今でも伝説として語り継がれている,ピンク・フロイドの箱根アフロディーテ(過去ブログ「Memories Of The East (Sigma 24)」参照) 公演.
 本CDは,箱根アフロディーテ公演後,1日おいた最終公演にあたる 8月9日大阪フェスティヴァル・ホール公演のオーディエンス録音を収録したものです.

 過去に Zeus レーベルから 『 Live In Osaka 1971 (Zeus Z20102701/2) 』,またその元マスターの 2nd Gen を使用して Sigma レーベルから本公演の決定盤として 『 Osaka 1971 (Sigma 67) 』(過去ブログ参照) がリリースされていますが,本音源はこの元マスターから派生している 3rd Gen を使用してプレス化されたもので,アドバンテージとしては音質がよりナチュラルである事,また既発に比較して若干長めに収録されている点です.音質は個人の好みなので 『 Osaka 1971 (Sigma 67) 』 なのか,本CD 「Osaka 1971:A New Tape Transfer (Sigma 106) 』 なのか意見が分かれるところかも知れません.

 公演の詳細等は,過去ブログ 『 Osaka 1971 (Sigma 67) 』 を参照してください.

 メーカー情報では
『1971年、箱根アフロディーテ公演を含む初来日より、8月9日の大阪公演のベスト・ヴァージョンが登場です。
  2011年に同じ Sigma からリリースされていた「Osaka 1971」が本公演の決定版とされていましたが、本盤は、同じマスターながらそれとは異なるジェネテープを使用しています。
  Set The Controls For The Heart Of The Sun のイントロは演奏部分がなんと10秒も長く収録されており、その間、5秒目付近で初めて登場する観客の会話(女性?)をステレオの右側で聴くことができます。Cymbaline の前のサウンドチェック音も若干ですが、長めに収録されています。これだけでもコアなフロイド・コレクターには必携のアドバンテージなわけですが、それとは逆に前作の「Osaka 1971」で聴ける Set The Controls For The Heart Of The Sun 終演後の歓声が本盤には未収だったりもします。これは、マスターテープからコピーされた、それぞれのテープの編集具合によって生じた差異として考えられます。(曲間を異なる編集で繋いでいるので、このような違いが発生している。)厳密に言うと、既発「Osaka 1971」は 2nd Gen テープをDATにコピーしたテイクを使用しており、今回のヴァージョンは、最近出回った 3rd Gen テイクを収録しているわけですが、海外のフロイド専門家も「the 3rd gen version is the best sounding version of this show that is in circuation among collectors」と発言している通り、大阪71年録音に関しては、現状、本テイクが最も良質なあるがままのサウンドであると言えると思います。
 聴き比べれば容易にわかりますが、本作は、ヒスはあるものの、加工感のある既発に比べて、より自然で奥行きを感じさせるサウンドで収録されています。それぞれがどの世代のコピーかは断言するのは難しいとは思いますが、ここまで魅力的かつ高品質なサウンドは、相当ロージェネのテープを使用しないとありえないことは、一聴すれば判ると思います。特に初期型の演奏を聴かせる Echoes、極上の演奏が聴ける Set The Controls For The Heart Of The Sun、足音の音声効果が聴ける Cymbaline、更にはラストを飾るリックのピアノの乱れ打ちが聴く者に強烈なインパクトを与えるA Saucerful Of Secretsと、全編を通じて、フロイド史に残る高品質な演奏を堪能することができます。つんざつばかりの Echoes のカモメのトーン、更には各曲で聴ける、凄まじいばかりの音の壁は圧巻の一言で、この時代に、よくぞこれだけの音で録音してくれた、とテーパーに感謝の思いを抱くほどの名録音・名演奏を楽しむことができます。』
との事.

Osaka 1971:A New Tape Transfer (Sigma 106)
 PF Osaka 1972 New Tape Transfer
 Live At Festival Hall,Osaka,JAPAN 09th August 1971
 A New Tape Transfer Of A Low Generation Tape

 Disc 1
  1. Green Is The Colour
  2. Careful With That Axe, Eugene
  3. Fat Old Sun
  4. Atom Heart Mother
  TOTAL TIME (50:06)

 Disc 2
  1. Echoes
  2. Set The Controls For The Heart Of The Sun
  3. Cymbaline
  4. A Saucerful Of Secrets
  TOTAL TIME (74:11)

 Echoes
 
 Set The Controls For The Heart Of The Sun
 
 Cymbaline
 
 A Saucerful Of Secrets
 


 本CD 「Osaka 1971:A New Tape Transfer (Sigma 106)」 の、初回プレスのナンバー入りステッカー付きに限り,1971年2月12日のイギリスはコルチェスターのエセックス大学公演をオーディエンス収録した「University Of ESSEX 1971 (Special Bonus CDR)」が付属しています.

