時は待たない! 発達グレーの療育卒業物語(その2)」からの続きです。⇒

 

※ 発達障害のタイプは千差万別です。ゆうくんのケースは、ゆうくんにしか該当しません。「あ、ここは同じかも」という箇所だけ参考にしてもらえればと思います。ゆうくんの特性は(その1)を見てください。

療育にはタイムリミットがあります。小学生になってから「我が子は発達障害かも?」と気付いても、療育の効果は限定的です。

え? うちもう小学生なんだけど、時間切れなの?

そんな方もいらっしゃるかも知れません。ゆうくんも時間切れのため、療育は効果半ばで強制終了となりました。でも、それだけで終わりだと、救いがなさすぎますよね。なので、蛇足ではありますが、療育その後にできそうなことも書いていこうと思います。
ここから先は、うちもこれから実践していくので、効果が出るのか否は実証できていません。その点ご了承ください。

(1)「ほめる」が効かないなら、「金銭」で釣る。
・ 知的障害を伴わい発達障害グレーゾーンにおいて、成長と共に療育が効かなくなるのは、「上っ面でほめるフリをして、自分をコントロールしようとしている」と察するだけの知恵が付くためです。
・ 以前にご紹介した療育テクニックの1つですが、対処法の一つが「ほめる」といった抽象的な報酬ではなく、「お小遣い」といった実利のある具体的な報酬でモチベーションを引き出します。
・ 外部からの働き掛けは、動機になりづらいです。しかし、本人の意思が伴うと、その分野限定で常人よりパワーを発揮できるのが発達障害です。本人が「これは頑張った方が得だ!」と思えるなら、「ほめる」代わりになるそうです。

 


(2)本人の好きな人に「認めてもらう」。尊敬する人に「ほめてもらう」。
・ 発達障害の子供は、自分本位です。外からの声には耳を傾けません。例外は、本人が認める相手からの働き掛けは、本人自身の意思で受け入れます。周りからの強制には拒否反応を示しますが、本人が「この人に認めてもらいたい」「ほめてもらいたい」と思えるのなら別腹という訳です。
・ 療育の先生からは、中学生か高校生ぐらいまでに、そうした相手と出会えたことで劇的に変わったケースがある、とアドバイス頂戴しました。ただ、出会えるかどうかは運命次第、ともおっしゃっていました。

(3)自制できる年頃になるまで待つ。
・ 発達障害の特性は、一生、治ることはありません。コミュ障であれば、対人コミュニケーションは何歳になってもストレスです。しかし、知的障害を伴っていないケースでは、自分の特性を理解して、理性により「普通の人」を演じることはできます。
・ ゆうくんのそばには、その実例が存在しています。はい。ゆうくんのパパです。ゆうくんのパパはゆうくんと同じ特性を備えながらも、「普通の人」を演じることで、何とか社会で生きています。

 


パパが「普通の人」を演じる術を身に付けたのは、高校生になってアルバイトを始めた頃からでした。逆にその年頃になるまでは、周りに合わせるスキルを持っていませんでした。するとどうなるのか。小中学生の頃は、当然のように「いじめられっ子」でした。
ある一定の年頃になれば、ゆうくんも自制できるようになるのでしょう。でも、それまでの間は、「いじめ」リスクからは遠ざけておきたいものです。パパの自分が苦労した道を、ゆうくんには楽に歩いてもらいたいのです。

本当はもう1つ、発達グレーっ子に有効な手があります。それは「本当に好きなもの」に出会わせてあげること。
熱しにくく、冷めやすい(飽きっぽい)ゆうくん。将来の夢もころころ変わって、本当に好きなものは見つかっていません。発達障害の特性には凸凹があり、好きなこと「限定」であれば、ものすごい過集中と記憶力を見せることもあります。

親からの押し付けではなく、本人が本当にやりたいこと。出会えるかどうかは分かりませんし、出会えたところで、ゆうくんの特性(凸部分)と一致しているとは限りません。それでも低学年のうちは、出会えるかも知れない機会だけは用意してあげたいものです。
療育を卒業したおかげで、土曜日にはお出掛けできるようになりました(今までは日曜日しかフリーな日がありませんでした)。小学3年生のうちは、この貴重な1日を有効に使いたいです。貯まりに貯まった塾宿題の消化に、使われちゃいそうな気もしていますけど(汗。


⇒「次記事」に続くかも?(予定)

 

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