今でも伝説として語り継がれている,ピンク・フロイド(Pink Floyd)初来日の箱根アフロディーテ公演(1971年8月6日,7日).
 昨年12月には,その初日を捉えた 『 All Together Now - Hakone Aphrodite (EVSD-1423/1424) 』 が,Empress Valley Supreme Disc(Disk)レーベルよりリリースされ,その存在,および今まで初日公演(8月6日)としてリリースされていたのが 2日目の公演(8月7日)だった事実に驚嘆したのは記憶に新しいところです.

 そして,2015年10月のリリース告知と同時に店頭に並ぶ暇もなく予約完売となった Sigmaレーベルの箱根アフロディーテ公演を収録した 『 Hakone Aphrodite 1971 : Remastered & Restored (Sigma 139) 』 が,何と商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテムとして登場.
 因みに,50セット限定ではありますが,ギフト・アイテムとしてのパッケージでは無く,商品そのもので,ジャケットの日付も正しく 2日目に修正されています.
 在庫処分的な意味合いもあるのか,初来日50周年と言う事もあるのか,何れにしても太っ腹ですね.

 これは,ギフト・アイテム入手の為に商品を 2組購入するでしょ(笑)
 詳細は

 メーカー情報では
 『初来日50周年に相応しい最高峰更新版が登場する今週は、ギフトにも豪華プレス・タイトルをご用意しました。その豪華ギフトとは『HAKONE APHRODITE 1971: REMASTERED & RESTORED』。6年前に衝撃を呼んだ箱根アフロディーテ2日目(8月7日)の極上ライヴアルバムです。

 本作は約55分・3曲分「原子心母」「太陽讃歌」「エコーズ」という抜粋ライヴアルバムですが、史上初登場となった箱根2日目の「太陽讃歌」や「エコーズ」のノーカット収録がコレクター諸兄を震撼させたセンセーショナルなタイトル。オリジナル・リール・テープ(残念ながら大元のカセットは紛失してしまった模様)からダイレクトにトランスファーされたサウンドも素晴らしい銘品モノラル・オーディエンス録音でした。
 また、本作の登場は箱根探求の大きなヒントでもありました。長い歴史の中で象徴的なテレビ放送も含めて6種の記録がすべて「初日」とされ、当初は同演奏の本作も「初日」と考えられてきました。ところが、これは間違いだった。ご存知の通り、昨年末に「本当の初日録音」が発掘され、「これまでの録音はすべて2日目だった」という衝撃の展開を迎えました。本作もまた「実は2日目」の1つだったわけですが、先日の発掘に先んじて真実も語っていたのです。それはリール・マスターのラベルと、それを封入していた箱。それぞれ「Augt. 7th, 1971」と書かれていたのです。歴代の記録達が「8月6日」とされていたために、そちらを信じて「ラベルがミス」と判断したわけですが、それこそが誤りだった。本来であれば、6年前に判明していたはずの事実を見落としてしまったのです……。

 閑話休題。そんな歴史書の事実更新はさておき、本作の要は詰まっている音楽そのものにあります。
 そもそも、この3曲分のリール・テープは70年代に大本のカセットから移されたもの。ところが、その際に当時のエンジニアが疑似ステレオ処理をしてしまった。初出の際には、そんなリールを素のままにCD化していたのですが、「マスターの真実」より「演奏の真実」迫るなら作為のない自然な原音こそがベスト。その難題にチャレンジにし、オリジナルの自然なモノラル・サウンドを再現したのが本作『HAKONE APHRODITE 1971: REMASTERED & RESTORED』だったわけです。当然なことながら、このタイトルもマニアから絶賛され、その全てが予約完売となり、以降5年間まったくと言っても良いほど、市場から姿を消してしまいました。しかし、今回は大阪の新名盤誕生に併せて再捜索。海外倉庫に50セット分を発見、急遽ギフトリリースが決定となりました。
 上記の経緯もありますので、今回のギフト・リリースのみ裏ジャケットの日付を正確な「8/7」に訂正しています。この3曲入り復刻リールの最良版が今後この形態でリリースされることはないでしょう。完全新品で入手できる最後のチャンス。是非とも、お見逃しなくコレクション加えてください。

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 ★下記は2015年リリース時の説明文です。ご参考まで(★懐かしいですね)

 リリースが告知されるやいなや瞬時に予定枚数に達し即刻完売した『HAKONE APHRODITE 1971: MASTER RECORDING (Sigma 138)』。今週はその傑作タイトルのサウンドの源流に迫る最新作が登場致します!!

