時は待たない! 発達グレーの療育卒業物語(その3)」からの続きです。⇒

 

皆さんは子供のお小遣い、どうされていますか? うちでは最近まで、ほしいものは都度買ってあげる方式でした。ただ、これだとお金をやり繰りしたり、自分でお買い物する経験を積めません。なので少し前から、平日は毎日200円あげることにしています。
ちなみにゆうくんのお財布は、ポケモンにしました。お札も入れられる二つ折り財布って、子供用のものが意外と見つからなかったんですよね。首からぶら下げられるように紐を付けています。


当初はもらったらもらった分だけ、全て使い切っていたゆうくん。

このままじゃ駄目だよなーと思い至ったパパは、ある作戦を思い付きます。GW明けに行くことにしていた国立科学博物館「大哺乳類展3」に向けて、貯金するように仕向けることにしました。

 

実はゆうくん、展示会そのものよりも、展示会に行くとお土産で買ってもらえる「ぬいぐるみ」がお目当てだったりします。これまでほしいものは、何でもママが買ってあげていました。これを、ゆうくんの自分のお小遣いで買ってもらうことにしたのです。

お小遣いを貯めないとぬいぐるみが買えないと決まった日から、ゆうくんは貯金を始めます。大哺乳類展に行く予定日までの平日の日数を計算しながら、3000円以上貯めることができました。これで1つは買えます。

ところが、ゆうくんがほしいぬいぐるみは、3つもあります。ぬぐるみは1個3000円です。パパとしては何でもかんでも買える訳ではないので、自分で真剣に選んで、残りは我慢することを学んでほしいと考えました。結果論としては、この考えが失敗だった訳ですが。
ゆうくんの計算では、お出かけ当日まで毎日貯金しても、4000円にしかなりません。どうしても1つしか買えないのです。

ここで事件が発生しました。

ママが言うには「ゆうくんが、家の中で千円札拾ったって言ってるんだけど」とのこと。

拾った?

小銭なら分かります。でも、千円札が落ちてるなんてありえる!?

さらにママから報告。「ゆうくんが、パパの財布を出してる現場を見ちゃった。何やっているのか聞いたら、100円玉が貯まったから、両替しようとしてただけって言うんだけど」。

いくら拾ったのか確認したところ、ゆうくん本人曰く千円札2枚、カーペットの下に落ちていたとのこと。

ゆうくんの手持ちは4000円。拾った2000円を足すと、6000円になります。ぬいぐるみが2個買える計算です。ゆうくん、ニコニコ笑顔です。

く、黒いっっ。

限りなく黒に近い、グレーな犯行容疑です!!

パパも自分の財布の中身なんて正確には覚えていません。本当に千円札を拾ったのかもしれません。でも、家の中で千円札を落とすとかありますか? しかもカーペットの下にとか。そして、それをどうやって見つけたのか。疑念は晴れません。

ただ、こうした時に絶対NGとされているのは、子供を問い詰めることです。例えどんなに拙い嘘だとしても、本人にとっては真実なのです。子供が本当だと言っているのに、親に信じてもらえないということは、それが嘘だったとしても、心の傷として残ってしまいます。

ゆうくんはまだ「我慢」や「自制」をすることが出来ません。

少しでも我慢に慣れてもらおうと始めたお小遣い制でしたが、まだ時期尚早だったと認めざるを得ないようです。

ママと相談して、ゆうくんは本当に千円札を拾ったということにしました。その上で「落とし物を届けたら、拾った人は1割もらえるんだよ」と、パパからは200円だけあげることにしました。
また、ママからは「どうしてもほしいものは、言ってくれたら追加でお小遣いをあげるから。お金を拾ったりしなくても、ちゃんとママに相談してくれたらいいんだよ」と、5000円をあげました。手持ちと併せて9000円。これなら、ぬいぐるみを3個買えます。


こうして我が家には、鱗甲目のセンザンコウ、原獣類のカモノハシ、鯨偶蹄目のツチクジラの3体のぬいぐるみが、ゆうくんのお友達として加わりました。

子供は成長します。

子供なりに嘘をつく知能だけでなく、パパの財布の位置に手が届くほど背が伸びたことに、びっくりしてしまいました。

子離れの日も近いのでしょう。正直、かなり寂しい気持ちもあります。でもそれまでには何とか、「我慢」と「自制」を学んでほしいものです。中学受験勉強などよりも、社会で生きていくための切実な問題です。


⇒「次記事」に続くかも?(予定)

 

最初から読む◆ 「中学受験」に療育っ子がチャレンジ!
◆ 「家庭学習」で四谷大塚の授業に追いつきたい!
◆ 「療育」(発達グレー)のあれこれ!