大谷選手が2勝目を挙げましたね~さきほど映像を見ましたが、伝家の宝刀のスライダーのほかに、今まであまり投げていないツーシームやカーブを投げていましたね。いくら160キロの球を投げてもそれだけで抑えられるほどメジャーは甘くありません。ツーシームも40センチ以上曲がってました。打てるはずがないですよ(笑)常人離れした変化球に剛速球、そして投球術の高さをみる限りホームランを打たれることはあっても連打は難しいでしょうね。失点パターンは四球のあとのホームランでしょうか。やはりケガや故障が心配です。WBC出場選手の日本人選手の多くが調子を崩している(WBC疲れや調整の難しさ)中、彼だけは異次元の活躍です。技術、体力だけでなく管理面でも超人ですね

 

WBCの野球の熱気がいまだ冷めない中、今日の映画は約40年前の野球を題材にした映画です。野球映画としては若干地味な映画ですが、大人から子どもまで一家で楽しめる映画です

 

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ナチュラル

1984年/アメリカ(137分)

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ハリー・レヴィンソン監督の、1920年代~30年代の古き良きアメリカのメジャーリーグを舞台にしたハートフル・ムービー!

 

 

 監督

バリー・レヴィンソン

 キャスト

ロバート・レッドフォード/ロイ

 

ロバート・デュバル/記者のマックス

グレン・クローズ/ロイの幼なじみ

キム・ベイシンガー/監督の姪メモ

 

ウィルフォード・ブリムリー/監督

バーバラ・ハーシー/ハリエット

ロバート・ブロスキー/オーナー

リチャード・ファーンズワース/コーチ

ジョー・ドン・ベイカー

 

監督は「グッドモーニング、ベトナム」(87)「レインマン」(88)などのバリー・レヴィンソン。主演には、ハリウッド屈指の美男俳優と言われたロバート・レッドフォード。ポール・ニューマンとの共演作でアメリカン・ニューシネマの傑作「明日に向って撃て!」(69)をはじめ「スティング」(73)「追憶」(73)「大統領の陰謀」(76)「スパイゲーム」(01)など話題作に数多く出演。共演にはジョン・ウェインの「勇気ある追跡」(69)「ゴッドファーザー」(72)「地獄の黙示録」(79)などのロバート・デュヴァル。主人公ロイの恋人役には「危険な情事」(88)「101」(96)などのグレン・クローズ。そして、「ナインハーフ」(86)「L.A.コンフィデンシャル」(97)のキム・ベイシンガー、さらに「遊星からの物体X」などの名脇役ウィルフォード・ブリムリー、「ワールド・アパート」(88)のバーバラ・ハーシー、さらにロバート・プロスキー、リチャード・ファーンズワースなど多彩な顔触れです。後で知ったことですが「テルマ&ルイーズ」のマイケル・マドセンが主人公ロイと同じチームの外野手役で、「ボディガード」で気のいい用心棒トニー役のマイク・スターもちょこっと出てました。古い映画ではこうした俳優さんを見つけるのも楽しいですね

 

 

 

 

▲ロバート・レッドフォード/ロイ

▲ロバート・デュバル/マックス

▲グレン・クローズ/ロイの幼なじみ

▲キム・ベイシンガー/監督の姪メモ

 

1920年代のアメリカが舞台

天才的な野球の才能に恵まれた19才のロイ(ロバート・レッドフォード)は、プロ入り寸前にある事件に巻き込まれ銃弾に倒れる。長い年月が流れ35才になったロイは弱小球団のニューヨークナイツに入団する。彼のバッティングでチームは勢いづき、あと一歩のところで優勝まで漕ぎつけたがかつての古傷がロイを襲う・・・

 

  王道のエンタメ映画!

 

主人公のロバート・レッドフォードは、公開時すでに48才。19才と35才のロイを演じるには若干トウがたっておりますが、それはご愛敬。キャッチボールやスイングを見た限りではそこそこサマになってます。それも彼は野球特待生として大学進学した過去があります。そこから俳優に転じ10年の下積みを経験してスターの座を射止めており、それは本作で16年かけてメジャーリーグに登りつめた主人公ロイと重なって見えます

 

 

 

  人生の再生物語!

