発達障害ながら「普通の人」を演じること」からの続きです。⇒

 

息を切らせながら帰ってきたゆうくん。ただ事ではありません。

ゆうくん「不審者から逃げてきた!!」

えーーーー!? マジか? それが本当なら大事件だ!

パパ「どんな人? おじさん? おばさん? おじいさん? おばあさん?」
ゆうくん「ボクを騙して、誘拐しようと声かけてきたの!」
パパ「危なかったね。逃げられて良かった。それで、どんな人だった?」
ゆうくん「子供」

ん・・・? 子供?

パパ「どういうこと?」
ゆうくん「〇〇くんに化けてたの! それで声かけてきたの! だから走って逃げてきた!」

あー、うん。それ不審者じゃなくて、〇〇くん本人だよね? 帰りに声かけてくれただけだよね?
相手からしてみたら、声を掛けたところ猛ダッシュで逃げられた格好です。こんな反応で、お友達ができるはずもありません。

先生がおっしゃるには「本人の中では何ひとつ矛盾なく、完結していると思います」「でも、本人だけにしか分からないので、周りの子は戸惑っちゃいますよね」とのこと。
 

保育園の頃から、周りの子はゆうくんの世話を焼いてくれたり、手を差し伸べてくれたりしてくれていました。みんな優しいんです。でも、その度に差し伸べてもらった手を振り払ってきたゆうくん。


先日も上野動物園に遠足に行きましたが、クラスのみんなは決められた順路の通り、集団行動で回っていきます。ところがマイワールドなゆうくんは、自分のペース、自分の見たい順に、他のみんなが合わせてくれないことに耐えられません。

さらに「自分の場」でないと発話できない特性があります。何が不満なのか言葉で伝えることもなく、「ん! んー!」と無言で意思表示することしかできません。さすがにこれでは、お友達も手を差し伸べてくれません。そのままお弁当の時間もひとりぼっちで、離れたところでぽつんと拗ねて、食べることを拒否していたそうです。

 

そんな様子は、ゆうくん本人が話してくれるはずもなく、先生からの報告で聞く訳です。先生も心配して声がけなどはしてくれていますが、拗ねちゃうと聞く耳持たないですからね。

 

こんな調子で、社会で生きていけるのでしょうか。コミュ障は治るものではありません。好きなものとか見つかって、同好のお友達などが出来ると良いんですけど。この先も心配なゆうくんでした。

 

⇒「療育のIQ検査と、中学受験の適性」に続きます。

 

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◆ 「家庭学習」で四谷大塚の授業に追いつきたい!
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