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早スポオフィシャルブログ

早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

関東学生リーグ 5月19日 慶應義塾大学協生館プール

 

 初戦を白星でスタートさせた関東学生リーグ戦(リーグ戦)、第2戦は、筑波大と対戦した。第1ピリオド(P)ではカウンター合戦となり、3-4と互角の戦いを見せた。しかしその後は、シュートを打つも相手GKに阻まれる展開が続き、得点が伸び悩む。後半、相手のペースに呑まれ、9-13で敗北を喫した。

 

 筑波大のセンターボールで試合が始まると、一気に攻められ緊張が走る。しかし、カウンター攻撃をきっかけに開始40秒で曳地孝太郎(スポ4=埼玉・秀明英光)が先制し、良い立ち上がりをみせる。古谷典也(スポ2=東京・明大中野)による攻撃が続くもカウンターを取られ2連続失点。一進後退の攻防が続く中、再び曳地がミドルシュートを決め、勢い付けるが、筑波大も、もちろん引かず、速さのあるシュートを打ち込んでいく。しかし、6分斎藤昴泰(スポ1=神奈川・神奈川工)からのパスをゴール前の中村大智主将(スポ4=埼玉・秀明英光)が受け、水面を滑らせる華麗なシュートで会場を沸かせた。

シュートを打つ中村

 

 3−4とリードを許しながら第2Pへ。開始30秒で中村がゴール前で退水(※)を誘い、着実にペナルティーシュートを成功させる。しかし、筑波大のGKの鉄壁を破ることができない。5分半、小林稜典(スポ1=岐阜・大垣東)から回ったパスを斎藤が決め切り、5−8で前半を終える。点差を縮めたい第3P。筑波大のカウンターオフェンスが続く中、後半投入されたGK加納凪人(スポ3=三重・四日市中央工) が懸命にゴールを守り、古谷の鋭いミドルシュートも決まる。しかし、ペナルティーシュートをきっかけに筑波大の攻撃陣の勢いは止まらず、3連続得点を許した。

ディフェンスを交わす斎藤

 

 逆転の望みをかけた最終P。小林のシュートがGKに一度止められるも、こぼれ球をもう一度手にして、難しい角度から再びゴールに差し込む。両者カウンターからの攻撃が織りなされていく中、外周のパス回しから、最後は中村が鮮やかなバックシュートを決め、最後まで食らいつく。しかしながら点差を縮めることができずに9−13で試合を終えた。

 

味方にパスを送る古谷

 

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

         

                 (記事・写真 指出華歩)

 

 

結果

早稲田9―13筑波大

 第1P3−4

 第2P2−4

 第3P1−3

 第4P3−2

得点者

中村3、曳地2、斎藤2、古谷、小林

 

コメント

杉山哲也監督(平18人卒=埼玉・伊奈学園総合)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 前半、第2Pまでは、いい試合展開で、向こうのやりたいことをこちらも防げていましたし、こちらのやりたい展開で、試合を進められていたので、前半に関しては、可もなく不可もなく、お互い、いい試合ができていたと思います。筑波大学は、早稲田大学よりは、少し強いチームなので、点差を離して勝つことは難しくて、元々接戦になって勝てるか、もしくは、負けてしまうかという相手だったので、折り返しまでは、予定通りの展開でした。後半で、点差が開いてしまった理由としては、体力面、具体的には、泳力の面で元々の差があって、それが出てきてしまったことが負けてしまった要因だと思います。

――課題点は

 泳力の面ですが、リーグ戦中に泳力を高めることは難しくて、泳力で相手に劣っている場合、その中での戦い方を考えていくことが課題かなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

日体大学は、不動の王者で、去年もコールド負けをしている相手なので、今年は、勝ちに行くには、正直しんどい相手なので自分達がいかに失点を減らして、ミスを減らして、少ないチャンスをしっかり点に繋げるといった工夫をしていきたいと思います。

 

 

斎藤昴泰(スポ1=神奈川・神奈川工)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 立ち上がりが本当に良くて、いいペースで試合を進めることができたのですが、後半、相手のペースが変わらないのに対して、僕たちのペースは、落ちてしまって、実力差を感じました。

――個人としての収穫と課題点

 先輩が多くて、自分より実力が上だと思っていたのですが、通用するところは、通用するかなと思って、自分の武器をしっかりと磨いて、もっと先輩に食らいついていけるような選手になりたいと思います。

――先輩方とのコミュニケーション面は

 水球部自体先輩がものすごくいい方々ばかりで、たくさんコミュニケーションをとってくださるので、そこに対して、自分からもアクションを起こせるようになりたいなと思っています。

――日体大戦への意気込みをお願いします

 日体大は本当に強いので、自分の持っているものを全て出し切って、頑張りたいなと思っています。

 

 雨がちらつく神宮球場。曇り空を払い飛ばすような『Blue Sky』コールで終始流れを早大に引き寄せる。法大に流れを渡すことなく勝利を後押しし、優勝への流れも引き寄せた。

 

 

『紺碧の空』を振る星野聖敬代表委員主将(政経4=東京・早大学院)

 

 この日は早大応援席は三塁側。早慶戦では全試合一塁側で応援するため勝利し、勝ち点を挙げることができれば、今シーズン最後の三塁側である。「次に三塁側に戻るとしたら全日本選手権である。」と郷田悠生代表委員主務(文4=岐阜・麗澤瑞浪)がリーグ戦を優勝して再び戻ってくることを約束する学生注目(学注)を見せる。『紺碧の空』で後押しすると、早速尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)が安打で出塁。チャンスを作り、早大が先制する再び『紺碧の空』が応援席に鳴り響く。

 

 流れをこのまま持っていきたい早大。2回には地本大晴リーダー練習責任者(社4=愛知・東海)が「(試合の)流れが来ている。優勝の流れも来ている。」と優勝を意識させる学注を見せる。5季ぶりの優勝が現実味を帯びてきたことを感じさせる応援に応援席も一層盛り上がりを見せた。

 流れを意識した学注を見せる地本

 

 4回、指揮台に上がったのは吉田成ノ真旗手(法4=埼玉・早大本庄)この日先発をした宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)の名前、そしてテンポのいいピッチングと現在上演されている映画「名探偵コナン」をかけた学注で応援席を盛り上げる。先発している宮城にもより注目が集まる学注となった。この試合特徴的だったのが、5回指揮台に上がった横田圭祐新人監督 兼 稲穂祭実行委員長(人4=東京・成蹊)。6回に再び指揮台に上がった郷田も時事ネタを用いたタイムリーな学注をみせたことだ。応援席にいる観客にも伝わりやすい学注で応援席に一体感が生まれる。

 

6回に学注を見せる郷田

 

『GUTS!』を披露するチアリーダーズ

 

 8回、1点差で迎える展開でチャンスが生まれる。待っていたとばかりにリーダー5名が指揮台に上り、『コンバットマーチ』を一斉に突く。声援が後押ししたかのように印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)に適時内野安打が生まれ、応援席では歓喜の声が上がる。この日久しぶりの『紺碧の空』でさらなる盛り上がりを見せた。

 

戦況を見つめるリーダー

 

 最終回。マウンドに上がっている安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)を後押しするべく守備回も立ち上がって応援。法大のチャンステーマ『チャンス法政』をかき消すような声援を応援席から一体となって送る。

 

 ロースコアの緊迫する試合であったが、状況に合わせた応援を応援席からグラウンドに送った応援部。勝ち点を獲得し、優勝が目前に迫る早大。残すは早慶戦のみだ。宿敵・慶大を倒し、優勝を祝福する応援席が見られることを祈るのみだ。

 

(記事、写真 橋本聖)

 

 

郷田悠生代表委員主務(文4=岐阜・麗澤瑞浪)

 

ー本日の試合を振り返っていかがですか

 

初回に先制点をとれたことはよかったかなと思います。お客さんが序盤から多く訪れる中でいい応援ができたと思います。中盤からゼロ行進で、緊張する展開ではあったのですが踏ん張り勝ち切ることができたのは野球部の皆さんの力はもちろん、応援席の観客の皆様の力を感じました。

 

ー初回の応援で意識したことは

 

昨日の勝ち方が劇的だったので、昨日の流れを初回につなげられたらいいなと思っていたので意識した通り先制することができてよかったです。

 

ー時事ネタが学注で多く使用されていましたが意識はされていましたか

 

特にすり合わせとかはしてないですけど、今日は被りましたね(笑)。

 

ーサイン出しで意識した点は

 

走者があまり出ないので、走者が出た時に盛り上がるような応援を意識してサイン出しはしていました。

 

ー早慶戦に向けて意気込みをお願いします

 

打倒慶應で絶対に優勝します!

 

SpringConcert2024 4月22日 セシオン杉並

 春の陽気が感じられる中、セシオン杉並にて応援部吹奏楽団がSpringConcert2024を開催した。吹奏楽団に憧れる新入生、在学生、OB、OG、早稲田ファンの方々によって席は埋め尽くされた。3部構成のコンサートで、第Ⅱ部では初の試みとなる学年別のアンサンブルも実施。見どころ満載のコンサートとなった。 

 

 照明の眩しい光と共に第Ⅰ部が始まった。1曲目は『TheBandwagon』。ブロードウェイのミュージカルを思わせる、コミカルな味わいが大きな魅力の一曲。明るく、爽やかで序章にふさわしい始まりを見せた。2、3曲目には全日本吹奏楽コンクール2024年度の課題曲を披露。行進曲『勇気の羽を広げて』は、マーチの原点とも言えるような、オーソッドクスなマーチで、部員の息の揃った演奏が見られた。軽やかな響きで金管楽器のハーモニーが特徴的だった。続く『風がきらめくとき』では、優しい始まりで緩やかに和音が展開する。繊細で大人な響きが会場全体を包み込んだ。第Ⅰ部の締めくくりは、「ミュージカル『ミス・サイゴン』より」。ヘリコプターの音が効果的に使われ、東洋の雰囲気が随所に現れた一曲で壮大な音で観客を圧倒した。  

 

第Ⅰ部での全体合奏 

 

