熊本地震にて、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます

 

さて、「スポーツ映画特集」も一旦終了して、今回からレギュラーの紹介!

 

この映画は大好きな映画のひとつで、30年前なら多くの若者から支持されていた映画ですが、最近は名前は知っていても観たことがない人が多いのではないでしょうか?初めてこの映画を観たのは、10代の終わりに当時よく通っていた東京下町の名画座です。感激して、もう一度この映画を観たくて、東京中の名画座を駆け回りました

 

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「卒業」

1967年/アメリカ

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ダスティン・ホフマンのデビュー作で、サイモン&ガーファンクルの曲にのせた青春映画!アメリカン・ニューシネマの代表的な一本です!



<監督>

マイク・ニコルズ

好きな監督です!ジャック・ニコルソンの「愛の狩人」「イルカの日」「ワーキング・ガール」さらに、この映画の前の年に公開された「バージニア・ウルフなんかこわくない」。この「卒業」で第40回アカデミー監督賞を受賞し、トミー賞、グラミー賞、エミー賞の4賞受賞者となりました

 

<脚本>

バック・ヘンリー

 

<キャスト>

ダスティン・ホフマン

飛び抜けて上手い俳優さんです。この年デビューの新人でした。「小さな巨人」「クレイマー・クレイマー」「トッツイー」「レインマン」など多数ありますが、一番好きなのは「真夜中のカーボーイ」ですね!「パピヨン」は話題にはなりましたが、個人的にはイマイチかと・・・

 

キャサリン・ロス

この映画と「明日に向かって撃て」ですね!あのタレ目がいいですねえ~「さすらいの航海」にも出てますが、70年代にもっと出て欲しかったですね。2001年の「トニー・ダーコ」も出ていました

 

アン・バンクロフト

「奇跡の人」のサリヴァン先生!数々の映画に出演している名女優です!確か、マリリン・モンローの「ノックは無用」がデビュー作だと記憶していますが・・

 

その他、リチャード・ドレイファスが下宿の住人役でちょこっと出てます。あの「ジョーズ」での生き残りの海洋学者役でしたね


 

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60年代から70年代に青春を過ごした人間にはバイブルのような映画です!

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「卒業」というタイトルから、さわやかな青春映画をイメージし、最後の花嫁掠奪で感動に震えたものです。何度も観ておりますが、10代~20代で観た時の感動と30代を越えて観た時の感動とは微妙に変化しています。年代や考え方が変わっていく以上、それは当然のことですね。ただ、大好きな映画に違いありません!

 

音楽性の高さ、音楽と映像の融合という点では原点になった映画だと思います


 

学業もスポーツも優秀で、将来を嘱望されたベン(ダスティン・ホフマン)の、青年期特有のもやもやした心理と若さゆえの身勝手な行動が招いた物語です

 

ラストシーンばかり語られ、ひとり歩きしている映画だと思います

 

この映画を観たことがない人でも、花嫁を結婚式の最中に花婿から奪うシーンは何度となくパロディとして取り上げられていますね。以前、某映画サイトでこの映画のことを「身勝手極まりない世間知らずのボンボンが巻き起こす騒動の映画で観るに堪えない」と切り捨てている人がおりました。その指摘はおおむね当たっておりますが、それは表面的な問題ですね。好き嫌いは主観の問題ですからいいとしても、否定から入ると大事なことが見えなくなります!実は、この映画が公開された1967年というのが重要な意味があります。

 

ベトナム戦争の真っ只中で、日本では高度経済成長期、グループサウンズ旋風が吹き荒れてミニスカートのツイギーが来日したのもこの頃です。常識や社会通念に立ち向かうカッコよさ、体制に反対することに意味があるという時代背景を無視してストーリーだけをたどると、単につまらない映画にみえます

 

意外に手ごわいですよ、この映画!

 

 

主演のダスティン・ホフマンはこの時すでに30才!当初このベンジャミン役は、あのロバート・レッドフォードにオファーがあり「僕が童貞に見えるか?」と言って断った話しは有名ですね(笑)身長も低く、ハンサムでもない彼で正解でした。

 

ミセス・ロビンソンとのホテルのシーンは笑えます!

