平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今年2月に発生したウイルス感染の影響により弊会ホームページを閉鎖させていただいておりましたが、本日よりリニューアルオープンいたしました。
長らくホームページをご利用いただけず、ご不便をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
リニューアルに伴い、本日以降の新着記事は以下の新しいホームページにて公開予定です。
今後とも、早稲田スポーツ新聞会の活動にご理解ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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関東学生春季リーグ 5月26日 東京・国士舘大学多摩体育館
全13試合の春季リーグもいよいよ最終戦。勝てば3位、負ければ4位とこの試合によって結果が決定するという中で、早大は東女体大との対戦。1次リーグ敗戦のリベンジを果たすべく準備は万全だった。しかし試合開始直後から相手の度重なる速攻に苦しみ、瞬く間に点差が開いてしまう。前半を7ー17と厳しい状況で折り返す。それでも後半はディフェンスがうまく機能し、そこからの得点シーンも目立った。早大の見事なチームワークで立て直したが、前半につけられた差を埋められず23ー35で最終戦、白星を飾ることはできなかった。
13試合、センターでチームを支えた井橋
開始25秒、今リーグ輝きを見せてきた山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)のミドルシュートで幕を開ける。その後は速攻からのチャンスを生かし切ることができず、山野の2得点目以降の10分間は無得点という状態に。その間、東女体大は粘り強いセットオフェンスからのサイドシュートや早大のミスを利用した速攻からの得点で着実に点数を追加した。そしてこの試合早大は、相手ディフェンスに苦しんだ。2枚目のけん制によって普段通りの攻め方ができず、チームワークに乱れが生じた。前半13分のタイムアウト後からはなんとか相手の度重なる速攻を阻止し、里村采音(商2=岩手・不来方)、江頭理沙(スポ2=東京・ICU)らが得点。山野のパスからの江頭がサイドシュートという流れが何度もみられ、うまく連携が取れた。後半は堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)、作本夕莉(スポ2=福岡・明光学園)のGKコンビも踏ん張りを見せ、7ー17で前半を折り返した。
シュートを決める里村
大きく開いた先を少しでも縮めたい後半、前半大活躍だった山野がペナルティスローの獲得や強力なミドルシュートでチームを勢いづける。すると、相手のマークによって前半シュートまで行き着けなかった杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)もポストシュートで2連続得点。さらに石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)もサイドシュートやロングシュートなど多彩なシュートで追い上げを見せる。また、オフェンスの際にボールをカットされた場面では相手の逆速攻になりかけたが、ノーマークシュートを作本が体を張って止めて見せ、仲間のミスを取り返した。最後は井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)の速攻からのシュート、石坂のサイドシュートで得点を重ね試合終了。最後まで粘ったが、19ー29で敗戦となった。
好セーブを見せた作本
春季リーグ最終戦は白星を飾ることができなかったが、このリーグ戦で目標としていた「上位リーグ進出」を見事に達成し、後半戦は強敵相手に見事な戦いぶりを見せてくれた早大。上級生らがケガで出場できない中で、全試合スタメンで出場した杉浦は「私が引っ張っていかないといけないなっていう思いが芽生えたことは、成長かな」と自身を振り返った。それぞれの選手が様々な思いを抱えながら戦い抜いた13戦。春季リーグで見つかった課題も成長も全てがこれからの糧になることだろう。早関定期戦、秋季リーグなどまだまだ続く彼女たちの熱い戦いから目が離せない。
(記事 大村谷芳、写真 片山和香)
結果
早大19ー29東女体大
前半
早大7-17東女体大
後半
早大12-12東女体大
スタメン
GK 堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)
LW 石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)
LB 里村采音(商2=岩手・不来方)
PV 杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)
CB 井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)
RB 山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)
RW 江頭理沙(スポ2=東京・ICU)
コメント
杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)
ーー試合を振り返っていかがですか
今日の最終戦で勝ったら3位、負けたら4位になることが決まっていたので、勝ちたい思いが強かったんですけど、前半からペースを相手に渡してしまって、流れを持っていけなかったことが悔しいです。
ーー相手ディフェンスは2枚目が浮いてきて牽制にも出てきていましたが、どのように攻め込もうと考えていましたか
2枚目が出てくる分、私が裏を動いて相手の3枚目をうまく動かして、孤立したところでバックが1対1で攻めるイメージだったんですけど、それがうまくいかなかったです。同じスライドの形で1試合通そうとしてしまったのが良くなかったかなと思っています。浮いてる2枚目に対してブロックに行くなど、試合の中で戦い方を変えていけたらもっと良かったかなと反省しています。
ーーこの試合特に後半、ディフェンスで相手の勢いを止めていた場面が印象的でした、チームの中で共通の意識などありましたか
ちゃんと利き腕を取ってハードワークで当たりに行くことが、みんなの共通の認識だと思います。前半よりは、後半1対1に対して強く当たりに行けてたのが良かったところだと思います。
ーー春季リーグを通して、チーム全体や自身の成長を感じられた部分はありますか
キャプテンのももさん(木村百花主将、スポ4=東京・白梅学園)がまだ試合に出られない状態で、同期で副キャプテンの梨央(山田梨央副将、スポ3=千葉・昭和学院)がケガして、その後にもう1人の副キャプテンの先輩(鶴田文乃副将、スポ4=山梨・日川)もケガしてしまって。そんな状況もあって、自分がもっと引っ張っていかないといけないなっていう思いを持つことができるようになりました。前までだったら人任せになってしまっていたと思うんですけど、やっぱり窮地に立たされた時にここは私が引っ張っていかないといけないなっていう思いが芽生えたことは、成長かなと思います。あとはプレーの面で、昨年まではシュートたくさん外してしまっていたんですけど、今年は昨年よりもシュート確率を上げることができたかなっていうのは個人的な思いです。
ーー春季リーグを終えて、これからの練習で強化していきたい部分はありますか
今日の試合で特に目立ったんですけど、オフェンスでミスしてしまった後のバックチェックができなかったので、まずはオフェンスでしっかり点を取れるようなシステムをつくっていきたいです。オフェンスからディフェンスに戻る時には、誰がどこのマークなのかを見失うところがあるので、バックチェックを強化していきたいなと思います。 あとディフェンスは、まだまだハードワークが足りないと思うので、自分の前の人をしっかり止めてフリースローまでとるという意識をみんなで共有して練習したいと思います。
井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)
ーー試合を振り返って
やはり前半は1人1人前に行けずガツガツ行けない、1対1のような積極的なプレーが全然できなくて、 ディフェンスから逃げてるというか、上辺のパスしかできていませんでした。それが相手の逆速攻とかに繋がってしまって、点差が離れてしまったので前半は良くない流れでした。後半は、ハーフタイムに前半全然積極的に行けていないから、もっと積極的に行こうという話や13試合の最後の試合だし、東女体大という強い相手となかなかできることもないから、もっと全部自分たちの力をやりきろうっていう話が出て、後半みんな積極的にいくことができ、前半よりは良かったのではないかなと思います。
