マンションの床耐荷重について教えて下さい
鉄筋コンクリート9階建て分譲マンションの、4階に居住しております。
熱帯魚飼育用に150×60×60センチ・メートル程度の大きさの水槽を設置しようと、
当マンションの「耐荷重」を調べたところ、180キロ・グラム/1平方メートルとのことです。
ということは、体重90キロ・グラム以上の成人が2人並んで立ったら、
床が抜け落ちる可能性がある(!)ということなのでしょうか。
また、浴槽は長さ120センチ以上ありますが、お湯をいっぱい入れても大丈夫なのでしょうか?
非常に不安なので、教えて下さい。
1平方メートルに体重90キロ・グラムの人が2人いると、
床が抜け落ちる?……計算ではそうなりますが、
建物は全体の強度でもっているので大丈夫です
耐震強度偽装事件などもあり、余計に不安になるのかと思いますが、
まず「床の耐荷重が180キロ・グラム/1平方メートル」というのは、
建築基準法施行令第85条の、居室の床の「積載荷重」で定められた基準値です。
ですから、お住まいのマンションは、基準を満たした建物と言えます。
マンションの床は通常、鉄筋とコンクリートからできています。
鉄筋は強度がある上、粘り強いという長所がありますが、空気に直接長い間触れていると、
錆びてしまうという弱点もあります。一方、コンクリートは床や壁を造るのに適していますが、
一定以上の力が加わると割れてしまうという、もろい性質もあります。
そこで、錆びやすい鉄筋をコンクリートで覆い、お互いに弱点をカバーし、
長所を生かし合っているわけです。
安全を確保するため、床は建物の用途などによって、
構造計算により鉄筋の間隔やコンクリートの厚みが計算されています。
ちなみに、事務所ビルや店舗などは300キロ・グラム、
駐車場は550キロ・グラムに定められています(荷重値はいずれも1平方メートル当たり)。
実際には、アップライトピアノは200~270キロ・グラム、
グランドピアノは400キロ・グラム近くありますので、
荷重が分散されるように置き方に工夫されてはいかがでしょうか。
質問者のご心配は、言われてみれば確かにその通りですが、
計算には余力もありますし、建物は全体の構造の強さでもっていますので、
90キロ・グラムの人が一平方メートルの中に2人いても、人は動いたりしますし、
満杯の浴槽でも水は排水もするので、心配は無いでしょう。
しかし、一定の荷重が常にかかる水槽の場合は、この大きさですと、
ざっと計算しても水槽だけの重さで500キロ・グラム以上にはなるでしょう。
従って計算上は重さに耐えられないので、
置き方や補強などを検討されたほうがよいと思います。