熱いぜ!ヨーカドー!
早速、最近読んだ本をご紹介します。これはとても熱い本でした。プロジェクトXみたいです。普通に日本で生活していると、ヨーカドーといえば、その他大手GMSとともにひたすら苦しんでいる会社で、特に2000年以降は、どんどん店を閉めていっているようなイメージです。セブンイレブンとかセブン銀行みたいな優良なグループ会社があるから、なんとか持ちこたえている・・というようなかんじでしょうか。
でも、ヨーカドーの中国進出を描いたこの本を読むと、ヨーカドーへの見方がまったく変わります。『ヨーカドーすごい!』と本当に思ってしまいます。それくらいに社員の皆さんが中国で奮闘しています。日本ではだれでも知っているヨーカドーですが、中国に進出したときは誰も知らないので、仕入れが不利になったり、従業員がどんどん商品を持って帰ってしまったり。日本では考えられないような苦難がヨーカドーに襲い掛かります。それでも社員の皆さんが現地の人たちの協力したり、喧嘩したりしながら乗り越えていきます。そして遂には中国でもっとも成功した外資と言われるようにまでなります。
GMSという業態は既に役割を終えたのかもしれないと考えていましたが、こうやって輸出することで海外で大いに通用するということを目の当たりにすると、実は私たちのまわりには当事者が気づいていなくても海外にもって行けば通用するモデルがたくさんあるのかもしれないと思います。飲食店なんかは海外に行ってみるとよくわかりますが、日本ほど工夫を凝らしたお店がたくさんある国はちょっとありません。中国に経済力で追い抜かれても、国債の格付けがさがっても、捨てたものじゃないぞ!ニッポン!と、ちょっと勇気が出る本でした。おすすめです。
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 24578
食べる店-くにもと-
友人と、久しぶりに浜松町のくにもとに行ってきました。ここは食べログで4.22点をたたき出し、焼肉好きが必ず見ているであろう、ヤキニクエストでも評価の高いお店です。浜松町(大門)には正泰苑や牛の蔵など、他にも旨い焼肉屋さんがあり、焼肉激戦区であります。
くにもとには独特の作法があります。といっても別に難しい作法ではありません。ひたすら旨い肉を食べるだけです。だから2次会での利用は不可能です。なぜなら肉を食べる店だからです。お酒をがぶがぶ飲みたい人は別のお店に行かなければなりません。1次会で行ったとしても、お酒を飲みながらお話をしていてはいけません。なぜなら肉を食べる店だからです。確かに行ってみると、みんなビールなどを飲んではいますが、騒いでいるひとはいません。ひたすら肉を食べています。食事の目安は2時間です。
そして3500円からコースがあります。今日は5000円のコースにしました。これに肉の刺身、サラダ、ナムルなどを追加していきます。写真は5000円のコース、二人前です。手前がタレ、奥の皿にのっているのが塩です。これはあまりにも旨いのでどんどん食べてしまいます。あっという間に食べ終わると、やはりもっと肉が食べたくなります。今日は、切り落とし大盛(200グラム)、ウデ(赤身)、ハチノスを追加しました。切り落としはくにもとの名物でもあります。とてもの人気があるので、一組で大盛1枚しか頼めません。これは200グラムのうまい肉が2500円とかなりお得な一皿です。これらに、僕は中ジョッキを2杯、友人は3杯飲みました。ここまででちょうど二時間くらいです。お会計は・・・23,500円。ひとり1万円と少しです。なかなかいいお値段です。そんなに頻繁にいける値段ではありません。しかし、いつも満席です。ひとり1万円も払えばそれは旨いだろうという気もしますが、くにもとの肉は特に旨いです。たまに行きたくなる名店です。いや、予算があればしょっちゅう行きたい名店です。
上杉隆の40字で答えなさい
【質問】
国会議員の仕事は何か?