ーー相手の2枚目がけん制に出てきたと思いますが、それに対してどう対応しようと考えていましたか
東女体大は2枚目が高いディフェンスなので、試合前からもそういう話が出ていて、その高い2枚目と低い3枚目のこの段差を詰めようという話だったので、2枚目と3枚目の間を攻めようというようことになっていました。
ーーバック、ポストとの連携は
上の3枚だけだと東女体大もディフェンスが強いので、 1対1とか限りがあって、ポストが浮いてきてくれたり、サイドの人が切っていってくれたりっということが前半にできなかったので、後半でそういうプレーをやろうということがありました。
ーー速攻で攻めあぐねる中で、最後は速攻で得点を決めました、自身のシュートを振り返って
自分は1対1を狙おうとしていましたが、全然1対1を抜くことができませんでした。3枚目も低いので、そのミドルを打とうと思っていましたが、なかなか入らなくて。 自分は止まった位置から打ってしまうのですが、速攻の場面や走り込みながらのシュートだと、自分はすごく筋トレしていて力を持ち味として発揮できるのがその遠くからの強いシュートでもあるので、 速攻で前を狙おうというのはすごく意識してました。
ーー早関戦や秋季リーグに向けて一言お願いします
この春季リーグで鶴田文乃さん(スポ4=山梨・日川)とか山田梨央さん(スポ3=千葉・昭和学院)がケガをしてしまって、みんな今までやっていないところのポジションをやっていてる中で、色々反省点や良かった点が出てきました。ビデオを見返して客観視して、出た課題を改善し、早関戦や秋季リーグでそれを発揮できたら良い思います。
関東大学トーナメント(トーナメント)の男子1回戦が5月26日に駒澤大学で行われた。早稲田からは一丸陽将(スポ2=東京・早稲田)、上田敦士(先理2=神奈川・浅野)、川西響主将(スポ4=長崎東)の3人が出場し、川西が準決勝進出を決めた。
バンタム級に出場した一丸は開始直後から積極的に攻め込む。しかし、相手のペースに持ち込まれてしまい1ラウンド1分36秒でRSC負けを喫した。続いてライト級には上田が出場。果敢にパンチを繰り出したが、試合は3ラウンドまでもつれ込む展開に。体力が失われる中、相手のパンチに対応しきれず1分01秒でダウンを食らいKOとなった。
冷静に相手との距離を保ち、タイミングをうかがう上田
ライトウェルター級に出場したのは、トーナメント3連覇を狙う川西。「粗さが目立つ試合だった」と思うような試合運びにはならなかった様子であったが、鋭いパンチで着実に相手をとらえ、ABDにより準決勝進出を決めた。
パンチを繰り出す川西
7月まで続くトーナメントがいよいよ始まった。これからの2か月間は選手らにとって各々の課題や収穫を得る、より一層実りある時期となることだろう。男子準決勝は6月9日、駒澤大学にて行われる。「チームのためにも必ず優勝したい」と意気込む川西の、優勝へ近づく1歩を見届けたい。
(記事、写真 髙杉菜々子)
結果
▽バンタム級
●一丸陽将 RSC(1R、1分36秒)
▽ライト級
●上田敦士 RSC(3R、1分01秒)
▽ライトウェルター級
◯川西響 RSC(2R、2分00秒)
コメント
川西響主将(スポ4=長崎東)
ーー今日のコンディションはいかがでしたか
減量も上手くいき、わりとコンディションは良かったと思います。
ーーどのような試合展開を想定していましたか
試合前から相手とは実力差があると確信しておりましたので、どうやって早く終わらせるかを考えていました。
ーー実際の試合展開を振り返って、いかがですか
2ラウンドで終わらせることはできましたが、早く終わらせる意識が強すぎて雑になってしまったところがあったかなと思います。
ーー今日の試合全体を振り返って、いかがでしたか
粗さが目立つような試合だったと思います。どれだけ早く終わらせるかではなくて、どのように終わらせるかにこだわるべきだったなと思います。
ーー続くトーナメントへの意気込みをお願いします
チームのためにも必ず優勝し、トーナメント3連覇を果たしたいです。
5月19日。中央大学多摩キャンパス体育館にて東日本大学リーグ戦が開催された。男子は予選リーグで日大、慶大に危なげなく勝利し決勝リーグに駒を進めた。決勝リーグでは、青学大に引き分けると、中大、明大に敗戦を喫したが、青学大との勝ち点の差により3位入賞を決めた。女子は日大、中大、青学大A、Bに勝利し、優勝を果たした。
相手の胴へ蹴りを入れる井澤
男子は1大学7人の団体戦となる今大会。初戦は日大との対戦となり先鋒の松崎滉生(法4=東京・早大学院)が2本先手して先手を取ると、その後参鋒・田中芳和(教2=山梨学院)、中堅・松木義一(文3=東京・西)が続いて敗北するもその後は持ち直し5勝2敗で勝利した。その後の慶大との一戦では先鋒・橋口翔平(人4=鹿児島中央)が開始11秒で面突きを決め、その3秒後に胴突きを決め勝負を決すると、初戦と同じく5勝2敗で早慶戦を制し決勝リーグに駒を進めた。決勝リーグ最初の相手は青学大。ここは勝っておきたい戦いであったが、勝利と敗北を繰り返しなかなか勝ちきれないまま3勝3敗1分に終わった。次戦は格上である中大との一戦。先鋒・金田空大(教4=大阪明星)が開始12秒、胴蹴りで1本を奪われるも果敢に攻める姿勢を崩さず、相次いで抑え込み、その抑え込みからの胴突きを決めて幸先の良い試合展開を見せた。続いた次鋒・福田翔馬(先理2=山口・聖光学園)も最初の1分間は拮抗した試合展開を繰り広げていた。しかし、残り1分21秒のところで相手からの抑え込み胴突きを食らい、その後50秒を待たず同じ攻撃を受け試合が終了した。参鋒・寺内優貴(文2)も流れを手にする間もなく敗北した。しかし続く中堅・橋口が中大に一矢報いる展開を見せる。序盤から攻める姿勢をとり相手に隙を見せることなく胴蹴りで2本を先取。2勝2敗となり勝負の行方はわからなくなった。ただその後は中大の猛攻に苦しむことになる早大。参将・田中、副将・辰巳大悟(法3=東京・早実)、主将・重松猛(人3=神奈川・横浜国際)は試合序盤にそれぞれ面突きを食らうも、ひるまずに反撃を試みる。しかしながら相手から流れを取り返すことができず、そのまま敗北した。今大会最終戦、明大との一戦では終始相手から流れを取り返すことができない。先鋒・橋口が試合開始30秒経たないうちに鋭い面突きを決め、早大に流れが来たかのように思われた。しかしその後猛烈な反撃にあい試合終盤に胴突きで一本を返される。さらに残り時間7秒、胴突きで逆転され、敗戦を喫することとなった。続く試合では1本もとることができないまま敗北する展開が続き、明大の壁に圧倒され、7敗で試合は幕を閉じた。
面突きを放つ井上
今大会は、女子は1大学3人の団体戦であった。初戦は日大との一戦。先鋒・星野奈穂(スポ2=東京・小山台)が試合開始直後から鋭い突きで試合を優位に進める。連続で面突きを2本決め、試合開始27秒で決着をつけた。次鋒・中村陽和(政経3=埼玉・早大本庄)は不戦勝でおさえ、続く試合に繋いだ。参将・井上晴未(政経3=神奈川・山手学院)は試合のほとんどの時間が膠着状態であったが、残り時間4秒で展開が動く。相手の突きが面に入った判定となった。しかし井上がその後の一瞬を突いて面突きで1本を返し、最後の1秒までの粘りを見せつけて引き分けた。続く中大戦では、先鋒・星野が試合中盤に2本とられ抑え込まれるも、次鋒・鎌田琴未(スポ3=東京・日本女子大)の不戦勝を経て参鋒・井上が持ち直し、中盤に連続する突き2本で勝利した。3回戦の青学大Bとの試合では、先鋒・星野が1回戦の日大戦と同じように突きで2本を先取し勝負を決した。次鋒・中村は開始1分15秒まで拮抗した試合展開を見せていたが突きを狙い近づいた隙を突かれ胴突き、面突きを連続で決められ、敗戦を喫した。しかし参鋒・井上が相手に流れを持って行かせない。面突きでまずは1本をとったのち、相手を抑え込むことに成功し、そのまま上から面突きを叩き込み、優勝にリーチをかけた。最終戦青学大Aとの一戦。先鋒・鎌田は試合開始2分が経過しても未だ決定打に欠けていた。しかし、残り時間38秒というところで、相手の胴へ放った突きが入り、1本を奪う。そのまま勝利し、次鋒・星野へ繋いだ。星野、参鋒・井上は相手と実力が拮抗していたが、相手に隙を見せることなく引き分け、1勝2分。ここに早大の優勝が確定した。
優勝杯を受け取る星野
男子は日大、慶大を破り3位入賞を果たした早大。決勝リーグでは明大、中大に敗れたものの、フルメンバーではないにも関わらず善戦する試合展開も多く、府立からのオフシーズンでの選手たちそれぞれの強化の成果が見えた。しかし、明大、中大の壁は高く、今大会は多くの課題を発見する大会でもあった。女子は前回の大会から着実に力をつけ、華々しい優勝を手にした。突きの精度が上がり、さらに抑え込みに成功する場面すら見られた。ただ、選手自身はまだまだ課題を抱えている自覚があるという。これから続く大会での選手たちの飛躍に期待し、注目したい。
(記事 小川ゆりえ 写真 帖佐梨帆 取材 矢彦沢壮真)
結果
▽男子団体戦予選リーグ
1回戦
対日本大学 5勝2敗
