早スポオフィシャルブログ

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早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!


第2回早大競技会 5月18日 織田幹雄記念陸上競技場

 日の入りを迎え、肌寒く感じる中、埼玉・早稲田大学織田幹雄記念陸上競技場で早大競技会が開催された。この日は、1500メートル、5000メートルのレースが行われ、計18名が出走した。1500メートルでは、吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)が3分44秒81でゴールし、日本選手権の参加標準記録切りを達成。5000メートルでは、日野斗馬(商4=愛媛・松山東)や和田悠都(先理4=東京・早実)が自己ベストを更新したほか、1500メートルと合わせて計7名の選手が自己新を叩き出した。

 

 1500メートルには、吉倉、石塚陽士(教4=東京・早実)、立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)の3名が出場した。スタート直後、城西大の選手4名が先頭に立ち集団を形成すると、3人は集団中央でレースを進める。400メートル過ぎに、吉倉、立迫が集団から少し遅れをとった一方で、石塚は徐々にスピードを上げていった。ラスト1周の鐘が鳴ると、石塚はすかさず先頭に躍り出る。離れかけていた吉倉も5名による先頭集団に必死に食らいつき、ラストの直線は石塚と吉倉によるデッドヒートへ。吉倉が石塚に0秒15差の3分44秒81で競り勝ち、自己ベストを更新。日本選手権1500メートルの参加標準記録を切り、吉倉は「率直に嬉しい」と振り返った。また、立迫も渾身のラストスパートをかけ、自己ベストを更新した。

 

ゴールする吉倉

 

 続いて行われたのは5000メートル。1組目には5名が出場した。工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)が先頭を引っ張り、そのすぐ後ろに増子陽季(人2=栃木・大田原)がつくというかたちでレースは進められた。なかなか全体のペースが上がらない中、残り3周で東洋大の岸本遼太郎が仕掛け、徐々に集団がペースアップ。最後は先頭から大きく離されたものの、積極的な走りを見せた増子が工藤に続く4着でフィニッシュした。

 

 続く2組目には日野斗馬(商4=愛媛・松山東)や宮本優希(人2=智辯学園和歌山 )ら5名が出走。スタートから東洋大の選手2名がハイペースで飛び出した中、石塚が引っ張る集団の前方に全員が位置取る。3000メートルで石塚が外れると、代わって集団先頭に立ったのは宮本。しかし、その後ろで余裕を見せていた日野が宮本の前に出た。「落ち着いて入って、2000、1000(メートル)を切ってから勝負をかけれたらと思っていた」という日野。そのレースプラン通り、徐々にスピードを上げ、東洋大の選手を吸収し、先頭を引っ張る。宮本も懸命についていったが、最後の1周で日野が鋭いスパートで離し、トップでゴール。自己ベストを15秒近く更新し、14分30秒切りを果たした。また、集団前方で粘り続けた宮本と門馬海成(政経3=福島・会津)も自己ベストを更新した。

 

1着でフィニッシュする日野

 

 3組目には工藤、武田知典(法2=東京・早実)、瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二)が出場した。レース序盤、国学院大の平林清澄が先頭を引っ張り、集団は縦長に。集団は徐々に大きく2つに分かれていき、3人は第1集団でレースを進める。中盤に武田が集団から離れたが、工藤、瀬間は前方でリズムを刻んだ。しかし3400メートル付近で瀬間がこぼれ、その後は我慢の走りに。一方で工藤はこの日、2本目の5000メートルを走り切り、チームトップでゴール。終盤は苦しい走りとなった武田も、最後は力をふり絞り、14分29秒52で自己ベストを更新した。

 

 そして迎えた最終組。早大からは和田、藤本進次郎(教3=大阪・清風)の2名が登場した。レース序盤、先頭を引っ張る複数の留学生がつくるリズムに乗り、藤本は淡々とペースを刻む。中盤まで集団前方でレースを展開した藤本だったが、徐々に表情が曇り始め、3000メートル過ぎには完全に集団からこぼれてしまった。一方で、14分1桁を狙ってレースに臨んだという和田。スタート直後は後方で様子をうかがっていたが、1400メートルを過ぎると、集団中央に抜け出した。その後も第2集団でペースを保っていたものの、集団がバラつき始めると苦しい走りに。それでも、同期や後輩の応援の中で最後まで懸命に走り、14分21秒02の自己新でフィニッシュ。先日行われた日体大記録会での1万メートル自己新に続く、5000メートルでの自己新となり、和田は「安定感が出てきた」と、自身の走りを振り返った。

 

レースを走る和田

 

 関東学生対校選手権に出場できなかったメンバーが多く出走した本競技会。その中で、多数の選手が自己記録を更新し、選手層の厚さをうかがわせた。トラックシーズンはまだまだ続いていく。勢いそのままに、今後もチーム全体のさらなる底上げを図りたいところだ。

 

(記事 佐藤結 写真 草間日陽里、會川実佑)

結果

▽男子1500メートル

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)  3分44秒81 (4着)自己新

石塚陽士(教4=東京・早実)  3分44秒96 (5着)

立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)  3分46秒82 (7着)自己新

山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)  DNS

山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川)  DNS

山口智規(スポ3=福島・学法石川)  DNS

岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)  DNS

間瀬田純平(スポ3=佐賀・鳥栖工)  DNS

▽男子5000メートル

▽1組

工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)  14分44秒44 (3着)

増子陽季(人2=栃木・大田原)  14分51秒30 (4着)

安江悠登(法2=埼玉・西武文理)  15分02秒30 (7着)

辻陽介(スポ1=愛知・岡崎)  15分06秒29 (8着)

鈴木翔瑛(人1=群馬・富岡)  15分15秒93 (13着)

髙尾啓太朗(商2=千葉・佐倉)  15分18秒94 (16着)

川端春叶(スポ2=北海道・北見北斗)  16分02秒57 (24着)

浅川京平(スポ1=東京・早実)  DNS

▽2組

日野斗馬(商4=愛媛・松山東)  14分28秒55 (1着)自己新

宮本優希(人2=智辯学園和歌山 )  14分32秒30 (3着)自己新

小平敦之(政経2=東京・早実)  14分34秒31 (6着)

門馬海成(政経3=福島・会津)  14分35秒60 (8着)自己新

石塚陽士(教4=東京・早実)  DNF

山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)  DNS

山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川)  DNS

山口智規(スポ3=福島・学法石川)  DNS

間瀬田純平(スポ3=佐賀・鳥栖工)  DNS

伊藤幸太郎(スポ3=埼玉・春日部)  DNS

▽3組

工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)  14分10秒79 (5着)

武田知典(法2=東京・早実)  14分29秒52 (10着)自己新

瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二)  14分36秒09 (12着)

▽5組

和田悠都(先理4=東京・早実)  14分21秒02 (13着)自己新

藤本進次郎(教3=大阪・清風)  14分39秒85 (20着)

コメント

日野斗馬(商4=愛媛・松山東)

――今日の目標を教えてください

 2週間後に日体大記録会があるのでここに合わせるというよりも、練習の流れでいい走りができたらなと思っていました。タイムの目標は定めずに1着を取れればいいなと考えていました。

――今日の調子はいかがでしたか

 練習を積んでいる分、疲労はありました。ですが基本的にはいい状態で迎えられたと思います。

――レースプランはありましたか

 (3000メートルを)8分40秒から45秒の間で石塚(陽士、教4=東京・早実)が引っ張ってくれる予定でした。そこは落ち着いて入って、2000メートル、1000メートルを切ってから勝負をかけられたらなと思っていました。

――中盤レースを引っ張る様子が見られましたが、どのような意図がありましたか

 (先頭に出るのが)ちょっと早いかなと思ったのですけど、ペースが落ち着いてきたので特に考えずにそのままのリズムでいきました。

――最後の一周は鋭いスパートを見せました

 自分はスピードには自信があるので、あそこまでいったら負けられないという思いでいきました。

――自己記録を更新されたことについてはいかがですが

 先ほども言ったように練習を積んでいる中での結果だったので、2週間後の日体大記録会でさらに自己ベストを更新したいです。

――どの程度のタイムを目標にされていますか

 14分20秒を切るくらいのタイムを出せたらなと思います。

 

和田悠都(先理4=東京・早実)

――今日の目標は何でしたか

 14分1桁を狙っていました。

――先日の日体大記録会での1万メートル自己新に続いて、5000メートルでの自己新となりましたが、それについてはいかがですか

 安定感が出てきたと思います。ただ、まだ爆発力が出せていないのでどちらも悔しい結果と捉えています。

――今日のレースの反省点を教えてください

 前半の位置取りが悪く、いらないところで力を使ってしまったところです。

――次のレースに向けて、目標をお願いします

 14分00秒前後を狙います。

 

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)

――関東学生対校選手権(関カレ)明けから今日にかけて調子はいかがですか

 疲労が溜まっていて、最近の中ではあまりいい調子ではありませんでした。

――今日のタイムにおける目標を教えてください

 3分45秒を切ることでした。

――走りを振り返っていかがですか

 動きがあまり良くなかったですが、位置取りも悪くなく、流れにのって走れました。ラストをあげられなかったのが反省点です。

――ラストのスパートを振り返っていかがですか

 もう少し(スピードを)あげられたら良かったなと思います。

――日本選手権標準タイムを切られましたが、その点についてどのようにお考えですか

 ターゲットナンバーで日本選手権に出場することは難しいかもしれませんが、標準記録を切れて率直に嬉しいです。

――今後について意気込みをお願いします

 日本選手権に出場できたら入賞したいです。

関東大学春季大会 5月19日 対東海大 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場

 

 

 小雨がちらつく天候の中、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で早大の関東大学春季大会(春季大会)2戦目が開催された。対戦相手は東海大。リーグ戦5連覇を誇る強豪に対して、『BEAT UP』を体現できるか注目の集まる一戦だ。試合はスタート直後、早大の先制トライで動き出す。その後連続失点を許すも、早大がテンポの速い攻撃で反撃。40ー12と点差をつけて前半を終える。後半に入ると東海大のディフェンスに苦しめられ流れに乗り切れない早大。それでも東海大の追い上げを抑えながら着実に得点を重ね、59ー26で勝利を収めた。

 

ゲインラインを突破するHO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

 

 早大のキックオフで試合は開始されると、その直後にゲームは動く。東海大が脱出を試みたキックをSO野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)が確保、今試合でスタメンデビューを果たしたFB池本晴人(社2=東京・早実)がボールを受け取りカウンターを仕掛ける。センターライン付近の左サイドでポイントを作ると、早いテンポで逆サイドに展開し、大外で待つWTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)に。今シーズン好調のトライゲッターがライン際を駆け抜け、先制トライを挙げた。しかし流れを掴み敵陣に攻め込む早大に対し、東海大の力強いディフェンスが応戦。攻守が入れ替わる一瞬の隙をつかれゲームを振り出しに戻されてしまう。さらに早大は自陣での守備が続き、粘り強くタックルに入るも崩され連続失点、リードを奪われる。それでも自分たちのペースを崩さなかった早大は、これ以降相手に得点を与えない。攻撃でもSO野中を中心に早大らしいテンポの速いアタックを展開し、前に圧力をかけてくる東海大のディフェンスをハンドリングスキルでかわしていく。自分たちのラグビーで徐々にリズムを取り戻し得点を重ねた。24分には敵陣ゴール前でのスクラムをフォワードが圧倒。東海大のペナルティーを誘い、認定トライを獲得した。終盤は早大のペースで試合を進め東海大に攻撃の隙を与えず、5連続トライで突き放し、40ー12と差をつけて前半を折り返した。

 

ライン際を駆け上がるWTB鈴木

 

 後半、勢いに乗り勝負を決めたい早大に、東海大のディフェンスが強度を上げて襲いかかる。早大は流れを掴みそこね、ゲームは硬直状態に突入。好調だったスクラムでもペナルティーを奪われると、10分には自陣ゴール前のラインアウトからモールを組まれ、最後はショートサイドからインゴールを割られてしまった。東海大の追い上げムードが続く中、粘り強い守備を続けチャンスを伺う早大。反撃に転じたのは後半25分、自陣深くでのディフェンスから相手のミスボールにCTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)が反応。すかさず裏のスペースへ蹴りこむと、戻りきれない東海大の選手に対して早大のチェイスがプレッシャーをかけボールを獲得。早大の武器であるテンポの速さに東海大のディフェンスは追いつけず、走り込んだPR新井瑛大(教2=大阪桐蔭)から最後はHO佐藤がボールを受け取りゴール中央にグランディングした。小さなチャンスをものにし、スピードのある攻撃で一気に東海大の流れを断ち切った早大。その後も2トライを挙げ、粘る東海大を突き放し、最終スコア59ー26で春季大会2戦目を白星で終えた。