 第Ⅱ部では、吹奏楽団初の試みである学年別のアンサンブルステージを披露。「夢」というテーマにちなみ、各学年の「色」がでるステージとなった。トップバッターを務めたのは2年生。カチューシャをつけた21名が可愛らしく登場。『Beauty and the Beast』をはじめとしたディズニーの楽曲、計3曲をメドレー形式で演奏した。続く3年生は、2019 ABC 夏の高校野球応援ソング/「熱闘甲子園」テーマ・ソングとして使用されたOfficial髭男dismの『宿命』を披露。球児と自分たちを重ね、選曲したという。17名による熱いステージを作り上げた。最後は右耳の上に臙脂(えんじ)色の羽をつけた4年生が現れた。ミュージカルアニーの『Tomorrow』を演奏、合唱した。4年生の爛漫(らんまん)さを、体全体を使って表現したステージとなった。全員合奏の『オーメンズ・オブ・ラブ』では会場全体が一体感に包まれ、未来に希望を感じさせるような演目となった。 

 

第Ⅱ部での息の揃ったパフォーマンス 

 

 休憩中には、現役部員による吹奏楽部の魅力についての小劇も行われた。ストーリー形式で会場全体を盛り上げた。 

 

 第Ⅲ部はドリルステージ。『シンフォニックフェンファーレ』からはじまり、続く『おジャ魔女カーニバル!!』ではチアリーダーズ・BIGBEARSとコラボ。可愛らしい雰囲気のステージとなった。締めを飾るのは『THE LION KING』。メンツの華麗なフォーメーション移動と移り変わるカラーガードの美しい旗、ダンスで生命煌めくサバンナを表現した。ストーリーに沿って、さまざまな吹奏楽団の「顔」を垣間見ることができた。ステージが終わり、興奮冷めやらぬ中、観客からはアンコールの拍手や掛け声が飛び出す。

 

 アンコールでは、3パート合同で早稲田大学の応援曲メドレーを披露。吹奏楽団を中心とし、『大進撃』『スパークリングマーチ』『コンバットマーチ』の3曲を演奏した。観客たちもハリセンを使い、ステージに花を添えた。春らしいフレッシュな音楽を届けた今回のコンサート。『魂の旋律』を目標に掲げ、部員全員の魂のこもった音楽を届けられたのではないだろうか。今後の六大学野球リーグ戦応援など、吹奏楽を通して伝える総勢54名の醒めない「夢」に今後も期待したい。

          (記事 井口瞳、写真 橋本聖)

 

コメント

勝真優美ガードチーフ(政経4=大阪桐蔭)

ーー初の試みである学年別アンサンブルの出来栄えはいかがですか

コンサートの中に緩急ができた感じで、お客さんに飽きずに楽しんでいただけたのかなと思ったのと、お客さんの感想で「学年ごとのカラーを感じる」とか「演奏技術が学年ごとに上がっているのを感じる」と書いてあって、客観的に学年別に見られることはあまりないので、こういう風に感じられるんだ、という新しい発見ができました。 

ーー以前お話を伺った時に練習の中に歌を取り入れているとおっしゃっていましたが、4年生のステージは歌に対しての意識も少しありましたか

自分たちの中で歌が身近になったというのはあると思います。曲を練習している中で、「アニー」なら歌った方が良くない?となり、すぐ歌に切り替えました。普段から、練習で歌をやっているので、歌に対するハードルが下がっていたのかなと思います。 ―ドリルステージを振り返っていかがでしたか

思ったより本番の照明がちょっと暗くて、その点が残念でした。暗いとポイント(足元の目印)があまり見えないのですが、見えないながらもみんな歩けていたので、たくさん通し練習をした成果が出て良かったです。今まではドリルステージが本番直前になっても、不安が残り、どうにか本番でできたらいいなと思うところがあるんですが、リーダーズ・BIGBEARSとコラボ。可愛らしい雰囲気のステージとなった。締めを飾るのは『THE LION KING』(ライオンキング)に関しては何回も通したので、少し慣れていた部分もあって、指揮を振る側も、パフォーマンスする側も、落ち着いていたかなと思います。その点は成長できて良かったと思います。 

ーーカラーガードの構成で一番こだわった部分を教えてください

メンバーのキャラクターを生かした演出にしました。武藤瞭太応援企画責任者(教4=埼玉・早大本庄)はお願いしたら役になりきってくれるので、ライオンキングのシンバ役をイメージしました。元気な振りを入れたり、旗だけでなく、ダンスチックにしました。しなるポールを使った、ジャズ系のしなやかな動きが得意な深瀬(文構3=東京・青稜)と鈴木(文3=東京・鷗友学園女子)の二人には滑らかな動きを多めにすることにこだわりました。山口美友演奏会企画責任者(創理4=愛知・桜台)も元気なキャラクターなので、振り付けとして、手を振って退場して、その次のシーンにスムーズに行けるように考えました。

 ーー今後に向けて意気込みをお願いします

落ち着いてやればできるっていうのが今回分かったので、無難なラインを行くんじゃなくて、どんどん挑戦していきたいと思います。今年は部の方針として依頼演奏も受ける方向性なので、外部で演奏を披露することが多くなると思います。大学関係のステージでも演奏することが多くなると思うので、そういう時に今までの形にとらわれずに今の実力だったらこういうこともできるんだよっていう新たな路線を示して新たなステージに進んでいきたいなと思います。

 

小野玲々菜副将 兼 吹奏楽団責任者 兼 インスペクター(国教4=東京・かえつ有明)

ーー今回のSpringConcert2024全体の総括をお願いします

開催は12月とか1月に決定していたんですけど、それより前にホールは探していました。今回のコンサートの目的は2つあって、1つ目は新入生勧誘のためで、応援部吹奏楽団の音楽団体としての魅力を新入生に伝えるというのと、2つ目が演奏、ドリルの技術向上のために、コンサートホールでしっかりとした本番を作って、完成度を上げていくものでした。お客さんはかなり満員で嬉しかったです。

ーー初の試みである学年別アンサンブルの出来栄えはいかがですか

各学年で色々工夫できたのはコンサートとして良かったと思います。4年生は曲の中に歌とアクションを入れたり、3年生はみんなでお揃いの服を着たり、2年生はディズニーのメドレーをやりました。くくりとしては、ポップス音楽をやるっていう感じだったんですが、バラエティに富んだステージをお届けできたのではないかと思います! 

ーー以前お話を伺った時にシンフォニックステージでの『ミス・サイゴン』に注目されていましたがそちらに関してはいかがでしたか

お客さんのアンケートの中では、ミスサイゴンに関してかなりご好評をいただきました。ストーリー性のある曲なので、すごく表現がしやすく、解釈しやすかったです。シーンがあって表現がしやすいところが、演奏にも現れてよかったなと思います。ミュージカルの中でさまざまな曲が出てくるのですが、そのシーン等と結び付けて演奏を完成させることができたのではないかなと思います。 

ーー今後に向けて意気込みをお願いします

演奏に関してはスプリングコンサートが終わったので、とりあえず一旦夏まではコンクールに集中することになります。今年は都大会出場を目標にしています。SpringConcert2024までの三ヶ月間で上達できたことや、今意識してできることを当たり前にできるようにしていくことと、もっと表現力に磨きをかけて、応援時の音ではなく演奏としての音で、しっかり基盤を作っていけたらと思います。また、勝が言っていたようにいろんな幅の活動がありがたいことに増えてきたので、そこで吹奏楽団の魅力をアピールできるように頑張ります。本年度は、新人も吹奏楽団だけで30人越えで、総勢80人を超えたんですが、大人数ならではのことにも挑戦していけたらと思います。

 

 関東大学サッカーリーグ戦は第5節。前節今季初勝利をつかみ、ここから流れに乗っていきたいア式蹴球部(ア式)。今節は、昨季まで1部リーグに所属していた法大との対戦となった。前半は序盤からロングボール主体に攻め込んでくる相手に押し込まれたア式、ピンチを迎えるシーンも多くあったが最後の局面で粘りを見せる。一方の攻撃は試合が進むにつれて徐々にチャンスを作るも決め切ることはできず、前半を0ー0で折り返す。後半開始早々相手に決定機を作られるがここはGK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)の好セーブでしのぐ。しかし54分にクリアミスから先制点を奪われてしまう。それでも直後の62分にFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)がPKを沈めて同点に追い付くと、66分にMF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)のCKがそのままゴールイン。5分間で逆転に成功する。この流れで勝ち切りたかったア式だったが試合終盤に痛恨のPK献上。このPKをきっちり相手に決められて同点に追い付かれてしまった。先制点を奪われながらも逆転に成功したア式、しかし終盤の失点で勝ち切れずまたも勝ち点3を逃す結果となった。

 

好セーブを見せた海本

 6分、相手の流れるようなパスワークで中央を崩されてシュートを打たれるが、伊勢が頭でブロック。さらに10分、ア式が右サイドでボールを失うと相手は逆サイドの大外を駆け上がる選手にロングパスを出す。ゴール前まで侵入されてシュートを放たれるがわずかに枠の外へ。一方の攻撃陣もDF林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18)の縦パスを中心にチャンスを伺うと、14分に右サイドからボールを受けた伊勢が逆サイドのMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)に展開。本保はクロスを上げるがこれはキーパー正面。17分にピンチを迎えるがDF尾崎凱琉(スポ1=大阪桐蔭)が好ブロック。続く21分、相手のCKも海本がキャッチでしのぐ。さらに24分にも相手にサイドを崩されてクロスを上げられるが中には合わず。我慢の時間が続いたア式だったが、前半の終了間際にいくつかチャンスを作る。44分、今度は左サイドからボールを受けた伊勢が右サイドのDF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)に展開、佐々木のクロスを駒沢が合わせるもこれは枠を捉えきれず、さらに伊勢がエリアの外からゴールを狙うもゴールのやや左に外れてしまった。防戦の時間が続いたもののなんとか失点せずに前半を折り返した。