〇先鋒 松崎滉生
〇次鋒 井澤嵩斗
●参鋒 田中芳和
●中堅 松木義一
〇参将 福田翔馬
〇副将 橋口翔平
〇大将 金田空大主将
2回戦
対慶応大学 4勝2敗1分
◯先鋒 橋口翔平
●次鋒 金田空大主将
◯参将 辰巳大悟
△中堅 松木義一
◯参将 井澤嵩斗
◯副将 松崎滉生
●大将 重松猛副将
▽男子団体戦決勝リーグ
1回戦
対青山学院大学 3勝3敗1分
●先鋒 松崎滉生
〇次鋒 寺内優貴
◯参将 重松猛副将
●中堅 松木義一
△参将 井澤嵩斗
◯副将 橋口翔平
●大将 金田空大主将
2回戦
対中央大学 2勝5敗
◯先鋒 金田空大主将
●次鋒 福田翔馬
●参将 寺内優貴
◯中堅 橋口翔平
●参将 田中芳和
●副将 辰巳大悟
●大将 重松猛副将
3回戦
対明治大学 7敗
●先鋒 橋口翔平
●次鋒 金田空大主将
●参将 福田翔馬
●中堅 田中芳和
●参将 井澤嵩斗
●副将 辰巳大悟
●大将 重松猛副将
▽女子団体戦決勝リーグ
1回戦
対日本大学 2勝1分
〇先鋒 星野奈穂
〇次鋒 中村陽和
△参鋒 井上晴未
2回戦
対中央大学 2勝1敗
●先鋒 星野奈穂
〇次鋒 鎌田琴未
〇参鋒 井上晴未
3回戦
対青山学院大学B 2勝1敗
〇先鋒 星野奈穂
●次鋒 中村陽和
〇参鋒 井上晴未
4回戦
対青山学院大学A 1勝2分
〇先鋒 鎌田琴未
△次鋒 星野奈穂
△参鋒 井上晴未
コメント
金田空大(教4=大阪明星)
―― 今回の大会全体を振り返ってみて、いかがでしたか
チームとしてまず、前年度の四年生が抜けて、2年以上経験しているのが4年生の5人と3年生の1人しかいないなか、今4年生が1人怪我していて、そもそも2年以上経験している人が足りないという状況で。今回目標としていたのが、男子は東日本3位を獲るということで、それを達成できたという面においては悪くはなかったです。ただ、自分個人としては4年生が勝たなければいけない場面で勝ちきれず足を引っ張る場面が多くて、後輩に助けてもらったという感覚があります。
―― 府立からのオフシーズンで取り組んできたことや、その成果にはどんなものがありましたか
4年生は就活でGWくらいまでは練習に参加することができていなかったんですけど、2年生や3年生は空手部や合気道部、ボクシング部などに出稽古に行って学ぼうとしていたり、他大学にも出稽古に行っていたりして、GWに帰ってきたときに強くなっているのを感じました。
―― 今大会を通じて得た収穫と課題を教えてください
一番の収穫は2年生や3年生の試合経験を積めたのが一番大きかったかなと思います。早稲田は団体戦に賭けているので、それを経験できたことは大きな収穫かと思います。課題に関しては、4年生の足が動かないことです。GWに帰ってきて、練習していくなかで、感覚としてはかなり強くなっていた気がしていたんですけど、自分はやっぱり試合になると主将という立場も含めて緊張してしまいました。
――新チームとして中央大学や明治大学といった1位、2位の大学と対戦した手ごたえはいかがでしたか
僕が戦ったのはどちらも1年生のスポーツ推薦の選手だったんですけど、速い、強い、日本拳法についてしっかり考えているんだろうなというのは感じました。
―― 最後に、これからの意気込みをお願いします
今回2年生や3年生がとても強くなっているのを感じて、むしろ今チームに必要なのは自分が強くなることだと思うので、自身の強化に努めたいと思います。
井上晴未(政経3=神奈川・山手学院)
―― 東日本大学リーグ戦を全勝で終えました。今の感想を教えてください
結構女子は力をつけてきたって最近思っていたので、ちゃんと力を出し切って、結果を残せて良かったです。
―― リーグ戦全体をチームとして振り返っていかがですか
去年は1ー1で回ってきた時に上がってしまって勝ち切れない試合が多かったんですけど、今回は2戦目(中大戦)で1ー1で回ってきた時にちゃんと勝ち切れました。そこは自分の成長で、 最後の試合で鎌田が1勝してくれたおかげで勝てたっていうのもあるので、自分も仲間の成長も感じることができて、すごく嬉しかったです。
―― 今大会を通じて得た収穫と課題を教えてください
去年は勝ち切れずに、やっぱり団体戦で結果を残すことができなかったので。去年も強かったんですけど、 ちゃんと実績として残すことができたのは実りだと思っています。課題としては、自分とチームの課題があるんですけど、自分的にはちょっと一本入りきれないっていうのがあったので、もっと一本の正確性を磨く必要があるなと思いました。チームとしては、黒帯(有段者)が1人しかいないと、1人絶対大将なんですけど、(他の部員も)黒帯になったら(編成を)回せるんですよ。なので他の子が大将になっても安心してチームを任せられるような、全員で支え合えるようなチームになったらいいなと思っています。
――オフシーズンに取り組んできたことを教えてください
チーム全体としては結構フィジカルメニューを中心にやっています。今はまだ前期で積み重ねの時期なので、技術を磨くっていうよりは、フィジカルで土台を作っている感じです。なので、春学期中はずっとフィジカルをやっていました。
―― 最後に、これからの意気込みをお願いします
次の大会は個人戦で矢野杯(矢野杯争奪東日本学生個人選手権大会)なんですけど、実は(昨年)1回戦負けしておりまして。少なくとも前回の記録を塗り替えられるように努力します。団体戦で言うと、次は選抜(全国大学選抜選手権大会)で全国の大会になります。全国になっても自分の力を出し切れるチームになれるように磨いていきたいと思っています。
※掲載遅れて、申し訳ありません。
関東学生春季リーグ(春季リーグ) 5月25日 東京・国士舘大学多摩体育館
熱戦が続いた関東学生春季リーグ(春季リーグ)もついに最終戦。「最後に勝って次につなげよう」と意気込んで臨む早大は、2部との入れ替え戦がかかる明大と対戦した。前半は途中まで一進一退の競った展開が続いたが、ポストシュートやミドルを中心に相手オフェンスに得点を許し徐々に引き離されると、6点差をつけられ15―21で折り返す。追いつき追い越したい後半、立ち上がりとラストで追い上げを見せたが、明大の意地を前に、前半のビハインドをひっくり返すことはできず30―33で、春季リーグ最終戦は敗戦となった。
ディフェンスからスタートした早大。開始直後、先制点を明大に譲り、その後のオフェンスでは退場者を出してしまう。苦しい立ち上がりになるかと思われたが、前戦でも活躍を見せた鍋島弘樹(スポ2=福井・北陸)が完璧なコースのミドルを決めると、「退場の間、相手シュートを止め切れたのは良かった」と振り返る守護神・渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)が好セーブでチームを支え、その後は競った展開が続いた。ディフェンスからリズムに乗って流れをつかみたい早大だったが、前半21分ポストにパスを通され確実にゴールに押し込まれると、明大に3連続で得点を許し、徐々に点差を離されていく。白築琢磨主将(文構4=東京・早実)や増井浩介(スポ1=愛知)がサイドからシュートを決め、鍋島が体を張ってペナルティーシュートを獲得するなど、早大はオフェンスで粘りを見せたものの、明大も攻撃の手を緩めず15―21で前半を折り返した。
シュートを放つ鍋島
6点を追いかける後半、立ち上がりに渡辺が相手の速攻に対しファインセーブを見せると、鍋島のタイミングをずらしたミドルや、白築と外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)の速攻、所真大(社2=岡山・総社)のサイドシュートなどで一気に3点差まで迫る。この勢いのまま逆転したい早大だったが、入れ替え戦がかかる明大も意地を見せる。鋭いミドルを中心に得点を重ねられ、点差が5点にまで広がると後半19分、早大はタイムアウトを取った。切り替えて流れをつかみたいタイムアウト明け、オフェンスでは河原龍成(スポ1=福井・北陸)や尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)といった1年生バックプレーヤーが得点を挙げ、ディフェンスでは相手の退場やパスミスを誘う、足を動かした早大らしい守りを見せる。なんとか再び3点差まで迫ったものの、前半のビハインドが大きすぎたか、その差を埋められず30―33で敗戦に終わった。
オフェンスに向かう白築
春季リーグ最終戦、後半に修正して追い上げたものの、意地を見せた明大に一歩及ばず、ラストを勝利で飾ることはできなかった。開幕4連敗の苦しい状況からスタートした早大の最終結果は5位。今試合でも目立ったように、30点、時には40点を超えるハイスコアのゲームが続いたリーグ戦を終えて、白築主将、渡辺副将は「ディフェンスが課題」と口を揃えた。また1点差での悔しい敗戦や、流れをつかんで勝ち切った試合を振り返って、白築主将と鍋島は「メンタル面も高め合いたい」「みんなで盛り上げていくチーム」と、チームの雰囲気をつくることの重要性も語った。今リーグでの経験を糧に、「守って速攻」、チーム全員で盛り上げる、といった早稲田らしいハンドボールを追求する彼ら。これからも成長を続ける姿から目が離せない。