 

怠惰な生活をしていた彼が、エレーンを卑猥なショーパブに連れていって彼女の涙を見た瞬間に、彼と映画のスイッチが入ります!


 

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この映画は、音楽そのものがBGMから脱して主役になった記念すべき映画です!

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だから、永遠に語り継がれる映画となりました

 

<サイモン&ガーファンクル>

サウンド・オブ・サイレンス

ミセス・ロビンソン

スカボロー・フェア

4月になれば彼女は

 

赤のアルファロメオのシーンで「ミセス・ロビンソン」が使われてますが、見事ですねえ~はじめは軽快に走っていましたがガス欠でトーンダウンをしていくくだり・・・この「ミセス・ロビンソン」は1969年グラミー賞の最優秀レコード賞を、あの「ヘイ・ジュード」を抑えて獲得しています!

 

この映画は、眩しいくらいスタイリッシュで新鮮でした

 

優等生の青年のモヤモヤした心理、全編にただようやるせなさはベンがプールの底から水中メガネで両親を捕えるシーンでもうかがえますね








「エレーン!!」

 

教会で、今まさに結婚の誓いをする時に声を限りに叫ぶベン!この叫びこそが、まさに「卒業」です!花嫁を奪ってバスに乗り込み、周囲の冷たい目の中で二人の会心の笑み・・・長回しのカメラの中でやがて笑顔が不安になっていく表情をとらえ、二人の未来が決して平坦でないことを暗示させています

 

幸せとは何かを問う映画でもあると思います。単純な愛の勝利、親からの卒業のみならず、将来への不安を含めて「青春からの卒業」であると思います。だから、前半の描き方がここで意味を持ってきます。この時代を考えれば、かなり洗練された映画であり、ハリウッドの既成概念を変えた映画の一つです!アメリカン・ニューシネマ特有の「滅びの美学」なんでしょうか?


 

アン・バンクロフトの怪演ですっかり霞んだ感がありますが、キャサリン・ロスの瑞々しくも可愛いこと!もっとたくさんの映画に出て欲しかったですね

 

実はこの「卒業」は、2000年選出の「アメリカ歴代喜劇映画ベスト100」に、あの「モダン・タイムス」「ゴースト・バスターズ」など数々の映画を押しのけて第9位にランクされています。「喜劇映画」というところがアメリカらしいと言えばらしいですが(笑)

 

土壇場の逆転劇として観るもよし!

最後は愛が勝つ的な痛快映画として観るもよし!

熱烈な恋愛映画として観るもよし!

 

サイモン&ガーファンクルを聴きながらさまざまな「卒業」を思い浮かべてみませんか?

 

忘れられない映画の一つです!

是非、ど~ぞ!

 

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◆◆「シネマDEクイズ」第2回 答え◆◆

 

「大脱走」

 

1枚目の写真/グローブとボール 

キーワードはキャッチボールですね。この写真で野球と解釈すると迷宮に入り込みます。ヒルツ大尉(マックイーン)が、再三独房で壁相手のキャッチボールのシーンがあります!ラストシーンもそうでしたねえ~

 

2枚目の写真/ビッグX

写真は手塚治虫が書いたアニメの主人公名で、これを知っていると楽でしたかねえ~映画の中でリチャード・アッテンボロー扮する集団脱走計画のリーダーの通称が「ビッグX」です

 

3枚目の写真/トンネル

映画の中では「トム」「ハリー」「ディック」と名付けられた脱走用トンネン名で、アラビアのイルカさんによると、若きブロンソンが「う~ん、マンダm」と言いいながら掘ったそうです(笑)

 

キーワードは上から

「キャッチボール」

「ビッグX」

「トンネル」

 

この3つで「大脱走」!

 

このコーナでは、企画の性質上公開を遅らせております!また、個別での返信はしておりませんのでご了承ください

 

この映画は、近いうちにレビューします!