子供に伝えたい「勉強する理由」③(素直さと守破離の教え)」からの続きです。⇒

 

ゆうくんのパパはオタクです。さすがにコミケで同人活動などは卒業しましたが、話題のアニメはチェックしています。今期では「SPY×FAMILY」「薬屋のひとりごと」、そして「葬送のフリーレン」を観ています。そんなフリーレンでの1コマ。

 

フリーレン(歳を取らないエルフ)「ハイターって変わったよね。大人っぽくなった」
ハイター(人間の僧侶)「老人相手に何を言っているんですか。歳を取ると自然とこうなるんですよ。と言いたいところですが、本当は私の心は子供の頃からほとんど変わっていません。理想の大人を目指して、大人のふりをして、それを積み重ねてきただけです。きっと私は死ぬまで大人のふりを続けるでしょう」


あーーーー、分かりみが深いーーーー!!

ゆうくんのパパは、診断は受けていないながらも、おそらくゆうくんと同様に発達障害なんだろうなと自覚しています。正直なところ、ゆうくんと同じ小学2年生の頃から、内面は大きく変わっていません。
変わったのは、社会経験を積んで「普通の人」を演じる術を学んだこと。にこやかに営業トークもプレゼンもしますが、心の中では仕事での飲み会や接待など大の苦手です。きっとコミュ障の特性は、死ぬまで治らないでしょうね。

では、演じることができなかった小学2年生の頃はどうだったのか。

いじめです。

当時は合理的配慮なんて概念は存在しておらず、むしろ先生から叱られるのは、いじめられる側でした。「いじめられる側にも原因はある」理論です。まあ、間違いではないでしょう。何しろ当時からコミュ障でしたし、運動もできませんでしたからね。先生に可愛がられるはずもありません。

ゆうくんもコミュ障で、生れ付き体幹も劣っていることは診断結果から分かっています。パパと同じ特性です。自治体の支援で療育に通っており、小学校では心理士のレポートに基づき先生方からは合理的配慮を受けています。発達障害児の特性を変えることはできないため、周りが変わるしかないというアプローチにより、授業では「ゆうくんのような子は、みんなで支えてあげましょう」とクラスメイトには指導されています。
小学1年生の頃は、比較的みんな先生の言うことを聞いてくれます。しかし、小学2年生、3年生ともなると、大人の指導が届かない子供の世界が確立されていきます。例えばゆうくんは、教室で掃除をしなくても先生から叱られません。集団で周りと息を合わせながら掃除をするという行為に、ついていくことができないからです。それを「おかしい」と思う子が出てくるは、当たり前ではあります。

ゆうくんの現在の呼び名は、「壊れたロボット」「のろまなカタツムリ」です。

友達とどのように遊んでいるのかと聞けば、ゆうくんをボールにして遊ぶそうです。どういうことか? ゆうくんを押します。ボール役のゆうくんが押されて飛びます。向こうにいた対戦相手の友達が、ゆうくんを押し返します。

まだ、辛うじて、いじめではありません。

ゆうくん本人が「遊び」だと言っています。本心なのか、強がりなのか、遊びだと思い込むことで自分の心を守っているのかは、親であるパパにも分かりませんし、深掘りもできません。触れられたくもないはずです。そして、いじめられっ子経験者のパパとしては、どうしても想像してしまいます。いじめの萌芽ではないのか? そして、いじめる側は本心から「遊び」だと思っていると確信できます。

エスカレートするとどうなるでしょうか。パパのケースでは、暴力を伴ういじめに発達しました。

ゆうくんに同じ経験をさせないため、何をしてあげられるのか。

暴力のない環境に逃げるしかありません。頭の良い子は、「暴力」は割に合わないと分別がつくようになります。暴力で上下関係が決まってしまうような環境では、暴力に抗うことは不可能です。少しばかり勉強ができたところで、何の役にも立ちません。
※ ただし、「頭が良い」=「いじめをしない」ではありません。成績の良し悪しは、性格の良し悪しと全く関係がないです。残念ながら社会に出ても、東大卒で立派に出世もされているのにロジハラ・パワハラする方々には会ってきました。あくまで「暴力」でのいじめなくなる、だけの話しです。

パパの場合、「普通の人」を演じられるようになったのは高校生になり、アルバイトで接客するようになってからでした。小中学生の頃には無理だったのです。相応の年齢にならないと、ペルソナ(仮面)を被ったまま社会の中で生きていくことは、できないように思います。
中学受験は、「暴力」から逃げる時間稼ぎ手段の1つです。逃げるは恥だが役に立つ、です。


⇒「下校中に現れた不審者! その正体!!」に続きます。

 

最初から読む◆ 「中学受験」に療育っ子がチャレンジ!
◆ 「家庭学習」で四谷大塚の授業に追いつきたい!
◆ 「療育」(発達グレー)のあれこれ!