養生について ~何故に私は、養生の道へと目覚めたか~
私は、1969、昭和44年生まれで、現在2021年で52歳です。
39年前の1982年13歳で中国武術、太極拳の修練を始めました。1984年で当時の日本で一番大きい団体で老舗の全日本太極拳太極拳協会に移籍し、中国の上海より日本へ来日されていた杜進老師に師事しました。
研修を受けた上海体育学院では、授業以外でも、毎朝近隣の方々が広い校内のあちこちで太極拳、気功教室へ熱心に参加されていました。近くの虹口公園(現:魯迅公園)や、上海の名所の外灘公園や、人民公園でも多くの方々が太極拳以外でも様々な中国武術拳種の練功にと一所懸命に励み、自発的な健康増進に勤しむ姿勢に とても感銘を受けました。私は「いつか、日本でも、あのように本場のスタイルを根付かせたい」そう思いました。
1985年に上海での指導では上海体育学院教授の邱丕相老師、孫根発老師、朱多絹老師の3老師から、武術基本功を詳細まで学び、私は自選長拳を学びました。
(邱丕相老師は養生学、養生功の専門家でもあり、後にまた縁でお世話になりました。現在は中国武術界最高位の中国武術九段です)
帰国してから、学業と練習とアルバイトで毎日朝から晩まで忙しく過ごし、ある日から辛い腹痛が徐々に始まり、そのまま我慢して生活を送りました。あまりにも腹痛が収まらないことで、病院へ診察を受けたら「盲腸炎から腹膜炎へと悪化」が判り、午前中に診察を受けてから、午後一番で緊急手術を受けることになりました。麻酔から覚めてみると腹部から3本の管が繋がれていて、全身に強い痛みを感じました。危うく命を落とす手前までの重症でした。(※ちょうど、この頃、ある相撲取りが同じ病気で亡くなったことを聞かされました)
そのまま1か月間入院生活を病院で過ごしました。半月の期間はずっとベッドの上だけでした。3週目からは、管を外し、歩いて良いと許可が出て、病院内だけを散歩したりして過ごしました。
多くの様々な患者さんと病院内で生活し、いろいろと考えました。1か月後に退院し、普通の生活に戻りました。「心身の健康維持の重要さ」というものは、宝物だと実感しました。
その後、身体の感覚を取り戻し、すぐ様再び修練に励みました。そして、常に体のケアということにも強く意識を置くようになりました。
競技でも全国大会で上位入賞、優勝を重ねることができるようになり、身体機能の強度を高めることもうまくいくようになりました。
1998年で29歳の時に、1985年に上海で指導を受けた上海体育学院教授の邱丕相老師が、(社)全国大学体育連合の招きで馬王堆導引術の指導で来日されました。この全国大学体育連合の知人からの紹介を受け、招待状を頂きました。
ここで初めて全ての伝統中国気功運動のルーツである馬王堆導引術の技法と理論を講習会で学び、久しぶりにお会いした邱丕相老師から「君はいくつになった」と聞かれ「29歳です」と答えました。邱老師は「なら、もう30歳だね、君はこれから馬王堆導引術だけでなく、養生学もしっかりと学ぶといい。機会があれば、また上海に勉強にお出で」と仰ってくれました。
2001年で競技大会の選手を引退し、コーチに就任しましたが、日々の充実感にもの足りなく、スポーツクラブの指導では、いつも多くの方々から「健康不安」を聞かされ、その具体的な解決方法と実践を考えた結果、2002年から再び上海体育学院で今度は四季養生学、馬王堆導引術、五禽戯、八段錦などの健身気功の学びを開始しました。
同時に中国に短期留学時代に仲の良かった楊中平老師から、最新の中国武術の指導方法も学びました。邱丕相老師からは多くの関連書物を頂き、はじめは陰陽論、四季養生学について邱老師は「陰陽二気・二十四節季と同時進行で行い、学ぶことになるから少なくとも3年は1日も休まずに実践し、自然を観察し、年間を通じての世間に広まる流行り病をよく注意して、その要因なども勉強しなければ絶対に理解ができない」と諭されました。そして「感じるに現代の日本人で理解している人は、とても少ないようだ、君なら頑張れるはずだ」と励まされました。
養生学・養生功の実践と効能は「呼吸運動:肺呼吸強化」「全身運動:心機能の安定」「意識運動:脳の活性化」の3種類が特徴です。
翌年の1999年に養生をもっと身近に理解しやすい生活環境にしようと考え、東京都から神奈川県へ居住を移しました、いつも自然を観察し、休日は丹沢の山や鎌倉や三浦半島へ行き散策しながら、四季養生学にある「燥・熱湿・暑・寒湿」4種類の空気の質感などを実感できるように過ごしました。
本当に3年目の周期に入り、初夏になった時に「そういうことか、毎年に同じ周期を繰り返し、それに合わせて修養をずっと怠らなければ、四季の自然の空気の変化に応対した心身に適応できる身体になれる」それを陰陽論では「天人合一思想」と呼んだのか・・
鎌倉で海を見ながら本能的実感で発見出来た時には、とても大きな感動がありました。
それからも毎年に上海へ訪れ養生学の資料を上海書城という紀伊国屋のように大きな書籍専門店があり、そこでその他の「五行説」「八卦理論」「黄帝内帝」などの、中国語の資料文献の多くを入手し帰国後に自分で翻訳しては研究と実践を繰り返しました。
それからというもの、私も一人の養生家としての指導者として皆様に確実な健康増進、免疫力増強の効能を得られる運動プログラムを総編し、四季養生学と合わせて着実な効果のある実践を行うようになりました。
