敵基地攻撃能力と抑止力の議論 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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ちょっと整理したいので備忘録的に

 先日のお花畑の右翼と左翼、相互依存の売国スパイラルという記事でコメント頂きましたmaco氏と見解の交換をしまして「あ、なるほどな~」と思うところもあり、自分の考えを整理ついでに備忘録として書こうと思います。

 でどのようなやり取りであったか?はコメントをそのまま引用します。(複数返信の部分の場合、maco氏への返信部分はふと文字に編集)

2. こんにちは

>軍事力がないと外交は力を持たない

私もこの部分についてちょっとコメントを。

これを前提として考えた場合にも、「では一体どの程度必要なのか?」という点で見解が分かれているだけのようにも思えるのですが如何でしょうか。

例えば、米軍基地は不要という左翼にしても、今や自衛隊の存在までは否定していなかったり、現在保持している戦力まで放棄せよという極論はあまり聞こえてきません。

一方、ネトウヨらの主張する「軍事力」もまた、米中と競うほどの話を持ち出したりしていて現実味がありません。

「自衛のための軍事力」というのが、「ある」「なし」ではなく、実際どの程度あればいいのか、またそれは実現可能な現実的な話なのか、整えたと仮定して、それで防衛できるのか、というところまで考えた議論が必要な気がします。

maco 

4. Re:無題

>Museさん
仰るとおりで、本当になんでこんなに危機感が無いのだろうか?と不思議でなりません。

>macoさん
「いったいどの程度必要か?」というところには、確かに議論の余地がありそうですね。
私見としては「敵基地を攻撃できて、一定の報復能力を擁する」くらいは必要だろうと思います。
要するに抑止力の観点から、「日本に手を出すと痛い目にあうぞ」と思わせる程度くらいは、というわけです。


>ソウルメイトさん
仰るとおりで抑止力として軍備を持ちつつ、外交で押し合いへし合いできれば、まあ十分だろうと。
敵基地攻撃能力を持たない日本は、その段階にすらたっていないので、どうにもこ~にもならないかなぁ、と思うわけです。

ヤン・ウェンリー命◆OgIneQVpHWWz 

5. Re:Re:無題

>ヤン・ウェンリー命◆OgIneQVpHWWzさん

なるほど。
敵基地攻撃能力の保有ですね。

しかし疑問もあるんですよね。
あんなに軍事力が強大な米国が挑発されているのは何故なんでしょう?
軍事力が抑止になるなら、北朝鮮は米国を挑発しないでしょうし、ISISも攻撃してこないはずですよね。

聞くところによると、北朝鮮には既に核シェルターになる巨大地下都市が建設されているという話もあります。

平壌地下鉄は深さ100メートルのところにあって、車も地下道路を走行できるそうですが、噂される地下都市は300メートル付近にあるとのこと。

これがもし真実なら、「脅しても効果がない」ということも考えられますね。

こんな記事もあるのでよかったら読んでみてください。
http://www.liveinpeace925.com/commentary/who_threat_base_attack.htm
つい最近のことのように感じられますが、8年も前の記事です(笑)

この記事の内容の正否はともかく、同じネタの焼き直しばかりで日本はちっとも進歩していないということがよく分かります。

maco 

6. Re:Re:Re:無題

>macoさん
仰る指摘はごもっともなんですね。
簡潔に私の診断でいいますと、アメリカはもはや中国と戦争ができない、と北朝鮮に見抜かれているし、またアメリカにとって中国はビジネスパートナーでもありますから。
というような事情もあるのでしょう。

ですので仰るとおり、敵基地攻撃能力を持てば即抑止出来るか?と言われると、必要条件であって、十分条件ではないであろう、という話になるかと思います。

北朝鮮、中国の地下施設の噂は確かに絶えませんね~。あると思っておいたほうが良いような。

記事拝見しました~。まぁ、昔からこの手の議論は進展なしですね(笑)
個人的には朝鮮半島へのミサイル報復能力だけでなく、揚陸能力が必須のような・・・と。
(日本は揚陸艦とかも持ってなかったような)
※敵地攻撃能力、揚陸能力があっても、それが即抑止につながるかどうか?はともかく、取れる外交手段、カードの幅が広がることだけは確かです。

ヤン・ウェンリー命◆OgIneQVpHWWz 

 論点を整理しますと、例えば北朝鮮の固形燃料型のノドンなどは移動式であるわけで、そもそも敵基地攻撃能力を得たからと言って抑止できるのか?ですとか、もしくはあの強大な軍事力のアメリカが、さんざん北朝鮮に挑発されているのはどういうわけだ?という疑問が出てくるのは当然かつ自然です。

 短めには私見をご説明したのですが、か、書き足りない・・・(笑)

 というわけで備忘録なのですよっと(笑)

アメリカが挑発されているわけ

 まずは北朝鮮という国の成り立ち、アイディンティティとアメリカの立ち位置、歴史の確認からしてみます。

 北朝鮮が成立したのは戦後すぐの1948年。例によってソビエト、アメリカの2大国の分断統治でございますね。その後、東西冷戦のさなかに朝鮮戦争が勃発し、後に「血の同盟」と称される中国の参戦や、ソビエトの密かな空軍派遣などがありました。

 北朝鮮軍は当初は優勢であったものの、アメリカの参戦によって押し込まれ、敗北寸前まで行ったところで中国が参戦という寸法です。

 