 まず初めに、先日の『HAKONE APHRODITE 1971: MASTER RECORDING (※以降" 既発盤 "とします)』と本作の違いについておさらいしましょう。既発盤に使用したテープは71年の夏に箱根アフロディーテで現地収録されたマスターのリールテープがまずあって(※以降、テープAとします)、これを後日別の人物が別の60分リールテープに3曲だけ完全な姿で抜き出したテープを使用致しました(※以降、テープBとします)。しかしこのリールテープBはマスターリールテープAから制作された際にエンジニアによって疑似ステレオ処理が施されており、テープAは元々モノラルで収録されていた事が分かっています。勿論テープB、すなわち既発盤をお聴き戴いた方であればその擬似ステレオの仕上がりが大変優れていた事を御実感されたと思いますし、1970年代初頭にこういった音処理を可能とする専門機材をエンジニアの方(※テープB現物の提供者です)が持っていた事にも改めて驚かされる訳ですが、しかし一方でマスターリールテープAは一体どんなサウンドだったのか?というオリジナル収録音への興味と素朴な疑問が沸いてきます。そこで今回当レーベルはこの「疑似ステレオ処理を施す前の元音」を再現すべく、手入れが行き届いて動体保存が完璧な国産リールデッキと2015年最新機材を駆使し、現物のリールテープBからテープAの元音を復活させる試みを成功させたのです!!

 ではどうやってテープAの原音にレストアしたのか、となる訳ですが、既発盤をお持ちの方は「原子心母」の5分01秒をお確かめ下さい。ここで右チャンネルにのみ「♪Ahh..」という、コーラスパート出だしのギルモア(リック?)の声が僅かに一瞬だけ入っているのが御確認戴ける筈です。これこそ擬似ステレオ制作時の痕跡そのものですが、この事からテープAからテープBを作成する際にエンジニアが右側の成分を足して制作した事がお分かり戴けると思います。つまり左チャンネルのサウンドこそが箱根で現地収録されたモノ・マスター・テープAの収録音そのものと推測される訳で、本作はこの左チャンネルを主軸にマスターのサウンドを甦らせたのです。また既発盤はテープBの収録音を一音残さず丸ごと未加工で完全収録しましたので、今回はモノラル化に伴って最新のデジタル・リマスターを施し、音像を一新しているのも大きな特徴となっています。特に顕著なのは高音域に適切なイコライズ処理をした事で全体的に若干モコモコして平坦だった既発盤の音の印象を解消し、より端整で鋭いサウンドが出るようになった点です。また音源そのものをモノラル化した事で音のリバーブ感が無くなっている=各楽器の出音がブレずに素直に出ている事も本作の大きなトピックとなっています。そして曲順も今回は「エコーズ」と「太陽讃歌」を入れ替えて収録致しました。直近ライブの8月9日大阪公演の曲順でもこの様なオーダーで演奏されていますので、マスターオリジナルのサウンドで聴くならこの順で聴く方がより自然な流れではと検証した結果です。

 各収録曲が既発盤と本作でどの様な違いが出ているかをざっと御紹介しますと、まず「原子心母」は前述した通り既発盤5分01秒での「♪Ahh..」という、右チャンネルにのみ一瞬現れたコーラスパート出だしの声が無くなっています。これは右チャンネルの成分を無くした訳ですから当然でしょう。とはいえこの曲は左チャンネルも磐石ではなく、擬似ステレオ化の際に行っているディレイ処理が原因で、ほんの僅かに音飛びが生じていた箇所が存在しました。具体的には既発盤の00分15秒、2分06秒、5分01秒、13分09秒、13分23秒、14分43秒、15分13秒等が相当しますが、これらは右チャンネルの音でパッチ当てして音飛びの修正を完璧に行っておりますので、終始非常に安定した聴き心地で曲の進行が追える様になっています。また音のリバーブ感が無くなった事で3分13秒から入ってゆくギターソロやその後のツイン・コーラスではそれぞれの出音がより直接的に聴こえる様になり、擬似ステレオ以上に焦点の定まったサウンドが御愉しみ戴ける様になっています。

 ノーカット完全版で初登場した「エコーズ」も、その全体像が最高値で輝くよう細心の調整を施しました。最も顕著な変化は既発盤後半の17分58秒付近~19分00秒付近にかけて多発していたテープBの経年劣化による微妙な音揺れ(ピッチの狂い)でしょう。これを最新機材で丁寧にピンポイントでデジタル補正し、本作では究極と言っても過言ではないほどの精緻な音像を取り戻す事に成功しています。また16分46秒の音ブレ、その1秒後の47秒にあったパチノイズも完璧に修正し元の姿を取り戻しました。更には後半の3分間で微妙にピッチが高くなっていた音像(※テープの経年劣化の為ですが、既発盤はありのままの姿をトランスファーする事を主眼に置いた盤でしたので、敢えてそのまま残してありました)も今回はパーフェクトに修正しておりますので、これにてこのテープが根源的に抱えていたピッチの諸問題は全て完璧に解消されたと申し上げて良いでしょう。また既発盤の13分40秒、14分13秒~37秒付近に存在していた左チャンネルのくぼんだ音像・僅かな音切れも、実音に影響が出ない範囲に的確なトリートメント処理をしてあります。これにより" わゅんわゅん..."と歪んでいた音像がスッと直球で通るサウンドで甦っているほか、曲中盤でリズムが前面に出てくるシーン(※8分52秒付近~12分07秒付近)も音の焦点が定まり、威力ある中音域の音の塊がブレの無い近距離サウンドで迫ってくる様になりました。更に更にモノラルに戻した事で録音機周辺で観客が喋る声もより鮮明に聞こえるというユニークな特性も併せ持つ様になり、これもまた本作の大きな魅力になっています(※冒頭00分13秒~24秒で入っている" ねえねえ、エコーズって『神秘』に入ってる? 知らない? "という声や、「原子心母」5分30秒付近の" あと...2枚くらい?" など)。