効果的な縦パスを見せた林

 46分、いきなりピンチを迎えるも海本が好セーブでしのぐ。しかし54分、クリアボールを高い位置で相手に拾われて、そのまま先制点を与えてしまう。勝ち点3をつかむべく2点が必要となったア式はこの試合ベンチスタートとなったFW鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース)を投入し攻勢を強める。すると61分、林の縦パスに本保が抜け出すと最後はキーパーに倒されてPKを獲得。ここはエース・駒沢がしっかりと沈めて早い時間帯で同点に追い付く。さらに66分、コーナーキックのチャンスを迎えると伊勢のキックがキーパーの手を弾いてそのままゴールイン、わずか5分で試合をひっくり返す。追加点を奪い勝利を確実にしたいア式だったが82分、自陣ペナルティーエリアギリギリのところでファウルを取られるとこれはPKのジャッジに。このPKを沈められて再びスコアを同点に戻される。試合終盤は一進一退の攻防が続いたがお互いに決定機を決め切れずに試合終了、2ー2の引き分けに終わった。

PKを決めた駒沢

 法大の戦術や戦い方に苦戦する時間が続いたア式。それでも先制点を奪われてから崩れることなくすぐさま逆転できたことは評価できる。しかし失点が最終盤だっただけに「勝てる試合だった」(海本)と振り返る。開幕からなかなか勝利をつかめていなかったことや追加点を奪えるチャンスはあったことを考えるとこの結果は悔やまれる。それでもチームの雰囲気は決して後ろ向きではない。次節からはアウェイ3連戦となる。軸はぶらさずにア式らしいサッカーを貫いて勝利という結果で、勝負の夏に向けて流れに乗っていくことを期待したい。

 

(記事 和田昇也、写真 熊谷桃花)


 

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー2週間空いてのリーグ戦となりましたが、どういう準備をしてきましたか

迷いながらプレーしてる選手たちが結構多く見えたので、もう1回やるべきこと、チームとしての整理と、自分たちが何をその中でより意識したいかというところを自分たちでミーティングというかさせた中で、しっかりとポイントを決めて、ここだけはもう譲れないっていうところを決めて、その中で戦術もう1回再構築し直した2週間だったので、そういう部分では少し整理できて、戦い方的によくはなってきたかなっていうところですけど、勝ってないという部分での自信のなさというか、たまにボール受けたがらないみたいなところとか、ボールもらいには行ってるけど、結局味方とボールしか見てないので、相手のこと見てないというところで、駆け引きがなくて、結局もらった時に相手に一番はめられやすい状況になったりとかというところの、もっと落ち着いてプレーするための準備というところが、もう1段階上がらないといけないかなっていうところですけど、1年生センターバックがこの2週間でだいぶ落ち着き含めて、チームのセンターバックらしくなってきてるというところが一番の収穫かなというところではあるので。真ん中がどっしり落ち着いてないとチームってふわふわしちゃうので、そういう部分ではセンターバックは怪我人が多い中、1年生がしっかりと力をつけ始めてるなというところはあるのでそこは良かったです。

ーーどういった狙いを持って試合に入りましたか
去年から継続してる攻撃的サッカーというところでは、幅を使うっていうのはチームのコンセプトなので、幅を使って中が空いてくるところを狙う、狭い中で全部やるだけの技術はないので、幅引っ張って、相手が守備をミスった時にうちが刺せるという準備をしながら関わるというのがコンセプトとしてあるので、そういう部分では相手同サイド圧縮結構してくるチームだったので、前半のうちからしっかりと動かして相手疲弊させて後半仕留められるかなという風にプランでは思ってたんですけど、まだまだ緩いかなと思います。1失点目も奪ってクリアを慌てて相手ボテボテのところから決められたっていうとこですし、別にフリーだし蹴らないといけないシーンかもしれないけど、慌てちゃうとダメなので。結局サッカーはどれだけ相手を慌てさせるかが大事かなというところでは、あそこはまだまだ余裕がなかったのかなと思います。その後にもう一回、自分たちのやるべきことというところから、いいサポートの配置から相手が外に引っ張られたので、林(奏太朗、スポ1=サガン鳥栖U18)のところの1発のスルーパスで、あそこの門が開いたんですけど、あれをやるために、門を開けさせるために外を回さないといけないし、外で侵入できるんだったら外から攻めればいいしというところをもっと徹底させていきたいですね。常にいいとこ狙おうとしてるので、外に動かして相手をスライドさせるから、そこのずれが出てきてっていうところに対して刺せるようになってくると思うので、そこは両方外でちゃんとサポートしてるけど、刺す準備もしながら、キャンセルして外だよねっていう選択肢も持てるようにしたいです。外の準備がちょっと甘かったところ、サイドバックのところのサポートがちょっと悪かったところが(この試合は)あったので、林がいいビルアップできるのにどうしても中(に相手)立てられてというシーンが多かったので、そこのところ凜誓(西、社2=名古屋グランパスU18)のところでちょっと修正したらあの形(1点目)がちょうど生まれたっていうとこだったので、自分たちが言われたことに対して、それが成功体験になって、これを次自分たちから何かできるかっていうところが大事になってくるのかなと思いますね。2失点目に関してもうーんっていう感じですけど、こればっかりはレフェリーが決めることなので、自分たちはもっと決めるべきところで決めるだったり、最後のところを決めるチームが流れに乗ってくチームだと思うし、これをトレーニングから決めきれないっていう現象はまだまだ続いてるので、トレーニングからどれだけこだわって1点を取れるチームになるのか。それで、1点を守れるチームになるのかっていうところは、まだ戦術っていうより、本質がもう一回大事だなという、改めてこう気付かされてるところなので、本質をもう一回捉えながらも、チームとしてやるべき方向性は見失わないようにしながら、そこに対してチャレンジして個々の良さを出していきたいなっていうところですかね。

――来週以降に向けて修正していきたい部分だと攻撃の面になりますか
そうですね。もっともっといい立ち位置にとれば相手困らせられると思うし、そこに対して正しい判断でボールが移動するたびにポジション修正して、相手の嫌なことをどれだけ続けていけるのかっていうのが大事ですし、逆に守備は相手がここ崩せないよっていうぐらい堅い守備を構築し続けるっていうことが大事なので、そこのところの両立をしっかりと意識して、また1週間いい準備して向かっていきたいなと思います。

西凜誓(社2=名古屋グランパスU18)
ーーリーグ戦2週間空きましたが、どういう準備をしてこの試合に入りましたか

前回の試合が自分たち初めてリーグ戦で勝利できたってところと、メンバーが入れ替わってた中で、前節城西戦はうまくいかないところばっかだったので、練習の中から自分たちのやることをより明確化して、ミーティングも重ねて、自分たちの頭の中を整理して、どう自分たちのサッカーを目指していくかとか、あと自分たちが切り替えと準備とゴール前ってところの3つの言葉にフォーカスして、そこに対して向き合って積み上げて、この試合に向けて準備してきました。

ーー法大相手ってことで意識したことはありますか
多少戦術のところで、守備のかけ方だったりとか守り方だったり、ビルドアップの立ち位置ってところは自分たちの中で話してはいたんですけど。ただ、そんな自分たちが法政相手だからといって変えるのではなくて、自分たちがもう大事にしていることを出せばいい試合にできるという風に思ってたので、そういった意味では特別な準備はしてないです。

ーー西選手の外側を回ってくる相手の右SBに対してはどういう意識で守備をしていましたか
そうですね、スカウティングの部分から、相手のあそこの選手がすごい背後を取ってきて速い選手っていうのはわかってました。相手もうまく捕まらないように、タイミングでマークを外してきたりとか、走ってきたりはしていたんですけど。
ただ、あそこは大外なので、自分たちが余裕を持ってゴール方向から守ればそんなに怖くないなっていう風にはわかってたので。もちろんパスカットできたりとか、入れさせないことが一番ですけど、最悪入ったとしても、そこに対して冷静に対応すれば大丈夫だなっていう風に思っていたので、そういった対応をするように心がけていました。

ーーハーフタイムではどういう指示がありましたか
前半自分たちがやりたいような、ボールを保持して動かすってことができてなかった中で前半の途中とか最後の方は、自分たちがうまくボールを動かしながら相手陣地で押し込んでプレーができたので、そういったところをほんとに後半の頭からできるようにってところと、より守備、特に外の守り方だったりとか書き方っていうところを、ボード使いながらより明確化させて、頭を整理して、後半に入りました。

ーー後半、点が結構動く展開になりましたがどう振り返られますか
先制点を取られてしまったんですけど、そこの場面でも自分たちは絶対にゴールを取り返せるっていう自信はありましたし、そういった意味では、失点しても中で慌てる時間じゃないってところと、まだやること変えずにやれば絶対に得点できるっていう風に中でも話してたので。そういった意味では自分たちが逆転できたってところはほんとに良かったと思いますし、そっから少し自分たちの時間もありましたけど、相手も選手交代を使いながらすごい流れを持っていかれたなっていう風に思います。最後のPKを与えてしまった場面でも、少し自分たちの緩みが出てしまったのかなっていう風に思うのでそこは反省点ですし、チャンスがあった中で3点目を決めきれなかったっていうところも自分たちの課題であるので、そこのゴール前ってところにもっとこだわっていかないといけないなと感じました。

ーーここからアウェイ3連戦になります、来週以降に向けて意気込みをお願いします
自分たちが掲げた2部優勝、昇格ってところに向き合うには、ほんとにまだまだほん足りないことばかりですし課題が多いんですけど、開幕戦から自分たちがやれることだったり、いいシーンっていうのは増えているので、そこをほんとに練習の中から積み上げていってより課題に向き合いながら、アウェイってところで難しい展開が絶対にあると思うんですけど、そういった中でも自分たちがやることをぶらさずに自信持ってプレーできるようないい準備をまた1週間後の試合に向けてやっていければと思います。

海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)
ーー前節から2週間空きましたが、どのような準備をして挑まれましたか

チーム全体としてゴール前っていうところと切り替えっていうところだったり、一番はゴール前なんですけど最後の決めるクオリティだったりゴール前のところを2週間で一番準備してきました。

ーー法大相手にどういう意識を持っていましたか
法政大学さんは個の能力がかなり高いので、最後個人技で突破してきたりっていったところが自分はキーパーなので相手の特徴とかチームの分析の人たちが情報を提供してくれるので最後の止めるというところで相手の情報を得たりしていました。

ーー2ー2の引き分けとなりましたが、この結果をどう捉えていますか
ものすごく悔しいというのが1つで、結果的には2ー2だったんですけど逆転して勝てるゲームだったんじゃないかと思っていて、最後のPKのところで止めらずチームを救うことができなかった部分でかなり悔しさは残りますけど自分が最低限できる限りのプレーはできたんじゃないかなと思っています。