 

力強いボールキャリーを見せるCTB福島
 

 東海大の強力なディフェンスに対して、テンポの速さと展開力を駆使し、巧みな攻撃で計9トライを挙げる活躍を見せた早大。進化した攻撃力の高さを示すゲームになった。一方で、春シーズンに意識して取り組んできたディフェンスに関して、「4トライ取られたという事実は変わらない」(佐藤)と厳しく振り返る佐藤主将。続く3回戦で迎えるのは、大学ラグビー随一の攻撃力を誇る明大だ。『重戦車』を迎え撃つため、守備力の向上は大きな課題となるだろう。春の早明戦を次節に控え、ついに山場を迎える春季大会。チーム佐藤はさらなる躍進を見せることができるのか、今後の動向からも目が離せない。

 

(記事 西川龍佑、写真 清水浬央)

 

コメント(※一部記者会見抜粋)

 

大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)

ーー今日の振り返りをお願いします

 今日の試合に関して、ゲームテーマがアティチュードというところで、試合中の姿勢だったりとか、そういった部分を本人たちも意識して臨んでくれていました。東海大さんは今までに比べてレベルもかなり高くなるので、1人1人のコンタクトで苦労した部分はあると思いますが、これはやはり勝ち前提でゲームが試合を組み立てるより、しっかりと相手が強いということを前提にもう少しゲームを組み立てるということも必要だなと思いました。とはいえ、リーグ戦を5連覇をしている相手に対して、しっかり勝ち切ったことは素晴らしいことだと思います。

 

ーーセットプレーに関して前後半でかなり違いが出たと思いますが、その点どのように感じていらっしゃいますか

 メンバー的な部分もあるので一概には言えないですが、東海大さんがモールで2トライしていて。それもスクラムからでしたし、やはりスクラムという部分は強調してトレーニングしてきましたので、もう一度見直しながら相手の強みを抑えるような戦い方をしないといけないと思います。

 

ーーバックスに関して、今日は展開力とテンポの早いアタックが見らましたが、それはチームとして意識されていましたか

 野中を今回10番に入れてるので、彼の展開力というものにはすごく期待していました。そのあたりは非常に期待通りかなと思います。あとは点を取るところ。走り切るとか、トライを取り切るところがまだまだ課題があるとは思いますし、そこについては下級生ですごく勢いのある選手たちもいるので、その選手たちがどんどん今出ている選手たちを突き上げてくればまた変わるのかなと思います。



 

HO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

ーー今日の振り返りをお願いします

 まずリーグ戦5連覇してる東海大学さんとやるにあたって、 自分たちの態度、姿勢のところをフォーカスしてやろうっていうのを話していました。誰かがラインブレイクした後のサポートであったり、ラインブレイクされた後のバッキングだったり、そういうゲームに関わっていない選手たちの動きにこだわっていたのですが、相手のラインブレイクに帰れてなかったり、自分たちがラインブレイクした時の追い上げが全然まだまだ足りないというところがあります。スコアとしては離れて良いゲームのようにも見えますが、4トライ取られたという事実は変わらないので、ディフェンスのところをもう1回見直して、アタックも軽いロストが多かったので、そこを修正して次戦に向けて頑張りたいなと思います。

 

ーースクラムの感触としてはいかがでしたか

 杉本(安伊朗、スポ2=東京・国学院久我山)が入って最初の1、2本はうまくグラウンドとアジャストせずスリップして、2本ペナルティーを取られるという場面はありました。ですが、その後杉本が修正して、相手ボールのスクラムをターンオーバーしましたし、相手人数が少なかったとはいえ、前半にペナルティートライをとったというところで。本当に春から積み上げてきたスクラムが少しずつ形になってきてるのかなと思うのですが、もっと質を高めて、帝京大、京産大、天理大、明治大と強いフォワードに対しても、これができるようにもっと精度を上げていきたいと思います。

 

ーーラインアウト、特にモールについての振り返りをお願いします

 モールディフェンスで僕たちがやることが明確になっていなくて、そこでのロストからスコアされたシーンがありました。そこは練習中からミスが出ていた部分だったので、キャプテンとしてもっと試合前に詰めとくべきだったなと思います。モールアタックでもスコアできず止められてしまって、ディフェンスもスコアされてといういい課題が見えたと思って、これからまた明治戦に向けて修正していきたいなと思います。

ーー東海大のディフェンスについてはどんな印象ですか

 前半最初はすごく僕のところが狙われて、2人ぐらいが僕に詰めてきてターンオーバーされてしまうというシーンが多かったのですが、後半は徐々にオプションを使い出したりして、 相手のディフェンスにアジャストできたので、そこは僕的には良かったのかなと思います。ですが、少し相手を躱しに行ってしまってたところがあったので、そこは個人としての修正点です。チームとしては、相手が出てくるのに対してうまく自分たちの深さを保ちながらアウトサイドのスペースをすごい攻略できたし、2つのポットがうまくリンクして。アタックのテーマが今回リンクだったのですが、うまくリンクしてラインブレイクというシーンも多かったので、そこは相手のディフェンスに対応できたのかなと思います。


 

LO栗田文介(スポ3=愛知・千種)

ーー地元開催でしたが、特別な意気込みはありましたか

 そうですね。普段は来られない家族、祖父母や友人たちが見に来てくれたので気合いが入っていました。

 

ーー本日の個人のテーマを教えてください

 東海大さんは体の大きいフォワードが武器なので、そこに負けないように一対一のコリジョンにフォーカスしました。

 

ーー個人的なプレーを振り返っていかがですか

 タックルで刺されるところもあったのですが、返される部分で東海大さんの1人目のキャリーが中々倒れずに後ろにかえるという場面がいくつかあったので、そこは次戦に向けて修正していければと思います。

 

ーー突破力が売りの栗田選手ですが、東海大のディフェンスの感触はいかがですか

 今回も流通経大戦の時のようにオプションを使いたかったのですが、1人目が思ったよりもあげてきて、そこで食い込まれてという部分がありました。そこは次回修正したいです。

 

ーー今おっしゃったことの他に次戦に向けた課題は見つかりましたか

 今季のテーマであるディフェンスの部分で4トライ取られたということは絶対修正しなければいけないです。ディフェンスの部分で多くの課題が見つかったのでトレーニングしていきたいと思います。

 

ーー今後の意気込みをお願いします

 春季大会はあと3戦ありますが、自分の武器である激しいコンタクトを前面に出してアグレッシブにやりたいと思います。


 

FB池本晴人(社2=東京・早実)

ーーAチームで初めてのスタメンでしたが、どういった意気込みで臨みましたか

 練習でしてきたことしか出ないと監督に言われていて。色々なことはできないことは分かっていたので、自分のできる強いキャリーだったり、 シンプルなことをやろうと思って挑みました。

 

ーー個人的なプレーを振り返っていかがですか

 微妙でした。緊張も少しあって。自分はもっとアグレッシブにボール持って走るのが強みだと思うのですが、そこがあまり出せなかったので次回頑張ります。

 

ーーバックス全体としては速いテンポと展開力がかなり見えましたが、この辺りについてバックスとして何か取り組んでいたことはありますか

 早稲田の全体のラグビーとして順目に速いアタックをしていこうという中で、バックス対バックスの場面でもどんどんその縦に強いプレーをすることを心がけてやってました。

 

ーーバックスとして次戦に向けた課題は何か見つかりましたか

 外でのラインブレイク数をもっと増やしていくことと、誰かが1人抜けた後のスピードチェンジで、トライを取り切るところまで持っていくことが課題だと思いました。

ーー今後の意気込みをお願いします

 自分は1試合1試合がセレクションだと思っているので。毎試合、自分の強みを出して積極的にプレーしていきたいと思います。

 

 

メンバー

背番号 名前 学部学年 出身校
山口湧太郎 スポ3 神奈川・桐蔭学園
佐藤健次 スポ4 神奈川・桐蔭学園
亀山昇太郎 スポ4 茨城・茗溪学園
西浦剛臣 社4

ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール

栗田文介 スポ3 愛知・千種
田中勇成 教3 東京・早実
粟飯原謙 スポ3 神奈川・桐蔭学園
城央祐 スポ1 神奈川・桐蔭学園
細矢聖樹 スポ4 国学院栃木
10 野中健吾 スポ3 東海大大阪仰星
11 杉野駿太 政経4 東京・早大学院
12 黒川和音 人3 茨城・茗渓学園
13 福島秀法 スポ3 福岡・修猷館
14 鈴木寛大 スポ2 岡山・倉敷
15 池本晴人 社2 東京・早実
16 佐々木柊 スポ4 東京・本郷
17 杉本安伊朗 スポ2 東京・国学院久我山
18 新井瑛大 教2 大阪桐蔭
19 鈴木風詩 社4 国学院栃木
20 若松泰佑 文構4 東京・早実
21 糸瀬真周 スポ3 福岡・修猷館
22 中島潤一郎 教3 神奈川・桐蔭学園
23 三浦哲 文構4 東京・早実
24 萩原武大 スポ3 茨城・茗渓学園
25 金子礼人 法3 福岡・西南学院
26 仲山倫平 法3

ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ

東京六大学春季リーグ戦 5月19日 神宮球場

 

早大 100 000 010=2 

法大 000 000 000=0

 

 法大との1回戦で逆転勝利を収めた早大。勝ち点獲得に向け、絶対に勝利すべく2回戦に臨んだ。初回、相手先発の立ち上がりをたたき、印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)の適時打で1点を先制する。しかしその後は両投手が一歩も譲らない投球を見せ、互いに無得点が続く。終盤の8回、先頭の尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)が左前安打で出塁すると、再び印出主将に適時打が生まれ追加点の奪取に成功。そのまま逃げ切り、早慶戦を前にここまで全カードで勝ち点を獲得した。

 

 先攻の早大は初回、現在リーグ首位打者の尾瀬が先頭で左前安打を放つと、尾瀬に次いで打率リーグ2位の山縣秀(商4=東京・早大学院)が犠打を決める。続く吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)は空振り三振に倒れたものの、ここで4番の印出主将が打席へ。法大先発・吉鶴翔瑛(4年)の2球目を右前に運んで適時打とし、幸先よく1点を先制した。しかし以降は追加点を奪うことができない。2回と7回に田村康介(商3=東京・早大学院)が、3回に吉納副将が安打を打つなど走者を出しながらも、後続が倒れ得点には及ばなかった。

 

初回、左前安打を放った尾瀬

 

 早大の先発は2年生左腕の宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)。初回、先頭の武川廉(4年)に中前安打を浴びるが、2、3番を併殺打と中飛でアウトにし、順調な立ち上がりを見せる。その後は計3本の安打を許すも、力のある直球と変化球をバランスよく織り交ぜて後続を断ち切り、5回まで四死球ゼロで相手打線を無得点に抑え込む。6回にこの試合初の四球を与え、盗塁と捕手の送球ミスで走者を三塁に進めたが、中津大和(4年)を 142 ㌔の直球で押し込み三飛に打ち取った。宮城は6回を無失点で投げ切り、勝利投手の権利を手にしてマウンドを降りた。

 

先発の宮城

 

 7回から登板したのは安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)。明大1回戦以来出場していなかった安田だが、変化球を巧みに投げ分け、緩急を利用し、法大打線を翻弄(ほんろう)する。四球を一つ与えた以外は安打は1本も許さず、盤石の投球でスコアボードに0を並べた。

 

2番手で登板した安田

 

 両チームの投手が好投を続ける中、8回に試合が再び動く。この回先頭の尾瀬が左前安打でまたも出塁すると、山縣の犠打で得点圏に走者を進める。そして2点目が生まれたのも印出主将のバットからだった。低めの変化球を引っかけた当たりが適時内野安打となりなり、待望の追加点を挙げた。

 

8回に2点目の適時打を放った印出主将

 

 このまま逃げ切りたい早大は、9回も安田をマウンドへ送り出す。ところが、先頭の藤森康淳(2年)をストレートの四球で出塁させてしまう。絶対に失点したくない場面だったが、尾瀬、山縣の2人が守備でも魅せた。まず、3番の・中津のあわや中前へ落ちるかという当たりを、尾瀬がダイビングキャッチ。続く松下歩叶(3年)には10球粘られた後、11球目の左前に抜けると思われた三遊間への打球を山縣が止め、寝た体勢のまま二塁に送球。これで2死とした。そして最後の打者を右飛に切って取り、安田が3回被安打ゼロで試合を締めた。

 

