個人で商売を行っている人が、その商売を法人化して会社を設立した場合の所得税の計算についていくつかその処理を考えてみます。
この場合に注意しなければならないのは、前提として個人と法人では全く別物として考えなければならないことです。
まず、計算の単位となる期間について。
一般的には法人を設立した日が個人の事業を廃止した日となります。
そのため収入金額と必要経費は1月1日から事業を廃止した日までに発生したもののみを計上することになります。
ここで必要経費に計上する売上原価の計算については、事業を廃止した日に棚卸資産が残っていても棚卸資産は無いものとして売上原価を計算することになります。
これは個人と法人では別物であるため、個人の事業から法人に引き継がれた棚卸資産については個人から法人に売却があったものとして事業廃止時には残っていないものと考えるためです。
ということはこの棚卸資産の売却価格も売上に計上しなければなりません。
次に事業を廃止した年分の事業税の必要経費の計上について。
事業税の必要経費の算入の時期は原則的には納付すべきことが確定した日、つまり廃止した年の翌年となります。
しかし翌年では必要経費を計上すべき事業所得がそもそもありませんので、原則的な考え方からすると必要経費に計上できなくなります。
そこであらかじめ発生することが分かっている事業税等についてはその見込額を廃止した年分の必要経費に計上することが認められています。
最後に青色申告の効力について。
青色申告の効力は廃止した年までは続ききますが、事業を廃止した後にすぐ不動産所得を発生させる不動産業等を行った場合には翌年以降についても青色申告の効力は続くことになります。
しかし新たに不動産業等を行うのが年を越えて行った場合には青色申告の効力は廃止した年で一度その効力を失うことになります。
ですのでこの場合に引き続き青色申告を行うのであれば新たに青色申告の申請書を提出する必要があります。
以上、たくちゃんでした。
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