ーー次節以降アウェイが続きますが、意気込みをお願いします
チームがちょっと良い流れになってきている中で今日引き分けという形で終わってしまったので、また次その次って勝てるように、特にゴール前というところをチーム全体で意識してやっていきます。

春季関東大学リーグ戦 5月18日明海大学浦安キャンパス

 

 4月中旬から始まった春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)も残りわずかとなった。5月18日、早大は立教大と対戦した。第1セット、第4セットは落としたが第2、第3セットは取るという激しい点の取り合いとなり、試合はフルセットまで持ち込まれる。最終セットは持ち前の多彩な攻撃で相手を圧倒し、長丁場の試合を制した。

 

 第1セットは序盤から両チームのアウトサイドヒッターのサイド攻撃が光る試合展開となった。早大は秋重若菜主将(スポ4=大阪・金蘭会)、その対角のモサクまり(国教1=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)が強力なアタックを次々と決めていく。しかし相手も負けじと両サイドから反撃し、追いついては追い抜かれるまさにシーソーゲームに。終盤あと1点がなかなか決まらず、21ー25で第1セットを落とした。

 

レフトからアタックを打つ秋重

 

 続く第2セットも互いにサイドアウトを取り合い点差がつかないスタートとなる。試合が動いたのは15ー16の場面、相手のサーブミスで同点に追いついた時だった。早大のサーバーは秋重。豪快なジャンプサーブを2本連続で決め流れをつくると、その後は一気に早大優勢の展開となった。ピンチサーバーとして投入された林穂乃花(スポ3=東京・国分寺)の好サーブや、モサクがダイレクトアタックを決める活躍もあり、25ー19で第2セットを勝ち取った。この勢いのまま続けたい第3セットだったが、中盤までは相手にリードされる苦しい展開になった。それでも早大は山崎葵(社3=岡山・就実)を中心に確実な守備で冷静に勝機を伺う。徐々に追いついていったものの、後半まで均衡状態は続いた。22ー23の場面で川村彩乃(社1=岡山・就実)がライトからアタックを決めて同点に追いつくと、そのまま一気に2点を返し、25ー23で何とかこのセットも取ることができた。

 

レフトからアタックを打つモサク

 

 このまま勝利したい第4セット目は互いに譲らずサイドアウトを取り合う長いゲームになった。このセットも秋重、モサクのサイドからのアタックと川村の緩急つけた攻撃が光っていたが、相手もそのまま受け入れるだけではない。クイック攻撃や軟打で早大の隙をつき、しだいに勢いをつけていく。早大も必死に食らいつき、24ー24とデュースに持ち込んだが、一歩及ばず25ー27で惜しくも第4セットを落としてしまった。切り替えて臨みたい最終セットは、川村のライトからのクイック攻撃から始まる早大ペースのゲームとなった。西崎梨乃(スポ2=大阪・大阪国際滝井)のライトからの攻撃も決まり、どんどん点数を重ねていく。最後まで早大優勢のまま勢い良くゲームを進めていき、秋重のパワフルなアタックで試合を締めくくった。

 

ロングラリーを制し喜び合うチーム

 

 先週に続いて長時間タフな展開が続く試合となった立教大戦。秋重とモサクを中心とした強力な攻撃と全員の安定した守備で1点ずつ確実にもぎ取り、フルセットの末大きな1勝を果たした。春季リーグもいよいよ最終週となった。良い形でリーグ戦を終え、次の大会へつなげたい。

(記事 佐藤玲、写真 帖佐梨帆)

 

セットカウント

第1セット 21ー25

第2セット 25ー19

第3セット 25ー23

第4セット 25ー27

第5セット 15ー8

 

スタメン

アウトサイドヒッター 秋重若菜(スポ4=大阪・金蘭会)

アウトサイドヒッター モサクまり(国教1=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)

ミドルブロッカー 川村彩乃(社1=岡山・就実)

ミドルブロッカー 西崎梨乃(スポ2=大阪・大阪国際滝井)

オポジット 大松未羽(スポ2=沖縄・首里)

セッター 南里和(商4=東京・女子学院)

リベロ 山崎葵(社3=岡山・就実

 

コメント

秋重若菜(スポ4=大阪・金蘭会)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

最初はみんなちょっと相性が悪いなという感じでした。とりあえず勝ち切れたことが一番よかったのですが、やはりもうちょっと対応力を上げていかないと、この後の試合を勝っていくのは難しいかなという風にも感じられた試合でした。

ーー昨年に引き続きフルセットの競る展開となりましたが、立教大との相性はどのように感じていますか

相性は悪いなと思っています。やっぱり真ん中から中心に攻撃してくるチームは2部では少ないので、そこでの対応力が発揮しきれていなかったので、相性は悪かったなと思います。

ーー今日は秋重選手のサーブが連続で決まる場面があり、調子が良さそうに見えましたが、どんなことを意識してサーブを打っていましたか

そうですね、春季リーグが始まってから自分の中でサーブミスが多くて何か改善しようと思っていて…。まずトスを安定させようと思って、男子のサーブの良い選手の動画をたくさん見て、大体自分が打ちやすいトスを上げられるようにちょっと工夫して打ったら、やっぱり今日はすごくヒットできて、「お!来た!」みたいな感じだったので、調子もだし、自分の中で感覚はつかめてきたのかなと思います。

ーーチームとしての良かった点と課題を教えてください

良かった点は、大事な場面での1点を取れていたことだと思います。悪かった点としては、序盤にハイセットが乱れてしまって、3本目にチャンスボールを返してしまっていたことや、ミドルからの攻撃に対して対応しきれなかったというのが今日の課題かなと思います。

ーー明日が最終戦となります。最後の意気込みをお願いします

はい、もう勝って、東日本インカレにつなげたいです。勝ちます!

 

モサクまり(国教1=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

今日は5セットだったので、きつかったです。でも、楽しくやりきれたと思います。

ーー前回の試合に続いて今日もモサク選手のスパイクが決まる場面がたくさんありましたが、今日の調子はどうでしたか

調子は良い方だったと思います。やっぱり高いところで打てている日は自分でも調子が良いなと思います。

ーー長丁場の試合で後半は体力的にも厳しくなってくると思いますが、どのような気持ちでプレーしていましたか

1点をちゃんと喜ぶことで流れが来ると思っていたので、それに意識を向けていました。

ーーご自身のプレーを振り返って良かった点と課題を教えてください

今日の良かった点は、思い切ってプレーできたところがいつもとちょっと違う点だったと思います。課題はやっぱりミスをなくすことです。今はまだ1年生で、周りに守られている感じですが、これからは頑張ってミスをしないということにも集中していきたいです。

ーー明日が春季リーグ最終戦です。明日頑張りたいことを教えてください

明日も1個1個の点を喜んで、流れを切らないように頑張ります。

関東学生春季リーグ 5月19日 茨城・水海道総合体育館

 

 春季リーグも残りわずかとなり、早大は1次リーグで力の差を見せつけられた東海大との一戦に臨んだ。1次リーグ2位という格上の相手に選手それぞれが強い気持ちを持って戦い抜いた。試合開始直後から早大のオフェンスミスから相手の速攻を許し、10−15で前半を折り返す。巻き返したい後半だったが、果敢にゴールを狙うも最後まで相手のスピードを抑えられなかった。最終的には23ー35となり2連敗となった。

 

 開始早々早大は、この日スタメン起用の作本夕莉(スポ2=福岡・明光学園)による好セーブで幕を開けるが、相手に速攻からの先制を許してしまう。その後は、江頭理沙(スポ2=東京・ICU)や里村采音(商2=岩手・不来方)のシュートで得点を追加するものの、相手の勢いを止めることができない。東海大のディフェンスからオフェンスへの切り替えのスピードに翻弄(ほんろう)され、逆速攻からの失点が目立った。苦しむ中でも前半20分頃からは、山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)のオフェンスが精彩を放った。自らカットした相手ボールを速攻によって確実にシュートを決め、さらには3連続の鮮烈なミドルシュートで次々と得点。しかし、早大はパスのミスや相手のボールカットにより瞬く間に点差が開き、10ー15で前半を終えた。

 

ミドルシュートを打ち込む山野

 

 5点差をつけられた状態で開始した後半、全試合スタメン出場中の杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)のループシュートなどで得点を稼ぐ。また、前半に「アウトカットシュートを同じコースで連続で外してしまったのは本当に反省」としていた山野も後半は見事な修正を見せた。そしてこの日は、出場機会が増えてきている長谷川美玖(スポ1=長野・屋代)も得点を加算。「思い切ったプレーでチームに貢献したい」という言葉通り攻守ともフレッシュな活躍を見せた。早大はコンスタントに点数を重ねたが、東海大の圧巻の堅守速攻にはかなわなかった。最後まで相手のスピード感に押され、23ー35で試合終了。2次リーグを1勝2敗とした。

 

この試合得点を決めた長谷川

 

 相手のスピード感に加え、ロングシュートやスカイプレーなど多彩なシュートに支配され大量得点を許した今試合。前回のリベンジとはならなかった。全13試合の春季リーグも残り1試合となり、次週は1次リーグで敗北した東女体大との試合に挑む。前回と同様、厳しい展開となる可能性が考えられる。それでも思い切りの良いプレーで勝利を目指し、選手たちの弾ける笑顔で春季リーグを締めくくりたい。

 

(記事 大村谷芳、写真 渡辺詩乃)

 

結果

早大23ー35東海大

前半 

早大10-15東海大

後半

早大13-20東海大

 

スタメン

GK 作本夕莉(スポ2=福岡・明光学園)

LW 石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

LB 里村采音(商2=岩手・不来方)

PV 杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)

CB 井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB 山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

RW 江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

 

コメント

山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

ーー試合を振り返って

 前半から改善しなければならなかったバックチェックの部分を、1試合通して修正しきれずに点差を離されてしまいました。チーム状況が変わった中で良いプレーも多くあったのですが、やはりディフェンスでの改善点が多く見つかりました。

 

ーーチームへの声かけの部分で意識したことは

 とにかくディフェンスから流れを作ることを意識していたので、全員がいつもより運動量も声も出ていたと思います。前日の筑波大戦では、真ん中から得点を量産されたので、試合後に東海戦に向けた3枚目の守り方を石坂(美紀、スポ2=千葉・昭和学院)と色々確認していました。昨日の反省を生かし、今日は石坂とセットディフェンスで意思疎通していると感じることが多かったです。