 1、2回戦ともにロースコアの試合を制した早大。相手投手に苦しめられる展開が続いたものの、前日無安打に終わった印出主将が2本の適時打で勝利を手繰り寄せた。さらに尾瀬と山縣の攻守両方における活躍も光り、2連勝で早大はリーグ首位に立った。残すは早慶戦のみとなった春季リーグ戦。この勢いのまま伝統の一戦を制し、勝ち点5の完全優勝を達成したい。

 

(記事 田島凜星、写真 本田里音)

 

 

 

◆コメント

印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

 今日の試合は、リーグ戦優勝を目指す上でもすごく大事な試合でした。監督さん(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からそういう話もありましたし、全員で守り勝つ野球ができたのはすごく良かったと思います。

 

ーー初回と8回に適時打を放たれました。それぞれ振り返っていかがですか

 先攻ということもあり、とにかく優位に進めたかったので、先制点を取りたいというところで1本出たのはすごく良かったです。終盤のところも次の1点を取った方が有利になる展開でしたので、何とか点を取れるようにと思って打席に向かいました。

 

ーー宮城選手と安田選手のリーグ戦の経験をそれほど積んでいるわけではない2投手をリードし、法大打線を無失点に抑えました。リードの面ではどのようなことを考えていましたか

 経験は浅いかもしれないですが、能力はあるので。経験の部分は、逆にこれまで多くの経験をしてきた自分が補っていこうというところでした。たくさん声掛けに行ったりだとか、毎イニング戻ってきたら次のイニングに向けての話をしたりして経験の浅さに関してはカバーできたかなと思います。

 

ーーリーグ優勝も本格的に見え始めてきたかと思います。次の慶大戦への意気込みをお願いします

 勝ち点5で完全優勝。これが一番、文句なしの優勝だと思います。とにかく自分としては、粘り強く、勝ち点に貪欲になって。ここまでチーム全員で進んできたので、早慶戦だからといって浮足立つことなく、しっかりと地に足つけて、早稲田の野球をして、慶應を圧倒したいと思います。

 

関東学生リーグ戦 5月18日 順天堂大学さくらプール

 

 シーズンの山場となる1ヵ月間が始まった。昨年は悔しさ残る6位で幕を閉じた、関東学生リーグ戦(リーグ戦)。今年は新主将・中村大智(スポ4=埼玉・秀明英光)を先頭に、上位リーグ入りひいて、決勝進出を目標に据え、雪辱を晴らす覚悟を感じさせる。その初戦で対したのは、昨年上位リーグ最後のひと枠を明け渡した因縁の相手である中央大だ。試合は序盤から互角の攻防が続き、前半終了時点で4ー5とリードを許す。だが第3ピリオド(P)での一挙5得点により逆転に成功。しかし最終Pで再びリードに持ち込んだ中大。昨年のリーグ戦では1点差で奪われるという、手に汗握る展開に。早大は慎重にチャンスを見極め、ラスト30秒で加納恒心(スポ2=東京・明大中野)が渾身の逆転弾を放つ。最終スコアは11ー10で、1点の重みが大きい激闘の初戦を制した。

 

 中村主将がセンターボールを取り、緊張感漂う第1試合の火ぶたが切られる。序盤からテンポよくパスコースを確保し、立て続けにシュートを投げ入れるが、中大GKの堅いブロックを前に得点が入らない。ようやく5分、ゴール付近で相手の反則を連続で誘うと、右サイドの小林稜典(スポ1=岐阜・大垣東)にボールを放り出す。ルーキーはこれを力強く差し込み、大学リーグ初ゴールを挙げた。こうして両者互角の1ー2から続く第2Pは、開始直後40秒に斎藤昂泰(スポ1=神奈川工)がネットを揺らし、こちらも大学初得点。これで同点に追いつくも、ミスも絡んで中大に連続得点を許す。しかし4分半に中村主将が相手のファウルからチャンスを作ると、曵地孝太郎(スポ4=埼玉・秀明英光)がゴール。さらに7分半には、早大のシュートがそれた直後に相手が退水(※)。すぐさまオフェンス態勢に戻り、加納(恒)がループシュートを決めた。GK渡辺浩基(スポ3=東京・明大中野)の献身的なブロックも光り、4ー5と粘って前半を折り返した。

 

ボールを運ぶ小林

 

主導権を奪いたい後半第3P。GKが渡辺から加納凪人(スポ3=三重・四日市中央工)に交代してスタート。1分半、中大の退水による数的優位を生かし、古谷典也(スポ3=東京・明大中野)がミドルシュートを決める。2分半には早大の退水を合図に中大がタイムアウトを取りピンチが訪れるが、ディフェンスの連携でしのぎ切る。この守りのナイスプレーで勢いに乗ったのか、今年の早大の底力を予感させる猛追撃が始まった。まずは3分半、GK加納(凪)が手早いパスからカウンターアタックを仕掛け、加納(恒)が得点を挙げる。続いて4分、中村主将と曳地がフェイントをかけながらのパスで相手を揺さぶり、最後は曳地がゴールを切り裂いた。こうしてこの試合で初めてリードを取るが、なおも手を緩めない。5分、早大退水のピンチを加納(凪)が防ぎ、より勢いをつける。直後に古谷が自らのロングドリブルから、得意のミドルシュートを決めた。6分半には、中村主将の好アシストから古谷がセンターに切り込み、またも鋭いミドルシュートを叩き込んだ。終盤には連続得点を許したが、9ー8とリードを保ったまま、命運は最終Pに託された。

 

ゴールを狙う加納(恒)

 

なんとか逃げ切りたい最終第4P。しかし痛恨の連続失点から、再び逆転を許してしまう。永久退水やペナルティースロー失敗も重なり、早大陣営に不穏な空気が漂った。だが5分半、ゴール前で相手ペナルティーを誘うことで長くボールを持ち、繰り返しパスを続ける。最後は中村主将がミドルシュートを決め、まずは同点に並んだ。そして試合を決定づけたのが、7分のことだった。相手の退水から確実にチャンスをつかむべく、タイムアウトを取り陣形を整える。中村主将、斎藤とのパス回しの末、隙を突いたのは加納(恒)だった。「自分にボールが来て、シュートチャンスが来たら最後は絶対決め切る」。あくまで落ち着いたままに、右サイドからボールを放った。これが見事逆転弾となり、重要なリーグ初戦を勝利に導いた。

 

ゴールを守る加納(凪)

 

昨年は、僅差での敗北により苦汁を飲まされる試合を多く経験した。それを踏まえて今年中村主将が掲げる指針が、「勝つべきところで勝つ」だ。実力の拮抗(きっこう)する中大との接戦を制した今日の試合は、まさしくこれを体現するものとなっただろう。明日は、昨年の日本学生選手権を2位で飾った強豪・筑波大戦だ。難しい試合が予想されるが、いかに勝ちどころを探れるか。チャレンジャーとしての戦い方に期待したい。

 

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

 

(記事 中村凜々子、写真 指出華歩、中村凜々子)

 

結果

早稲田11ー10中央大

 第1P 1−2

 第2P 3−3

 第3P 5−3

 第4P 2−2

得点者

古谷3、加納(恒)3、曳地2、中村、小林、斎藤

 

コメント 

中村大智主将(スポ4=埼玉・秀明英光)

ーー今日の試合全体の振り返りをお願いします
 上位リーグに入るという意味で内容よりも結果が求められる試合だったので、チームとしても準備に時間をかけてきました。それが勝利につながってよかったと思います。

ーー個人面では、相手のマークが厳しく、シュートが阻まれる場面もありました。どんなことに気を配りながらプレーされていましたか 

 去年は都田さん(前主将)がいたので、自分へのマークは少し甘かったかと思いますが、今年は自分が厳しくマークされるので、バランスに気を付けています。左利きがいたりなど色々な選手がいることで、自分がガツンといかなくても点を取れるチームになってきていると思うので、より左右のバランスに気を付けていました。

ーーその一体感あるプレーが実ったのが、第3ピリオドでの5得点だったと思います。ハーフタイムで何か新たな工夫をされたのでしょうか
 これまでは、色々なことに取り組んできたことでチームの指針がずれてしまう場面もあったので、むしろハーフタイムでは、やっていることは間違っていない、今はただ点が入っていないだけだからここは貫いて、ブレずにやっていこうという意識づけをしました。

ーー今年度は主将に就任されました。悔しい思いをされた試合も多かった昨年を踏まえて、今シーズンにはどのように臨まれていますか

 大学最後の年というところで、まずは主将という以前に4年生としてチームに貢献するというところは決めています。さらに主将としては、例えば20何連覇している日体大に対しても、難しく思うというよりはリアリストになって、自分達が勝てるところを模索しながら、勝つべくして勝つというのを意識したいです。なので中央や慶應、日大、明治といった大学には、実力も見劣りしないと思うので、きっちり自分達で勝っていけたらなと思っています。

ーー1年生も多く入部されましたが、今年の後輩達をどう見ていますか

 自分の1年生の時と似ている子、例えば試合前にとても緊張している子だったり(笑)を見ると、すごく気持ちが分かりますね。早稲田は(部員が少なく)1年生から試合に出ないといけないので、それでもある程度リラックスして臨めているところを活かしてもらいながら、一緒にプレーができたら楽しいなと思います。

ーー最後に、リーグ戦全体に向けた意気込みをお願いします

 目標として決勝戦進出を掲げてはいますが、まずは上位リーグに入っていって、先を見据えながら勝つべきところで勝つというところをブラさずに頑張っていきたいと思います。

 

加納恒心(スポ2=東京・明大中野)

――今日の試合の全体を振り返っていかがですか

 個人としては、最初は緊張して、ガチガチになってしまい、体が思うように動かなかったのですが第2P目に自分で点を取ってから気持ちが楽になって、そこから視野が広がったり、体を思うように動かしたりできて、せった試合で最後自分が決め切れたのは、良かったと思います。

ーー第4P残り1分でのゴールが、逆転弾で決勝点となりました。あのプレーでの状況やお気持ちを聞かせてください

 同点だったので、外して相手にカウンターをくらっての失点だけは無くそうとチームで決めていたので自分が絶対打ってやろうというよりかは、自分にボールが来て、シュートチャンスが来たら最後絶対決め切るという気持ちだけは持っていました。

――個人としての収穫と課題を聞かせてください

 この試合では、自分の武器である泳ぎのスピードを生かしたカウンターが何本も出せたので良かったと思います。課題は、相手に抜かれて、退水をもらうことや、1対1の場面で点が取れない、相手を守ることができないっていう場面が多かったのでそれは、次回には改善していきたいと思います。

――2年生になり後輩ができました。何かチームに対する姿勢で変わったことはありますか

 去年は一年生で、緊張というよりかは、大学生始めての試合で、ワクワクの方が大きかったのですが、2年生になって去年悔しい思いをたくさんしてきたので今年は、なんとしても結果を残したいという気持ちが大きかったです。

――明日筑波大戦に向けての意気込みをお願いします

 今日の勝ちの勢いに乗ったまま明日もしっかり勝ちたいと思います。

 

 

第38回関東大学女子サッカーリーグ 5月19日 東伏見サッカーグラウンド

 

 

 関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)の第6節。3連勝中と勢いに乗るア式蹴球部女子(ア女)は、ホームで国士舘大を迎えた。序盤から相手の背後を狙った攻撃を見せたア女。29分にFW﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)が相手キーパーとの1対1を制し、先制点を挙げる。57分にFW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)がディフェンスラインの裏に抜けて2点目を決めると、79分には生田のスルーパスからFW千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)が3点目を決めた。3-0と完勝でア女が連勝を4に伸ばした。

 

左CBでスタメン出場したDF杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)

 

 序盤からボールを保持しつつチャンスを伺うア女。7分にはMF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)が2列目の位置から飛び出し、シュートを放つも、ボールはキーパーの正面へ。その後も2トップで出場した﨑岡、千葉が起点となり相手ディフェンスラインの背後のスペースを狙った攻撃でゴールへと迫った。すると29分にGK石田心菜(スポ4=大阪学芸)のパントキックを千葉がフリックしてディフェンスライン裏へ送る。このパスを受けた崎岡がドリブルで持ち運び冷静にシュートを決め、先制に成功。そのまま前半は終了し、1点リードで試合は後半へ入った。

 

ドリブルを仕掛ける築地、後半途中からはCBでもプレー

 

 後半も前半同様にア女が自分たちのペースでチャンスをつくった。56分に最初の交代で生田が投入される。すると直後の57分に宗形がピッチ中央から相手の背後へスルーパスを供給。このパスに反応した生田がスピードに乗ったドリブルで一気にゴール前へ侵入し、シュートを流し込んで2点目を決めた。79分には中央でパスを受けた生田が華麗なターンからドリブルで前進し、相手を引き付けたタイミングで千葉へパスを出す。パスを受けた千葉が相手キーパーの届かない位置へシュートを放ち、3点目を記録する。そのまま3点リードで試合は終了。複数得点とクリーンシートを達成する完勝となった。

