薬で止められた「振り子」は、傾いたまま固定されます。
すると「病気」も固定され、慢性化し、悪化していきます。
現代医学が慢性疾患に無力で、悪化させるのみなのは、この致命的過ちの結果です。
自然治癒力を構成する3つの柱
自然治癒力を構成する3つの柱として、自律神経系、内分泌系、免疫系があります。
自律神経系には、セロトニン神経系が、内分泌系として、生理活性物質が、免疫系には、腸内環境が関与しています。
自然治癒力の柱となるものは、セロトニン神経系、生理活性物質、腸内環境の3つです。
そして、この根本を支えるのがミトコンドリアの働きであることを忘れてはなりません。
セロトニン神経系はミトコンドリアと連動し、自律神経を調節しています。
自律神経系には、交感神経・副交感神経系・セロトニン神経系が、生理活性物質には ①炎症を悪くする、②その炎症を調整する、③それらの働きを抑制するものの3つで制御され、腸内環境は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つでバランスをとっています。
このように自然治癒力を構成する3つの柱となるものは、それぞれ3つによって制御されています。このように、自然治癒力は、科学のみで説明できない側面で、制御されているということです。このように多面的・流動的なものであるということです。
ここに神秘性を秘めています。今後、この領域に研究が進められるべきです。
ということは、そんなに単純なものではないということです。
とくに、腸内環境ほど神秘に満ち溢れた世界はありません。
この点は、現代医学でも自然治癒力の観点からほとんど考察されることはありません。
これが、さらに現代医学のアメリカ流西洋医学にも脈々と受け継がれています。
医原病・・慢性片頭痛を量産させるシステム
その前に、健康なのか・病気なのか・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12278978297.html
ここでは、基本的に以下のように考えられています。
西洋医学 健康 ・ 病気
東洋医学 健康 未病 病気
このように、西洋医学では、健康か病気しかなく、東洋医学では、健康と病気の間には未病という領域があります。
健康でもない、謂わば、“半健康・半病気”の状態に身体はあるのです。半健康・半病気の状態を、東洋医学では病気になる一歩手前だとして、「未病(みびょう)」と言っています。
絶対的な健康ではなく、私たちの身体のバランスがどこか歪んでいるのです。
これは「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」を意味しています。
このような”未病”とされる病態は、本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」へと進展するものと東洋医学では考えられています。
西洋医学では、一般的には「病気」とは、その病因を裏付ける病理解剖学的所見があるものを指しています。
このように考えれば、”未病”の段階にある領域は、「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”に根本的な原因があるということを意味しています。
”脳のなかに異常のない頭痛”、「一次性頭痛」(慢性頭痛)は、「国際頭痛分類 第3版β版」の診断基準では、緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛に分類されています。
これらの慢性頭痛とは、頭痛という自覚症状はありますが、CTやMRIなどの画像検査では異常のないものをさしています。脳のなかには異常はありません。
このように本来”定義”されています。
そして、このような脳のなかに異常のない慢性頭痛の原因は、現在では、すべて一切、原因不明であると考えられています。
ところが、世界的名医は、片頭痛のメカニズムが最近の脳の画像診断技術の進歩によってずいぶん分かってきましたとされますが、これらはあくまでも一過性の所見であって、片頭痛の病因を明らかにする病理解剖学的所見ではありません。発作時の、一過性の所見がなぜ出現してくるのかといった、原因論が示されてはいません。こうした一時的な所見を捉えて、あたかも鬼の首を取ったかの如く述べているだけで、原因はなお不明です。
少なくとも、自ら「国際頭痛分類 第3版β版」の定義に違反していることを忘れてはならない点です。
このように、脳のなかに異常のない頭痛・緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛は、頭部のCT・MRIなどの画像検査では何も異常が見当たらず、これはまさに、典型的な”未病”と考えるべき頭痛です。
ということは、”脳のなかに異常のない”「慢性頭痛(一次性頭痛)」は、東洋医学でいう”未病”の段階にあり、すなわち健康と病気の中間に位置しており、この”未病”は本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」としての「慢性緊張型頭痛」・「慢性片頭痛」へと進展するものです。
ということは、慢性頭痛とは”未病”の段階にあり、「健康的な生活」を送ることを阻害する生活習慣に根本的な原因があります。