(記事 片山和香、写真 芦刈れい)
試合後の集合写真(早稲田大学男子ハンドボール部提供)
結果
早大30―33明大
前半
早大15―21明大
後半
早大15―12明大
スタメン
GK 渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)
CP 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
CP 鍋島弘樹(スポ2=福井・北陸)
CP 小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 村松涼雅(商3=岩手・不来方)
CP 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
CP 増井浩介(スポ1=愛知)
コメント
白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
春リーグ(関東学生春季リーグ)を締めくくる最終戦というところで、チームとしても勝って終わろう、勝って次につなげようという雰囲気でやっていただけに、負けたという結果は悔しいですし、心残りがある試合だったなと思います。
――ディフェンス面について、前半は相手にポストパスを通される場面が多かったように感じましたが、後半で改善したポイントはありますか。
前半プレーしてハーフタイムの時に、2枚目に入っている選手から間が広いというような意見が出てきていたので、そこで後半はもう少し密集しながら守って、ポストを2人3人で守ろうという話はしていました。そういう意識のもとでディフェンス寄せられたことが、後半の失点を抑えられた要因の1つなのかなと思います。
――次に春季リーグ全体を振り返っていかがですか
春リーグ開幕から4連敗して、チームとしてもどんよりしてはしていたんですけど、失うものはないというか、もうやるしかないという意識はチームの中でありました。そこからチームとしての完成度が高まりつつ、上昇という方向にはあったんですけど、やっぱり最後こういう形になってしまったっていうのはすごく悔しいことですし、次の定期戦までにもう少しチームとして、ディフェンスもオフェンスも、それ以外のことでもまとまって戦いたいなと思います。
――春季リーグを通して、チーム全体または白築選手ご自身が、成長できたと感じる部分はありますか
個人的には開幕して最初の方から中盤にかけて、自分で点が取れる試合が減っているなと感じるところもあったんですけど、そこから自分でどう打開できるか、自分をおとりにしてどう周りを生かせるかというようなことはすごく考えるようになりました。キャプテンとしてチームをまとめることはもちろん、俯瞰的に物事を見て、今のチームに必要なものは何なんだろう、自分に求められている立場は何なんだろうというような視点が広がったところは、個人としてまだまだですけど、1歩進んだのかなとは思います。
――最後に、これからの練習期間で強化したい部分はありますか
戦術面で言えば、特にディフェンスが課題ということはチームとして、監督やコーチ陣からも指摘があって、このリーグを通して1試合の失点がすごく多くてもう少し失点を減らそうというようなことを話していたので、まずはディフェンスを重点的にやっていきたいなとは思います。他にも、やっぱりチームスポーツなので、メンタル的な部分も全員で高め合っていきたいなと思います。
渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半の21失点がまずかったかなと思います。個人的なことで言えば、序盤の2分間退場が立て続けに出た時に止めきれたのは良かったのですが、そこから落とさずに良いペースで止めきれなかったのがこの負けにつながってしまった1つの要因かなと思います。攻撃自体、今日は点数があまり入らなかった時点で、後3本止めていればなというところが悔やまれます。
――渡辺選手から見て、チームのディフェンスはいかがでしたか
序盤で立て続けに取られた場面は、シュートまで行かせない、ボールを相手から奪う意識が抜けてしまっていたと思います。それを踏まえて後半は足を動かしながら守ってくれて、自分自身も足を動かしてサイドシュートなどを止められました。後半が12失点に抑えられたのは、修正できたという面では良かったと思います。
――今日のチームの雰囲気はいかがでしたか
リラックスはしていました。先週で入れ替え戦もなくなりましたし、最後の試合を勝とうという強い気持ちを持って練習してきました。試合前はリラックスしていたのですが、前半終わったタイミングでの6点差はチームを盛り下げるきっかけになってしまったと思います。最後の最後まで気持ちを上げ切ることができなかったので、その反省を踏まえて夏まで頑張りたいと思います。
――春季リーグを振り返っていかがですか
最初4連敗から始まってしまって、4年生として不甲斐ない自分がいて責任を感じた部分もあったのですが、なんとか5戦目から2連勝できて。日体大には相手にならなかったところはあるんですけど。また来季、そしてインカレ(全日本学生選手権)に出場できる権利をこの段階でしっかり得られたという点で言えば、最低限のことはできたと思います。自分自身もっとレベルアップしなくてはいけないので、早関戦、早慶明戦で試合をする機会があり、また合宿も通して秋リーグ(関東学生秋季リーグ)に向けて頑張ろうと思えた春リーグでした。
――リーグ戦を通して見えたチームの強みと改善点を教えてください
得点自体は取れるので、ディフェンスが改善点だなと思います。その上で今日みたいに後半ディフェンスがうまくいっている時に、オフェンスがリズムに乗って点を取れればと思います。今日も負けるような相手ではなかったと思います。僕自身も前半は反省しつつ、後半はいいプレーができたかなと思うので、ディフェンス力を伸ばして、秋リーグを迎えたいと思います。
鍋島弘樹(スポ2=福井・北陸)
――今日の試合を振り返っていかがですか
個人的には良いところも良くないとこもあって、チームとしては1試合通してずっと良くはなかったのかなと思います。春リーグ始まって少しずつ調子が上がってきた中で、最後やっぱり勝って終わることができなかったというところに僕らの弱さを再認識しました。
――勝ちきれなかった要因はどこにあると思いますか
前回の試合で入れ替え戦回避が決まって、みんな感じてはいないかもしれないですけど、どこか気が抜けていたというか。相手は入れ替え戦がかかっているから全力で向かってくるけど、僕らは7位から5位の間での変動なので、どこか気が抜けてしまうところがあったのかなと思います。今日の試合は自分たちらしさが出せなかった試合で。僕らはみんなで盛り上げていくチームだと思うんですけど、そこがまずできていなかったので、勝てるわけないなとは僕は感じていました。
――プレーに関して、相手ディフェンスがクロスカットなど積極的に狙ってきていましたが、オフェンスで意識していたことありましたか
特にはないですね。僕は考えてプレーしたら逆に迷ってしまうので、思うようにボールが来たらもうそのまま攻めています。
――鍋島選手はこのリーグ通して、チームが苦しい展開の中でも盛り上げている姿がとても印象的でしたが、チームの中でご自身の役割はどういったところにあると感じていますか
特に意識はしていないんですけど、去年は健志さん(田井健志氏、令6スポ卒=香川中央)がずっと引っ張ってくれていて、僕もその姿を見ていましたし、今年のチームにはそういう選手が少ないかなと個人的には感じていました。小さい時からハンドボールやってきた中で、僕はチームを鼓舞するといったようなところを売りでやってきた部分があって、むしろそうしないとなかなか自分の良さも出せないし、仲間を引っ張るのも僕のいいところの1つだと思うので、それは学年上がっても次のシーズンも関係なくやっていきたいと思っています。
――最後に春季リーグを終えて、これからの練習でチームとしてまたは個人として強化していきたい部分はありますか
最近ケガが多いので、個人的にケガしないような体づくりや動かし方を身につけたいです。あとやっぱり自分のポジションはエースポジションなので、僕がいないとダメだって言われるぐらいシュート決められる選手になれるように、もっと練習頑張ります。
ジュニア春季オープン戦 5月25日 対上智大 早大・上井草グラウンド
日差しが強く照りつける上井草グラウンドで、早大DE対上智大の一戦が行われた。前半は両チーム精彩を欠き、ミスの多い展開。しかし早大DEはモールなどで堅実にトライを重ね、22ー15と7点リードで前半を終える。後半は一転、早大DEは猛攻を繰り広げ、後半だけで6トライを追加。62ー29と上智大を突き放し、白星を飾った。
ディフェンスに仕掛けるCTB米重皓己(商4=北海道・函館ラサール)