 

パスを出すGK石田心菜(スポ4=大阪学芸)

 

 チーム全体で共通認識していた裏への抜け出しが功を奏した。再現性の高い攻撃を再三披露し、攻撃面におけるチームの真価を発揮。そんな中、試合を決定づけたのは途中交代で出場した生田だった。ここまで関カレでは出場時間が限られるなか、3得点2アシストと結果を残している。「自分が得点源になることは意識している」と本人が言うように目に見える結果でチームを引っ張っている。チーム内の熾烈な競争が個々の成長と4連勝と言う結果へとつながっている。この勢いを維持したまま目標である「翔頂」へと一直線に駆け抜けてほしい。

 (記事 荒川聡吾、写真 永田怜)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 石田心菜(スポ4=大阪学芸)

DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)

DF 5◎田頭花菜(スポ4=東京・十文字)

→71分、白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)

DF 28 佐溝愛唯(社1=大阪・大商)

MF 2 新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)

MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)

MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)

MF 27 福岡結(スポ1=岡山・作陽)

→71分、三宅万尋(スポ1=東京・十文字)

FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

→56分、生田七彩(スポ3=岡山・作陽)

FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)

 

 

コメント

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー試合全体の振り返りをお願いします
 
しっかりと3-0で相手を無失点に抑えた状態で勝つことができた、勝ち点3を積み上げられたことが1番大きな収穫だと思います。
 

ーー相手の背後を狙う攻撃が目立ちましたが、チームとしてはどのようなことを準備して試合に臨みましたか
 
どちらかというと相手の前線が自分たちのインサイドハーフ、アンカー、ディフェンスラインの全てのところにプレスをかけてくれるので2トップの前のスペースが空いて、そこで縦関係ができれば2トップが裏を狙う攻撃ができると全員が共通認識していました。そのなかでフォワード陣がしっかりと判断をしてくれたことで体現できた3得点だったと思います。

ーー田頭主将のアクシデントからの途中交代があったなかで、選手たちはどのように対応してくれたと思いますか
 
田頭が万全のコンディションでない中で、田頭が抜けた場合の想定は私もできていましたし、築地が後ろに下がり宗形がアンカー、大山と白井がインサイドハーフをやることでそこまで違和感なくできたのではないかと思います。

ーーチーム全体として日々の練習から様々な状況を想定した準備をしているのでしょうか
 想定しているというより、ポジション争いと言ってもいいほどに各ポジションで複数選手が良いパフォーマンスをしてくれているので、何かあった場合でも誰かが抜けた場合でも対応できる形になっています。

ーー今日の結果で4連勝となり、チームは首位にいますが選手たちの雰囲気はいかがですか 

 しっかりと積み重ねることができている反面、ピンチをつくっている場面では自分たちの緩さだったり隙が出ています。試合後にも伝えましたが、勝つためだけのチームを目指しているのではなく「翔頂」というスローガンを掲げているのであれば、今日の90分のパフォーマンスは大学を「翔頂」するものだったのか問い直し引き締めて、目の前の結果にもこだわりますが、自分たちの目指していることを見つめ直してまた1週間準備したいと思います。

ーー次戦、東京国際大との試合に向けた意気込みをお願いします
 
東京国際大は毎年力のあるチームでしたが今年はそれにしっかりと勝ち点を積み重ねているので、チームスタイルは変わっていないと思いますが、失点数が少ない相手に打ち勝つような攻撃を準備して戦いたいと思います。

 

 

MF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)
ーー試合全体を振り返っていかがでしたか

 
まず、無失点で勝ち切れたのは、チームに勢いつけれる部分なのでよかったなと思います。でも、やはり今日は勝たなきゃいけない相手だったので、 内容的に自分たちのミスから危ないシーンを作ってた部分が多かったところは、これからもっと相手が強くなっていく中で突き詰めなきゃいけない部分かなって思います。
 

ーー途中からポジションがセンターバックに変わりましたが、どういうことを意識してましたか
  センターバックは本職じゃないけど、一応やってはいました。最後、試合の締めくくりまでしっかり自分たちのペースで終わるっていうことは意識していました。たがし(DF田頭花菜、スポ4=東京・十文字)が出たことで不安とかイレギュラーな部分が伝染しないように、勢いもあったままできてたので、そのまま全員がその勢いを切らさずにできるように声かけをしました。

ーーこれでチームは4連勝となりましたが、チーム内では目標に向けてどういった雰囲気がありますか
 日本一を1番に掲げてるのは、日頃の練習から 全員が意識できるように声かけてはいるので、そこはぶらさずにっていうのと、そこが1番大きな目標という中で、段階的に過程があると思うの自分らが提示するのもそうだし、自分で考えてそれぞれ選手が行動できるようなチームが強いチームになると思うんで、そこは 残りの試合も前期1位っていう中間目標に向けても意識してもらいたいし、自分も意識したい部分なので、 そこは続けていきたいです。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 東京国際大は今年結構いい成績残してて、自分たちは蹴って勢いよく来るチームは毎年苦手なので、相手が蹴ってくるボールをしっかり収めて、今日みたいにパスミス多いと相手に流れ持っていかれちゃうと思うんで、修正したいです。まだここまで負けなしっていうのが自分たちのモチベーションになっているので、しっかり勝ち切りたいです。

 

 

FW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
ーー試合全体を振り返っていかがでしたか

 
今日は攻め込む時間が長かったなかでも、相手の勢いで何回かチャンスをつくられてしまいました。失点こそはなかったですが、もっと決めきるチャンスがあったなかで勝ち点3を積み上げられて良かったと思います。

ーーご自身の得点シーンを振り返ってください
 いつも(途中から)試合に入った時はワンプレー目で思いっきりプレーしようと思っているので、それが結果につながって良かったです。


ーー千葉選手のゴールをアシストした場面では様々な選択肢があったと思いますが、どのようにパスの判断を行いましたか
 自分で打とうかなと思いましたが、相手のキーパーの身長が高かったのでそこは冷静に相手を見て、フリーだったりり(千葉梨々花)にパスを出しました。

ーー今日の試合では前半の選手が相手の背後を狙う動きが目立ちましたが、チームとしてはどういった攻撃を意図していましたか
 前半からも結構裏が空いているなと思っていたので、中盤の選手のダイレクトのフリックなどで裏が取れると感じていたので、積極的に裏を狙っていました。

ーー関カレでは途中出場が多い中、出場するたびに得点に絡む印象があります。どのようなことを意識してピッチに入っていますか
 関カレは途中から試合に出ていてチームの流れが悪いなか、流れを変えるのは途中から出た選手の役割だと思っているので、ワンプレー目で思いっきりプレーすることと自分が得点源になることは意識しています。

 

ーー次戦に向けた意気込みをお願いします

 アウェイとなりますが、相手の勢いに飲まれずしっかりと勝ち点3を積み上げて首位をキープするために頑張りたいと思います。

関東学生春季リーグ 5月18日 茨城・水海道総合体育館

 現在4連勝中の早大は、1次リーグで劇的勝利を収めた筑波大との対戦。メンバーのケガによる離脱の影響で、選手やポジションを入れ替えながら試合に臨んだ。試合開始直後から相手に連続点を許し、早大は攻めあぐねる時間が続く。相手の屈強なディフェンスからなんとかシュートを打とうとするものの、相手キーパーや逆速攻に苦しむ展開に。後半も流れを変えることはできず、15ー33で完敗という結果となった。

 立ち上がりから筑波大に3連続得点を許すと、その後も早大はシュートを決め切れない時間が続いた。前半10分は江頭理沙(スポ2=東京・ICU)のサイドシュート、井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)のステップシュートの2得点にとどまった。パスのミスから相手にボールを奪われ、逆速攻によって失点というシーンも目立ち、大きな点差が開いた。そんな中でも、この日春季リーグで初スタメン起用となった石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)や右サイドの江頭らがパスを受け取りシュート。バック陣のシュートが入りづらい中で、相手ディフェンスの隙をどうにか見つけ得点を狙う。前半22分には、杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)がペナルティースローを獲得し、木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)が1点を追加。前半は7ー16とし、9点ビハインドで終えた。


7メートルスローを決める木村

 「もう少しディフェンス締めよう」と木村に声をかけられて開始した後半だったが、筑波大からの得点を止めることはなかなかできなかった。エースの山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)や1年生の長谷川美玖(スポ1=長野・屋代)が積極的にゴールを狙うも、相手キーパーの好セーブによって止められてしまう。早大も負けじとGK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)が体を張ってボールを止めて見せたが、ノーマーシュートが重なり厳しい状況が続いた。しかし後半20分ほどからは、里村采音(商2=岩手・不来方)の素早いボールカットなどディフェンスも徐々に改善。最後までチーム全員で粘りを見せたが、筑波大の圧倒的な強さを見せつけられ、試合終了。15ー33で敗戦となった。


ディフェンスでの石坂(左)と山野


 現在春季リーグトップの筑波大相手に必死に食らいつくも敗北を喫した早大。相手のディフェンスの強さによって、得点源となる「ディフェンスから速攻」へなかなか持ち込むことができなかった。しかし普段通りのメンバーではない中で、特に下級生らがチームに貢献した点では「このチーム状況でよくやった」と木村はこの日の試合を振り返った。長かった春季リーグも残り2試合、2戦とも1次リーグで敗戦したチームとの戦いとなるが、懸命に戦い抜く選手たちを最後まで見届けたい。

(記事 大村谷芳、写真 片山和香)

結果
早大15ー33筑波大
前半 
早大7-16筑波大
後半
早大8-17筑波大

スタメン
GK 堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)
LW 石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)
LB 里村采音(商2=岩手・不来方)
PV 杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)
CB 井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)
RB 山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)
RW 江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

コメント
木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)
ーー試合を振り返って
 結構ケガ人が今続出していて、このチーム状況でよくやったかなという感じです。でも全然課題はあると思うし、もっとこのメンバーでもできることがたくさんあると思うので、そこは改善していきたいなと思います。

ーー上位進出は達成、現在の目標は
 新チームが始まってから上位という目標ができて、それが達成できたのはすごく良かったし、もう今の時点で4位以上が確定なので、それはすごく大きいことだと思います。ただせっかく上位になって強いチームと(対戦)できる機会があるので、そこでどれだけ自分たちがチャレンジして良いものを吸収してというか、あまりこういう強いチームと戦える機会ってないと思っているので、そこにどれだけチャレンジできるかだと思っています。チームの底上げというのは目標にしていて、色々なメンバーが出て戦えるようにしたいなと思っています。

ーー負傷者が出て厳しい状況、チームの雰囲気は
 やれるメンバーでやるしかないっていうのがあるので、あとはこれ以上ケガ人を増やさないっていうのはもう第1条件で考えています。やれることはやるし、本当にみんなが最高のパフォーマンスを出すっていうのはあるんですけど、ただ無理はしないというのは、みんなに意識してほしいです。

ーータイムアウトやハーフの時間にはどのような声掛けを
 自分がめちゃくちゃ言うっていうのはないんですけど、やらないといけないことはあると思うので、オフェンスはメンバー的に無理だとしても、ディフェンスっていうのは共通してできるかなって思っていました。もう少しディフェンス締めようということとあとは、せっかくできる残り30分なので、もっと思いっきりやっていいのかなって思ったのでそこは言いました。

ーー次戦へ向けて一言おねがいします
 この状況で精神的にも、体も結構きついと思いますが、みんなが自分の力を出し切って思いっきりやって、そしたら勝てるチャンスはあると思うので、そこ目指して頑張りたいと思います。

江頭理沙(スポ2=東京・ICU)
ーー試合を振り返って
 もちろん悔しいんですけど、悔しい以上に疲れました。疲労が1番で、やっぱり私はまだ試合に慣れてない部分があるので、その体力の無さが表れてしまったなと感じています。

ーー1試合通してチームの雰囲気はどうでしたか
 筑波大は強い相手なので最初はみんなでやれることを、ミスしてもいいから挑戦してやってこうという話をしていました。後半はなんかもう簡単なパスミスや、バックチェックが遅れてしまった場面があって、ディフェンスから速攻に全然持っていけなかったので、そこは反省して修正していかないといけないなと思っています。

ーー今日の試合、サイドから多く得点されていたと思いますが、オフェンスの時に意識してたことは
 バックの人たちに、とにかくいっぱい飛び込んでほしいと言われていたので、完全にずれていない時以外はどんどん走り込んでシュートを狙いにいきました。

ーー前戦からスタメンで起用、今日の試合はどんな気持ちで臨みましたか
 文乃さん(鶴田文乃、スポ4=山梨・日川)がケガしてしまって私がスタメンのかたちになったんですけど、文乃さんの穴は私では埋まらないので文乃さんの代わりというよりは、自分でいっぱい試行錯誤したり、飛び込めるとこは飛び込んだり、今できることをひたすらやろうという気持ちで臨みました。

ーー最後に、明日の東海大戦に向けて意気込みをお願いします
 明日も東海大という強い相手なんですけど、夜いっぱい寝て疲労回復して、また明日いっぱい走ります!