【回答】
1年生議員の仕事は2年生議員になること。2年生議員の仕事は3年生議員になること。・・・こんなことは確かに社会の教科書には書いてありませんでしたね。
【質問】
自民党と民主党の違いは何か。
【回答】
小沢一郎のいる自民党が民主党、小沢一郎のいない自民党が今の自民党。・・・そうなんですか?知らなかった。。。でも言われてみるとそうかもしれませんね。
【質問】
参議院の役割とは何か。
【回答】
国会議事堂の建物スペースの半分を埋めて税金を消費している程度の役割しかない。・・・良識の府だと習ったはずです。衆議院をチェックする機能があって、落ち着いて仕事ができるように6年間は身分が保証されていると。
このように、政治、社会に対する質問に上杉さんがずばずばと回答していきます。教科書的な見方や新聞やテレビのようなマスメディア的な見方とは全く違う見解がたくさん出てきます。すべて鵜呑みにする必要は無いと思いますが、物事を解釈する多様性が必要なんだと思います。上杉さんは本書だけでなく様々なところで、メディアが横並びで同じような内容を報道しているのは先進国では日本だけだと主張されています。確かに普通に生活していると異質な意見にふれる機会がありません。そんなことを考えさせてくれるという意味でも良い本です。上杉さんにはこれからも積極的に活動していっていただきたいものです。
大和書房
売り上げランキング: 2624
ザッポス伝説
この、トニー・シェイというひとは、日本ではあまり知られていないようです。僕も全然知りませんでした。ザッポスというサービスも知りませんでした。日本ではサービスをしていません。アマゾンで靴を買ったことはありましたが。アメリカでは有名優良企業としてしられています。トニー・シェイは事業経営者としてはアメリカではツイッターのフォロワーが一番多いようです。
物語はトニーが子供のころから始まります。あまり詳しく書きすぎると読む楽しみがなくなってしまうといけないので控えめにしておきますが、まさに商売をするために生まれてきたような人です。ザッポスに関わる前に1社立ち上げてそれを、売却することに成功しています。ここで巨額の富を手にするわけです。ここでアーリーリタイアして投資家になる・・・というよな話はけっこうあるのかなと思います。でもここからが物語のスタートです。トニーはそこで得た資金をすべてザッポスにつぎ込んでいきます。金融機関がお金を貸してくれなかったり、1社めの時に投資してくれたベンチャーキャピタルがザッポスには投資してくれなかったりといろいろなことが起こります。
最終的には顧客に『ワオ!』と言わせるようなサービスを提供することによって、会社は成長しアマゾンの子会社となります。社員の幸せ、顧客の幸せ、取引先の幸せを追求し続けることで会社が急成長してく様子が克明にえがかれています。きれごとだけではすまないこともたくさんあったんだろうとは思いますが、『若いベンチャー起業家の成功物語』として簡単に片付けられないような、感動的な物語でした。ちなみに、トニー、アルフレッド、フレッドはアマゾンの子会社になる際に、ザッポス株をアマゾン株と交換したことで、ものすごいお金持ちになったわけですが、WEBサイトを見てみると、現時点でもザッポスの経営陣としてがんばっているみたいです。
それにしても、アメリカにはすごい会社があるもんですね。とても勉強になりました。今回は電子版でよみました。とてもカジュアルなタッチで書かれているので、どんどん読めるところも良いです。これは今年一番のおすすめです。(まだ9日ですが)
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 89
その科学が成功を決める-Think a little Change a lot-
①成功した自分を思い描けば実際にもうまくいく
②マイナス思考を頭からしめだして、ポジティブシンキングでいく
③集団で考えたほうがひとりよりもいいアイデアが生まれやすい
④ストレス解消のために大声で叫んだり、サンドバッグを叩く
⑤恋人の気をひくためにわざと冷たくする
⑥子供は褒めながら育てたほうが良い子が育つ
いかかでしょうか。どれもこれも、あたりまえだと思っていたようなことばかりですよね。難しい交渉にのぞむ前にうまくいった姿をイメージしてみるとか、打開策を考えるために、チームで意見を出し合ってみるとか、会社で嫌なことがあったときに、海にドライブして、砂浜で叫んでみるとか(こんなことはしたことありませんが)、自分の部下を育てるために褒めて指導するとか・・・この本によると全部、間違いのようです。科学的に検証した結果、間違いだということです。これまでもっともらしく語られてきたことや本に書いてあったことがあっさり覆されてしまうのちょっとショックです。でもきちんと検証されているので納得してしまいます。嫌なことがあった人を集めて、一方は大声で叫んでもらい、もう一方はおとなしくしてもらう。時間が経つと大声で叫んだグループのほうがむしろストレスが解消するどころかたまってしまっていた等々。
でもそれだけではありません。ちゃんと科学的に検証した別の方法を提案してくれています。たとえば子供を褒めるときは結果をほめると逆に失敗を恐れる臆病な子供になってしまう可能性が高いが、そのプロセスを褒めると効果的であるとか。『テストで100点取って、頭がいいね』ではなく『長時間の勉強をよくがんばったね』などです。これ以外にもいろいろなことを提案してくれますのでぜひ読んでみてください。