試合は開始早々から動く。敵陣でスクラムを得た早大DEはフェーズを重ねつつも着実に前進。SO田中大斗(教1=東京・早実) がディフェンスラインの隙を突いてブレイクすると次々にパスを繋ぎ、最後はFL山下広一朗(創理 3=東京・早大学院) が先制点を挙げた。その後は両チーム、ボールが手につかずミスが頻発する。「前半はコミュニケーションが上手く取れずに相手に合わせてしまった」とFB北田琢麿(スポ 3=埼玉・川越東) が語るように、アタックを安定させることができなかった早大DEは14分に失点を許した。しかし続く20分、上智大のハイタックルからゴール前まで侵入した早大DEは敵陣ゴール前でラインアウトモールを形成。これを押し切ることはできなかったが、BKにボールが展開され、CTB鈴木彪馬(スポ1=東京・国学院久我山) がゲイン。続くフェーズでWTB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀) が相手ディフェンスを引き付けたところでFB北田がフィニッシュ。スコアは10ー5となる。しかし、再開のキックオフでペナルティーを犯した早大DEは上智大にゴール前まで前進を許し、そのまま失点。再び追いつかれる。30分にはラインアウトモールを押し切ってリードを得るものの、35分に自陣での反則から上智大に追加点を献上。15ー15となかなか上智大を突き放せない。しかし39分、早大DEのキックカウンターから上智大の反則を誘発すると、敵陣ゴール前ラインアウトを獲得。モールで辛抱強く前進し、そのままインゴールへ。22ー15と7点のリードを確保し、前半を終えた。
ディフェンスラインを抜け出すSO田中
本調子ではなかった前半から一転、早大DEは後半に猛攻を見せる。1分、ラインアウトからBKに展開するとCTB鈴木がブレイク。丁寧にパスを繋ぎ、WTB早乙女遼(人 2=東京・国学院久我山)がインゴールを駆け抜けた。続く11分、FB北田がキックカウンターでゲインすると、順目にアタックを重ねた早大DE。SH安岡叶夢(社1=大阪桐蔭) がラックサイドに仕掛け、ディフェンスの陣形を崩すとBKの見事なパス回しで外までボールをまわし、WTB細田悠介(スポ1=福岡・修猷館) がトライ。34ー15と一気にリードを広げる。早大DEアタックはまだまだ手を緩めない。さらに12分、上智大のアタックミスに素早く反応したWTB山下がインゴールまでボールを運び、追加点。17分にはFL髙橋松大郎(スポ 2=愛媛・松山東) 、24分にはLO多田陽道(商1=東京・早実) がグラウンディングし、スコアは55ー15と40点差にまで広がった。「後半は縦に強いプレーを意識した」とLO多田が振り返るように、後半で何度もラインブレイクに成功した早大DEは次々に点数を加えた。27分に失点してしまうものの、32分には上智大が後逸したボールに一気に襲い掛かり、NO・8龍康之助(文構1=東京・早大学院) が敵陣でのノックオンを誘発。そのスクラムの一次攻撃でFB北田がダメ押しのトライ。試合終了間際に1トライを献上するが、62ー29と危なげなく勝利した。
インゴールに向けて駆け抜けるFB北田
前半はボールが暴れ、本来のアタックを見せることができなかった早大DE。しかし、「うまくやるのではなくて、一人一人が泥臭く、強いプレーをする」(CTB米重皓己(商 4=北海道・函館ラサール))とハーフタイムで意識を改めて臨んだ後半はワンサイドゲームとなった。今試合で見せた早大DEの底力は早大ラグビー部のスタンダードを向上させることだろう。上のカテゴリーへと着実に歩みを進める選手たちの成長は止まることがない。
(記事 村上結太、写真 西川龍佑)
コメント
CTB米重皓己ゲームキャプテン(商4=北海道・函館ラサール)
ーー今試合のチームとしてのテーマを教えてください
DチームとEチームで普段はあまり一緒に練習しないチームだったので、やることをシンプルに明確化して、自分のできることをやろうというのがテーマでした。
ーー前半はアタックのミスが多い印象でしたが、課題としてどのようなことがあげられますか
FWの部分での無駄なオフロードや、BKは最初から上手くやろうとしてしまって、1発目から外で取り切ろうとしてしまったところがミスに繋がったかなと思います。
ーーミスを改善するために、ハーフタイムはどのようなことを話し合われましたか
自分たちがやってきたことしかグラウンドでは表現できないという話をしたので、うまくやるのではなくて、一人一人が泥くさく、強いプレーをするというのを意識して取り組みました。
ーー今後の個人としての目標をお願いします
自分は4年生でまだ下のチームにいるのですが、やはり4年生の足掻きがチームにも良い効果をもたらすというのを昨年の先輩からも学んでいるので、そういう存在になれるようにしっかり頑張っていきたいと思います。
LO多田陽道(商1=東京・早実)
――今試合の個人のゲームコンセプトを教えてください
ハードワークをすることです。
――前半のアタックミスを改善するために、後半は具体的にどんなことを意識しましたか
自分たちがやってきたプレーをしっかり出すことと、縦に強いプレーをすることを意識しました。
――前半、トライを上げた2つのモールを振り返っていかがですか
モールに関しては自分達がやってきたことを上手く出せていなくて、密着の部分などで課題のあるモールでした。でもトライを取れて良かったです。
――今後の意気込みをお願いします
今日は前半の最初から自分のベストを出せなかったので、今後はファーストプレーからベストを出せるように頑張ります。
SO田中大斗(教1=東京・早実)
ーー今日の個人のゲームコンセプトを教えてください
アタックの場面で、上智大のディフェンスに対しての仕掛けのところを意識しました。
ーー後半に上智大を大きく突き放しましたが、前半から後半にかけて何か変えたことはありますか
前半が終わった後にチームとして上智大に合わせているという反省点が出たので、自分たちのスタンダードを徹底することをもう一度意識し直しました。また自分たちは早稲田の中でも下のカテゴリーなので、自分たちが上のチームに上がる気持ちを全面に出すプレーをしました。
ーー今日の個人のプレーを振り返ると、どのように評価をしますか
パスミスの様な基本的な所でミスをしてしまったので、次回の練習から基礎的な所を大切に取り組もうと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
まだ自分は下のカテゴリーにいて、同学年で上のカテゴリーに上がっている選手から良い刺激を受けているので、負けないように僕も上のチームに上がれるように頑張ります。
FB北田琢麿(スポ 3=埼玉・川越東)
ーー今試合の個人のゲームコンセプトを教えてください
BKの中でコミュニケーションをテーマにしていましたが、前半はコミュニケーションが上手く取れずに相手に合わせてしまったのであのような結果になってしまいました。もっと前半からコミュニケーションを取っていれば後半のような攻撃ができたのではないかなと思います。
ーーキックカウンターでのラインブレイクが多く見られましたが、自身のプレーをどのように評価しますか
攻撃では何本か抜けた部分があったのですが、味方のブレイクダウンに入る時は練習でやってきたことができなかったので、改善点はまだまだあると思います。
ーー前後半のアタックでなにか変えたところはありますか
前半は外が余ってたので横に開こうとしすぎてしまいトライが取り切れませんでした。後半は縦に強い攻撃をしようという意識でアタックを仕掛けました。
ーー今後の意気込みをお願いします
春シーズン残り半分は今まで出た課題を今後改善できるように、日々上井草での練習を頑張ろうと思います。
メンバー
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 杉村利朗 | 社1 | 東福岡 |
2 | 関康輔 | スポ2 | 東京・本郷 |
3 | 成戸風太 | スポ3 | 埼玉・川越東 |
4 | 多田陽道 | 商1 | 東京・早実 |
5 | 松澤慶 | スポ1 | 早稲田佐賀 |
6 | 髙橋松大郎 | スポ2 | 愛媛・松山東 |
7 | 山下広一朗 | 創理3 | 東京・早大学院 |
8 | 龍康之助 | 文構1 | 東京・早大学院 |
9 | 佐藤隼成 | 法1 | 東京・早大学院 |
10 | 田中大斗 | 教1 | 東京・早実 |
11 | 山下恵士朗 | スポ1 | 早稲田佐賀 |
12 | 米重皓己 | 商4 | 北海道・函館ラサール |
13 | 鈴木彪馬 | スポ1 | 東京・国学院久我山 |
14 | 早乙女遼 | 人2 | 東京・国学院久我山 |
15 | 北田琢麿 | スポ3 | 埼玉・川越東 |
16 | 小笠原正義 | 商1 | 東京・早実 |
17 | 蜂谷謙介 | 基理3 | 東京・早大学院 |
18 | 遠藤直輝 | 教1 | 東京・早実 |