新体制対談最終回は兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)。監督就任1年目となった昨年を振り返っていただき、創部100周年となった今季への意気込みを伺いました。

 

*この対談はシーズン前に行いました。

 

ーー率直に昨年を振り返って、ご自身の中で昨シーズンはどう評価されていますか
兵藤監督 
まず、就任1年目というところで、任された仕事は、1年で1部に復帰するというところと、日本一を取れる組織にするというところが求められてる役割でその中で、やっぱりミッションを達成できなかったというところは、結果としてすごく反省しないといけない部分もたくさんあったのかなというところと中身というところでは、前期のところでは、自分の中でも自分の色をどれだけ、浸透させれるかというところだったり、そこに到達するまでの、学生に対しての受け入れてもらうというか、3年間、やっぱり自分たちがやってたことから、監督が変わるというのは、何かの変化というところに対しての、ハレーションとかというところまでいかないにしろ、今までやってきたものと何か違うものがというところの、少しこう拒絶まではいかないまでも、壁があったのかなというのは、入った当時から率直に思っていました。まあ、そこには人との繋がりというとこだったり、人がやるスポーツだしというところは、もうしょうがないなというところも覚悟はしてたものの、やっぱりそこの壁を突き破れなかったというか、半年かかって少しずつ受け入れてもらえる量も増えてきたかなというところではあるので、時間しか解決できないところもありながらも、そこを、こう半年かかったのを、100日ぐらいでもう少しアプローチできたんじゃないのかなというところはあるので、そこのところの組織の変革というところに対しての、自分の認識の甘さというのは感じてました。

ーー昨季うまくいったところはどのようなところでしたか
兵藤監督 
うまくいったところで言うと、学生たちが求めてたサッカーというところでは、降格した時のシーズン(2年前)からの反省を自分たちで汲み取った中で、攻撃的なサッカー、得点力不足というのが顕著に出てたというところがあったので、僕自身も攻撃的にやりたいというとこだったりがマッチしてる部分はすんなりとこう受け入れられた部分ではあったのかなというところで。後期に入るにつれて得点数がどんどん伸びてったというところの攻撃に対する浸透というところは、トップのカテゴリーから下のカテゴリーまで全て良くなった部分はあるのかなというところはありますが、やっぱりこうディフェンスというところでは、僕が考えてる以上に、守備の原理原則だったり、サッカーを続けていく中での理解度というのは思い描いていたよりもはるかに持ち合わせていない部分はありましたね。

ーープロの舞台でも長年ご活躍されてこられましたが、大学サッカーならではの難しさみたいなものはあったりしましたか
兵藤監督 
難しさというか、多分サッカーをどのカテゴリーでも教えて結果を出すのは間違いなくそこの難しさは多分どこにも共通する部分もありながらも、大学サッカー、ある程度競技力が高いという中で、あと1個何か突き抜けれればプロになれるというセミプロというか、プロに行く本当1個前の段階の選手たちが多いなというところは感じていました。ただ、そこのところをこう正確に自分で理解できてなかったりだとか、1つ上に行くために長所だけ突き抜けても、やっぱり最低限やるべきことが伴わないとというところのバランスの取り方とか、自分のことを思ったより知らない選手が多いのかなというのは少し感じてはいる中で、そこの認識の違いをどう伝えるのが1番学生にとって気づきが多いのかなというところで、競技力は高校生より高いしもう少しでプロに行けそうだけど、気づきだったり、その気づきから何を行動に起こすのかというとこだったり。けど、(大学生は)大人に近づいてるというか、気づきが多い大人になりかけてる段階の大学生に対してのアプローチの仕方というのは少し難しい部分もあるんじゃないかなという風には思ってます。

ーーシーズン後半で負けが少なくなったのはチームに受け入れられてきたという部分が大きかったですか
兵藤監督 
そうですね。まずは自分たちが言った目標ということに対しての、行動って伴ってるのという時に、前期で痛みを持って自分たちがまだまだこれじゃ足りないよねというところの本質に少し気づき始めたというところが大きいのかなというところであって、そこに少し触れかけた後期になったというところで、前期よりも間違いなく後期の方が、サッカーの本質に迫れた部分が少し出てきたからこそ、やっぱり負けないチームになってきたなと感じました。じゃあ負けないチームになった時になんで(そうなったのか)という時に、練習の雰囲気というところでは、強いチームにあるべき厳しさだったりというところが、前期より後期の方が質の高い練習が少しはできたのかなというところですけど、後期は勝てる試合で勝ちきれなかった、落としてしまったようなゲームが多かったというところでは、そのやっぱ根幹にある甘さを僕が取り除ききれなかったというところだったり、気づかせてあげられなかった危機感だったりというところを、もう少し組織に浸透させられなかったというところが、あと1歩昇格に届かなかったところかなと思います。去年のチームでも日本一取れるチャンスはあったと思うし、昇格できるチャンスも、むしろかなりあったと思うんですけど、やっぱりそこのところを最後まで本当の意味で伝えきれたのかなというところでは、少し甘かったのかなというのはあります。


ーー昨季のシーズン中盤に「ハーフタイムでこちらから火をつけるまでなかなか試合が動かなかった」という内容の話を試合後にされていることが多かったですが、練習から強いチームにあるべき厳しさが伴うようになったのは、監督のアプローチの部分が大きいのか、選手の気づきの部分だったのかでいうとどちらだと考えていますか
兵藤監督 
多分、両方だと思います。今の子って多分正解を知ってからしか動かない年代で、僕らの時は、正解をがむしゃらに求め続けて、やるというところからスタートする。生きてる時代が違うというか、その時代の流れで今の方が情報量が圧倒的にやっぱ多いから、じゃあ答えを知った上で納得して動くよねというところが、この世代の当たり前だと思うんですけど、そこに対して、チームとしての答えだったり、当たり前ってなんですかというところを、自分自身もそれまで置かないといけないんだという驚きだったり、そこを自分たちで正解にしていく作業だったり、それを求め続けることのエネルギーが、勝つというところのエネルギーに繋がったり、それこそスポーツの本質、サッカーの本質にというところで、自分の中では思ってたアプローチの仕方が違ったが故に、先にじゃあこういうことを提示しないと多分動かないというところだったり、自分が納得しないとというところがあるので、そこに対してのアプローチを、前期でこういう風にしないとみんな火がつかないのかなという気付きをこちらも得たので、じゃあ監督から伝える言葉だったり、コーチから言ってもらう、同じような言葉だけど、やっぱ言う人によって伝わり方が違う学生もいるんで、そこをあの軸は一緒だけど、監督から言う、コーチから言う、ゴールキーパーコーチから言ってもらう、週末来てくれるコーチから、言ってもらうというところをうまく小分けにしながら、アプローチできて、それが少しずつ、みんなに火が多少ついたというところで練習の熱量だったり、勝ち切れないまでも、負けない練習をやり続けられたというところでは、自分も1年間、大いに学びがあったというか、こういう風に提示しないと火がつかない年代なんだなというのは改めて感じたのでそこはもう全然、そっちがいい悪いとかは全然なくて、時代に合ったあの指導法だったりアプローチというのを、こちらが早く気づければよかったというとこだけなので。自分たちにしっかり矢印向けて、じゃあ今年はもっとこういう風にできるよねとか、去年の反省を生かして、もっとこういう風にできますよねというところは、スタッフ間でも共有しながら、より良くしていこうというところを、今スタートさせてるというとこですね。

チームに指示を送る兵藤監督

ーー去年から継続したいこととこれは変えたいことはどんなところですか
兵藤監督 
継続としては、やっぱりサッカーのスタイルというところで、攻撃的にやるというところから新たなオプションも少し増やしていきたいですね。去年だともうフォーメーションが1ー4ー2ー3ー1しかほとんどできないような状態から今年は新たなフォーメーションというところも、土台がある分チャレンジしやすいなという。立ち帰れる場所というのが、基本的にチームには1ー4ー2ー3ー1のポジションだったり、攻撃だったらこのスタイル、守備をするときはこうするというところも、去年だとこのぐらいできるでしょという風に思ってたのを1年間振り返って、こういうところまでしっかりと伝えないといけないなというところで、攻撃も守備も両方ともコンセプトを作ったものをちゃんと編集して、学生に提示してミーティングしてというところで、そこに関してのまず知識、ア式は今年こういうサッカーをするというのは、多少は共有できてるのかなという風に感じてます。あとはこの知識をちゃんとピッチ上で表現できるまでに落とし込むために、トレーニングという流れには、ある程度チームとしての模範回答みたいなのは出せてるというのはいいのかなという風には思いますね。

ーー大学サッカーを指導者として1年経験して、考え方に変化はあったりしましたか
兵藤監督 
改めてサッカーは深いなというところだったり、この言葉で通じる人とこの言葉じゃダメな人というところだったりというのは、語彙力だったり噛み砕き方というのは難しいなと感じました。それこそ監督なんて試合でプレーできないし、多分試合の当日1日で変えられるところって本当にほとんどないので、じゃあそこに至るまでのトレーニング、準備をどれだけやれるかというところでは、そこの準備というところに対する感度は、間違いなく上がってきてるのかなという風にも思いますし。イレギュラーなことが起きるというのも想定しながら、色んなことを準備しないといけないというところがあるので、そこはこう準備こそ全てだというところを感じ取れるように自分の中でなってきたし、色んな戦術がそれこそあるって中で、それぞれの大学のスタイルというのを自分なりにしっかり解釈しながら、こういうところをもっともっと攻められるよねとかは事前にやりながらも、じゃあ今年の学生の特性ってちょっと違うから、少し違う色を入れながらも、軸としてはぶれないというところをどう引き出していこうかなというところに対して、いろんな戦術をこっち側が知ってないといけないというところだったり、ただ知ってるだけじゃなくて、それをしっかり伝えるというところに対して、アプローチどれだけできるかなというところなんで、サッカーに対する学びはたくさんありますし、現役でやってた時より知識量だったり、知ってたけどそこまで噛み砕いてなかった、自分の中では自然にできてたことだったりが、多分そうじゃない。学生に対してはどうアプローチした方がいいのかとか、じゃあそうできるようにするためのトレーニングメニューってなんなのというところろかは、自分基準じゃなくなってくるというか、学生基準でどう落とし込んだらいいのかなというところに考えが至ってるというのは、サッカーをより細かく分析するようにはなったかなというとこですかね。

ーー実際学生の考えてることを知るって難しいことでしたか
兵藤監督 
いや、めちゃくちゃ難しいと思います。関わらないと絶対に気づけないことだし、それこそ昔の体育会系と今の体育会系の価値観の違いとか。それって体育会系だけじゃなく多分一般学生にも適用されて、僕らの時の学生と今の学生のその物事を考えるベースは絶対に違うので。それこそZ世代とか言われたりとか、それこそその前はちょっとゆとり世代とか言われたりとかという中で、じゃあZ世代ってどういう価値観を持ってる人が多いのかなとか、何を求めてんのかなとか。スポーツに対して求めるもので、本当に多種多様というか、中で、アプローチの仕方は間違いなく昔のようなスパルタ系では絶対にダメというところから、じゃあどうやったら響くのかというところは、間違いなく違うので、そこに対してはこっちも学ばないといけないし、コミュニケーションをより密に取らないといけないというところもあったりとか、けど監督と学生が近すぎると難しかったりという、そこの距離感は大事なのかなっても思うんですけど、やっぱりプロじゃないというところではあるので、あんまりこう話しすぎるのも俺は良くないと思うので。そこのある一定の距離感はありながらも、やっぱり学生たちと関わるというのは僕は大事にしていきたいし、人と関わるというのは好きなタイプなので。逆に学生から学ばせてもらって、じゃあ今の学生ってこういう感度高いよねとかも改めて思いますし、そこはこう日々こう関わる中で色々学ばせてもらってるなという感じはあります。