そして、「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」によって慢性頭痛のなかの”各種の症状・緊張型頭痛、その他の一次性頭痛”が出現し、さらに様々な生活習慣の問題点が加わることによって、”片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)”へと、さらに、難治性の頭痛という”病気”にまで進展していくことになります。
結局、脳のなかに異常のない頭痛、このなかに片頭痛も含まれますが、こうした頭痛がするということは、私達が「不健康的な生活」を送っているという警告信号として、頭痛(症状)を発して、私達に知らせてくれます。謂わば、イエローカードなのです。
ということは、片頭痛は”病気”ではなく、警告症状(イエローカード)なのです。
「健康的な生活を送る」ためには、ミトコンドリア・腸内環境・生理活性物質が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
このなかでもミトコンドリアはその”要(かなめ)”となっています。
しかし、西洋医学では、未病という概念が存在しないため、このようには考えません。
トリプタン製剤が片頭痛治療の世界に導入され、片頭痛の発作期間の3日間の寝込む程の辛い頭痛が劇的に緩和させることができるようになり、片頭痛は「病気」と考えられるようになっているだけのことです。
一般的には、西洋医学では、薬物療法で治療可能なものが、所謂「病気」として扱われており、そのほとんどは対症療法に過ぎないものだからです。
このように、西洋医学の薬の多くは対症療法であり、病気を根本的に治しません。
また対症療法は、自然治癒力を奪うことにも繋がります。
このことは、前回述べたことです。
それは1980年度のことです。この年代に、現在、片頭痛の特効薬とされるトリプタン製剤が開発されました。 この薬剤を一般の患者さんで使う(販売)ためには、まず、この薬剤が片頭痛患者さんに有効なのかどうかを試すための臨床治験が必要になります。
この臨床治験を行う際に、試すべき患者を選別する必要があります。効きそうもない患者さんで、いくら”有効な薬剤”を試しに飲ませても、効かなかったという結果になります。治験そのものが無駄になってしまうため、トリプタン製剤が確実に効く患者さんをあらかじめ治験対象にする必要がありました。この選別の基準のために、症状だけを基にして、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成した”基準”が、現在の「国際頭痛分類」の基になっています。
別の角度からみてみましょう。
片頭痛は西洋医学でいう、”健康”でも”病気”でもありません。
西洋医学でいう病気・疾患単位とは、その病気の原因となる病理解剖学的所見があるものを指しています。この定義からすれば、片頭痛は”病気・疾患単位”ではないということです。
「病気」でもない片頭痛を医師に診断させるために、”ある工夫”(診断基準)”が西洋医学では必要になります。
それは、片頭痛治療の領域にトリプタン製剤が開発された1980年代はじめです。このときに、トリプタン製剤を開発したトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者は、トリプタン製剤を意識的に評価する目的で”一定の基準”を作成しました。
トリプタンが医学的に薬剤として評価されるためには、”一定の基準”に基づいて診断された患者のなかでの治療成績を調べなくてはならないからです。(所謂、治験です)
この「基準」では、片頭痛の患者であっても、さまざまな条件のためにトリプタンの処方に向かない症状を示す場合には、その患者を片頭痛とは診断できないような基準を作ってしまったのです。たとえば、ほぼ毎日のように頭痛が起きる「変容性片頭痛」などは、この基準に従って診断しますと、緊張型頭痛になるように仕組まれています。
このように、片頭痛は”病気”ではなく、”症状・症候群”にすぎないものです。
西洋医学でいう、健康でも病気でもないものを、東洋医学では”未病”といっています。
トリプタン製剤は、片頭痛を持つ”多くの”(すべてではありません)患者さんに対して、非常に効果があります。すなわち、片頭痛の発作期間の3日間の寝込む程の辛い頭痛が劇的に緩和させることができるようになりました。
こうしたことから、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成して、慢性頭痛、とくに片頭痛の診断基準を作成し、片頭痛を厳格に定義することにより、片頭痛を見逃さないようにして、片頭痛を正確に診断して、トリプタン製剤を処方させるようにしました。
これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。
以前述べましたように、片頭痛という概念は、トリプタン製剤が開発された段階で、”症状”の上で厳格に定義された”存在(頭痛)”であることを忘れてはなりません。
単なる”症状群”で規定された頭痛であり、「病気」ではないということです。ここをはき違えてはならない点です。直ぐに、ペテン師たる詐欺師に利用されますので注意を!!
