マンションの床耐荷重 (原状回復バスターズ) | 原状回復バスターズ活動日記 03(5962)7660 

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マンションの床耐荷重について教えて下さい


鉄筋コンクリート9階建て分譲マンションの、4階に居住しております。

熱帯魚飼育用に150×60×60センチ・メートル程度の大きさの水槽を設置しようと、

当マンションの「耐荷重」を調べたところ、180キロ・グラム/1平方メートルとのことです。

 ということは、体重90キロ・グラム以上の成人が2人並んで立ったら、

床が抜け落ちる可能性がある(!)ということなのでしょうか。

また、浴槽は長さ120センチ以上ありますが、お湯をいっぱい入れても大丈夫なのでしょうか?

 非常に不安なので、教えて下さい。



1平方メートルに体重90キロ・グラムの人が2人いると、

床が抜け落ちる?……計算ではそうなりますが、

建物は全体の強度でもっているので大丈夫です

 耐震強度偽装事件などもあり、余計に不安になるのかと思いますが、

まず「床の耐荷重が180キロ・グラム/1平方メートル」というのは、

建築基準法施行令第85条の、居室の床の「積載荷重」で定められた基準値です。

ですから、お住まいのマンションは、基準を満たした建物と言えます。


 マンションの床は通常、鉄筋とコンクリートからできています。

鉄筋は強度がある上、粘り強いという長所がありますが、空気に直接長い間触れていると、

錆びてしまうという弱点もあります。一方、コンクリートは床や壁を造るのに適していますが、

一定以上の力が加わると割れてしまうという、もろい性質もあります。

そこで、錆びやすい鉄筋をコンクリートで覆い、お互いに弱点をカバーし、

長所を生かし合っているわけです。


 安全を確保するため、床は建物の用途などによって、

構造計算により鉄筋の間隔やコンクリートの厚みが計算されています。

ちなみに、事務所ビルや店舗などは300キロ・グラム、

駐車場は550キロ・グラムに定められています(荷重値はいずれも1平方メートル当たり)。

実際には、アップライトピアノは200~270キロ・グラム、

グランドピアノは400キロ・グラム近くありますので、

荷重が分散されるように置き方に工夫されてはいかがでしょうか。


 質問者のご心配は、言われてみれば確かにその通りですが、

計算には余力もありますし、建物は全体の構造の強さでもっていますので、

90キロ・グラムの人が一平方メートルの中に2人いても、人は動いたりしますし、

満杯の浴槽でも水は排水もするので、心配は無いでしょう。


 しかし、一定の荷重が常にかかる水槽の場合は、この大きさですと、

ざっと計算しても水槽だけの重さで500キロ・グラム以上にはなるでしょう。

従って計算上は重さに耐えられないので、

置き方や補強などを検討されたほうがよいと思います。