ーー監督の中には今の世代の価値観を受け入れることに対する抵抗みたいなものはありませんでしたか
兵藤監督 
そうですね。僕は正直受け入れないという選択はほとんどないので。いつも基本的に全部1回受け入れてから、自分の中のフィルターを通してそれが自分に合うのか合わないのかというところはやるというのは決めているので。だからこそ、こう、最初からノーということはないですし、そうすることが自分を最大化できるって信じてるので。だからこそ学生の意見も当然常に受け入れながらも。けど、それって本当に組織のためになるのかなとかは話したりとか。その子のにとっての本当に成長に繋がるのかなというのは第一優先に考えながらも、本当に違うことだったら違うって言えないといけないなと思います。それが大人の役割だと思いますし指導者の役割だと思うので。ただ違うと言うだけのしっかりと根拠だったりというのはいつでも提示できるようにしておかないと、なんで違うんですかって言われた時に、明確なものがないと今の子たちは納得できないというところだったりというのがあるので、そこをしっかりと気をつけながらもこう受け入れないという選択をしないし、まあやっぱり変化に対応できない人間って弱いと思うので、特に変化が激しい今のこの時代の中では、学生たちも自分たちの価値観だったり判断する基準というのはちゃんと持ってもらいたいとは思ってます。けど、それって今まで生きてきた20年前後で自分が築いたフィルターであって、そのフィルターをもう1回大きくするって意味でも、受け入れないといけない部分だったり、変化しないといけない部分というのはやっぱり絶対にあるとは思うので、自分の軸というのをどこに定めるのかというところを、そういうのも踏まえて大学時代で築いていってもらえたらなとは思いますね。

ーー昨年のチームとの違いはどの部分に感じますか
兵藤監督 
今年のチームの方が、チームとしてやってやろうというギラつきはすごくあるなと思います。去年のチームは個としてはもしかしたら今年より少し優れてる部分があるのかなという風に思うんですけど、じゃあそれを集合体として集めた時に、あんまり最大化できなかったというところがあるので、そこのところに去年の反省を活かして、学生がやっぱりこう1+1をどれだけ最大化できるかを、足し算じゃなく掛け算にするためには何が必要かというところは感じ取ってるのかなと思いますね。やっぱりこうア式に対する思いだったり熱量がかけ合わせないとというか、それが掛け算になると思ってるので。それに対する感度は昨年以上にはあるのかなという風に思いますね。

ーー監督として4年生に期待したい役割とか、求めたいものみたいなのは何かありますか
兵藤監督
 そうですね。大学の部活動で4年生になったら自然と最上級生になるという中では、組織の1番上を経験できるというのは、部活動の僕は良さだと思っていて。1年生がそれこそ社会に出たら新入社員で2、3年目ぐらいでちょっと中堅に上がって役職がついてくるようなところでは一種の社会の縮図みたいな、組織というのも体験できるというところが、僕は部活動いいなって思っていて。その中で、今年の4年生は自分たちの役職というところだったりというところに対して、どれだけ熱量を注げるのかというところと、その熱量だったり軸というのが、勝利のためにというとこだったり、それが自分の成長に繋がるというところにつなげてほしいなというところではあるので。自分たちが1番今まで情熱を注いできたサッカーで表現するというところが、ア式蹴球部だと思ってるので、そこに対してしっかりと今自分ができる最大限を出してもらいながら、組織が良くなるために厳しいことを言うとか、自分がそういうキャラクターじゃないけど、やっぱ組織がずれた方向に行きそうな時に、や厳しいことを言えるという集団でありたいなというところではあるので、慣れ合いの集団じゃなくて、厳しい要求を誰にでも組織内で言い合えるというところを、4年生と一緒に環境作りしていけたらなという風には思ってます。

ーー創部100周年に対しての思いはいかがですか
兵藤監督 
100という重みは当然あるのかなという風には思いますし、僕もその100の一端を担ってOBとしても、次の100につなげるためにというところでは節目というところではあるので、しっかりと結果も出していきたいなというところですけど、やっぱり今までOBOGが積み上げてきたものというところでは、確実に継承しないといけない部分というところはあると思うので、そこはしっかりと抽出して、継承しつつ、新しい100年につなげるために、今の学生たちの色もしっかり出しながら最大化して、1年で結果を出すというところに行けたらいいなと思います。

ーー個人としてとチームとして、今年こだわりたいなってことは何がありますか
兵藤監督 
去年もそうなんですけど、自分ではぶれたつもりは全然ないです。ただやっぱり学生たちが自分たちでやってて楽しいだったり、魅力的だったり、この組織でやり続けたいって思えるようなものを提供したいですし、そういうチーム作りは絶対していきたいなって思ってるので、全員で同じ絵を誰に聞いても描けるようなところを追求して1年間やっていきたいなというが一つです。あとは勝つというところに対して、去年は守備にそこまで時間を裂かなかったというのもあって、勝つためには絶対守備が必要だというのは元々わかったところなんですけど、守備固めれば負けないチームにはなるけどというところはありながらも、そこに歯向かっていきたいと感じてた自分もいたので。だけど、去年以上には守備で、無失点にはこだわりたいというところがあるので、去年だったら3ー2とか4ー3で勝てばというところだけど、今年は3ー0で勝つというところに、こだわってやっていきたいなと思ってます。チームとしても攻撃が好きな選手が圧倒的に多いので、そこに対して最大限熱量注いでほしいというところなので、選手たちも喋ってると思いますけど、1にこだわるというところを学生自体で掲げてるので、その1に対して、どれだけこだわれるのかというところを、あの学生と一緒に追求したいなという風に思ってます。

ーー昨シーズンの成績を踏まえて、今年目標を達成するために鍵になりそうな部分だなというのはどこにありますか
兵藤監督 
去年、得点数がリーグ2位だったので、やっぱりそこは絶対に1位を取らないといけないと思いますし、失点数が多分6位ぐらいだったのかなというところでは、両方とも1位を取りたいというそこが自ずとリーグ1位に繋がるというところではあるので。得点も1試合3点というのを掲げてるんで66得点は目指したい数値かなというところですね。あとはセットプレーの失点を、減らすというのは、チーム全体で共有してるところです。あとは最後の15分での得点を多く、失点を少なくするというところをチームとしての強みにしていきたいですね。

ーー今季の2部リーグはどう見てますか
兵藤監督 
めちゃくちゃ正直なこと言うと、去年より絶対厳しいなと思います。本当に1試合も油断できる試合が基本的にはないのかなというところと、多分僅差だと思うので。その僅差をどれだけトレーニングで追求して、その差をどれだけ広げられるかというとこだったり、小さな気づきの連続をどちらがものにできるかというところだと思うので、それをしっかりと全員で感じ取れるだけのトレーニングを積み重ねて、僅差がいつの間にか大差になってるというところまで目指していきたいなというところですか。

ーー今シーズンの目標と意気込みお願いします
兵藤監督 
目標は、まず関東2部リーグ優勝して1部に昇格するところです。あとは学生と一緒に日本一を取りたいというところを目指してるので。総理大臣杯行って1位か2位にならないと、2部からはインカレには参加できないので、まずはそこを目指すのが二つ目の目標です。三つ目としては、各カテゴリーでというところではあるんで、Iリーグがまず全国大会に出場するというところはマストにしていきたいですし、社会人リーグだと一つ上のカテゴリーに昇格するというところ、全カテゴリーで絶対1つ上に行くというところは追求していきたいなというところと、やっぱ人間としての成長というのをは常にア式には求められてると思うので、サッカーの結果とともに人としての成長というところを全員で目指すというふうに定めたいなと思っています。

 

(取材・編集 和田昇也)

 

 

兵藤慎剛監督(ひょうどう・しんごう)

1985年(昭60)7月29日生まれ。
国見高校時代、全日本ユース選手権、インターハイ、高校選手権の三大タイトルを獲得。早稲田大学入学後は、東京都1部リーグからスタートだったが、1年次に関東リーグ2部昇格、2年次に関東リーグ1部に昇格し、4年次にはキャプテンとして大学選手権優勝を果たす。在学中、U-20日本代表でもキャプテンとして日の丸の10番を背負い、ワールドユース選手権に出場しただけでなく、全日本大学選抜として2度ユニバーシアード世界大会に出場し、金メダル獲得にも貢献。卒業後は横浜F・マリノスでプロとしてのキャリアをスタート。北海道コンサドーレ札幌、ベガルタ仙台、SC相模原に所属し14年間のキャリアを終え、2023年から早稲田大学ア式蹴球部監督に就任。

(早稲田大学ア式蹴球部公式ホームページより)

新体制対談第6回は100周年ア式を先頭に立って引っ張る伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)、駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)、成定真生也副将(スポ4=神奈川・日大藤沢)の3人。最高学年として、チームをまとめ上げる立場として、今季にかける熱い思いを伺った。

 

*この対談はリーグ開幕前に行いました。

 

ーー昨シーズンを振り返ってください
駒沢
 一言で言うと目標を達成できなかった。総理大臣杯は出場しましたけど、目標としていた日本一には全然届かなかったです。ただ個人にフォーカスすると、得点王とはなりませんでしたが、得点ランキング1位で終われたというのは1つの成果だったかなって思います。けど、 やっぱり振り返るとギリギリで負けた試合だったり、引き分けてた試合が多い中で、やっぱり自分のゴールで勝たせられて、もう1個勝ち点を取れれば昇格につながったかもしれないので、そこは悔しいなと思います。

成定 自分たちから目標を取りこぼしたというか。本当に目の前でその目標達成を取りこぼしたようなシーズンだったなと思っていて1試合の90分のロスタイムの失点であったり、その勝ち点3が勝ち点1になって昇格というものを逃したと思っているので、自分たちから達成できるチャンスを自分たちで逃してしまったというシーズンだったと思ってます。ただ一方で、 総理大臣杯はもちろん勝てなくて悔しかったですけど、夏以降、アミノバイタルカップ含め後期は負けなしといったところで、 チームとして少なからず悪くないというか、成長を少しは感じることはできたシーズンでした。それにさらに結果がついてくれば、納得のいくシーズンだったと振り返っております。個人としては、シーズン序盤はBチームで出場する時間が多かったですけど、夏あたりから徐々にトップに絡めるようになってきて、後期含め、自分の中では出場機会を多くもらえるようになってきて、少なからずステップアップはできているなというような印象です。

伊勢 1年振り返ってみると、やっぱり勝負弱かったなというのがあって。真生也も言ってくれたように、大事なところで失点してしまったり。得点を最後まで奪えなかったり。 後期は負けなかったですけど、勝ちきれないっていうゲームが多かったですし、関東学院に勝っていれば昇格ができたので、勝負弱かったなというのを感じる一方です。逆に最後の天皇杯予選では、アディショナルタイムに2試合連続で追いついて、PK勝ちするという勝負強さも発揮できたと思うので、最後は良い形で終われたかなと思ってます。個人的にはこの3年間で1番出場できましたし、隣で植村(洋斗、令6卒=現ジュビロ磐田)であったり、小倉(陽太、令6卒=現横浜FC)といったプロに行った選手と組ませてもらったことで、 いろんなこと学びました。ただ、本当に今シーズンはよりチームを勝たせることにフォーカスしてやっていきたいなと思います。

ーー特に印象に残っている試合はありますか
伊勢 関東学院戦も山梨学院戦もそうですけど、個人的には総理大臣杯で負けてしまった関西学院との試合がパッと出てきて、本当に圧倒されたなというのがあって。 そこで全国レベルの強さを目の当たりにしましたし、個人的にも関西の相手ってことで結構燃えてたところもあった分、やっぱり負けた部分でショックが大きかったです。そこまでチームに勢いあった中で完全に封じられたってのがすごく印象に残ってます。


成定 僕個人としてもその関西学院戦は結構印象的で、それまで総理大臣杯は1回戦にチームとしてはかなり良い状況というか、波に乗りながら戦えていて、個人としてもトップのレベルで出場して、遜色なくプレーすることに多少の自信を少しずつつけていけるような時期だったんですけども、プロ内定の多い相手との1試合で、プロとの差を実感した瞬間というか。まだまだ甘くないんだなっていうのを突きつけられた試合ではありました。

駒沢 全部印象深いんですけど、 早慶戦です。早慶戦は、自分は昨年は怪我で出られなくて、会場で警備をしてたんですけど、自分はア式の現メンバーの中で、多分1番ピッチに常に立たせてもらっていて、 いつもピッチの中からチームを見ていたんですけど、その早慶戦の大舞台を初めてピッチの外から見て、いつも自分がプレイヤーとしては感じられてなかった支えてもらっていることだったり、ピッチに出る11人以外の人たちがいるからこそ自分たちはいつも試合ができていることだったり、みんなのおかげで自分がサッカーできているってことをピッチ外から見ることができました。

 