 このことからも北朝鮮の対アメリカへの感情や立ち位置というのは、当然ながら反米にならざるをえないのは自然で、それは過去から割りと一貫しているスタンスです。

 逆にアメリカは「自由と民主主義を広める」という大義名分のもとに、例えばイラク戦争でフセインをぶっ殺したりとフリーダムなジャイアンなのですね。

 故に北朝鮮と金王朝がアメリカを恐れ、また警戒するのは当然であろうと思います。

 

 さて、現在の国際情勢ではアメリカは北朝鮮にほとんど手出しできません。国連でアメリカ大使が「史上最強の制裁!」とか喚いているようですが、これこそ「アメリカ単独ではもう何も出来ない」ことの裏返しです。

 何故か?これには北朝鮮と中国の関係を知ることも重要です。もし仮にアメリカが北朝鮮を軍事攻撃したとしたら中国に難民がなだれ込み、ただでさえ一党独裁で安定性に欠ける共産党政権にはどんなリスクが有るかわからない。

 また中国が仮に北朝鮮への経済制裁で石油の禁輸をしたとしても、そのすきを突いてロシアが輸出量を増やすだけの話になりかねません。

 とすると中国の国益が損なわれるという話になります。

 

 従って中国としては血の同盟がまだ生きているかどうか?という情緒的な話よりも、北朝鮮にアメリカが軍事攻撃しようとしたら「俺らが相手するかもしれんで?こら?」と牽制しつつ、体裁上は「平和な解決、外交による解決(不可能)」を提示しておくことのほうがよっぽど「マシな選択肢」であるわけです。

 アメリカからしたら中国の了承が得られなければ、北朝鮮への軍事攻撃は考えにくい。

 そして北朝鮮もこの事情を了解しているからこそ、「敵国」アメリカにあれだけ挑発を繰り返すというわけです。

 

 そして上記の事情は、もし日本が敵地攻撃能力を保有したとしても変わらない。しかし使いようによっては外交カードになるかもしれません。

敵地攻撃能力はどこまで保有するのか?

 我が国は、というか殆どの国は先制攻撃が出来ません、一応(笑)確か国際法でも侵略戦争、つまり先制攻撃は認められていなかったはずです。

 まあ、アメリカのような横暴な国家は「大量破壊兵器がある!」とかいちゃもんを付けて、これを横紙破りするわけですが、殆どの国家はそれは出来ればやりたくない。なぜなら他国から「侵略戦争だ!」と口を挟まれると、無用の介入を招くおそれがあるからです。

 

 ということで先制的な敵基地攻撃能力というより、報復的敵基地攻撃能力の保有を私は主張します。一応現在の日本の防衛力を解説しますと、もし先制攻撃されたとしても報復的に敵基地攻撃をする能力は「ありません」なのですね。

 領海、領土に入ってきた敵を防ぐ能力しか持ってないわけで、これはちょっと常識的に考えても不利すぎるでしょう。将棋で防御のみをしているようなもので、カウンターすら出来ないとなればやられ放題(笑)

 

 さて、報復的敵基地攻撃能力を保有するとすると、相手国のミサイル基地を潰すといったミサイル攻撃も視野には入るのですが、軍事の基本は歩兵です。

(ここは説明が長くなるので端折りますが、敵基地攻撃能力の本質は「敵基地制圧能力」です。シリアでアメリカがトマホークをいくら撃っても、最終的には周辺国の歩兵が制圧しないと終わらないわけです)

 ということでミサイル攻撃ももちろん視野にいれるわけですが、揚陸能力も当然ながら視野に入れないと意味が全くありません。

 そこまでやって初めて「抑止力」として必要条件くらいは満たすであろうと思うわけです。(十分条件ではありませんが)

 

 そして「万が一に備えて装備、人員、ノウハウを揃えておく」ということは、日本の外交が取れる選択肢が広がることを意味します。

 何の目的のために選択肢を広げておくのか?といいますと、軍事衝突が無いままに時間が経過して、相互の信用や妥協、現状の追認などが築かれるまでの時間稼ぎでしょう。

 共存の道とは「こちらが一方的に譲ること」から生まれるのではなく、軍事力も含めたパワーバランスを保ち、妥協や交渉、要求をしながら時間が経過することで生まれるのだと思います。

 アメリカが南米に侵攻する、なんて誰も思わないでしょ?それと一緒です。

 

 そして日本の選択肢を1つでも多くすることこそが肝要で、選択肢がなけりゃ戦略もクソもありませんからね。

 

 というのが私のおおよその見解です。

 おそらく反論としては「日本が敵基地攻撃能力を獲得したら、東アジアから強い反発があるのではないか?」などだと思いますが、10年もすればみんな忘れてます(笑)既成事実化できます(笑)

 中国の核実験の時にずいぶん騒いだと思いますが、いまや「中国は核保有国」として誰も「核兵器を廃棄しろ!」なんて言わないでしょ?インドも一緒。そんなもんです。

 

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本日の男の料理 豆ご飯

 スーパーに塩豆なるものが売っていて、それを使った豆ご飯。

材料

  • お米
  • 塩豆(ソフトタイプ)
  • 昆布
  • 薄口醤油
  • 日本酒

調理手順

  1. 超簡単。お米を研いでお水を入れて、お豆、昆布を入れたら塩、薄口醤油、日本酒少々で味付けして炊飯器のスイッチオン!(笑)

 白ご飯が苦手な人におすすめの一品です。

 

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