新型コロナなかなか収まりませんね。こんな時はステイホームで家でのんびり映画三昧といきましょうか

 

この映画を初めて観たのは、サザンの「TSUNAMI」が流行った頃ですから2000年くらいでしょうか。90年代半ばから2010年くらいまでの15年間が自分の人生の中で一番映画を観てなかった時代です。そんな時期にレンタルで観た中の一本です。何度か話しておりますが90年代映画は、70年代や80年代とは全く違う新しいウェーブを感じます。まず、映画自体の骨組みのしっかりした映画が多く、サスペンス映画では特に秀作が多いですね。今日はその中でも好きな一本!

 

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「L.A.コンフィデンシャル」

1997年/アメリカ(138分)

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「ゆりかごを揺らす手」などのカーティス・ハンソン監督が、1950年代を舞台にしたクライム・サスペンス作品!

 

 

監 督

 

カーティス・ハンソン

 

キャスト

 

ラッセル・クロウ/バド(刑事)

ガイ・ピアース/エド(刑事)

ケヴィン・スペイシー/ジャック(刑事)

 

ジェームズ・クロムウェル/タドリー(刑事)

キム・ベイシンガー/リン(娼婦)

 

ダニー・デヴィート/シド(マスコミ関係)

サイモン・ベイカー/マット(俳優)

ロン・リフキン/検事

デヴィッド・ストラーザン/憶万長者

 

主要三人については言うまでもありませんが、「ジュラシック・パーク/炎の王国」(18年)などの名優ジェームズ・クロムウェル、「カッコーの巣の上で」(75年)「ツインズ」(88年)などのダニー・デヴィート、「プラダを着た悪魔」(06年)のイケメン俳優サイモン・ベイカー、その他マット・マッコイ、ロン・リフキンなど今となっては超豪華な俳優陣!「ボディガード」(92年)のトーマス・アラナもちょこっと出ていますがわかりました?

 

▲熱血刑事バド/ラッセル・クロウ

シャロン・ストーン、ジーン・ハックマンらの「クイック&デッド」(95年)、「インサイダー」(99年)、そして「グラディエーター」(00年)ではアカデミー主演男優賞を受賞しています

 

▲エリート刑事エド/ガイ・ピアース

ロードムービーの傑作「プリシラ」(94年)を始め、「英雄の条件」(00年)、代表作である「メメント」(00年)、「ハート・ロッカー」(08年)、「英国王のスピーチ」(10年)など数々の話題作に出演しています

 

▲汚職刑事のジャック/ケヴィン・スペイシー

 

初見はマイク・ニコルズ監督の「ワーキング・ガール」(88年)でした。ご存知「セブン」(95年)で一躍有名になり、*「ユージュアル・サスペクツ」(95年)でアカデミー助演男優賞、「アメリカン・ビューティ」(99年)ではアカデミー主演男優賞を獲っています。以前レビューした「交渉人」(98年)にも出ており、「トップガン」(86年)などで有名なヴァル・キルマーとはジュリアードで同期でした

 

*以前レビューしています

 

 

▲ラッセル・クロウとキム・ベイシンガー

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1950年代のロサンゼルスが舞台_

街のコーヒーショップで元警官含む男女6人が惨殺された。当初は売上金目的の単純な犯行とみられていたが、事件は意外な方向へ進んでいく・・

 

 90年代のクライムサスペンスの傑作!

 

前半をしっかり追っていかないと登場人物が多く、エピソードも途中で絡んできてわかりにくいかもしれません。後半、それらの複雑に絡み合った糸を丁寧に解きほどいていく快感がなんともいえません!脚本の見事さは言うまでもありませんが、50年代の気だるさと卑猥さが映画全体を独特の雰囲気に包んでいます

 

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  ラッセル・クロウとガイ・ピアースの出世作!

 

血の気の多い熱血刑事のラッセル・クロウ

野心家のエリート刑事のガイ・ピアース

要領のいい汚職刑事のケヴィン・スペイシー

 

全くタイプが違う刑事3人が、反目しながら事件を追ううちに腐敗を目の当たりにし、真相に迫っていきます。ひと癖もふた癖もある刑事を熱演する彼らのお陰で、スリリングでいて深い人間ドラマとなっており完成度の高い作品です

 

ケヴィン・スペイシーは別格として、ラッセル・クロウとガイ・ピアースはこの映画で一躍有名になり、その後の活躍は周知のとおりです。こういうサスペンス映画の場合、もちろん脚本、ストーリーの良し悪しが重要ではありますが、もうひとつ重要なのは俳優陣です!今となっては超豪華俳優陣ですが、公開当時観た印象と最近観た印象では若干、趣が違います。それでも面白い映画に違いありません!以前も話したことがありますが、90年代のサスペンス映画は完成度の高い作品が多く、観る映画に迷ったときには是非どうぞ!ただし、凝りすぎた感があるのも事実で、70年代、80年代のサスペンス映画と見比べるのも楽しいですね

 

 

 退廃的で甘美なムード漂う高級娼婦リン!

 

50年代のロスの退廃と男たちの熱い物語の中にあって、キム・ベイシンガーの妖艶な姿は、まさに紅一点の華やかさと儚さがあります。この映画で彼女は第70回アカデミー賞の助演女優賞を受賞しています

 

この映画は、多くの映画賞を獲り、第70回アカデミー賞でも、監督賞、作品賞など9部門にノミネートされ期待されましたが、後に公開された「タイタニック」(97年)が史上最多タイの11部門を受賞し、残念ながら2部門にとどまりました。この年の主な受賞は次の通り

 

★作品賞

「タイタニック」

★監督賞

「タイタニック」

★主演男優賞

ジャック・ニコルソン「恋愛小説家」

★主演女優賞

ヘレン・ハント「恋愛小説家」

★助演男優賞

ロビン・ウィリアムズ「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」

★助演女優賞

キム・ベイシンガー「L.A.コンフィデンシャル」

 

キム・ベイシンガーは好きな女優さんのひとりで、ロバート・レッドフォードの「ナチュラル」(84年)、ミッキーロークの「ナインハーフ」、そしてリメイク版の「ゲッタウェイ」などが思い出されますが、この映画ではミステリアスな美しさにため息しかでません(笑)以前”シネマDEクイズ”(第29回)で出題した「セルラー」もよかったですね

 

 

 

 キーワードは「ロロ・トマシ」!

 

「言い残したいことはあるか?」

「ロロ・トマシ」

 

情報が多く複雑で、一筋縄ではいかないこの映画!殺人犯は?黒幕は?誰がどういう役割をしている?その謎をとくキーワードが「ロロ・トマシ」です!ここから先は観てのお楽しみ!

90年代を代表する一本!

是非ご覧ください!

 

自慢の映画チラシたちをちょっとだけ(笑)