相変わらず忙しい(笑)

この際、「ネコの手」もお借りしたい(笑)

 

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いつも拙ブログに遊びにきていただいてありがとうございます!お知らせの通り、「今日から少しの間ブログをお休みします!」毎年この時期は仕事で忙殺され、お休みをいただいております。したがって、11月1日の「シネマDEクイズ」もお休みさせていただきますが、みなさんのブログには時々お邪魔すると思いますのでよろしくお願いします!

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この映画を初めて観たのは高校生の時で、いつもの東京の下町にあった京成名画座せす。併映はたしか「卒業」で朝イチから二回り観ております。この映画を観たいがために翌月、錦糸町の東京楽天地や吉祥寺の名画座など駆け回った記憶があります

 

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「明日に向って撃て!」

1969年/アメリカ(110分)

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実在した銀行強盗、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの物語でアメリカン・ニューシネマの傑作のひとつ!

 

 

<監督>

ジョージ・ロイ・ヒル

好きな監督さんのひとりで、この映画でアカデミー監督賞にノミネートされ、この後この映画の主役の二人と共に臨んだ「スティング」(73)で監督賞を獲っています。

 

<キャスト>

主役の2人は、古い映画ファンなら今さらの感はありますが改めて簡単に紹介します

 

▲ポール・ニューマン(ブッチ・キャシディ)

50年以降長い間第一線で活躍したハリウッドの代表的な男優!エリザベス・テーラーとの共演作「熱いトタン屋根の猫」(58)、「ハスラー」(61)「動く標的」(66)「暴力脱獄」(67)、そしてアカデミー作品賞に輝いた「スティング」(73)さらに、パニック映画の金字塔「タワーリング・インフェルノ」(74)、「評決」(82)など多くの話題作に出演しています。あのジェームズ・ディーンとマーロン・ブランドとはアクターズ・スクールでは同期として知られています

▲ロバート・レッドフォード(サンダンス・キッド)

以前レビューしたナタリー・ウッドとの「雨のニューオリンズ」(66)や、あの「スティング」(73)「大統領の陰謀」(76)「ナチュラル」(84)など多数。70年代のハリウッド屈指の美男俳優と呼ばれていましたがアカデミー賞には縁がなく、監督として「普通の人々」(80)でアカデミー作品賞、監督賞を受賞しています

▲キャサリン・ロス

「卒業」(67)にダスティン・ホフマンと共に一躍脚光を浴び、この映画も含めアメリカン・ニューシネマのイメージが強いですね。フェイ・ダナウェイなどの「さすらいの航海」(69)にもちょっとだけ出ており、さらに難解な「トニー・ダーコ」にも出演していますが、個人的には惜しい気がします

 

以前レビューしています!

「雨のニューオリンズ」

「卒業」

 

 

1890年代の西部が舞台_

西部開拓も一段落しての新時代!

頭のキレるブッチ(ポール・ニューマン)と早撃ちガンマンのサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)はコンビで銀行強盗、列車強盗を繰り返していたが、時代の流れに乗れず新天地を目指して旅立つが・・・

アメリカン・ニューシネマの傑作のひとつ!

 

セピア色の映像や静止画を多用したり、コミカルでいてノスタルジックな撮り方は、ジョージ・ロイ・ヒル監督の独特のセンスの良さを感じます。同監督の「スティング」と比較すると、面白さの点では圧倒的に「スティング」ですが、両方の映画に出演したポール・ニューマンとレッドフォードの二人の個性を引き出していたのはこの映画だったと思います

 

ニューウエスタンの形ではありますが、どちらかというと人生を疾走するロード・ムービーです!

 

中盤で、二人に追っ手がかかりますが、常にロングショットで撮り続けており、正体がわからない演出が巧みで不気味さを助長させています。このあたりの撮り方は「ジョーズ」(75)の前半と同じで、観客になかなか正体を見せない(想像させる)演出が実に見事でした

 

執拗に追っ手に追われ、ついに岩山に追いつめられ、目の前は断崖絶壁の絶体絶命!ブッチとサンダンスは・・・

 

「飛ぼう!」(下の川に)

「いやだ!」

「なぜだ?」

「泳げないんだ!」

 

ズコッ!(笑)

 

敵と向かって戦うのではなく、ただただひたすら逃げる(笑)、希望とユーモアを忘れないブッチとサンダンスの関係が面白い

 

カッコよくて、笑えて、切ない映画です!

 

 

 

「雨にぬれても」/B・J・トーマス ♪♪

 

この映画を知らなくても、この曲を知らない人は居ないでしょう!自身でも、最も印象に残る映画音楽のひとつです!アカデミー主題歌賞も獲得しており、CMや世界中のミュージシャンにカバーされている曲ですね

 

「雨にぬれても」に合わせてポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車で戯れるシーンは映画史上に残る名シーンであると共に、この映画での重要なカットでした。この映画の中で「自転車」は未来の象徴のはずが、未来を夢見ることが出来たのはほんの一瞬で、追っ手に追われて3人で逃げる時に、グッチ(ポール・ニューマン)は自転車を放り投げ「こんなモノは役にたたない!」と言い放ちます

 

悲しい結末を暗示させるシーンでした!

時代に乗れなかった二人、いや三人には「明日」は、やはりなかったのでしょうか・・・

 

「スティング」のふたり

 

この映画の数年後に、この映画の監督であるジョージ・ロイ・ヒルは、この二人を主演に「スティング」(73)でアカデミー作品賞、監督賞など7つのオスカーを獲得しています

 

ストーリー、構成、映像、音楽、配役など、どれをとっても超一級作品で、さらにファッションなどのプラスアルファを考えるとケタ違いの映画と言わざる得ません!アメリカン・ニューシネマの先駆けの作品として有名で、以前レビューしている「俺たちに明日はない」(67)と比較されますが、個人的には、サム・ペキンパーの「ワイルドバンチ」と同じ匂いを感じます。言い方が悪いかもしれませんが、この映画の方が「エレガントな映画」です!この「明日に向って撃て」を含む、この3本は必ず観るべき映画です(出来れば20代までに)

 

以前レビューしておりますのでど~ぞ!

「スティング」

「俺たちに明日はない」

 

 

公開当時、本作は多くの評論家たちから酷評されたそうです。この映画の、いわゆるヒーロー像が今までの西部劇と大きくかけ離れていたためで、それまでの西部劇はジョン・ウェインが悪党たちをやっつける勧善懲悪と大きく違っていたからです。しかし、ここに1969年という時代に意味があります。アメリカン・ニューシネマ全盛につくられたこの映画は、当時の社会を色濃く反映していますから、誰でも共感できる普遍的な面白さがあるとは言えません。ただ、このころの映画たちが今の自分たちを作った(作ろうとした)のは間違いありません。

 

刹那的な人生観が、多くの共感を呼びアメリカン・ニューシネマの傑作として映画史を変えていった映画のひとつです!

 

「Fire!Fire!Fire!」(撃て!撃て!撃て!)

 

ラストのストップモーションは、映画史に残る名シーンとして有名です!カラー画像からオープニングと同じセピア色に変わり、ピアノの音色が切なく心を揺さぶります

 

ラストの演出だけでも観る価値はあります!

素晴らしいのひと言です

 

 

10代の頃、このポスターを長らく部屋に貼っておりました。儚げな表情で遠くを見つめる青い瞳のポール・ニューマンとちょっと拗ねたようなレッドフォードの二人が見つめていた先には何があったのでしょうか?

 

今晩は久しぶりに「雨にぬれても」を聴いてあの頃に戻ってみます

 

是非、ご覧ください