ところが、頭痛領域においては、西洋医学自身が、この片頭痛という「症状」を「病気」と勘違いする重大ミスを犯してしまいました。
本来、片頭痛は東洋医学では、”未病”の領域にあるもので「病気」ではありません。
すなわち、医師は「国際頭痛分類 第3版β版」に基づいて診断した「片頭痛」という”症状”に対して、トリプタン製剤を一律に処方します。
治癒反応である「片頭痛」をこうした薬剤で「ホメオスターシス(自然治癒力)」を一方的に抑え込むことによって、治癒反応が停止・固定され、その結果、「片頭痛」という症状は慢性化し、悪化してきます。これが、片頭痛が慢性化する最大の原因になっています。
つまり、「片頭痛という頭痛」は「慢性頭痛」の治癒反応に過ぎません。
つまり、様々な「片頭痛という症状」は「慢性頭痛」が治ろうとしている「現れ」なのです。「慢性頭痛」が治ろうとする「ホメオスターシス(自然治癒力)」である「命の振り子」を逆向きに押し返すことになります。こういったことから”逆”症療法とも呼ばれます。
このようにして、対症療法は、自然治癒力を奪うことにも繋がります。
以上のように、西洋医学では、現代医学はもとより、とくに現代頭痛学では、「未病」とか「自然治癒力」といった概念がまったく存在しないため、脳のなかに異常のない慢性頭痛が位置している”未病”の領域が「ブラックボックス」となっています。
まさに、暗黒の世界(まさに、宙ぶらりの、皆目見当もつかない領域)になっています。
こうしたことから、現代医学では慢性疾患のほとんどは原因不明とされています。
従来から、現実に片頭痛は、片頭痛という「病気(疾患単位)」なのか疑問に思われる存在で(換言すれば”幻”のようなもので)、このため、原因不明の不思議で・神秘的な遺伝的疾患とされてきました。
ということは、片頭痛は、従来の「疾患単位・病気」でもなく(病理解剖学的所見もなく)、「自然治癒力」といった概念そのものもなく、あくまでも「国際頭痛分類 第3版β版」で厳格に”症状”だけで定義された、謂わば「砂上の楼閣」のような存在でしかありません。
こうしたことから、「国際頭痛分類 第3版β版」で、個々の慢性頭痛を”症状”の上で、厳密に”定義”して区別・分類しているに過ぎないということです。
このように、片頭痛は”疾患単位”ではなく、あくまでも”症状”に過ぎないものです。
このような”未病”の段階(自然治癒力の低下した状態)に、トリプタン製剤といった強力な鎮痛薬を発作時に毎回、服用し続けることは、”さらに”自然治癒力を低下させるだけのことであり、ひたすら慢性片頭痛への道を歩ませているということです。
このようにして、医原病・・慢性片頭痛は量産されています。
このようなことを、専門家はひた隠しに隠しているということです。これを極悪非道人と言わずして、何と表現すればよいのでしょうか??
そして、日本の頭痛研究の指導者は頭痛診療および研究の絶対的な基準として「国際頭痛分類 第3版β版」を据えているため、トリプタン製剤が片頭痛治療の第一選択薬とされ、いくらこれを服用しても幾度も再発を繰り返すことになります。それは、片頭痛という激痛が緩和されれば十分であると考えるからです。予防的治療にしても、発作回数が減少し、その程度も軽くなりさえすれば、もうそれで万々歳とされている理由がここにあります。
ですから、片頭痛そのものを根刮ぎなくしてしまうといった予防的治療などは、あってはならないことになっています。そこまではチエが追いつかないということです。
これで、理解して戴けたでしょうか???
参考記事
健康か病気か
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12278978297.html
未病に、保健機能食品をという考え方の是非
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12279750230.html
富裕層ほど現代医療を受けないという事実
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12316250259.html
ロックフェラー一族は絶対に薬を飲まない
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12316242602.html
近代医療が金貸しに乗っ取られる過程
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12316198447.html
現代医療の惨状から見えてくる真実
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12316194451.html
医療の原点に基づいて・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12312718443.html
医療大崩壊
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12310731341.html
「こうして医者は嘘をつく」
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12577006329.html
西洋医学の本質
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12642534390.html
西洋医学のもうひとつの側面・・医原病の量産
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12642544907.html
「こうして医者は嘘をつく」
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12577006329.html
専門家の拠りどころ・・「国際頭痛分類」
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12581120523.html
今後、マスコミでは、片頭痛予防について大々的に宣伝が予測されます。二度と、以下のような放送がなされないように祈るばかりです。
片頭痛の予防法???
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12568837276.html
但し、これまで慢性片頭痛の治療法に困窮していた私達にとって、今回の抗体療法は福音であることは確かですが、まかり間違っても「片頭痛の予防治療法」ではないことを改めて述べておきます。トリプタン製剤の延命策でしかありません。もっとすべきことがあるはずです。
ここでコマーシャルです。
頭痛が気になったら・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12644567389.html