 

ーーレフトバックからライトバックポジションでプレーしましたが、やりにくさなどはありますか

 練習では基本的に、どのポジションに入っても役割を果たせるようにと教わっていたので、やりにくいというのはなかったです。自分はトップ選手のような技術があるわけではないので、とにかく体を張ってスピードを活かしたカットインを狙っていました。

 

ーー自身のシュートの手応えはいかがでしたか

 前半の最初はダメダメでした。アウトカットシュートを同じコースで連続で外してしまったのは本当に反省です。その後は修正できたのでよかったです。後は、右利きでもライトバックからミドルシュートを打てるように練習したいと思いました。

 

ーーラストの試合に向けて意気込みをお願いします

 東女体大戦も厳しい戦いになると思いますが、全員が最高のパフォーマンスを出し切って勝ち、春リーグを良いかたちで終えられたら良いなと思います。

 

長谷川美玖(スポ1=長野・屋代)

ーー試合を振り返って

 カットインからシュートを決めきれなかったことが悔しかったです。刺激的なプレーがたくさんあり、もっと上手くなりたいと思いました。

 

ーー土曜日の筑波大戦と同様、出場時間が長かったと思いますが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

 緊張もありましたが、思いきったプレーでチームに貢献したいという思いで臨みました。

 

ーー自身のシュートシーンを振り返って

 焦らずしっかりキーパーを見て打てていたと思います。

 

ーー1年生として見たチームの雰囲気はいかがですか

 明るくて楽しいチームだと思います!

 

ーー春季リーグ残り1戦、意気込みをお願いします

 プレーでもプレー以外でも自分にできることを妥協せずに頑張ります!

春季関東大学リーグ戦 5月19日 慶應義塾日吉記念館

 

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)最終日となる11戦目、早大は日体大と対戦した。日体大の守備力に押され流れに乗りきることができず1・2セット目を落とすも落ち着いて切り替え3セット目を取り返す。4セット目、デュースまでもつれ込む熾烈な争いとなったが、あと一歩及ばずセットカウント3―1(21―25、16―25、25―19、28―30)で敗戦し、最終順位は2位で春季リーグを終えた。

 

 第1セット序盤、相手のブロックシャットやスパイクで1―4と先行され追いかける形が続くも、OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)やOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)が鋭いストレートコースのスパイクを決め応戦。そんな中ラリーの末に取ったと思われた1点が判定によって覆ってしまうという事態が発生。しかし動揺せずにその直後の展開でリベロ布台聖(スポ2=東京・駿台学園)が懸命につなぎMB板垣慧(政経3=京都・洛南)がブロックで得点するなど粘り強さを見せラリーを制する。日体大の守備が固く中々得点を重ねることができない状況も、佐藤のブロックポイントやセッター前田凌吾副将(スポ3=大阪・清風)のフライングレシーブから板垣が二段トスを上げ畑が打ち切り20―22と迫る。しかし点差を詰め切ることができず最後はブロックしたスパイクが偶然相手の体に当たりそのままコートに返ってくるという不運に見舞われ21―25でこのセットを落とした。

 

ライトからの畑のスパイク

 

 続く第2セット。日体大の守備のプレッシャーの影響かスタートから早大にミスが続き日体大が3連続得点とまたも先行される展開。MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)のクイックやこのセットスタメン起用のOH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)の守備面の貢献などで差を広げられないように食らいつく。しかし、相手のブロックやこちらのミスが続き終盤にかけて点差が開いていく。勢いを加速させる日体大のライト平行やサイドの攻撃に対応することは難しく、16―25と大きくリードされた状態でセットを落とした。

 先ほどのセットの雰囲気を切り替えたい3セット目。徳留の強烈なストレートへのスパイクで得点しスタート。MB菅原啓(教2=山形南)のクイックや畑のスパイクで得点を重ね一進一退。そして相手の攻撃をワンタッチにかけ佐藤の切り返しのスパイクや畑のブロックで4連続得点を生み出し遂に早大が抜け出す。その後も勢いを緩めず板垣のサービスエースや相手のミスを誘い再び4連続得点。最後は相手のサーブミスで25―19でセットを取り切った。

 

スパイクを打つ徳留

 

 第4セット、日体大リードで試合が進む。早大は前田のディグから布台の二段トスを畑が決め、徳留もサイドアウトを取り対抗する。菅原や佐藤もスパイクを決めるも相手のサーブに押される場面もあり中々追いつくことができず10―15となる。しかし畑がワンタッチを取ったボールを二段で自ら打ち切りブレイク。さらにしっかりとコースに構えていた布台が連続でバックアタックを上げ、徳留が決め切り再びブレイクし大きく盛り上がる。また、ラリー中の丁寧なブロックフォローやディグでつなぎ、佐藤が決め1点差まで迫ると、二段で中央から畑がスパイクを決め終盤ついに同点となる。試合はデュースに突入。菅原が自分でレセプションしたボールをそのままクイックで決め、さらにまたも布台のディグから佐藤が決めるプレーがあり27―26と前に出る。だがサイドアウトを取り合う展開の中で早稲田にミスが出て逆転された瞬間を日体大は見逃さなかった。最後は日体大のワンタッチからのバックアタックを後少しのところでつなぐことができず28―30でセットを落としセットカウント1―3で敗戦となった。

 

レシーブ・二段トスで躍動した布台

 

 最終順位2位で春季リーグを終えた早大。ここに至るまでの道のりは決して順調ではなく万全とは言えない時も多くあっただろう。しかし選手たちが自分たちの力をどのように出し切るかに焦点を当てて臨んだ今試合では技術、精神面ともに多くの発見があったはずだ。また、黒鷲旗や春季リーグで経験した苦しい瞬間が収穫となって自分たちのチームを見つめ直し、一層チームの成長につながることを信じている。今大会期間で多くの経験をした若いチームのこれからの進化とさらなる活躍に期待したい。

 

(記事 井口そら、写真 井口瞳、町田知穂)

 

セットカウント

早大1―3日体大

 第1セット 21―25

 第2セット 16―25

 第3セット 25―19

 第4セット 28―30

 

スタメン

アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)

アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)

ミドルブロッカー 板垣慧(政経3=京都・洛南)

ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)

オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)

セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)

リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)

 

途中出場

滝谷照(スポ4=宮崎・日南振徳)

伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)

菅原啓(教2=山形南)

徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)

 

コメント

畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)

ーー春季リーグを振り返って

僕と凌吾(前田凌吾)最上級生ということで、チームを引っ張ることの難しさや上級生としたのコート内での振る舞いという難しいことを少しずつ学んでいけたかなと思いました。

ーーボールが偏る場面もありましたが、プレッシャーはありましたか

プレッシャー自体はそんなになかったのですが、シンプルに実力が足りていないので、もっと成長しないといけないなと思った春リーグでした。

ーーチームとしては

下級生が多く出ているチームで、その中で相手がいい雰囲気の時に立て直すのが下手なチームで、その時にもっと僕と凌吾が引っ張って下級生を支えてあげないといけないチームだなと感じました。

ーー今日の試合を振り返って

1・2セットはすんなりと取られてしまって、その中で自分たちはサイドアウトが全くできていなくて。3セット目からはそれを立て直して4セット目で負けてしまいましたが、立て直せたことが成長だなと思います。

ーー先週の試合からの切り替え面は

先週の土日は相当チームとしてまずいということで1回ミーティングで自分の思いを話したら、チームを締める役を4年生がやってくれて、今週は自分のプレーに集中できたのでいいプレーができたのかなと思います。

ーー早慶戦への意気込み

自分らしさを出しつつ、チームを引っ張れるように頑張ります。応援よろしくお願いします!

 

布台聖(スポ2=東京・駿台学園)

――春季リーグを振り返って

去年から試合に出ている人が凌吾さんや虎太郎さん(畑虎太郎)と堅斗(麻野堅斗)だけであまり経験がなく若いチームという状況で、自分たちのやるべきことはレセプションをしてしっかりサイドアウトを取るということだったのですが、相手が強くなるにつれて自分たちのペースが掴めなくてレセプションが返らないところが課題でもう一度次の試合に向けてその点をしっかりできるように頑張りたいです。

――今日の試合をチームとして振り返って

1・2セット目に関しては自分たちで向かって行っていなくてミスも多くて、点差を離された時に自分たちが勝手に焦ってミスを出して、相手にやられたのではなく自分たちのミスで負けた試合だったと思います。

――個人として振り返って

レセプションの精度だったりチャンスボールのところでミスがあったり、自分がリベロで守備の要なのですが、ミスがあってパス1本やトス1本でももっと質を高めていかなければいけないし、自分がミスをしていたらチームの守備がどんどん崩れてしまうのでパスをしっかりと上げたいです。

――ディグの調子はいかがでしたか

印象に残るディグはあったかもしれないのですが、緩いボールやもう少し拾える部分が多かったり、上げていても質が悪かったりして、自分の中では今日あまり上げているイメージはないです。もっと緩いボールや何気ないボールをしっかりセッターに返すことと、自分たちが劣勢の中でも自分のディグ一本で流れを掴めるようなレシーブをしていきたいです。

――春リーグを通しての収穫や課題について教えてください

試合には出られていたのですが、自分があまり通用していないなというところでチームを鼓舞できる声出しとかをもっとできるのではないかなって思います。一つ一つのプレーの質が他のチームのリベロに比べて低いので、もっと一本一本拾う練習からしっかり行ってレシーブの質を高めて、他のチームのリベロに引けを取らないようになりたいです。

――早慶戦への意気込み

伝統的な試合というのもあって緊張する試合の中で、ギャラリーなどの人も多い中で自分たちのプレーがどれだけできるかというところと、(春季リーグの)順位的には自分たちが上で慶應さんが下ですけど自分たちが向かっていくという気持ちを忘れずに勝てるように頑張りたいです。

 

徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)

――春季リーグを振り返って

最初の全勝している中、明治大戦、筑波大戦くらいまでは自分の出番はほとんど無かった中で、今日とか黒鷲旗や中央大戦、順天大戦含め、たくさん試合に出るとなった時までの心の準備という難しさを教えてもらったかなと思います。小中高はずっとスタメンで、1年生から出ていたのですが、大学に来て、リザーブ、誰かがダメになった時に出るというのを経験して、いい経験になりました。

