新型コロナウィルス感染はいつまで続くのでしょう。ヨーロッパ、アメリカはますます感染拡大の様相です。早く終息を祈るばかりです
今日紹介する映画は珍しく公開時に横浜で観ております。バブルの真っ只中で公私共に走り回っていた時期です。ファッションで言うとDCブランドが全盛の頃でしたが、この映画のトラディショナルなファッションは素晴らしかったです!その後レンタルで何度も!
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「アンタッチャブル」
1987年/アメリカ(119分)
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鬼才ブライアン・デ・パルマ監督作品で、ケビン・コスナーを一躍ハリウッド・スターに押し上げた80年代映画の傑作!
▲ファッションも素晴らしい!
<監督>
ブライアン・デ・パルマ
トム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」(96)などのアクション映画が有名ですが、比較的初期の「悪魔のシスター」(73)、「キャリー」(76)、「殺しのドレス」(80)などのホラー系もお気に入りです
<キャスト>
ケビン・コスナー/エリオット・ネス
ロバート・デ・ニーロ/アル・カポネ
アンディ・ガルシア/ジョージ・ストーン
チャールズ・マーティン・スミス/オスカー・ウォレス
ビリー・ドラコ/フランク・ニッティ
ショーン・コネリー
▲ケビン・コスナー/エリオット・ネス
▲ロバート・デ・ニーロ/アル・カポネ
1930年代の禁酒法下のシカゴが舞台_
財務省特別捜査官エリオット・ネス(ケビン・コスナー)率いるチーム「アンタッチャブル」と、暗黒街のギャングのボスのアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)との戦いを描いた作品!
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善と悪との単純明快ストーリー!
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カメラが実に見事です!冒頭のファーストカットが天井からのカメラで、徐々に引いていくに従いアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)の周りに多くの記者、手下、床屋たちがとりまき、「この街のボス」を際立たせています
ストーリーは勧善懲悪でわかり易く、それでいて深みがあって、脚本がいいと面白い映画になる見本のようです。これだけの内容にボリュームある映画を二時間でまとめあげたのが見事で、映画にムダがありません。強烈で個性的な映画の多いデパルマファンにとっては物足りないかもしれませんが、しっかり作り込みされている印象です
ストーリー、演出、キャスト、音楽などすべて見事で80年代映画特有のセンスで、すべてに洗練された印象です。70年代の映画だともっと暑苦しく刹那的になったでしょうね。良し悪しというより好みの問題ですがケビン・コスナーは暑苦しい70年代映画には似合わない
▲ケビン・コスナーとショーン・コネリー
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今観ると、夢のような俳優陣!
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初めて会った初老の警官マローン(ショーン・コネリー)が手柄を急ぐエリオット・ネス(ケビン・コスナー)を諭すシーン
「警官の心得を教えてやろう!毎日、生きて家に帰ることだ!」
この映画は、ずば抜けた脚本の面白さに加え、今では考えられない豪華キャストによる共演にもあります。公開当時の年令は次の通りです
ケビン・コスナー/32才
アンディ・ガルシア/31才
チャールズ・マーティン・スミス/34才
ショーン・コネリー/57才
ロバート・デ・ニーロ/44才
まだ青臭さが残る若き日のケビン・コスナーとアンディ・ガルシア。この映画のあとの活躍は周知のとおりで、今やハリウッドの看板スターです。チャールズ・マーティン・スミスは、この後、名脇役として活躍し、ショーン・コネリーとデ・ニーロは圧倒的な存在感を見せつけています
バランスのとれた秀作で、アクションもいいがサスペンス、人間模様も丁寧に描いています
▲タブカラーに小紋タイ
▲レザージャケットに同色のベスト
▲キャメルのチェスターフィールドコート
▲白のダブルブレストベストに白のスーツ
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ファッション好きにはたまらない映画!
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この映画の見どころは、ずば抜けた脚本、豪華な俳優陣、見事なカメラワーク、エンニオ・モリコーネの音楽などたくさんありますが、全編彩られるアルマーニのファッションも素晴らしい!
(*上記写真参照)
ケビン・コスナーのチャコールグレーのスリーピーススーツ。タブカラーに小紋のタイはクラシックでありながらエレガンス!ダブルトレンチにハット姿もいいです!
アンディ・ガルシアのブラウンのレザージャケットに同色のベストにタイ。野暮ったさを見せつつも上品!ハットがいいです!
ロバート・デ・ニーロの見るからに温かそうなキャメルのダブルのチェスターコートを羽織るような着こなしは見事!
ショーン・コネリーのクラシカルなツイードジャケットにベスト!50代以上でないとこの味はでないでしょうね
ビリー・ドラコの麻素材?の白のスーツ!同色のダブルブレストのベストにハット!殺し屋というとダークなイメージですが、わざと白に統一してクールでスタイリッシュです!
レザージャケット、ツイードジャケット、ショールカラーセーター、トレンチコートなどにベスト、ハットなど小物に至るまで1920年代から30年代の最も男たちが美しかった時代のモダンな魅力あふれるファッションを見るだけでも、一見の価値があります
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映画史上有名な「オデッサの階段」
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映画史に残る名シーンとして有名で、ロシア革命を描いた「戦艦ポチョムキン」での有名シーンを、シカゴのユニオン駅で引用しています
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ネス(ケビン・コスナー)とストーン(アンディ・ガルシア)が唯一の証人である会計士の身柄確保のためにユニオン駅に着く・・
ストーンを裏口に配置し、自分は見渡せる位置に陣取る
時計を見る(11時55分)
乳母車を引いた女性がトランク2つを持って階段にさしかかる
(子供の泣き声)
心配そうに真上から見つめるネス
(駅のアナウンス)乗客がおりてくる
時計のアップ・・・
柱の横の怪しげな男の人影
乳母車を引いて階段をゆっくり上る婦人(なかなか上がらない)
静かな駅に赤ちゃんの泣き声
心配そうに下の婦人たちを見つめるネス
再び時計(11時58分)
赤ちゃんの泣き声と階段を登る乳母車の音
乳母車を引く婦人の横を無情に通り過ぎる人々
周りを注意しながら乳母車を見つめるエリオット・ネス
泣く赤ちゃんをなだめながら階段を登る婦人
(時計が12時になる)
たまらず婦人に駈け寄り乳母車を引くネス
乗客が降りてくる
乳母車の赤ちゃんの笑顔
目指す会計士とカポネの手下が着く
手下同士階段を挟んで目くばせ
エリオット・ネスの緊張の顔
(赤ちゃんの泣き声)
手下がエリオット・ネスに気づく
銃撃戦!
エリオット・ネスの手から乳母車が離れ、階段からゆっくりとおちる
・・・赤ちゃんの笑顔、スローモーション、オルゴールの音色
銃撃戦!
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絶妙の空気感。音と静寂、スローモーションを駆使しての場面は緊張感あふれ、何度見ても素晴らしいですね
すべてが終わってスネークとの固い握手。亡きマローンとの約束通り「家に帰る」と言い残して去ります
何度観ても見事な映画です
是非ご覧ください