16歳時の自身の苦しかった入院生活が大きく影響し、本当の健全な心身の構築方法と思想理論に強く関心を持ち、養生の学びの中での、本能的な実感と効能に意識と心身を重視して、着実に行い続けて来ました。そのことで自身が何故に体調を崩したことの理由も解りました。
指導でも、自身で理解・実践ができるようになったものから次第に講義に加えて行きました。
中国武術もそうでしたが、自分以外の他に、伝統中国養生を学び研究し修練の実践をする人がなく、大変でしたが いつものように頑張り抜きました。
ちょうど養生の実践で10年ほどが経つ2010年頃、普通一般世間での様子やニュース報道を見れば、テレビや雑誌、新聞などで沢山の健康食品や、身体に良いはずの運動が紹介されているにもかかわらず、発がん性物質を心配した「フードホラー」という言葉が流行し、医学博士と称する人物が出て来ては消え、たくさんの方法が紹介され続けて来ました。
2013年に日本人口は1億2700万人になりましたが、世間には「7大疾患:悪性新生物:がん、脳疾患、心疾患、慢性腎不全、肝硬変、高血圧症、糖尿病」が増え続け、薬害:クスリの問題、医療ミス、プラシーボ(偽薬)効果ばかりを行う現代医学界は信用できない、という書物が多く出版され世の中は疑心暗鬼に陥りました。
※ここ最近の2020~2021年でのコロナウィルス感染症拡大問題での医療崩壊も指摘されていました、そんな中でも、私の持つ具体的な運動技能や、理論での実践してきた養生効果は確実に効果を発揮し、自身への信頼と安心感はしっかりとして確信を強くしました。
そして四季養生学の理解が進んだ頃、安徽省武術隊での留学時代の兄弟子で先輩の賈平老師と上海で再会した時に、伝統気功の五禽戯発祥の地の安徽省亳州市での五禽戯研修交流会をしないかと、持ちかけられました。
この地は中国でも3600年の歴史ある古都とされ、4人の偉大な人物で老子、荘子、三国志の魏の武帝 曹操を輩出し、その曹操の専属医師が神医と称され五禽戯を編み出した華侘の郷里です。その安徽省亳州市の五禽戯が国家級文化遺産認定を受け、海外での普及人員を養成したいという要望があって、賈平老師が私を紹介してくれ、2007年11月に初訪問が実現しました。
当時89歳の第57代伝人、薫文煥老師から五禽戯の技法と養生学の理論講義を受け、日本人第1号の五禽戯伝承者として日本国内での普及を奨励されました。その後2009年には5月に研修で訪れ、9月にはもう一度訪中して、第1回中国健身気功博覧会・五禽戯健身養生節に日本人継承者として招待を受け、エキシビジョンを行いました。
安徽省亳州市と日本の京都府京丹後市は友好姉妹都市であり、2015年に安徽省亳州市華侘五禽戯訪問団として第58代継承者、周金鐘老師と59代の皆さんが来日し、私も日本人伝承者として招かれ、共にエキシビジョンを行いました。
ここでも伝統中国養生法のシンポジウムが開かれ、多くを学ぶことができました。
昨年12月には、「UNESCO:国際連合 教育科学文化機関」から、太極拳が「世界無形文化遺産」として認定されました。
日本では、素晴らしい中国武術家ですが、今アジア経済の有名な専門家となって、とても有名になった恩師の杜進老師と2018年に再会し、
私も国際経済や外交などにも、とても関心があって、本当に有意義な時間を再びご一緒できました。たくさんの広い範囲でお話しができてうれしかったです。
2019年には、中国上海で邱丕相老師と再会出来、その後の報告をしましたら、大変喜んでくれて、
「歴史に残る、日本一の養生学専門家を目指せ」と激励を受けて、とても感慨深く嬉しく思いました。
今年2021年になり、養生に力を入れて行って来た23年間を振り返れば、競技選手生活時代よりも長くなり、
これからも更に大いに心身の活性化に役立てられることに大きな喜びを感じています。
この大きなコロナウィルス感染症騒動でも、全く心配や不安もなく、日本だけでなく世界中が恐れおののき、神経質になっている世間を見て、四季養生学と導引術、五禽戯、太極拳も含む武術運動、具体的な実践、方法での一貫した効能と効果にとても大きな安堵感と、無形遺産としての素晴らしい付加価値の高さを実感しています。
まだ日本国内では、コロナ問題は収束していませんが、私の中では、もう全く問題も心配もなかったのですが、大きなとばっちりを受けて辟易していましたが、気持ちを切り替えて「全ては、これが現実であり、実力であった」ということが判明し、更なる自信を強くすることができました。
日本にも貝原益軒先生の書物「養生訓」にも華侘の養生のことが著述されています。
「老子」「荘子」「淮南子」「三国志 魏書 華侘伝」などの正式な歴史的文献に残っていて技能と理論を合わせた2500年の伝統中国養生が紹介されています。
「春:養生 夏:養長 秋:養収 冬:養蔵」そして春に戻り「養生:年々に免疫の高い生命力を養い続ける自発的な伝統的文化体育活動」の繰り返しを意識しながら心身の身体づくりに役立てていく実践の連続のことですが、
これからも、皆様の為に貢献し、自身の明るい将来をイメージしながら、堅実に日々を楽しく過ごしていきたいと思います。今後の皆様の心身の健康と安定を願っております。これからも宜しくお願い致します。