――今日の試合を振り返っていかがですか

今日の試合はまあよくできたとは言えますけど、でも負けているし、最後に自分が打ってシャットされるなら全然いいのですが、他の人がミスしたときに自分にトスが上がってこないというところにまだ未熟さを感じます。

――春季リーグの序盤よりもサーブの威力が増した印象がありましたが、いかがですか

ずっと動いてないとエンジンかからなくて、かなりスロースターターになっちゃうんです。中盤から結構上がってくるタイプなので。だからサーブも急にジャンプしてと言われても、ちょっと入れに行くみたいな感じになってしまいます。でも試合にどんどん出れば、試合中に回ってきたサーブはいつも通り打つことができます。自分はサーブが得意な方なのでサービス取ったりとか崩したりとかは動いてる時だったらできるかなと思います。

――今日レシーブの調子はいかがですか

レシーブの調子は良くもないし悪くもないです。調子がいいときは別に無いです。あれが普通です。今日調子いい調子が悪いっていう日はあんまりないんです。あんまりなくて、ずっとあのままキープできる感じです。体が痛かったりとかだるかったりとかはあるのですが、でもバレーになったら全部関係なくて集中して、バレーのことだけ考えてできるので、練習でもあんな感じです。

――1年生らしい元気な姿が印象的ですが試合の中で自分の役割はどのようなものだと思っていますか

自分は考えすぎるとダメになっちゃうので、もうとりあえず何も考えないで。みんなは「相手が強いからやんなきゃ」となってしまうのですが、自分はそんなことないです。よく中学校の時にボールが来たらアンダーパスとオーバーパスすればいいだけなんだって言われて、球が来たらアンダーパスをパスをしてるだけという考えになって。1年生っていうよりかはもう楽しくやろうと思っています。

春季オープン戦 5月19日 アミノバイタルフィールド

 

 

小雨がちらつく中、早大BIG BEARSは中大との春季オープン戦に挑んだ。第1クォーター(Q)にRB大谷優輝(政経2=東京・早大学院)のランプレーでタッチダウン(TD)を奪うと、第2QにはRB長内一航(文構2=東京・早実)のTDランで追加点を獲得。後半にもRB長内が69ヤードのTDランを含む2つのTDで中大を突き放す。ディフェンスではDB塚田隼也(商4=東京・早大学院)が2つのインターセプトを決めるなどビッグプレーも飛び出した。攻守で躍動した早大が31―13で白星を飾った。

 

相手をかわすRB長内

 

早大キックで試合開始。中大のランプレーをLB石黒哲(政経4=東京・早大学院)とLB原康介(法3=東京・早大学院)がタックルで止め、スリーアンドアウトに抑える。最初のオフェンスシリーズでは、RB味岡海斗(法4=東京・早実)の35ヤードのランでいきなり敵陣内に進む。続くプレーでもQB船橋怜(政経3=東京・早大学院)からTE恒川大輔(文4=東京都市大付)へのパスが通り、レッドゾーンに侵入。3rdダウンからRB大谷が相手のタックルをかわし14ヤードのTDランを決め、幸先よく先制する。続くディフェンスでは約40ヤードのパスを通されたが、その後のプレーでDB塚田がインターセプトに成功しターンオーバー。オフェンスはQB船橋のパスプレーで1stダウンの更新を続けていく。再びレッドゾーンに進むと、RB長内のTDランで追加点を挙げる。一方のディフェンスも中大に自陣にすら侵入させない堅守を見せる。第2Q終盤にはRB福嶋俊(文2=東京・早実)のフィールドゴール(FG)で3点を追加。攻守で圧倒し、17―0で前半を終了した。

 

先制TDを決めたRB大谷

 

正確なパスが光ったQB船橋

 

後半に入り、第3Q中盤のディフェンスではLB石黒のQBサックで10ヤード後退させるが、40ヤードのロングパスを通され、ハーフウェーラインを越えられる。さらに39ヤードのパスでTDを許し、この試合初めての失点を喫する。それでも直後の自陣31ヤードからの攻撃で、RB長内が相手をかわしサイドライン際へ。そのままエンドゾーンまで駆け上がり、69ヤードのロングゲインTDですぐさま得点を挙げる。第4Qに入ると、「自分のところにボールが飛んできたので、チャンスをものにできた」と、DB塚田が2つ目のインターセプトで攻撃権を得る。QB船橋からWR松野雄太朗(社3=東京・早大学院)のパスやQBスニークで1stダウンを更新し、着実に前進していくと、中大の反則もあり敵陣6ヤードまで進む。最後はRB長内が3つ目のTDランで24点差に広げた。第4Q終盤に中大にTDを許したものの逃げ切った早大は、31―13で勝利を収めた。

 

QBサックを決め、ほえるLB石黒

 

次週は立大との一戦に臨む。昨年の関東大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)では試合残り1秒から逆転負けを喫した因縁の相手だ。ここまで今季は、前半は良い試合運びをするものの後半に失点するケースの多い早大。今年の秋季リーグ戦に向け、昨年の苦い経験を払拭するような試合を展開したい。

 

(記事、沼澤泰平 写真、勝野優子 富澤奈央)

 

 

◆コメント

髙岡勝監督(平4人卒、静岡・聖光学院)

ーー前半最初のオフェンスドライブでTDを決める良い入りでしたが、そこを振り返っていかがですか

今日は先発がQB船橋ということで昨日は結構緊張感もあったみたいですが、頑張ってくれたので非常に良かったと思います。

 

ーー出場した選手たちには新しい顔ぶれも多かったですが、そこに関しては

活躍した選手は前から出ている選手が多く、やるべき選手がちゃんとやれたというのはあります。ハドルでも言いましたが、練習でできないことが試合でもできなかったので、どれだけ練習でできるようになるかというのをもう一度反省できる良い試合になりました。

 

ーー後半のパフォーマンスを振り返っていかがですか

メンバーも入れ替わったり、13番の松岡(松岡大聖)選手に良いパフォーマンスをされてしまったというのは、秋も絶対そこを狙ってくると思うので、もう一回修正したいと思います。

 

ーー次戦の立大戦への意気込みをお願いします

ROOTSBOWLですし、昨年(秋季リーグ戦で)残り1秒から逆転を許しているので、最後の時計が終わるまで全力を尽くして勝負していきたいと思います。

 

RB長内一航(文構2=東京・早実)
ーー今日の試合のRBのユニットでのテーマはありましたか

今エースの3年生のRB安藤慶太郎さん(社3=東京・早大学院)が今日は出ていなくて、それ以外の2本目以降のメンバーで守り切ってやろうという話でやりました。

ーーオフェンスとして今日の試合を振り返っていかがですか
点は取れていたんですけど、やっぱりもっと圧倒的に勝たなきゃいけなかったと思うし、出てないプレーもたくさんありました。2本目のメンバーが出たときにプレーが出ていなかったのでそこの層をもっと厚くしていかないと勝てないかなと思います。

ーー3つのTDを決めましたが、ご自身のパフォーマンスに関しては
思い切りいって自分の武器は出せたなと思います。ただまだ自分で納得いってないプレーもあったので、そこをもっと練習して秋活躍できるように頑張りたいです。

ーー次戦の立大戦への意気込みをお願いします
次の試合もTDして、昨年の秋に立教に負けているのでRBで勝てるように頑張ります。

 

DB塚田隼也(商4=東京・早大学院)
ーーディフェンスとして今日の試合のテーマはありましたか
「貫く」が中大戦でのチーム全体のテーマでしたが、ディフェンスもその気持ちでした。早慶戦、関大戦を通して、入りはすごく良かったですが、関大戦では4Qになると一気に追いつかれてしまっていました。そういった意味でも、ディフェンス全体で1Qから4Qまで自分たちのファンダメンタルで戦い抜くことは意識していました。

ーー前後半のご自身のインターセプトをそれぞれ振り返っていかがですか
フロント陣が頑張ってラッシュをかけてくれて、自分のところにボールが飛んできたので、チャンスをものにできたという点はすごく良かったです。

ーー後半のディフェンスの戦いぶりを振り返って
相手のエースWRに何本もロングパスを通されてしまったので、そこを修正し、パスを通されないDB陣にしたいと思います。

ーーここまでの試合ではディフェンスのビッグプレーが多いですが、そこに関してはいかがですか
今年はディフェンス全体で昨年の課題だったターンオーバーを増やそうと取り組んでいて、ディフェンス全体でつくるターンオーバーを目標にしています。春シーズンでそれが結果につながっているのはいいと思うので、これからも意識していきたいです。

ーー次戦の立大戦への意気込みをお願いします
昨シーズン立教には春も秋も負けてしまったので、すごく悔しい思いがある相手です。絶対に勝ちたいと思います。

第2回早大競技会 5月18日 織田幹雄記念陸上競技場

 日の入りを迎え、肌寒く感じる中、埼玉・早稲田大学織田幹雄記念陸上競技場で早大競技会が開催された。この日は、1500メートル、5000メートルのレースが行われ、計18名が出走した。1500メートルでは、吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)が3分44秒81でゴールし、日本選手権の参加標準記録切りを達成。5000メートルでは、日野斗馬(商4=愛媛・松山東)や和田悠都(先理4=東京・早実)が自己ベストを更新したほか、1500メートルと合わせて計7名の選手が自己新を叩き出した。

 

 1500メートルには、吉倉、石塚陽士(教4=東京・早実)、立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)の3名が出場した。スタート直後、城西大の選手4名が先頭に立ち集団を形成すると、3人は集団中央でレースを進める。400メートル過ぎに、吉倉、立迫が集団から少し遅れをとった一方で、石塚は徐々にスピードを上げていった。ラスト1周の鐘が鳴ると、石塚はすかさず先頭に躍り出る。離れかけていた吉倉も5名による先頭集団に必死に食らいつき、ラストの直線は石塚と吉倉によるデッドヒートへ。吉倉が石塚に0秒15差の3分44秒81で競り勝ち、自己ベストを更新。日本選手権1500メートルの参加標準記録を切り、吉倉は「率直に嬉しい」と振り返った。また、立迫も渾身のラストスパートをかけ、自己ベストを更新した。