 オーディエンス・ノイズも少なく,各楽器のバランスも相応に良く,且つナチュラルであり,少し篭った感のあるネット音源と比較すると,トリートメントにより聴き易くなっています.
 ボーナス・アイテムではなく,プレスにしてもおかしくない音質です.と記載していると,即プレスとして販売されたりして.(苦笑)

 メーカー情報にもありますが,本音源は,約 1ヶ月半前の2013年11月初に Beechwoods なる人物自身の 2nd Gen を,同氏が24bit/96KHzのハイレゾ音源として変換し,Bert13 なる人物がピッチ補正等を行ったものです.
 そしてネット上にアップされたものにトリートメントを施してボーナス・アイテムとして CDR化の為,ダウン・コンバートしたものです.
 参考までにネット上にアップされた際の Beechwoods なる人物の 2nd Gen のカセット・テープの写真もアップしておきます.

 Beechwoods氏のカセット・テープ
 

 ロジャー・ウォーターズの 「OK. Here We Go」 の掛声から,エンジン音のSE(:Sound Effects)が流れ,4人編成での "Atom Heart Mother" の演奏が開始され,"The Embryo","Carefukl With That Axe, Eugene" と続く訳ですが,興味深いのは翌日のテクニカルカレッジ公演(ブログ「Live At Technical College Remaster Edition」参照)も同様に "Carefukl With That Axe, Eugene" の前に "Green Is The Colour" が演奏されていない点です.
 "Green Is The Colour" から "Carefukl With That Axe, Eugene" へのメドレー形式の演奏は,前年1970年12月まで,またこの後の 2月24日ドイツのハレ・ミュンスター公演から復活しており,何故この時期メドレー形式をとっていないのかが疑問です.ただその後も "Carefukl With That Axe, Eugene" 単独で演奏される事は多くなります.

 "Cymbaline" も拡がりのある演奏で,途中の足音とドア開閉音のSEが終了し,再び演奏が始まると拍手が沸きおこるのは何度聴いても鳥肌ものです.
 デヴィッド・ギルモアが BINSON社の ECHOREC 2 を多用する "A Saucerful Of Secrets" も素晴らしく,終演後の観客の大喝采の拍手が鳴る中,ロジャー・ウォーターズが「Thank You Very Much, Good Night」と言いステージを去るところまで収録されています.
 ちなみに文献等によると,この日はアンコールとして "Interstellar Overdrive" が演奏されたと記載されていますが,本音源には含まれてはいません.

 メーカー情報では
 『1970年から71年にまたがる Atom Heart Mother リリースに伴うツアーより、'71年2月12日エセックス大学公演を高音質モノラル・オーディエンス録音にて収録。
 元々数年前からトレーダー間には流通していましたが、なぜか過去に殆どリリースされた記録もなく貴重なライブの音盤化と言えます。
 しかし、これがなぜ今までリリースされてこなかったのかが不思議なほど音質は上々なのです。演奏会場が大会場ではなかったのが幸いしたのか、モノラルの Aud録音とは言え演奏も非常に近くでバランス良く捉えられております。ヒスノイズを含みますがノイズリダクションとは無縁の深みと奥行きのある太いサウンドは聴き応え抜群でマニアにはもちろん初心者にも十分お勧めできるクオリティであると断言します。今回使用したバージョンは有名フロイド・トレーダー・サイトに「Bert13」なる人物によりつい最近まとめ上げられアップされた「Beechwoods Tape」と言う2ndジェネレーションのハイレゾバージョンをCD用に改めてダウンコンバートとリマスタリングを施しました。リマスタリングに際しては音色を変えるイコライジング処理は施さず、カット部分の調整や音像定位の修正にとどめました。元々各楽曲間は録音時にテープをその都度オン・オフしていたのか、曲間カットが多いのですが、今回その曲間カットを丁寧に無音部分を省くことでなるべくスムーズに鑑賞できるよう心がけました。とくにAHM~エンブリョ間は編集処理により実質ノーカットに復旧しました。また天の支配序盤の左チャンネルが低かった問題も修正し、より価値ある音盤化となりました。これは本当に良いですお薦めです。』
との事.

University Of ESSEX 1971 (Special Bonus CDR)
 
 Live At Lecture Theatre,University Of Essex,Colchester,UK 12th February 1971
 
 Disc 1
  1. Atom Heart Mother
  2. The Embryo
  3. Careful With That Axe, Eugene
  TOTAL TIME (41:51)

 Disc 2
  1. Astronomy Domine
  2. Cymbaline
  3. Set The Controls For The Heart Of The Sun
  4. A Saucerful Of Secrets
  TOTAL TIME (53:16)

 The Embryo
 
 Cymbaline
 

[参考]
 1971 Japan Tour Dates
 August
  06 Hakone Aphrodite '71,Seikei Gakuen Jofundai,Hakone,JAPAN
  07 Hakone Aphrodite '71,Seikei Gakuen Jofundai,Hakone,JAPAN
  09 Festival Hall,Osaka,JAPAN

[関連情報]
 Live In Osaka 1971 (Zeus Z20102701/2)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Pink Floyd - Live In Osaka 1971 (Zeus)
 Osaka 1971 (Sigma 67)
 Pink Floyd - Osaka 1971 (Sigma 67)


 大阪公演 チケット (ネット上から借用)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Pink Floyd 大阪 チケット

[関連記事]
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  Pink Floyd - Osaka Triple(Sigma )
 「Live At Technical College Remaster Edition
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