 また御存知とは思いますが、箱根で演奏されたこの曲は歌詞1番が"Overhead the albatross..."で始まるのではなく、" ♪ Planets meeting face to face... "で始まっており、曲の初期バージョン「The Return Of The Son Of Nothing」時期の面影が残る最末期の演奏となっています。箱根アフロディーテの直後、翌9月18日から始まる秋の欧州ツアーではその初回となるモントルー公演からアルバム収録された完成形の歌詞になったものが演奏されますので(※この様子は『MONTREUX 1971 (Sigma 113)』でお聴き戴けます)、このレアな曲の姿が曲紹介のシーンも含めノーカットで、しかもマスター元音に最も近い特上のモノラル・サウンドで聴き迫ってゆける悦びは本作ならではのアドヴァンテージと言えるでしょう。勿論この旧バージョンの歌詞1番もリバーブ感の消えた、当日のギルモアのマイクにかけられていた純正エコーのみで音が拡散していますので、当日のオリジナルな響きに最も近い残響感がじっくり御愉しみ戴けます。

 史上初登場となった「太陽讃歌」も今回はこの位置で収録しました。この曲は既発盤でも左右両チャンネル特に問題ありませんでしたが、唯一12分09秒付近~16秒、同29秒付近~32秒付近にかけてじんわりと発生していた右チャンネルの入力の弱さがありました。しかし今回は右側の入力がそもそも無くなっていますので、更に安定した聴き心地がお愉しみ戴ける様になっております。この曲は既発盤のサウンドも大変魅力的でしたが、しかしここで聴ける導入のマレット連打による響きの拡散や呪文の様なロジャーの声、そして終始漂うか細い不気味な旋律がそれぞれしなやかに繋がってダイナミックに炸裂する姿は既発盤とは全く違う波動と陶酔を放っていますし、中盤で曲の鼓動が剥き出しで現れる様子に至ってはリールマスター元音を甦らせたサウンドならではの驚きが備わっています。

 最後にひとつだけ書き添えておきますと、本作は決して『HAKONE APHRODITE 1971: MASTER RECORDING』のアッパー版ではないという点です。何故なら両音源はサウンドの質が根本的に違っているからで、例えば「エコーズ」の鳥の鳴き声シーンにしても本作の特上モノラル・サウンドでは一音ずつのアタックが非常に強い音触で出てくるのに対し、既発盤では程好い残響を音域一杯に残しながら立体感抜群の音で進行してゆくなど、擬似ステレオだからこそ得られた演奏のダイナミックさや臨場感が備わっています。一方本作は出音のピントがパーフェクトに合っているからこそ獲得出来た微細な響きが魅力となっており、モノラルでありながらポリフォニーの細部まで追えるその精緻な音像は、71年箱根のフロイドを堪能するに相応しい実音の威力を最高値で伝えてくれます。イコライジングで完璧に解消されたピッチと音揺れも各楽器と声部の歯切れの良い出音を呼び覚まし、テープBがその制作過程で減じてしまった原点の輝きを完全に取り戻しているのです。本作をアッパー版という単純な位置付けではなく" Remastered & Restored "と銘打っているのはこうした別の魅力を惹き出した盤である事を示唆している為で、先日の既発盤を入手出来た方・出来なかった方のどちらにも御満足戴ける充実のタイトルに仕上がっているからこそなのです。今週末、是非、リニューアルされた、新しい「箱根71」をお楽しみ下さい。

 ★2015年にリリースされ、速攻予約完売したタイトルです。6年ぶりの再入荷。

 ★★50枚限定の特別企画。今回のギフト盤は裏ジャケを再印刷したので、日付は正しく「7th August」に修正されています。』

Hakone Aphrodite 1971 : Remastered & Restored (Sigma 139)
 
 Live At Jofudai, Seikei University Campus,Hakone,Kanagawa,Japan 07th August 1971
 Taken From The Original Reel-To-Reel Tape [Sony HF-370]

   1. Atom Heart Mother
   2. Echoes
   3. Set The Controls For The Heart Of The Sun
   TOTAL TIME (54:20)

 Echoes
 

[参考]
 Tape Reel [Sony HF-370]
 

 1971 Japan Tour Dates
 August
  06 Hakone Aphrodite '71,Seikei Gakuen Jofundai,Hakone,JAPAN
  07 Hakone Aphrodite '71,Seikei Gakuen Jofundai,Hakone,JAPAN
  09 Festival Hall,Osaka,JAPAN

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#2021‐05‐18