龍身蛇形太極拳修練者の考えには、大自然の陰陽二気の働きを理解し意識して、練拳を行う。
 
 
相生
 
 
 
龍身蛇形太極五行功法 玉女穿梭     ユィニューチュアンスォ (五行:木 臓器:肝臓)
 
 
泰:立春 小往き 大来る。内が陽で外が陰。内が君子で外が小人。君子の道が日々の生長し、小人の道が日々に消衰していく。
天と地 上下が相い交わり通じ和して、その志を同じくする。

壮:啓蟄 壮は”壮ん”の意。陽気が長じて来る月にあたれば二月の時候。壮んな頃は調子に乗り過ぎる傾向があるが貞正を保つ。 
 
夬:清明 夬は”決去””決断””決闘”の意を持つ。月は三月の時候、五陽が一陰を決去する、君子が小人を決去、排斥を行える。王庭朝廷においてその罪を揚言し、公然とその非を鳴らすべきであり、
誠意をもって衆人に呼びかけることができる。しかしながら、事が重要なだけに、危険も大いにあるので慎重に慎重さを持つべきである。
 
小人たちを治めるには、必ず自分自身の領域を図り、
私事よりも公におよぼす影響をよくよく考え、心構えが必要である。武力を用いてことにあたることはよくない。
徳をもって次第に相手を反省後悔させて和するのが本来の方法であるが、
そのようであれば進んで事を行っても良い。
 
 
龍身蛇形太極五行功法 手揮琵琶     ショウホイピーパー  (五行:火 臓器:心臓)
 
夏 
 
乾:立夏 純陽の時候。天のはたらきが健やかでやむことはない。君子の望みは大いに通り、貞正を保ち行う。

媾:芒種 媾は邂逅の意、出偶い。一陰はじめて生じるが、五陽には向かない。不貞には注意が必要である。

遁:小暑 遁は退避、隠遁の遁。二陰が強くなり、月にあたれば六月の時候。人事では小人が長じて来て、
大人は小事を貞正に行うのは可能だが、大なることは向く時候ではないが、天下の為に努力は行うべきである。
 
 
龍身蛇形太極五行功法 白鶴亮翅      バイフー リャンチー (五行:金 臓器:肺臓)
 
秋 
 
否:立秋 否は否塞。ふさがって通じぬこと、陰陽が相通じず。
上下の意思が疎通がない状態、ゆえに人道の正常な状況ではなくなり君子はいかに貞正を保っても良いことがない、
大が上に登って去り、小も下にさがり陰陽相和する機会がなくなる。

観:白露 観は示す、または仰ぎ見るの意。厳粛敬虔の心持をもって物事にあたる誠意誠信が内に充ちあふれていれば、
すべては整然として厳粛に執り行われれば人々は恭敬として、それらを仰ぎ見て誠信は上下に感化する。 

剥:寒露 剥は剥がれる、剥落の意を持つ。五陰が生長して一陽が残されるのみである。
人事では、小人が勢いが盛んになり、君子を迫害するようなことも起こる。君子としては進んで道を進むようなことは向かない。
 
 
龍身蛇形太極五行功法 如封似閉     ルーフォンスービィ (五行:水 臓器:腎臓)
 
冬 
 
坤:立冬 純陰。天において地であり、牝馬のように従順、貞正の姿勢が良い、人の先に立とうとすれば迷い、道を失うようなことも起こるが、人の後に従うように心がければ、頼るべき主人が出て来て安心できる。

要はいかなる場合でも従い貞正が肝要である。

復:大雪  復はかえる、戻る。一陽来復、月にあたれば十一月冬至の時候。ここからはじめて陽気が増す、
そして次第に成長がはじまる。同志は再び来たり加わる。陰が消息し、陽気の成長に従い事をすすめるのによい。

臨:小寒 臨は人に挑むの道。河岸が水沢に隣接するようである。貞正であることが良い。
 
 
龍身蛇形太極五行功法 提手上勢  ティーショウシャンシー  (五行:土 臓器:脾臓)
 
 
四季経絡
 
春 泰:立春 手少陽三焦経 双手托天 欠陰初気
  壮:啓蟄 手陽明大腸経 燕飛勢(内旋)  
  夬:清明 手太陽小腸経 仰身勢  少陰二気

夏 乾:立夏 手欠陰心包経 燕飛勢(外旋)
  媾:芒種 手少陰心経  摸魚勢  少陽三気
  遁:小暑 手太陰肺経  集気站椿

秋 否:立秋 足少陰胆経  頭転功 単盤 太陰四気 
  観:白露 足陽明胃経  打弓勢 自然盤 和帯脈を刺激
  剥:寒露 足太陽膀胱経 仰呼     陽明五気  

冬 坤:立冬 足欠陰肝経  燕飛勢(叉歩)
  復:大雪 足少陰腎経  勢        
  臨:小寒 足太陰脾経  通天採気 太陰終気
 

そして四季養生、外気、内気、上半身、下半身、前後左右上下への方向感覚を向上させていく。

外気が「冷える寒の気:陰」であったら、内気は「暖:陽」の体質。
外気が「熱い暑気:陽」であったなら、内気は「涼:陰」の感覚。
 
四季を通じて心身の安定を図り、日々の生活に充実感や達成感を得る「健身」
武芸の技法は「攻防」の「防」に意識を置く「防身」
思想哲学は、自然「道家思想」の「修身」