スティーブ・ジョブズの王国
スタンフォード大学の卒業式でのスピーチは、今ではアメリカの高校で教科書にも採用されているくらい、アメリカを代表するビジネスマンのひとりである、スティーブ・ジョブズ。そして、昨年、ついにマイクロソフトばかりか、グーグルまで時価総額で追い抜いて、全米で2番目に時価総額で大きな会社となった、アップル。
その創業から、ジョブズが追放されるまでを描いた1冊です。ジョブズが追放されるまでということで年代的には1985年ころまでです。アップルは二人のスティーブによってはじまった会社です。それがどんどん大きくなって、株式上場までいきます。数十人だった会社があっという間に1500人とか2000人の会社になります。そして、創業者だけでなく、社員の多くも上場によって大金持ちになっていきます。
この本はそこまでが470ページにもわたって詳細に描かれているのでかなり長いです。途中でくじけそうになります。ジョブズが、奇行をくり返す様子やインドに出かける様子からすると、将来、ここまで世界に影響をあたえるような人物になるとはちょっと想像できません。それにジョブズはとてもわがままで嫌なやつです。今はどうなのかわかりませんが、当時の様子からして、将来、大学で感動的なスピーチをする人と同一人物とは思えません。帯に『創業の全記録』と書いてありますが、それが誇張では無く、かなり丁寧に書いてあります。もう一人のスティーブである、ウォズニアックの少年時代から上場により大金を手にするところもかなり細かく書いてあります。ウォズニアックは上場したときに得たお金をそれこそ湯水のように使ってしまいます。友人に200万ドルをあげてしまったりします。なんてダメなやつなんだとちょっとあきれます。
350ページをすぎたころから、上場、会社が巨大化、忍び寄る転落の足音というように話が展開していきます。ここからは読みやすくなっていきます。そして最後にはジョブズが追放されてしまいます。そこに至るまでのアップルは、ジョブズをはじめとして、自分たちの製品にとことんこだわる会社でした。それが経営者が変わり、製品へのこだわりを忘れた途端に転落し始めます。そして、ジョブズが復活し、また製品にとことんこだわることによって見事に復活していくわけです。
そんなアップルのまさに第1章ともいうべきストーリーです。社史を読んでいるようです。アップルの社員じゃないので、こんなに細かく知る必要も無いような気がしますが、いま世界でもっとも注目されている企業のひとつであり、CEOの若き日の物語ということで、興味深く読めます。ただし長いです。それにしてもジョブズはアップルを追放されたときは30歳です。30歳であれほどの会社を作り上げたというのは驚異的です。
プレジデント社
売り上げランキング: 4814
久しぶりに小説
でも本屋さんに行くと、やたらとこの本が積んであるので
ついつい買ってしまいました。
東野圭吾さんの新刊です。
新刊でいきなり文庫です。買いやすくていいですよね。
2010年12月1日付の産経ニュースによると・・・
人気ミステリー作家東野圭吾さんの新作小説「白銀ジャック」の発行部数が、15日までに100万部を超えた。出版元の実業之日本社が明らかにした。「白銀-」は10月5日、同社の文庫創設の目玉として発売。小説は通常、単価の高い単行本で発表し、後に人気作を文庫化するが、本作品はいきなり文庫で売り出されて話題を呼び、1カ月余りで100万部に達した。同社によると、「電子書籍ではなく、紙の本を廉価で多くの読者に読んでもらいたい」と東野さんの要望があり、文庫での発売を決めたという。東野さんは、海賊版が出回るリスクなどを理由として、自作の電子書籍化を認めていない
電子書籍に対抗するという意味合いもあるみたいですね。
確かに、紙の本が電子化すると大体、半額くらいになることが
多いようです。それなら、最初から文庫で安く出すと。
それで、部数がたくさん出れば結果的に作家さんも儲かると。
確かに、今回の本は面白いですが、普通にハードカバーで
出ていたら、100万部突破は難しそうです。
ハードカバーで100万部売れているものといえば、村上春樹さんの新作です。
日本語圏だけで勝負するには、売り方を考えていかないと、
マーケットが縮小傾向にあるなかでは厳しそうですね。
内容とはまったく関係ないことを考えながら読んだのでありました。
ラストは東野さんのほかの著作と同様、あっと驚く展開でした。
楽しめます。
実業之日本社 (2010-10-05)
売り上げランキング: 525
とても真似できない・・・
講談社
売り上げランキング: 4291
以前に買ったのですが、読むのを忘れていました。
忘れていたことを怒られそうなくらいに、熱い内容です。
ビジネスマンの選手寿命はスポーツ選手よりも長いです。
僕は34歳ですが、ビジネスマンとしてはまだまだでしょう。
スポーツマンなら引退が見えてきています。
ビジネスマンは短期集中というよりも、かなりの長期戦です。
とても長いマラソンのようなものです。1年いい結果をだしたとしても
やはり継続できなければ価値が半減します。
成果を出し続けるために必要なのは、なによりも集中力なんだなと
あらため気づかせてくれる本です。
ただ、渡邉さんはすごすぎてちょっと真似できません。