 

ゴールする吉倉

 

 続いて行われたのは5000メートル。1組目には5名が出場した。工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)が先頭を引っ張り、そのすぐ後ろに増子陽季(人2=栃木・大田原)がつくというかたちでレースは進められた。なかなか全体のペースが上がらない中、残り3周で東洋大の岸本遼太郎が仕掛け、徐々に集団がペースアップ。最後は先頭から大きく離されたものの、積極的な走りを見せた増子が工藤に続く4着でフィニッシュした。

 

 続く2組目には日野斗馬(商4=愛媛・松山東)や宮本優希(人2=智辯学園和歌山 )ら5名が出走。スタートから東洋大の選手2名がハイペースで飛び出した中、石塚が引っ張る集団の前方に全員が位置取る。3000メートルで石塚が外れると、代わって集団先頭に立ったのは宮本。しかし、その後ろで余裕を見せていた日野が宮本の前に出た。「落ち着いて入って、2000、1000(メートル)を切ってから勝負をかけれたらと思っていた」という日野。そのレースプラン通り、徐々にスピードを上げ、東洋大の選手を吸収し、先頭を引っ張る。宮本も懸命についていったが、最後の1周で日野が鋭いスパートで離し、トップでゴール。自己ベストを15秒近く更新し、14分30秒切りを果たした。また、集団前方で粘り続けた宮本と門馬海成(政経3=福島・会津)も自己ベストを更新した。

 

1着でフィニッシュする日野

 

 3組目には工藤、武田知典(法2=東京・早実)、瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二)が出場した。レース序盤、国学院大の平林清澄が先頭を引っ張り、集団は縦長に。集団は徐々に大きく2つに分かれていき、3人は第1集団でレースを進める。中盤に武田が集団から離れたが、工藤、瀬間は前方でリズムを刻んだ。しかし3400メートル付近で瀬間がこぼれ、その後は我慢の走りに。一方で工藤はこの日、2本目の5000メートルを走り切り、チームトップでゴール。終盤は苦しい走りとなった武田も、最後は力をふり絞り、14分29秒52で自己ベストを更新した。

 

 そして迎えた最終組。早大からは和田、藤本進次郎(教3=大阪・清風)の2名が登場した。レース序盤、先頭を引っ張る複数の留学生がつくるリズムに乗り、藤本は淡々とペースを刻む。中盤まで集団前方でレースを展開した藤本だったが、徐々に表情が曇り始め、3000メートル過ぎには完全に集団からこぼれてしまった。一方で、14分1桁を狙ってレースに臨んだという和田。スタート直後は後方で様子をうかがっていたが、1400メートルを過ぎると、集団中央に抜け出した。その後も第2集団でペースを保っていたものの、集団がバラつき始めると苦しい走りに。それでも、同期や後輩の応援の中で最後まで懸命に走り、14分21秒02の自己新でフィニッシュ。先日行われた日体大記録会での1万メートル自己新に続く、5000メートルでの自己新となり、和田は「安定感が出てきた」と、自身の走りを振り返った。

 

レースを走る和田

 

 関東学生対校選手権に出場できなかったメンバーが多く出走した本競技会。その中で、多数の選手が自己記録を更新し、選手層の厚さをうかがわせた。トラックシーズンはまだまだ続いていく。勢いそのままに、今後もチーム全体のさらなる底上げを図りたいところだ。

 

(記事 佐藤結 写真 草間日陽里、會川実佑)

結果

▽男子1500メートル

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)  3分44秒81 (4着)自己新

石塚陽士(教4=東京・早実)  3分44秒96 (5着)

立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)  3分46秒82 (7着)自己新

山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)  DNS

山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川)  DNS

山口智規(スポ3=福島・学法石川)  DNS

岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)  DNS

間瀬田純平(スポ3=佐賀・鳥栖工)  DNS

▽男子5000メートル

▽1組

工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)  14分44秒44 (3着)

増子陽季(人2=栃木・大田原)  14分51秒30 (4着)

安江悠登(法2=埼玉・西武文理)  15分02秒30 (7着)

辻陽介(スポ1=愛知・岡崎)  15分06秒29 (8着)

鈴木翔瑛(人1=群馬・富岡)  15分15秒93 (13着)

髙尾啓太朗(商2=千葉・佐倉)  15分18秒94 (16着)

川端春叶(スポ2=北海道・北見北斗)  16分02秒57 (24着)

浅川京平(スポ1=東京・早実)  DNS

▽2組

日野斗馬(商4=愛媛・松山東)  14分28秒55 (1着)自己新

宮本優希(人2=智辯学園和歌山 )  14分32秒30 (3着)自己新

小平敦之(政経2=東京・早実)  14分34秒31 (6着)

門馬海成(政経3=福島・会津)  14分35秒60 (8着)自己新

石塚陽士(教4=東京・早実)  DNF

山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)  DNS

山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川)  DNS

山口智規(スポ3=福島・学法石川)  DNS

間瀬田純平(スポ3=佐賀・鳥栖工)  DNS

伊藤幸太郎(スポ3=埼玉・春日部)  DNS

▽3組

工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)  14分10秒79 (5着)

武田知典(法2=東京・早実)  14分29秒52 (10着)自己新

瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二)  14分36秒09 (12着)

▽5組

和田悠都(先理4=東京・早実)  14分21秒02 (13着)自己新

藤本進次郎(教3=大阪・清風)  14分39秒85 (20着)

コメント

日野斗馬(商4=愛媛・松山東)

――今日の目標を教えてください

 2週間後に日体大記録会があるのでここに合わせるというよりも、練習の流れでいい走りができたらなと思っていました。タイムの目標は定めずに1着を取れればいいなと考えていました。

――今日の調子はいかがでしたか

 練習を積んでいる分、疲労はありました。ですが基本的にはいい状態で迎えられたと思います。

――レースプランはありましたか

 (3000メートルを)8分40秒から45秒の間で石塚(陽士、教4=東京・早実)が引っ張ってくれる予定でした。そこは落ち着いて入って、2000メートル、1000メートルを切ってから勝負をかけられたらなと思っていました。

――中盤レースを引っ張る様子が見られましたが、どのような意図がありましたか

 (先頭に出るのが)ちょっと早いかなと思ったのですけど、ペースが落ち着いてきたので特に考えずにそのままのリズムでいきました。

――最後の一周は鋭いスパートを見せました

 自分はスピードには自信があるので、あそこまでいったら負けられないという思いでいきました。

――自己記録を更新されたことについてはいかがですが

 先ほども言ったように練習を積んでいる中での結果だったので、2週間後の日体大記録会でさらに自己ベストを更新したいです。

――どの程度のタイムを目標にされていますか

 14分20秒を切るくらいのタイムを出せたらなと思います。

 

和田悠都(先理4=東京・早実)

――今日の目標は何でしたか

 14分1桁を狙っていました。

――先日の日体大記録会での1万メートル自己新に続いて、5000メートルでの自己新となりましたが、それについてはいかがですか

 安定感が出てきたと思います。ただ、まだ爆発力が出せていないのでどちらも悔しい結果と捉えています。

――今日のレースの反省点を教えてください

 前半の位置取りが悪く、いらないところで力を使ってしまったところです。

――次のレースに向けて、目標をお願いします

 14分00秒前後を狙います。

 

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)

――関東学生対校選手権(関カレ)明けから今日にかけて調子はいかがですか

 疲労が溜まっていて、最近の中ではあまりいい調子ではありませんでした。

――今日のタイムにおける目標を教えてください

 3分45秒を切ることでした。

――走りを振り返っていかがですか

 動きがあまり良くなかったですが、位置取りも悪くなく、流れにのって走れました。ラストをあげられなかったのが反省点です。

――ラストのスパートを振り返っていかがですか

 もう少し(スピードを)あげられたら良かったなと思います。

――日本選手権標準タイムを切られましたが、その点についてどのようにお考えですか

 ターゲットナンバーで日本選手権に出場することは難しいかもしれませんが、標準記録を切れて率直に嬉しいです。

――今後について意気込みをお願いします

 日本選手権に出場できたら入賞したいです。

関東大学春季大会 5月19日 対東海大 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場

 

 

 小雨がちらつく天候の中、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で早大の関東大学春季大会(春季大会)2戦目が開催された。対戦相手は東海大。リーグ戦5連覇を誇る強豪に対して、『BEAT UP』を体現できるか注目の集まる一戦だ。試合はスタート直後、早大の先制トライで動き出す。その後連続失点を許すも、早大がテンポの速い攻撃で反撃。40ー12と点差をつけて前半を終える。後半に入ると東海大のディフェンスに苦しめられ流れに乗り切れない早大。それでも東海大の追い上げを抑えながら着実に得点を重ね、59ー26で勝利を収めた。

 

ゲインラインを突破するHO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

 

 早大のキックオフで試合は開始されると、その直後にゲームは動く。東海大が脱出を試みたキックをSO野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)が確保、今試合でスタメンデビューを果たしたFB池本晴人(社2=東京・早実)がボールを受け取りカウンターを仕掛ける。センターライン付近の左サイドでポイントを作ると、早いテンポで逆サイドに展開し、大外で待つWTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)に。今シーズン好調のトライゲッターがライン際を駆け抜け、先制トライを挙げた。しかし流れを掴み敵陣に攻め込む早大に対し、東海大の力強いディフェンスが応戦。攻守が入れ替わる一瞬の隙をつかれゲームを振り出しに戻されてしまう。さらに早大は自陣での守備が続き、粘り強くタックルに入るも崩され連続失点、リードを奪われる。それでも自分たちのペースを崩さなかった早大は、これ以降相手に得点を与えない。攻撃でもSO野中を中心に早大らしいテンポの速いアタックを展開し、前に圧力をかけてくる東海大のディフェンスをハンドリングスキルでかわしていく。自分たちのラグビーで徐々にリズムを取り戻し得点を重ねた。24分には敵陣ゴール前でのスクラムをフォワードが圧倒。東海大のペナルティーを誘い、認定トライを獲得した。終盤は早大のペースで試合を進め東海大に攻撃の隙を与えず、5連続トライで突き放し、40ー12と差をつけて前半を折り返した。

 