 

題名の「ナチュラル」は天性の才能の持ち主という意味です。この映画は、一発の銃弾により野球と恋の両方の道を断たれた男が、35才でメジャーリーグで活躍するという人生の再生物語です。冒頭はサスペンスタッチなのですが、そのあとは実にシンプルです。オンボロチームが優勝や勝利を目指すストーリーは「メジャーリーグ」「がんばれ!ベアーズ」「スラップ・ショット」「コーチ・カーター」「クール・ランニング」など多数あるベタな展開なのですが、わかっていてワクワクがとまりません。残念ながら脚本がありきたりでイマイチなのですが、主人公がレッドフォードだと妙に説得感があります。スポーツ映画あるあるですが、とにかく野球がヘタ過ぎる(笑)ただ、この映画はある意味ファンタジーですから、ファンタジーにリアリティを求めるのもどうかと思いました。同じ野球映画の「フィールド・オブ・ドリームス」ほど感動はなく「メジャーリーグ」ほど爽快感もありません。ですが、観終わったあとの温かい気持ちは何でしょう。「レインマン」「わが心のボルチモア」など心あたたまる作品が多いバリー・レヴィンソン監督の大人のファンタジー映画が見終わったあと心地よい風を送ってくれます

 

主演のロバート・レッドフォードは、60年代~70年代のハリウッドで屈指の美男俳優です。73年の「スティング」でアカデミー主演男優賞にノミネート、監督としても80年に「普通の人々」で監督賞を受賞しています。80年代以降は俳優だけでなく監督業としても大活躍で今年85才。永遠の美男子レッドフォードはいつまでも元気でいて欲しいですね。ちなみに、以前企画した「あなたが選ぶ歴代美男俳優は?」の投票では堂々3位でした

 

 

 

 

 

  ファッションも見どころのひとつ

 

この映画は、20年代~のブリティッシュファッションが美しく描かれています。ツイードやフランネルのジャケット、ハンチング、ソフト帽など見ているだけで楽しいです。映画「アンタッチャブル」「華麗なるギャツビー」を思い出しますね。加えてキム・ベイシンガー、グレン・クローズ、バーバラ・ハーシーなどの女優陣のファッションも見どころのひとつです。さらに、個人的にはクラシックな野球のユニフォームが野球小僧としてはたまりません。映画としては、物語の展開が唐突だったり感傷的な気がしますが、ランディ・ニューマンの音楽が知らないうちに胸の中に入り込んできて温かい気持ちになります。実に叙情的で映像も美しいですね。同じ野球映画でデニス・クエイドの「オールド・ルーキー」と似た感じですが、やはりレッドフォードの存在感はさすがで好きな映画の一本です

 

この映画に出て来る3人の対照的な女優陣も見どころです。キム・ベイシンガーは当時31才。美しさは別格でこの映画の前年に「007ネバーセイ・ネバーアゲイン」でボンドガールを演じ、このあと「花嫁はエイリアン」で人気が爆発します。幼なじみ役のグレン・クローズは当時はほぼ無名で、この映画の3年後に「危険な情事」で注目され、いまやアカデミー賞の常連女優です。バーバラ・ハーシーは当時36才。3年後に「或る人々」でカンヌで主演女優賞を獲ります。いわば遅咲きの3人の女優がこの映画のあとスターへの道を歩むことになります

 

 

 

 

「人生は二つの時期があるわ。何かを学ぶ人生とそのあとを歩く人生。記録があろうとなかろうとあなたの名前は残る。大勢の子供たちがあなたに憧れるわ」

 

ラストシーンは冒頭シーンと同じ田園風景の中のキャッチボール。一度目は父と、そして今度は・・・。アメリカ人にとって野球は単なるスポーツではなく、父から子へ継承すべき大切なものなのでしょう。あまり語り過ぎず静かに映画の幕を閉じます

 

是非ご覧ください

 

「野球映画」というと、かなり前に「シネマDEクイズ」の投票型クイズで企画したことがあります。当時の1位は、ケヴィン・コスナーの「フィールド・オブ・ドリームス」でした。今なら少し変わっているかもしれませんね