総理大臣杯2回戦・関西学院戦の伊勢

ーー個人としての現在1番の課題だと思っていることは何ですか
駒沢
 個人の課題、サッカーだときりががないんですけど、 今年の2024年のテーマとして掲げてるのが人間力です。こういう副将という立場もありますけど、伊勢と真生也の2人と比べたら少し自分は人間力がないなと思ってて。ただ真面目なやつになるってことが、自分のアイデンティティではないですけど、もっと応援される選手というか、チームの中では信頼できる4年生だったり、この人についてけば大丈夫って思われるような、そういう人間としての幅を持った人になっていかないといけないと思います。それはこの先プロになった時にも、そこが1番重要になってくるんじゃないかなと感じ始めていて。難しいですけど、人間力を高めていきたいなと思ってます。

成定 個人としては、決定力というかゴールというところが1番の課題だと思っていて、昨シーズン 試合に出してもらっていましたけど、結果として関東学院戦のワンゴールにとどまるという。あれだけ出てワンゴールしかないトップ下の選手って正直チームとしては必要とされるような存在ではないなと思いますし、私含めゴールの前でこだわれるとこだったり、決定力というのもこだわっていたら、そもそも失点したとしても勝っている試合にできたかもしれなかったと思います。今シーズンはそういった勝たせられる存在が必要です。この組織は本当に能力も高くて、誰が出てもおかしくないと思っていますし、(トップ下は)そうした選手がいるポジションだと思っているので、そういったところを突き詰めないと自分の居場所はなくなると思っているので、そこの決定力というところを磨きたいです。

伊勢 まず自分のストロングである左足のキックを本当にもっと伸ばさないといけないなという風に 感じています。他の関東の大学を見回しても左利きのボランチはあまりいないので、左足の精度をもっと高めて、大学の中ではトップレベルの左足を持っている選手になりたいです。あと足りてないなと思っているのが守備強度の部分です。植村や小倉とダブルボランチ組んだ時に、 その2人の守備強度で助けてもらってたので。2人がいたことで昨シーズンのチームの守備が安定してた部分があるので、その穴を埋めるのはもちろん、その2人よりも守備強度を出して、チームを勝たせられるような選手になりたいなと感じてます。主将となったので、もっと厳しさを持ってやらないといけないなと感じてて。嫌われ役を買って出て、 チームが勝つためだったり、チームが本当に良い競争を持てるように、自分が率先して厳しい声かけであったり、厳しい雰囲気を作っていかないといけないなと感じてます。

ーー昨年を通して成長したと感じることはありますか
伊勢 試合にたくさん出さしてもらったので、試合に出れたことが自分にとっては大きく成長した部分でありますし、その中で自分の意識の部分でチームの中心となって振る舞えたというのが大きく成長してきた部分かなと思ってます。それは3年生になって上級生になったという立場的なところでもそうですし、自分がピッチに立って早稲田を昇格させるという強い気持ちを持って、マインド的な部分が1番成長できたかなと感じます。

成定 トップのスピード感に順応できたというか、昨シーズンの途中からトップで出られるようになっていって、正直自分自身が最初に出る時はすごく緊張していたのを覚えてますし、自分にできるんだろうかっていう不安を抱えながら出ていた時期は多くあったんですけど、試合を重ねるにつれて、そういったスピード感にも慣れて、自分自身を成長できたのかなと思っています。先ほど関西学院戦で 現実を突きつけられたという話をしたと思うんですけど、そういった選手たちがいる中でも、私個人の感覚としては今までの試合と変わることなくプレーをできた感覚があって、そういった相手にもビビらずというか、自分のプレーを出せる場面はあるんだと感じる試合でもありました。

駒沢 安定して点が取れたことです。昨年カップ戦含めると23試合ぐらい出て、シーズン通して18点ぐらい取れたので良かったです。全然満足してないですが、シーズン通してフォワードとしての役割は少しは達成したのかなって思いますね。ただ、さっきも言いましたけど、結局勝たないと意味ないし、目標達成できないと点取った意味ないので、もっとチームを勝たせられる、勝利を導けるようなゴールを決めていきたいです。

ーー昨シーズンのお互いのプレーに点数をつけるなら何点になりますか。駒沢選手は伊勢選手の評価をお願いします
駒沢
 70点ぐらいじゃないですか。そのマイナス30の部分は全然ネガティブじゃなくて、伊勢ならもっとやってくれるだろうなというところがあって。それこそさっき自分で言ってましたけど、守備の強度だったりっていうのはもっとやれると思いますし、それができれば大学ナンバーワンボランチになれるので、すごい期待してる。なんか上からですけど頑張ってほしいです。あと、同じ部屋なんですよ。2人部屋で。4年目になるにあたってプライベートの充実した部分も含めて多分1番一緒にいるんで70点ぐらいじゃないですか。
 

ーー成定選手は駒沢選手の評価をお願いします
成定 
こまっぺは90点です。この10点はこまっぺも言った通りもっと爆発してくれる存在だと期待しているので。大学では誰も止められないぐらいのフォワードになってくれるんじゃないかなと思って10点は残したんですけど、昨シーズンはほんとにコマのゴールに救われるシーンが多くありましたし、ゴールだけじゃなくてその前線で裏に抜けて前でキープしてくれるところとか、前線から追ってくれるところも本当に助かってる部分が多くあると思う。 そういったことで90点つけさせていただきました。残りの10点分は今シーズン爆発してくれると信じてます。
 

ーー伊勢選手は成定選手のプレーを評価してください
伊勢
 ちょっと厳しいですけど、50点です。さっき本人も言ってましたけど、得点に直接絡むゴールであったりアシストというのがまだまだ少ないなというのはあって。それこそ関東学院戦とかで決めきれるチャンスはあったし、あそこで決めてれば結果が変わったかもしれないので、もっとこだわってほしいなっていう部分があります。あと副将にもなって、まだまだもっと自分の殻を破って、チームのための声掛けであったり、厳しさを持ってほしいなという意味合いも込めて50点にしました。

駒沢
(成定の)人間性は100点。

 

――どういった経緯で主将、副将を務めることになったのです
駒沢
 これは3人とも一緒です。チームとしての決め方で推薦という形があって、まずア式の主将であったり副将はどういう存在であるべきかということを話し合ったなかで、この(チームの)なかで誰に任せたいのかということを話し合って決まりました。自分の場合は副将としてチームに関わりたいという気持ちがあって、そこはサッカーの部分は勿論そうですし、組織としてチームを引っ張っていくという部分で自分が関わりたいなと思って副将をやらせてもらっています。しかも自分は、主将は伊勢で副将は真生也に推薦していたので本当に頼れる2人です。 

――それぞれ自分のどういった部分が評価されて推薦されたと思いますか
伊勢
 自分は1年生の頃から学年リーダーをやっていて、2年目あたりからは徐々に周りの人からも、自分の中でも主将になるんだろうなということを感じていたので、最終的には自分からも主将に立候補しました。そうした今までの積み重ねもあって周りから任せてもらえたかなと思います。 

成定 自分はチームに対して客観的でバランスを取った発言を言えることが評価されたと思っています。ピッチ内の部分だけでなくてサッカー以外のところでもチームに対する献身性といったことを大学1年の頃から継続していたというところも評価されて、同期から推薦されたと思っています。あと副将を2人選ぶとなって、こまっぺ(駒沢)がサッカーのプレーで引っ張っていけるという役割に対するもう一人の副将という役割で私の性格や特徴が適しているなと自分自身でも思ったので副将となりました。 

駒沢 僕は新人監督という規律を守る風紀委員みたいな役職にも推薦されていたんですけど、自分はそっちよりはもっとピッチの中で(チームに)関わりたいなという思いがあって、副将をさせてもらっています。自分は真生也も言っていましたけど、あまり客観的に見られるタイプではないので、どちらかというとピッチ内から自分のやりたいことやチームのやりたいことをはっきりと言えるタイプだと思っています。なのでチームとしての軸からチームをぶらさないという役目が自分の責任だと感じています。

 

対談中の成定

――歴代の主将、副将からはどういったことを学びましたか
伊勢
 言葉の重みは凄く感じています。主将が発する1つの言葉や取る行動というのはチームの全員から見られていると思うので、そこは自分がしっかりとしないといけないと思います。ただ一方でありのままの自分でいようとも思っていて、2年のときに無理をしすぎてメンタルを壊したこともありましたし、歴代の主将を見ていても少し無理しているなと感じることがあったので、そこは自分でうまくバランスを取りながらやることはやっていこうと思います。無理しないようにこの2人を含めて色々な人を頼っていこうとも思います。   

成定 選手として、組織の一員として隙の無い人間になりたいと思います。4年生となるだけでなく、私たちは役職もあって下級生を含めて見られる目は変わってきますし、一つ一つの行動で矛先を向けられやすい存在でもあるのでそういった面で隙の無い人間でありたいと思います。 

駒沢 自分が早稲田でやってきて感じるのが強いチームであるためには主将、副将や幹部、4年生がチームをどうまとめられるかということが凄い重要になってくるということなので、そのために僕たちが先陣を切るという形でチームをマネジメントしないといけないと思っていますし、4年生が4年生としてどうできるのかということがこれからの課題になってくると思います。

――他己紹介をお願いします
駒沢
 真生也はサッカー面で言うと、去年も自分がフォワードで一つ下のトップ下で真生也が出ていて、試合中にGPSを着けているんですけど真生也は試合中にめちゃくちゃ走るんですよ。なので性格もそうですけど献身性が凄いです。あと小柄ですけど、逆にそれを生かした俊敏性であったり、ワンタッチのプレーは近くのポジションで見ていて「うまいな」と感心しています。ピッチ外のところで言ったら真生也は浪人していて一個上なんですけど、自分とか年下で生意気でも優しくて、むしろ自分が二個下の感覚で接することができているのが凄いなと思っています。あとは人間性のところは本当に尊敬していて、こういう男になりたいなと思います。 

成定 伊勢はボランチで、僕もボランチをたまにやることがあるんですけど、トップ下とプレーがガラッと変わって何でこのポジションできるんだろうと思うくらい全体を見て、落ち着いて色んなプレッシャーがある中でボールタッチのミスをせずプレーをしないといけないので、そうしたプレーをできるという点で(伊勢を)素直に尊敬していますし、自分では絶対できないだろうなというプレーを難なくこなしている印象が伊勢にはあります。あと左足のキックの精度は本当に高くて、僕自身そこまでキックに自信がないのもあるんですけど、特徴としてあれだけ正確なキックというのを持てる選手は素直に尊敬できます。ミドルレンジのシュートも伊勢は持っていて、アミノバイタル(アミノバイタルカップ)の法政戦では右足でミドルシュートを決めているシーンもあって、捌いている選手に見えてゴールを狙えるという特徴を持っています。同期の中で何人かプロになるんだろうなと個人的に思っている選手の1人なので、これからも頑張ってほしいなと思います。あとはリーダーとして嫌なことから逃げずに向き合ってくれるので、そこは凄く尊敬できるなと思います。先ほども伊勢から「殻を破ってほしい」と言ってもらいましたけど、そういうことを面と向かってしっかりと伝えられるリーダーで、僕自身がまだまだ破れていない部分があるからこそ、主将として頑張って、嫌われ役になることを恐れずに取り組んでいる伊勢の人間力を尊敬できます。

伊勢 直哉のサッカー面に関しては「ザ・ストライカー」という感じでゴールに貪欲ですし、フィジカルレベルが本当に高いです。自分はあまりフィジカルがないので、そこはうらやましいなと思っていて。フィジカルテストを測定してもどの種目でもトップ3に入っているので本当にうらやましいと思います。あと直哉自身も言っていましたけど、ズバズバと物事を言えるところがチームにとって良いことだと思っていて、自分たちの学年は自己主張が少なくてピッチ内でも言いたいことを言えていない人が多い中で、直哉が厳しいことも言ってくれるので、そこは助かっているなと感じます。プライベートな部分では同部屋なんですけど、最近暇そうなのでこの記事を読んでくれる人は遊びだったり、食事に誘ってほしいです(笑)。

駒沢 友達いなくて... 