19 | 荒田明彦 | 商3 | 北海道・函館ラサール |
20 | 小松輝也 | スポ2 | 大阪・常翔学園 |
21 | 淺沼大智 | 文構1 | 埼玉・早大本庄 |
22 | 狭間大介 | スポ2 | 福岡 |
23 | 安岡叶夢 | 社1 | 大阪桐蔭 |
24 | 宮下羚 | 文構1 | 東京・早実 |
25 | 山田航太郎 | 政経4 | 大阪・早稲田摂陵 |
26 | 細田悠介 | スポ1 | 福岡・修猷館 |
27 | 能町光 | スポ1 | 神奈川・日大藤沢 |
28 | 渡邉琉斗 | 法3 | 東京・本郷 |
早慶定期戦 5月19日 神奈川・慶応義塾大学日吉キャンパス
「柏原組」で迎える初めての山場、早慶定期戦(早慶戦)が開催された。昨年はあと一歩のところまで追い上げたものの、辛酸をなめる結果に終わった早大。リベンジを果たすべく、伝統の一戦に臨んだ。早大は第1Q(クォーター)で流れをつかみ、4点を先制。第2Qも早大優勢のまま、3点リードで試合を折り返したが、後半には慶大の攻撃陣が牙を剥く。猛攻で5点を失い、逆転を許すと、後半も流れを取り戻せず。5年ぶりの勝利を収めることはできなかった。
今大会優秀選手に選出されたAT星川
「ラクロス界最大規模」と謳われているだけあって、両校のファンや応援団がメインスタンドを埋め尽くす中行われた今大会。互いに張り合うように声援が飛び交う中、試合はスタートした。先にペースをつかんだのは早大。第1Q3分、MF田中美亜(スポ4=東京・国立)のフリーシュートで先制点を挙げると、その後もAT横幕円香(文構4=神奈川・公文国際学園)、AT水野文萌(創理3=埼玉・早大本庄)らを中心に慶大ディフェンス陣を翻弄(ほんろう)。一度も相手に自陣を踏ませないまま、5分、AT星川陽恵(スポ4=埼玉・浦和一女)のフリーシュートで、追加点を挙げた。今度は12分、MF神谷彩乃(文構2=神奈川・桐蔭学園)から、ゴール前に陣取っていたAT水野に鋭いパスが出され、水野が冷静に流し込む。その1分後にはMF増田明香(法3=東京・国学院久我山)のフリーシュートと、宿敵相手に4点を先制した早大。終了間際に1点を返され、3点リードで1Qを終える。
迎えた第2Q、2分にはMF澤田彩子(慶大)が早大のディフェンスを一人で突破しシュートを試みるが、ここはG柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)の好セーブで得点は許さない。早大側もチャンスは作るものの、相手ゴーリーに阻まれ、両チームとも決定機に欠ける時間が続いた。試合が動いたのは7分、MF田中からゴール前のAT西川佳(文構4=東京・東洋英和女学院)にボールが渡り、ミドルシュートを放つとこれがゴールに収まり得点に。慶大も負けじと立て続けに2点を奪い、点差は2点に。突き放したい早大は、2Q終了1分前、DF戸上沙耶佳(スポ4=埼玉・市浦和)のパスカットからカウンター攻撃を仕掛ける。AT星川の力強いシュートがネットを揺らし、6-3と3点差を保ったまま試合を折り返した。
ボールを保持するMF脇田
2年前の逆転負けの経験から、「引き締めてやっていこう」(G柏原主将)と臨んだ第3Q。ドローを上げるのは、試合開始から高いドロー獲得率を収めているMF脇田。早大のここまでの得点劇は、このMF脇田のドローによるものだと言っても過言ではないだろう。3Q最初のドローもしっかり獲得した早大は、落ち着いてセットプレーに入ろうとするが、自陣に出したパスが2回連続でグラウンドボールに。この間に慶大にライドを上げられ、攻撃権を奪われてしまう。2分、相手にフリーシュートを決められると、直後の3分には、AT藤岡杏(慶大)がゴール裏から回り込み、DF山田麻由(商3=東京・国立)を回転しながらかわしてシュートを決めた。ついに1点差。後がなくなった早大は、7分にAT水野がフリーシュートの機会を得るも、ゴールポストに弾かれ得点とはならず。その直後の攻撃、ここまで2得点の活躍を見せていたAT秋山美里(慶大)がフリーシュートを決め、試合を振り出しに戻されてしまった。すかさず早大はタイムアウトを取ったが、その後も主導権を握ったのは慶大。自陣内でボールを回され、ついに逆転弾を許してしまった。終了間際にも、早大のマークから外れていたMF三好香奈のシュートが決まり、6-8で3Qが終了。流れを相手に渡したまま最終Qを迎えることとなった。
勝負が決まる第4Q。3分、相手の仕掛けた1on1に対応しきれず、9点目を献上してしまう。残り12分で3点差。逆転は厳しいかと思われたが、それでも諦めない早大は決死の攻撃を見せる。グラウンドボールを拾ったMF増田がランでクリアし、AT水野にパスを回すと、AT水野は相手の反則を誘い、フリーシュートを獲得。ここを決め切り、2点差に戻した。しかし今度は慶大。素早いパス回しで早大を寄せ付けず、得点を挙げてまたも3点差に。それでも今度はMF田中のフリーシュートで1点を返し、必死にくらいつく早大。一進一退の攻防が続く中、試合を決めたのは慶大だった。12分、パスを受けた澤田は、最終Qとは思えない圧倒的なフィジカルで、早大ディフェンスを振り切りシュート。再び早大を突き放すと、終了間際にダメ押しの1点を加えられ、ゲームセット。5年ぶりのリベンジを果たすことはできなかった。
敗戦後、肩を落とす選手たち
前半は攻撃的な姿勢で流れをつかみ、得点を重ねた早大であったが、疲れが出てくる後半にもフィジカルの強さを見せつけた慶大が一歩上回る結果となった。G柏原主将は、集中力の切れがミスにつながったと悔しさを滲ませた。次に迎えるのは、7月に開幕する関東学生ラクロスリーグ戦(リーグ戦)。早慶両校とも1部リーグに所属しているが、今季はブロックが異なるため、慶大と再び対戦するためにはFINAL4(決勝トーナメント)進出が絶対条件となる。「学生日本一」を掲げている「柏原組」にとって、この敗戦はさらなる成長のための起爆剤となったことは間違いないだろう。2か月後、彼女たちはどんな姿を見せてくれるのか。期待が膨らむ一戦となった。
※掲載が遅くなり、大変申し訳ございません。
(記事 長屋咲希 写真 飯田諒、髙岡沙也、廣野一眞)
コメント
G柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)
ーー今日の試合を振り返ってください
悔しいの一言です。前半は勝てていて、私も正直このまま勝てるんじゃないかと思っていたのですが、3、4Qで流れをつかめず、相手の流れになってしまって、とても悔しかったです。
ーー前半の早稲田の攻撃はいかがでしたか
早稲田がずっと体現したいと思って練習してきたことが、本番でしっかり体現できたのは、早稲田の成長したところかなと感じています。
ーー3点リードで前半を終えて、後半に向けてチームで話し合ったことを教えてください
2年前にも逆転負けした経験があったので、気を緩めず、引き締めてやっていこうという話をしていました。なので、入りに関してチームが悪かったところはなかったですが、(相手に)のまれてしまいました。
ーー後半の攻防を振り返ってください
何が敗因だったのかと考えた時に、早稲田の方がリードしていたのもあって、ふわっと入ってしまったり、アンセット状態で決められてしまったりしていて。そういった一つ一つの小さなミスが負けにつながったのかなと考えています。
ーー特に差を感じた部分はありますか
集中力の差が大きかったなと感じています。途中で一人一人が集中力を切らしてしまっていて、それがミスにつながったと思います。
ーーリーグ戦に向けて一言お願いします
めちゃくちゃ悔しいので、絶対にFINAL4まで進んで、慶應に勝って日本一になります。
AT星川陽恵(スポ4=埼玉・浦和一女)
ーー今日の試合を振り返ってください
1Qの入りは、早稲田らしさを全開に出して得点を重ねられたのかなと思います。ただ、2Qから3Qにかけてどんどん慶應のギアが上がってきて、それに対して私たちは集中力や技術的な面で足りなかったと思います。
ーー前半の早稲田の攻撃はいかがでしたか
ディフェンスを寄せて、捌くというのをずっと意識して練習してきました。なのでそれを体現することができて、ショット率も高くやれたことが結果につながったと思います。
ーーご自身の得点シーンを振り返ってください
1点目のフリーシュートは、慶應のディフェンスが、こちらのフリーシュートが多くなるような守り方なので、その対策をしてきたものを体現できたのかなと思います。2点目のブレイクに関しては、ずっと苦手意識があったのですが、慶應の上げてくるライドに対してブレイクが増えることを想定していたので、ここも練習通りの動きができました。
ーー後半の慶大の攻撃はいかがでしたか
要所、要所の技術が上手いなというのと、決めるべきところでしっかり決めてくるのが、慶應の強いところだなと思います。
ーー最後にリーグ戦に向けて一言お願いします
この試合で出てきた反省点をチーム全体で見直して、絶対に日本一という目標を達成できるように、これから練習に取り組んでいきたいと思います。
