皆さんこんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。
日本や韓国に限らず、児童虐待が問題になることが多いですが、加害者の大半は両親だそうです。
今回紹介する韓国映画「幼い依頼人」は、2013年に慶尚北道漆谷で起きた継母児童虐待死亡事件を扱ったものです。衝撃的な展開に驚くとともに、被害に遭った子供の運命に涙が止まりませんでした。
（原題も同様 幼い依頼人:어린 의뢰인)
主人公ジョンヨプはロースクールを卒業したものの、就職は失敗ばかり。業を煮やした実姉の強いすすめで、地元の児童福祉館に臨時職として就職します。ある日、継母から虐待されているらしいダビン、ミンジュン姉弟に出会い、何度か姉弟と会い話を聞きます。しかし事態をさほどと思っていなかった彼はまた来ると言い残して去り、ソウルの法律事務所に就職しますが、思いもかけない電話で再会することになります。そしてジョンヨプはダビンが引き続きひどく虐待されている事実を知ります。彼は虐待を続ける継母からダビンを引き離そうとしますが、親権を盾にとられうまく行きません。
その後、信じられないことに弟ミンジュンが死亡し、殺人の被疑者になったダビンを見て衝撃を受けます。間違った方向に進んだことを悟ったジョンヨプは、ダビンのため真実を明かそうと、ダビンの弁護士になることを決心するのでした。
主人公の弁護士ジョンヨプを熱演したのは『エクストリーム・ジョブ』のクールな刑事役でイ・ドンフィ。それまでのコミカルな役柄から一転、かなり重い役を演じています。またドラマに映画に活躍する女優ユソンが母親ジスク役、キム・ヒャンギに次ぐ天才子役チェ・ミョンビンが少女ダビン役を演じ、映画に深みを与えています。
金儲けのために弁護士を目指した青年が、事件との関わりの中で目覚めるところも素晴らしいです。盧武鉉前大統領の青年時代を扱った「弁護人」を思い出しましたありがとう
また日本や韓国に限らず、先進諸国で児童虐待などの話が尽きません。児童虐待する親が悪いのはもちろんですが、問題は単に親を責めることでは終わらないことにあります。虐待する親自身も幼い頃虐待されて育った犠牲者であり、さらにその親から虐待されて育った子もまた子供を虐待するという連関構造にあることがしばしば指摘されます。負の連環からどうやって抜け出せるようにするかが問題なのでしょう。現代社会が抱える暗い一面に警鐘を鳴らす映画だったと思います。
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