ライン際を駆け上がるWTB鈴木

 

 後半、勢いに乗り勝負を決めたい早大に、東海大のディフェンスが強度を上げて襲いかかる。早大は流れを掴みそこね、ゲームは硬直状態に突入。好調だったスクラムでもペナルティーを奪われると、10分には自陣ゴール前のラインアウトからモールを組まれ、最後はショートサイドからインゴールを割られてしまった。東海大の追い上げムードが続く中、粘り強い守備を続けチャンスを伺う早大。反撃に転じたのは後半25分、自陣深くでのディフェンスから相手のミスボールにCTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)が反応。すかさず裏のスペースへ蹴りこむと、戻りきれない東海大の選手に対して早大のチェイスがプレッシャーをかけボールを獲得。早大の武器であるテンポの速さに東海大のディフェンスは追いつけず、走り込んだPR新井瑛大(教2=大阪桐蔭)から最後はHO佐藤がボールを受け取りゴール中央にグランディングした。小さなチャンスをものにし、スピードのある攻撃で一気に東海大の流れを断ち切った早大。その後も2トライを挙げ、粘る東海大を突き放し、最終スコア59ー26で春季大会2戦目を白星で終えた。

 

力強いボールキャリーを見せるCTB福島
 

 東海大の強力なディフェンスに対して、テンポの速さと展開力を駆使し、巧みな攻撃で計9トライを挙げる活躍を見せた早大。進化した攻撃力の高さを示すゲームになった。一方で、春シーズンに意識して取り組んできたディフェンスに関して、「4トライ取られたという事実は変わらない」(佐藤)と厳しく振り返る佐藤主将。続く3回戦で迎えるのは、大学ラグビー随一の攻撃力を誇る明大だ。『重戦車』を迎え撃つため、守備力の向上は大きな課題となるだろう。春の早明戦を次節に控え、ついに山場を迎える春季大会。チーム佐藤はさらなる躍進を見せることができるのか、今後の動向からも目が離せない。

 

(記事 西川龍佑、写真 清水浬央)

 

コメント(※一部記者会見抜粋)

 

大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)

ーー今日の振り返りをお願いします

 今日の試合に関して、ゲームテーマがアティチュードというところで、試合中の姿勢だったりとか、そういった部分を本人たちも意識して臨んでくれていました。東海大さんは今までに比べてレベルもかなり高くなるので、1人1人のコンタクトで苦労した部分はあると思いますが、これはやはり勝ち前提でゲームが試合を組み立てるより、しっかりと相手が強いということを前提にもう少しゲームを組み立てるということも必要だなと思いました。とはいえ、リーグ戦を5連覇をしている相手に対して、しっかり勝ち切ったことは素晴らしいことだと思います。

 

ーーセットプレーに関して前後半でかなり違いが出たと思いますが、その点どのように感じていらっしゃいますか

 メンバー的な部分もあるので一概には言えないですが、東海大さんがモールで2トライしていて。それもスクラムからでしたし、やはりスクラムという部分は強調してトレーニングしてきましたので、もう一度見直しながら相手の強みを抑えるような戦い方をしないといけないと思います。

 

ーーバックスに関して、今日は展開力とテンポの早いアタックが見らましたが、それはチームとして意識されていましたか

 野中を今回10番に入れてるので、彼の展開力というものにはすごく期待していました。そのあたりは非常に期待通りかなと思います。あとは点を取るところ。走り切るとか、トライを取り切るところがまだまだ課題があるとは思いますし、そこについては下級生ですごく勢いのある選手たちもいるので、その選手たちがどんどん今出ている選手たちを突き上げてくればまた変わるのかなと思います。



 

HO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

ーー今日の振り返りをお願いします

 まずリーグ戦5連覇してる東海大学さんとやるにあたって、 自分たちの態度、姿勢のところをフォーカスしてやろうっていうのを話していました。誰かがラインブレイクした後のサポートであったり、ラインブレイクされた後のバッキングだったり、そういうゲームに関わっていない選手たちの動きにこだわっていたのですが、相手のラインブレイクに帰れてなかったり、自分たちがラインブレイクした時の追い上げが全然まだまだ足りないというところがあります。スコアとしては離れて良いゲームのようにも見えますが、4トライ取られたという事実は変わらないので、ディフェンスのところをもう1回見直して、アタックも軽いロストが多かったので、そこを修正して次戦に向けて頑張りたいなと思います。

 

ーースクラムの感触としてはいかがでしたか

 杉本(安伊朗、スポ2=東京・国学院久我山)が入って最初の1、2本はうまくグラウンドとアジャストせずスリップして、2本ペナルティーを取られるという場面はありました。ですが、その後杉本が修正して、相手ボールのスクラムをターンオーバーしましたし、相手人数が少なかったとはいえ、前半にペナルティートライをとったというところで。本当に春から積み上げてきたスクラムが少しずつ形になってきてるのかなと思うのですが、もっと質を高めて、帝京大、京産大、天理大、明治大と強いフォワードに対しても、これができるようにもっと精度を上げていきたいと思います。

 

ーーラインアウト、特にモールについての振り返りをお願いします

 モールディフェンスで僕たちがやることが明確になっていなくて、そこでのロストからスコアされたシーンがありました。そこは練習中からミスが出ていた部分だったので、キャプテンとしてもっと試合前に詰めとくべきだったなと思います。モールアタックでもスコアできず止められてしまって、ディフェンスもスコアされてといういい課題が見えたと思って、これからまた明治戦に向けて修正していきたいなと思います。

ーー東海大のディフェンスについてはどんな印象ですか

 前半最初はすごく僕のところが狙われて、2人ぐらいが僕に詰めてきてターンオーバーされてしまうというシーンが多かったのですが、後半は徐々にオプションを使い出したりして、 相手のディフェンスにアジャストできたので、そこは僕的には良かったのかなと思います。ですが、少し相手を躱しに行ってしまってたところがあったので、そこは個人としての修正点です。チームとしては、相手が出てくるのに対してうまく自分たちの深さを保ちながらアウトサイドのスペースをすごい攻略できたし、2つのポットがうまくリンクして。アタックのテーマが今回リンクだったのですが、うまくリンクしてラインブレイクというシーンも多かったので、そこは相手のディフェンスに対応できたのかなと思います。


 

LO栗田文介(スポ3=愛知・千種)

ーー地元開催でしたが、特別な意気込みはありましたか

 そうですね。普段は来られない家族、祖父母や友人たちが見に来てくれたので気合いが入っていました。

 

ーー本日の個人のテーマを教えてください

 東海大さんは体の大きいフォワードが武器なので、そこに負けないように一対一のコリジョンにフォーカスしました。

 

ーー個人的なプレーを振り返っていかがですか

 タックルで刺されるところもあったのですが、返される部分で東海大さんの1人目のキャリーが中々倒れずに後ろにかえるという場面がいくつかあったので、そこは次戦に向けて修正していければと思います。

 

ーー突破力が売りの栗田選手ですが、東海大のディフェンスの感触はいかがですか

 今回も流通経大戦の時のようにオプションを使いたかったのですが、1人目が思ったよりもあげてきて、そこで食い込まれてという部分がありました。そこは次回修正したいです。

 

ーー今おっしゃったことの他に次戦に向けた課題は見つかりましたか

 今季のテーマであるディフェンスの部分で4トライ取られたということは絶対修正しなければいけないです。ディフェンスの部分で多くの課題が見つかったのでトレーニングしていきたいと思います。

 

ーー今後の意気込みをお願いします

 春季大会はあと3戦ありますが、自分の武器である激しいコンタクトを前面に出してアグレッシブにやりたいと思います。


 

FB池本晴人(社2=東京・早実)

ーーAチームで初めてのスタメンでしたが、どういった意気込みで臨みましたか

 練習でしてきたことしか出ないと監督に言われていて。色々なことはできないことは分かっていたので、自分のできる強いキャリーだったり、 シンプルなことをやろうと思って挑みました。

 

ーー個人的なプレーを振り返っていかがですか

 微妙でした。緊張も少しあって。自分はもっとアグレッシブにボール持って走るのが強みだと思うのですが、そこがあまり出せなかったので次回頑張ります。

 

ーーバックス全体としては速いテンポと展開力がかなり見えましたが、この辺りについてバックスとして何か取り組んでいたことはありますか

 早稲田の全体のラグビーとして順目に速いアタックをしていこうという中で、バックス対バックスの場面でもどんどんその縦に強いプレーをすることを心がけてやってました。

 

ーーバックスとして次戦に向けた課題は何か見つかりましたか

 外でのラインブレイク数をもっと増やしていくことと、誰かが1人抜けた後のスピードチェンジで、トライを取り切るところまで持っていくことが課題だと思いました。

ーー今後の意気込みをお願いします

 自分は1試合1試合がセレクションだと思っているので。毎試合、自分の強みを出して積極的にプレーしていきたいと思います。

 

 

メンバー

背番号 名前 学部学年 出身校
山口湧太郎 スポ3 神奈川・桐蔭学園
佐藤健次 スポ4 神奈川・桐蔭学園
亀山昇太郎 スポ4 茨城・茗溪学園
西浦剛臣 社4

ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール

栗田文介 スポ3 愛知・千種
田中勇成 教3 東京・早実
粟飯原謙 スポ3 神奈川・桐蔭学園
城央祐 スポ1 神奈川・桐蔭学園
細矢聖樹 スポ4 国学院栃木
10 野中健吾 スポ3 東海大大阪仰星
11 杉野駿太 政経4 東京・早大学院
12 黒川和音 人3 茨城・茗渓学園
13 福島秀法 スポ3 福岡・修猷館
14 鈴木寛大 スポ2 岡山・倉敷
15 池本晴人 社2 東京・早実
16 佐々木柊 スポ4 東京・本郷
17 杉本安伊朗 スポ2 東京・国学院久我山
18 新井瑛大 教2 大阪桐蔭
19 鈴木風詩 社4 国学院栃木
20 若松泰佑 文構4 東京・早実
21 糸瀬真周 スポ3 福岡・修猷館
22 中島潤一郎 教3 神奈川・桐蔭学園
23 三浦哲 文構4 東京・早実
24 萩原武大 スポ3 茨城・茗渓学園
25 金子礼人 法3 福岡・西南学院
26 仲山倫平 法3

ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