人が食べ物を消化するのは小腸です。
小腸に小麦が入ってきた時、ザックリ分けると4つのタイプの人が存在します。
1.小麦を消化できる人
2.小麦に含まれる「タンパク質」に反応し、免疫反応として症状がでる人
3.小麦に含まれる「グルテン」を消化・分解できない人
4.小麦に含まれる「グルテン」に反応して自分の免疫が小腸を攻撃してしまう人
1は、小麦を食べて問題のない人
2は、小麦アレルギーの人
3は、グルテン不耐症の人
4は、セリアック病の人
グルテン不耐症の症状例
- ガス・下痢・便秘など消化器トラブル
- 腕や背中にブツブツがでる(毛孔性苔癬・毛孔角化症)
- アトピー性皮膚炎
- めまい・ふらつき
- 頭痛・片頭痛
- 慢性的な疲労感
- 集中力がなくなる
- 頭がスッキリしない
- やる気がおきない・気分に波がある
- 腰や膝など関節の痛みがある
- 食べても食べても食べたくなる
- ホルモンバランスの乱れ(月経前後に体調が乱れやすい)
- 手足の冷えや痛み
- 急激な体重増減
※グルテンによる腹部膨満は、他の不耐症(レクチン不耐症やラクトース不耐症)より食後、少し時間がたってから起こることが多く、明らかにオナラが臭いという特徴があるそうです。
※低血糖症の人の3割がグルテン不耐症を持っていると言われているそうです。
グルテンとは
グルテンとは、小麦・大麦・ライ麦などの穀類に含まれるたんぱく質の総称です。(人体ではかなり消化しづらいたんぱく質)
グルテンは粘り気と弾力を出す働きがあるので、パン・パスタ・うどんなど様々な食品、さらには化粧品・サプリ・医薬品などにも使われています。
グリアジンとは
グルテンには「グリアジン」と「グルテニン」というタンパク質が含まれています。
「グリアジン」には食欲増進作用があり、パンやケーキを食べれば食べるほど、もっと食べたくなるという現象を引きおこす危険性があります。
またこの「グリアジン」はアレルゲンにもなります。体が「グリアジン」に対して抗体を作ってしまうことで、グルテンアレルギーを発症します。セリアック病という小腸の疾患にかかることもあります。
喘息持ちの人も、グリアジンが関係しているとの報告があります。
グルテン不耐症とは
グルテンの中に含まれる「グリアジン」という主要成分に過敏に反応して、身体に症状が現れる疾患です。
似た症状が出るアレルギーに遅延型小麦アレルギーがありますが、グルテン不耐症は「酵素の不足や欠如など消化異常を原因とする」として、小麦アレルギーやセリアック病とは、明確に区別されています。
グルテン不耐症の盲点
現在、世界中で腸に問題を起こす人が増えていています。
しかし自覚がないままに、原因不明の不調として見過ごしている人が大変多いようです。
「グルテン不耐症」や、より深刻な「セリアック病」ですら、自分がグルテン(小麦)を受けつけない体質だと気付いていない人が多数いる、と言われています。
グルテンフリー(グルテンフリーダイエット)をやってみて初めて、今まで小さな不調を抱えていたことに気づく人も多数いるということです。
検査方法
※医療機関で抗体の検査を受ける場合、強くセリアック病の疑いがある場合などを除き、基本的には保険適用外です。(費用は3万円~)
igG(遅延型アレルギー)検査
グルテン不耐症の約8割の人がigGの反応を持っているため、igGの検査がそのまま不耐症のチェックにも使われることが多いです。
ただし不耐症であっても約2割の人はこの検査で反応が出ないそうです。
グルテンのチャレンジテスト
2週間、小麦を含む食材や加工食品を全て避け、その間の変化をチェックする方法です。
まず2週間、小麦を含む食材や加工食品を全て避けた食事をとります。日常現われている症状や感じている不調や便の状態などに変化がないか記録します。
2週間後、毎朝100%小麦でできたパンを数日間食べます。もし消えていた症状や精神的な感覚が現れたらグルテン不耐症と判断します。
カイロプラクティックの食物アレルギーチェック
問題となる食べ物を口に含み、それによって正常に機能していた筋肉に筋力低下がみられた場合、陽性と判断します。
専門の医師、もしくはカイロプラクティック師の指示のもとで行います。
対処方法
現在のところ、問題のグルテンを体内に入れない(食べない)食事療法だけとされています。ただし、これには注意点があります。
日本において、現存する調味料や食材のほとんどに小麦は使用されています。グルテンをつなぎに使っている食品も本当に多いです。
小麦・大麦・ライ麦などの食材を食べないということになると、外食も難しくなります。
もし完全除去食を行うとすると、かなりのストレスになることは目に見えています。
ひどい症状が出ている場合は完全に除去食をとった方が良いですが、程度によっては無理をしないようにできる範囲でやる方が良い場合もあります。
それは、今まで食べてきた食事を180度変えることが、人によっては非常に大きなストレスになるからです。
こういったストレスは副腎の負担になります。
副腎は炎症を抑える大事な仕事をしているので、副腎に負担がかかるのはなるべく避けたほうが良いそうです。
サプリメントの利用
グルテンフリーを実践していてもパンやパスタがどうしても食べたい時は、gluten digest(DPP4)という小麦分解酵素サプリメントなどがi-Herbで購入できます。
通常、グルテンに敏感な自閉症の子たちや、セリアック病の方がよく飲んでいるサプリです。
またグルテンを消化できないことがグルテン不耐症の原因になっているので、塩酸ベタインや消化酵素などのサプリメントを摂取することも大きな助けになるそうです。
食べ物だと、キウイに含まれる「アクチニジン」、パイナップルに含まれる「ブロメライン」、パパイヤの「パパイン」などは強力なタンパク質分解酵素なので、食後に食べることでグルテンの分解をサポートしてくれます。
その他、腸の絨毛を修復していく栄養素で、メチオニン・システイン・ロイシンなどのアミノ酸、マグネシウム、ビタミンB6、グルタチオンなども効果があるそうです。