関東学生リーグ戦 5月25日 横浜国際プール
関東学生リーグ戦(リーグ戦)第3節、早大は、インカレ26連勝と驚異の強さを誇る日体大と対戦した。日体大の攻撃陣による猛攻を抑えるも2−5と第1Pを終える。しかし、第2Pの9失点が痛手となり、果敢にゴールを狙うも8ー23でコールド負けを喫した。
パスを送る古谷
激しいセンターボール争いを中村大智主将(スポ4=埼玉・秀明英光)が制し、第1Pが幕を開ける。開始直後、早大の攻撃からカウンターを奪われ、日体大の追撃で2点先制される。開始4分中村がゴール前で相手の反則を誘い、鋭いペナルティーシュートで早大初得点を得る。しかし、流れを掴むことができず、2連続失点。残り1分で再び得たペナルティーシュートのチャンスを、古谷典也(スポ3=東京・明大中野)が着実にものにし、2ー5とリード許しながら第2Pへ。ピリオド序盤、GK渡辺浩基(スポ3=東京・明大中野)が日体大のペナルティーシュートを体を張った守備で防ぎ奮闘する。しかし、日体大は、勢いそのままに、5連続得点。気づけば2ー10と大幅にリードを許し苦しい試合展開が続く。しかし、古谷による力強いミドルシュートが炸裂し、早大のペースに持っていく。続けて加納恒心(スポ2=東京・明大中野)が右サイドから鋭い角度からゴールを差し込み、反撃を試みた。6分半、またもや古谷が得点し、5ー14で前半を終えた。
ゴールを守る渡辺
点差を縮めたい第3P。開始1分中村が退水(※)を誘い、そのままゴールに放り込む。続けて古谷がミドルシュートを決め、この試合4得点目をあげる。しかし、日体大は、引くことなく攻め続け、4連続得点。残り1分加納(恒)がペナルティーシュートを成功させ、粘りを見せるも、8ー19で第3Pを終える。そしてむかえた最終P。立て直すことができず、ダメ押しの3連続得点を許し、8ー23のコールド負けで試合を終えた。
ゴールを狙う中村
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事・写真 指出華歩)
結果
早稲田8―23日体大
第1P2-5
第2P3ー9
第3P3ー5
第4P0ー4
得点者
古谷4、中村2、加納2
コメント
古谷典也(スポ3=東京・明大中野)
――試合全体を振り返っていかがですか
第1Pと第3Pは、結構点差が少なく、自分達のやりたい感じでできたので良かったのですが、第2Pと第4Pは、失点が多く、特に第2Pの9失点はかなりきつかったと思います。
――4得点の活躍がありました。ご自身のプレーを振り返っていかがですか
ペナルティーは、周りの人が取ってくれたものですし、フリースローで決めたやつも周りの動きがあって、つられた形で決められたので周りのおかげかなと思います。
――明日の日大戦への意気込みをお願いします
明日の日大戦は、勝つと負けるとで、順位が相当変わってくると思うので、確実に上位リーグ進出ということを目指して、まずは目の前の日大をしっかり倒していきたいと思います。
渡辺浩基(スポ3=東京・明大中野)
――試合全体を振り返ってチームの状況としてはいかがでしたか
自分達よりも強い相手だったのですが、試合前に決めた早稲田の水球を貫くということはできたので良い試合だったと思います。
――攻撃力の高いチームだと思うのですが守備の面で意識したことは
守備の面では、早稲田のオフェンスは、守ってから、少人数でのカウンター攻撃であったり、早いタイミングでの攻撃で仕留めるのが狙いなので次のオフェンスにつながるようなディフェンスを心がけました。
――リーグ戦への意気込みをお願いします
今年怪我から復帰して、やっと試合に出られるようになったので、リーグ戦でもっと活躍して、早慶戦に出られるように頑張りたいです。
関東学生リーグ戦 5月25日 千葉・秀明大学ウォーターポロアリーナ
水球女子の夏が始まった。日本学生選手権(インカレ)のメダル獲得を目標に据える今季。そこに向けた「成長(奥田麗主将、スポ4=東京・藤村)」を遂げる1ヵ月にしたいのが、関東学生リーグ戦だ。初週の3連戦を2勝1敗とし、上々の結果で迎えたこの日は、1日2試合と体力勝負でもある。第1試合の相手は国士舘大だ。試合開始直後から流れるように攻撃を展開し、視線を左右に振って見せるアシストパスから大量得点。守りでも1対1の徹底したプレスディフェンスで相手のパスコースを遮断し、ほとんどのシュートを枠外に逸らした。全員の速さと正確性を存分に発揮し、最終スコアは19ー3で快勝した。第2試合は、互角の相手である東女体大。序盤は1対1の厳しいディフェンスに差し込まれ、シュートを打たせてもらえない相手ペースが続く。だが第3ピリオド(P)で一挙6得点の猛反撃に成功し、逆転した。だが第4Pを勝ち越されて試合は振り出しに戻り、PSO戦に決着を委ねることとなる。6球目以降のサドンデスゲームまで持ち込むがこれを落とし、接戦をモノにすることはできなかった。
テクニックの光るシュートでこの日計9得点の杉本
13時、早大がセンターボールを取って試合がスタート。そのままの流れで鈴木杏梨(スポ2=東京・白鵬)がゴールを決めると、2分間で4連続得点と序盤から攻め立てる。ここで国士舘大がタイムアウトを取り、チャンスメイクを図られるが、シュートコースを逸らさせる巧妙なディフェンスが光った。守りからも勢いづいた早大は、3分半の佐野陽(スポ2=山口・西京)、6分の橋本彩星(スポ1=東京・白鵬)といった1年生も含め、立て続けにゴールを決める。その後も鈴木や阿部紗也香(スポ4=埼玉・芝浦工大柏)を起点としたスピード感のあるカウンターで相手を寄せ付けず、第1Pのみで怒涛の10得点。さらには厳しいプレスディフェンスで相手の連携を崩し続け、失点をゼロに封じた。
パスコースを見定める橋本
続く第2Pは、GKを木口京子(スポ2=京都女)から甘庶乃亜(スポ1=神奈川・桐光学園)にな交代して開始。まずは1分半、奥田麗主将(スポ4=東京・藤村)がゴールネットを揺らす。5分に初失点を許すも主導権は渡さず、杉本華音(スポ2=千葉・秀明八千代)の的確なミドルシュートや、鈴木のノールック気味でのループシュートなどで得点を量産した。本リーグ戦は規定により15点差でコールド勝利となるが、このPはペナルティースローを許すなど3失点。勝敗は第3Pに持ち越される展開も予想されたが、残り1分から手坂心乃(スポ4=千葉・秀明八千代)が相手得点を挟んで2点を決め切って逃げ切りに成功。無事快勝し、続く第2試合に体力を温存して圧勝した。
1年生ながら攻守ともに積極的なプレーを見せる岩本
約2時間後に始まったのが、東女体大戦だ。序盤から抜かりないプレスディフェンスを前にボールが出せず、なかなかゴールに近づけない。先制の2得点を奪われた後に、ポイントゲッター・杉本がコート6メートル付近から的確なミドルシュートを決め入れ、なんとか1点をもぎ取った。しかしその後は相手にセンタリングを許すも、早大はシュートモーションにすら入れない場面も続き、1ー4で第2Pへ。まずは木口が連続で相手シュートをブロックし、勢いに乗った。直後の攻撃で杉本が技アリのループシュートを決めると、5分には阿部がカウンターに成功。さらにセンターへのパスも通り始め、積極的にシュートを狙っていた岩本実姫(社学1=三重・暁)がついに得点を奪った。その後ラスト1分から2失点したが、4ー8と逆転の余地を残して後半に託した。
試合の風向きが大きく変わったのが、第3Pだった。鈴木がセンターボールを取ると、これを杉本にセンタリング。開始10秒で流れを引き寄せるゴールを決め、ここから早大の猛攻が始まる。佐野がミドルシュートを放ったかと思えば、3分には敵陣ゴール前で反則を誘って一気にカウンターに持ち込み、杉本が軽くネットを揺らす。そして4分、奥田のアシストを力強くシュートにつなげたのはまたしても杉本。これが同点弾となると、GK甘庶も幾度となくブロックを重ねてこのPを1失点に抑える。そして残り20秒、鈴木のペナルティースロー成功でついに逆転にたどり着き、最終第4Pに挑んだ。
度々のブロックでチームを支える甘庶
このPも1年生GKの甘庶が躍動。ゴール目前から放たれた重量感あるシュートを、身体全体を駆使して跳ねのけていく。さらに直後のカウンターを鈴木が制し、右サイドからのループシュートで得点にまで結びついた。4分にミドルシュートで同点に並ばれるが、早大も負けじと小さな反則を誘いながらターンオーバーを繰り返す。5分には阿部が起点となり、杉本がバックをうまく使いながらセンタリングしたボールを、岩本が決め返した。ところが残り15秒で退水から数的不利に立ち、再びの同点弾を奪われる。ここで一度ゲームセットのブザーが鳴る。決着は大会規定により、ペナルティースローアウト(PSO)に委ねられた。相手と順番にシュートを放ち、5回のゴール数で勝敗を決める方式だ。早大の代表者は佐野、阿部、手坂、杉本、鈴木の5名。しかしこれも4ー4と同数になり、さらにサドンデスマッチへ。7球目を早大は失敗、東女体大は成功し、死闘は東女体大に軍配が上がった。
