その科学が成功を決める-Think a little Change a lot- | 溜池ではたらく不動産屋のブログ_Season 3

その科学が成功を決める-Think a little Change a lot-

1年ほど前に出た本ですが、ようやく読むことが出来ました。書評ブログが人気の成毛眞さんも一押しの一冊です。読もう読もうと思いながらずるずると1年間も引っ張ってしまいました。読んでみると、もう少し早く読んでおけばよかったというくらいの興味深い内容でした。いかにもというような内容の自己啓発本は、ほとんど読まないんですが、この本は、自己啓発の世界で知られた内容を科学的に分析していくという興味深いものです。たとえば、以下のような自己啓発業界の通説(?)が検証されます。

①成功した自分を思い描けば実際にもうまくいく
②マイナス思考を頭からしめだして、ポジティブシンキングでいく
③集団で考えたほうがひとりよりもいいアイデアが生まれやすい
④ストレス解消のために大声で叫んだり、サンドバッグを叩く
⑤恋人の気をひくためにわざと冷たくする
⑥子供は褒めながら育てたほうが良い子が育つ

いかかでしょうか。どれもこれも、あたりまえだと思っていたようなことばかりですよね。難しい交渉にのぞむ前にうまくいった姿をイメージしてみるとか、打開策を考えるために、チームで意見を出し合ってみるとか、会社で嫌なことがあったときに、海にドライブして、砂浜で叫んでみるとか(こんなことはしたことありませんが)、自分の部下を育てるために褒めて指導するとか・・・この本によると全部、間違いのようです。科学的に検証した結果、間違いだということです。これまでもっともらしく語られてきたことや本に書いてあったことがあっさり覆されてしまうのちょっとショックです。でもきちんと検証されているので納得してしまいます。嫌なことがあった人を集めて、一方は大声で叫んでもらい、もう一方はおとなしくしてもらう。時間が経つと大声で叫んだグループのほうがむしろストレスが解消するどころかたまってしまっていた等々。

でもそれだけではありません。ちゃんと科学的に検証した別の方法を提案してくれています。たとえば子供を褒めるときは結果をほめると逆に失敗を恐れる臆病な子供になってしまう可能性が高いが、そのプロセスを褒めると効果的であるとか。『テストで100点取って、頭がいいね』ではなく『長時間の勉強をよくがんばったね』などです。これ以外にもいろいろなことを提案してくれますのでぜひ読んでみてください。
その科学が成功を決める
リチャード・ワイズマン
文藝春秋
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