ペナルティースローを決める鈴木
途中逆転勝ちが見えたゆえに、選手達の表情には悔しさを浮かんでいた。だがゲーム後半や、第1試合の国士舘大戦では、プレスディフェンスでシュートを打たせず、緻密なパス運びで着実なゴールを重ねる理想的な陣形を体現していた。「新しいことに挑戦しながらプレーしている(甘庶)」今年の早大の、毎試合の成長模様に目が離せない。
(記事、写真 中村凜々子)
結果
早大19―3国士舘大
(大会規定により第2Pコールドゲーム)
第1P1−4
第2P3-4
得点者
鈴木4、杉本3、阿部2、手坂2、井上2、佐野2、橋本2、奥田、岩本
早大17―18東女体大
第1P1−4
第2P3-4
第3P6-1
第4P2-3
得点者
杉本6、鈴木3、佐野3、岩本2、阿部、手坂、橋本
インタビュー
奥田麗主将(スポ4=東京・藤村)
ーー先週が2勝1敗、落としたのは秀明大のみというところで上々な結果だったと思います。それを踏まえて、今週はどんな方針や課題点をチームで共有されましたか
相手ありきの競技なので、勝敗の数というよりはどこのチームにどういった戦術で挑むのかを自分たちの課題であります。東京女子体育大学はこれまでも接戦をしてきた相手だったので、確実に勝ちたい一方インカレで最後に勝ちたい相手ではあるので、そこに向けて自分達がどのくらい成長できるのかというのを一つ課題にしていました。なので積極的に1年生を出場させて慣れてもらう試合にする、というのが監督含め自分達の目標でしたし、その1年生の成長具合は見て頂いた通りで、数字にも出ていると思います。その点で今後につながる一戦になったと思います。
ーー東女体大戦は、第3Pから一気に形勢を返す展開になりました。ハーフタイムで何か話し合われたりしたのでしょうか
特に何かを変えたというわけではありません。恐らく無意識に相手の出方をインプットして、改善していった結果、3ピリあたりから良くなっていったのではないかと思いますね。
ーー今年は主将というポジションになっていますが、どのような経緯で就任されましたか
皆さんに推薦して頂きました。
ーー今シーズン通しての目標と、それを見据えてのリーグ戦の位置付けについて、改めて教えてください
やはりインカレに出てメダルを獲得するというのが私達の一番の目標ではあるので、学生リーグでは成長という点を一番に置いています。
ーーでは最後に主将として、今シーズン全体に向けた意気込みをお願いします
キャプテンとしてまだまだ未熟なところはありますが、ありがたいことに同期にも後輩にも恵まれているので、個々のプレーを最大限引き出せるような環境づくりを私自身はしていけたらなと考えています。
甘庶乃亜(スポ1=神奈川・桐光学園)
ーー大学初めてのリーグ戦に先週から臨まれていますが、どのようなお気持ちや意気込みで戦われていますか
自分の長所を活かせるようなプレーを心がけています。そして、失敗してもカバーしてくれる頼もしい先輩方がいるので、新しいことに挑戦しながらプレーしています。
ーー現時点では、前後半で木口選手と交代するスタイルを取られているのでしょうか
今大会は1年生の育成のために、全員で交代して出場しています。木口選手とは試合状況に応じて交代しているような感じです。
ーー第2試合である東女体大戦について伺います。幾度となくボールを止め、一時逆転の展開に貢献されました。個人のプレーをどう振り返られますか
冷静に状況を判断してポジショニングや指示出しが出来たと思います。しかし、時間がない時などに勝ち急いでしまった部分や、まだまだ周りを見れていない部分があったなと感じています。
ーー最後に、明日の日体大戦に向けて意気込みをお願いします
全て止めます!
早慶定期戦 5月19日 神奈川・慶応義塾大学日吉キャンパス
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | |
早大 | 0 | 1 | 1 | 2 | 4 |
慶大 | 3 | 4 | 1 | 2 | 10 |
▽得点者
永岡2、花井、樫尾
大学ラクロスを長年にわたってけん引してきた早大と慶大。1993年に始まった早慶定期戦(早慶戦)は、今回で32回目を数える伝統の一戦だ。その両校男子部の対決は、慶大の17勝に対して早大は9勝。直近2大会連続で敗北を味わっている早大は、関東学生リーグ戦(リーグ戦)でも対戦を控える慶大に対し、逆襲を期して試合に臨んだ。立ち上がりはきっ抗した展開で幕を開けたが、第1クオーター(Q)に先制点を奪った慶大がそのまま7連続得点。早大も反撃を試みるが点差はなかなか縮まらず、大観衆を背に挑んだ一戦だったが4-10と大敗を喫してしまった。
ボールを保持するMF樫尾拓斗(政経4=アメリカ・テナフライ)
第1Qは落ち着いた幕開けだった。詰めかけた大勢の観客の応援を受けながら、早大はディフェンス陣が奮闘。DF中原健太(商3=東京・早大学院)やDF田中進士主将(商4=神奈川・桐蔭学園)が激しいボディチェックを見せて会場を沸かせた。しかし、ここまであまりパスをつなげていなかった慶大が、ゴール前でつかんだチャンスを逃さずに弾丸シュート。G大賀円太(文構3=神奈川・光陵)は反応できずに先制点を許してしまうと、ここから慶大の猛攻が始まる。自陣内での攻防で隙ができると、無人のゴールへシュートを許してすんなり2点目を献上。続いてゴールに3点目を流し込まれ、一気に慶大サイドが盛り上がりを見せた。第2Qに入っても、その勢いは衰えることはない。G坂本直追弥(政経4=東京・早大学院)が相手のシュートを一度は止めたものの、すぐさま押し込まれて4点目。その後も慶大オフェンス陣に縦横無尽に走り回られ、早大はなすすべなしという状態に。鳴りやむことのない『若き血』を耳にしながら、0-7まで開いた点差に天を仰ぐ様子もあった。それでも、早大は決して諦めてはいない。ボールを保持するとMF樫尾拓斗(政経4=アメリカ・テナフライ)からAT花井コルトンヘイズ(国教3=アメリカ・マッキントッシュ)へ丁寧につなぎ、反撃のシュート。ようやく1点目を奪うと、その後も果敢にゴールを狙っていった。
ボールを保持するAT永岡秀斗(創理4=東京・早実)
迎えた第3Q。流れをつかみかけた早大だったが、慶大ディフェンス陣がその前に立ちはだかった。ゴール付近に入り込めないうちに、今度は慶大が8点目のシュート。再び7点差となる厳しい展開も、まだまだ諦めないのが早大だ。ボールを得たAT永岡秀斗(創理4=東京・早実)が相手の合間を縫ってゴールへ突き刺すと、味方の士気を高めるように腕を突き上げた。最終第4Q。2-8からの逆転を狙い、早大はさらなる反撃に出る。ゴール付近でパスを受けたMF樫尾が素早いシュートで3点目を奪うと、今度は再びAT永岡だ。ゴール裏から回り込んで押し込み、これで4点差に。じりじりと点差を縮めていったが、試合終了時間は着々と迫ってくる厳しい状況。すると、慶大ボールとなって放たれたシュートは、G大賀が体に当てながらもゴールへ。踏ん張っていた早大は、ついにここでダメ押し点を与えてしまった。最後はゴーリーも前に出ながらの反撃を試みたことにより、ハーフライン手前から振り抜かれた慶大のシュートが無人のゴールに吸い込まれて勝負あり。リーグ戦の前哨戦でもあった伝統の一戦は、むなしくも4-10と完敗で散った。
試合後、あいさつをするDF田中進士主将(商4=神奈川・桐蔭学園)
こうして、早慶戦3大会ぶりの勝利を飾ることはできなかった早大。無念の敗北となったが、リーグ戦では慶大をはじめとした強豪校との試合が続くことになる。DF田中主将が試合後に語ったように、この負けが意味のある負けであったと言えるような快進撃を期待したい。RED BATSの逆襲は、ここから始まる。
(記事 西村侑也 写真 廣野一眞、飯田諒)
◆コメント
AT永岡秀斗(創理4=東京・早実)
――試合全体を振り返っていかがでしたか
前半に結構流れを持っていかれてしまって、そのまま押し切られたかたちなので、リーグ戦ではさらに一回り強くなってリベンジしようかと思います。
――2得点を挙げた自身のプレーを振り返っていかがでしたか
自分自身ももっと決め切れていればチームに流れを持ってくることができたと思うので、しっかり決め切れるようにリーグ戦に挑もうと思います。
――六大学交流戦でも対戦があり勝利を収めた慶大ですが、前回対戦から相手に変化はありましたか
前回とは違ってゾーンディフェンスをしてきたので、それに対して自分たちの対応が遅くなってしまったというのがあったので、そこは改善していけるように頑張ります。
――早大と慶大に差があるとしたらどのようなところだと思いますか
スコアとしては差がついてしまったのですが、実力としてはそこまで差はないのかなという感じなので、次は絶対勝つという気持ちでやっていきたいです。
――これからのリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
リーグ戦では今日とスコアを逆にして大差で勝てるように頑張るので、応援よろしくお願いします。