開幕戦で同点弾を決めた伊勢

――最高学年の4年生としての意識だったり、卒業後のキャリアはどう考えていますか
成定
 4年生として見られるというか、見る目も変わってるなというのは思っていて、またまだ僕自身、副将として足りない部分も多くあるので、もっと厳しさのある4年生としてチームに意見の言える存在になりたいです。今後のキャリアについてなんですけど、自分自身はここでプロになれるかなれないか明確に区切りをつけたいと思っていて、なのでプロになれなかった場合のためにも今は就職活動してるんですけど、ここで本当に悔いなくというか、なれるのであればプロになりたいと思いますし、なれないのであればそこに後悔を一切持たずに区切りをつけよう、同期であったりプロになる周りの選手たちを羨ましいなっていう嫉妬ではなくて、素直に応援できるくらい悔いなくできたらいいなと思ってます。
 

駒沢 4年生として最後の1年っていうのは、さっきもありましたけど本当に4年生次第でチームがどうなるかって言っても過言じゃないと思ってて、下の学年はこの前新人戦優勝しましたし、新1年生もすごい良い選手が入ったなっていうのを感じてて、だからこそ自分たち4年生に求められるっていうのもあって、プレーヤーとしてもそうですし、最高学年として、4年生として何ができるかっていうのは楽しみでもありますし突き詰めていかないとなと思ってます。黙秘もして掲げている日本一だったり、1部昇格っていうのは去年も同じ目標を持ってやって、本当に難しいっていうのは身に沁みて感じましたし、でも自分たちならぜったい達成できなくないし、達成できないとおかしいメンバーではあると思うんでそこに向かってやっていきたいなと思います。個人としては、人生でまだ1回も日本一を取ったことがないので、プロでの日本一とかってまた違くて、学生のうちに日本一っていうのを絶対取りたいと思ってて、この最高のメンバーで日本一取れたら最高だなって思います。その後はプロとしてやっていきたいなって思ってて、ただ、プロになることがゴールじゃなくてプロでどう活躍できるかっていうのを突き詰めながら今年1年やっていきたいと思います。
 

伊勢 さっき直哉も言ってましたけど、良くも悪くもチームの出来っていうのは本当に4年生にかかってると思いますし、歴代の4年生を見ててもやっぱり偉大なというのは感じてて、ピッチ内外に関わらず4年生がどういう振る舞いをするのか、どうやってチームを引っ張るかがチームの成績に関わると思うので、そこはもっとこれまで以上に自覚を持ってやらなきゃいけないと思いますし、それはここにいる3人だけじゃなくて立場関係なく4年生が体現しなきゃいけない部分だなと感じています。直哉と同じで、自分も日本一取ったことがなくて、高校の時も準優勝っていうのはありましたけど、そこの1戦を勝てるか勝てないかっていうのは大きな差があると思いますし、チームを勝たせられるようなチームづくりを行なっていくことが自分の成長にもつながると思いますし、チームが勝つことで初めて個人も評価されると思います。自分もプロを目標にやってる中でチームが結果を残さないと自分も評価されないと思うので、自分のためにもチームのためにも4年生としての義務を果たしたいなと思います。3年生の途中から就職活動も始めましたけど、その中でいろいろ自己分析していく中で自分は本気でプロ目指したいんだっていうのがあって、今年1年間は本気でプロ目指してやりたいなっていうのがあるのでそこは妥協なく自分に厳しくやっていきたいなと思います。

――今年1年間で特にこだわりたいことは何ですか
伊勢
 厳しさを追い求めていきたい、厳しさと満足しないことは本当に大事だなと思っていて昨シーズンも良い練習、良い積み重ねができていたと思ってても試合で結果が出なかったりっていうので、どこか自分たちで満足してしまっている、それ以上もっとできるのにそこで積み上げられなくて試合で悔しい思いをしてしまったっていうのが何回もあったので日々の活動で満足することなく積み重ねることもそうですし、自分たちだけでとどまらないというか他の大学はもっとやってるだろうっていう危機感を常に持ってやらないと自分たちが掲げてる目標は達成できないと思うんで、そこは率先して自分が厳しさを持ってチームに発信し続けたいなと思っています。
 

成定 プレーについてはゴール前というか決定力というのはシーズン通して掲げたいなと思っていて、あとは隙のない人間になりたいという話もしましたけど1つ1つの行動で良くも悪くもチームに影響を与える存在だと思うのでその行動が応援されるのかというのは常に問いたですし、自分自身だけではなくて学年全体を見て学年にしっかりと意見を述べられるような人間になりたいと思っていて、というのもこの学年が4年生になった時にどうなりたいかみたいなのを話し合った時期もあったんですけど「日本一になれるチーム」とか「応援される存在になりたい」とかそういったものが出ていて、自分たちで掲げた目標に向かってしっかりと行動できているかというのを学年の幹部として追い求めたいと思いますし、自分自身も毎日の行動1つ1つが応援される存在に値するのかは考えていきたいです。
駒沢 シーズン最後の日に、それがインカレの決勝だったら最高なんですけどその日に部員全員が「早稲田に来て良かった」だったり「この学年で良かった」ってなるシーズンにしたいですし、最後に自分たちが「主将やれて良かった」「副将やれて良かった」って思えるような1年にしていきたいです。

 

デンソーカップでボレーシュートを放つ駒沢

――創部100周年、また1部昇格への気持ちを聞かせてください
駒沢
 100周年というのは1年の時から意識していてというか言われていて、本当に何かの縁というか、自分たちはただいたから100周年というのではなくて積み上げられたものだし、100年目の4年が自分たちというのは当たり前じゃないことですし、まずは現状100年この部をやれてきてて今この位置でこうやってやれてることに感謝して常に当たり前じゃないってことは噛み締めながら、でも100周年っていうおかげでやれることもあるので、そこはすごい楽しみながらやっていきたいなって思います。1部昇格はマストかなって思います。この前チームの前でも言わせてもらったんですけど1部昇格というよりは1部で優勝できるようなチームを今年は作りあげたいっていうのを感じてて、だからこそ試合のないこのプレシーズンにどれだけそこに標準を当ててやれるかっていうのがすごい重要になっていると思うので、自分たちは3年間1部でもやったことありますし2部っていう難しいところも感じてきたのでそこをうまく後輩たちに伝えるっていうか4年生としてそこを体現できれば1部昇格っていうのは必ず見えてくると思うので来年みんなに1部でサッカーさせてあげたいなっていう気持ちがすごいあります。
 

成定 100周年に関してはこの前1月7日にレジェンドマッチというか100周年のイベントがあったと思うんですけどその際にやはり改めてこれまでの偉大な多くのOB、OGの皆さんがいてア式の活動が成り立っているんだっていうのを強く実感しましたしここで活動できていることは決して当たり前じゃないんだなと思ったので100周年だからこそ感謝を忘れずにというか、たまたま我々が4年生としてその代になっているだけであってこれまで4年生を担っていた多くのOB、OGの皆さんがいたからこそ活動があると思っているのでそこの当たり前というか恩恵であったり感謝っていうものを忘れずにいきたいというのが100周年目の意識としてあります。1部昇格というのは100周年につながるんですけど、これまでア式として日本サッカーをリードするような成績を多く残してきた部活だと思っていますし、ア式は関東2部ではなく1部にいるべき組織だと思っているので来年から下級生のみんなが1部の舞台でサッカーできるように1部昇格と言うのは必ず達成しなければならない目標だと思っているのでそこは100周年を背負う4年生として成し遂げる責任があると思いますし、成し遂げたいと思っています。
 

伊勢 2人も言ってくれましたけど、100周年ということでOB、OGであったり、ア式に関わるすべての人々に感謝の気持ちを持ってやらないといけないですし、その人たちに恩返しするってなるとやっぱり結果だと思うので結果の1つとして1部昇格っていうのは必ず達成しなければいけない目標だと考えています。1部でやるのと2部でやるのでは注目度も違いますし後輩たちのキャリアにとっても1部でやることがより大きなメリットがあると思うので、後輩たちのためにも1部をお土産に自分自身もプロにいきたいなっていうのは考えてますし、ア式蹴球部っていうのは今まで日本の大学のみならずサッカー界をリードしてきた存在だと思うので本当に1部にいないといけない存在ですし、常に関東の優勝争いだけじゃなくて全国で日本一取れるような力を持ってないといけない存在だと思うのでそこの土台となる部分を、まずは自分たちが今年1部昇格と日本一を達成して築き上げることができたら良いなというふうに考えています。

――今季のキープレーヤを挙げるなら誰ですか
伊勢
 自分は神橋(良汰、スポ4=川崎フロンターレU-18)を挙げたいなと思っていて前線は昨年とそんなにメンバー変わってないなと思ってますけど、昨年だと安斎(安斎颯馬、社4=青森山田、現FC東京)であったり、颯辰(中谷颯辰、令5スポ卒)、松くん(平松柚佑、令5社卒)だったりチームを鼓舞するような声を上げてた人が抜けた分やっぱり守備面っていうのはまだ課題があるなというふうに感じていますし、神橋も本当にリーダーシップを持ってシーズン立ち上げてからやってくれてますけど、神橋に今年の守備陣はかかってると思うので期待したいなと思っています。
 

成定 駒沢ですね。このチームのゴールというか得点源の存在だと思っていますしこまっぺの副将としての姿勢を見せた上で結果を残すFWになった時にこのチームにとって他にいない存在になれると思ってますし、これからのチームを左右するというか、これからの雰囲気だったり4年生の影響力含めこまっぺのサッカーでの結果と副将としてのあり方がチームを左右するキープレーヤーになるんじゃないかなと思います。
 

駒沢 主将副将の俺ら3人に期待してほしいです。まずは自分からいくとポジションとしてFWというのもそうですし、ア式の先頭に立ってプレーをするわけでそこはしっかり点を取るだけじゃなくて背中で見せていきたいなって思っていますし、真生也のところは一緒に副将やるんでお互い足りていないところを補完しながら良い関係でやりたいなと思っていて真生也は本当にプレーもそうですしピッチ外でも献身性というのがすごくて、チームとしても今年「献身性」だったり「凡事徹底」を掲げている中で真生也が1番そこを体現できているなって思いますし、インタビュー聞いてても「わたくし」って言ってるところとか俺言ったことないんで、そこもやっぱ礼儀がすごいなって思いました。(笑)伊勢は、プレッシャーかけるわけじゃないですけど、良くも悪くもキャプテンなんで伊勢のチームだなっていうのはすごい感じてて、全ての責任は伊勢にあるんで頑張って欲しいです。伊勢次第です。

――最後に今シーズンの抱負をお願いします
駒沢
 チームとしての目標達成と、個人としてはダントツで20点ぐらい決めて得点王になります。
 

成定 1部昇格、総理大臣杯優勝を必ず成し遂げたいのと、個人としてはそういう目標達成に貢献できたとシーズン終わった時に自信を持って言えるようにすることです。
 

伊勢 個人的にはピッチ内外で圧倒的な存在になってチームを勝たせられるような存在になることで、それが日本一だったり1部昇格に繋がると思いますし、シーズン終わった最後にア式に関わる全ての人がア式に誇りを持てるようなそんな1年にしたいなというふうに思います。

 

(取材・編集 和田昇也、荒川聡吾、熊谷桃花)

 

 

 

 

伊勢航(いせ・こう)写真真ん中

2002(平14)年7月17日生まれ。172センチ。ガンバ大阪ユース出身。社会科学部4年。チームの先頭に立つア式の主将は映画好き。中でも少し前の名作を見るのが好きなそうです!

 

◇駒沢直哉(こまざわ・なおや)写真左

2002(平14)年5月17日生まれ。178センチ。ツエーゲン金沢U18出身。スポーツ科学部4年。ゴールデチームを勝利に導くエースは友だち募集中とのことです!

 

成定真生也(なりさだ・まきや)写真右

2001(平13)年12月26日生まれ。170センチ。日大藤沢高出身。スポーツ科学部4年。休みの日は友達とドライブに行くのがいい気分転換になるとのことです!

 

春季関東大学リーグ戦 5月18日 慶應義塾日吉記念館

 

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)最終週、10戦目の相手は東海大。早大は先週の2戦では押された場面で雰囲気を立て直せず、連敗を喫した。この課題を克服したい今試合。相手に流れが傾く場面でも堅実な守備で攻撃につなげる。3セット目は相手サーブに押される場面もあり落とすが、4セット目を相手のミスも誘い取り切る。セットカウント3-1(25-20、25-16、19-25、25-20)で勝利し、明日の春季リーグ最終戦へと挑む。

 

 第1セット、相手のクイックが守備の間に落ち、見合ってしまう。その後、早大のスパイクが4連続でブロックに捕まり、序盤から2-6と先行を許す。しかし、ここで押され負けず、反撃に出る。MB板垣慧(政経3=京都・洛南)のクイック、OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)の鋭いクロスなどで東海大を追いかける。リベロ布台聖(スポ2=東京・駿台学園)が相手のダイレクトに素早く反応し、その球をOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)が打ち切ると、早大がペースを掴む。佐藤・板垣が連続ブロックを決め同点に追いつく。ここからは佐藤が躍動した。ライトからのスパイク、ネットインしたサーブ、バックアタック、緩めのサーブで1人で4連続得点し、18-14と差をつける。守備も安定し、セッター前田凌吾副将(スポ3=大阪・清風)が相手のフェイントを拾い上げ、布台が二段トスで畑に託す。最後は佐藤のスパイクがブロックアウトし、セットを先取した。

 

佐藤のスパイク

 

 第2セットも攻守ともに落ち着いたプレーで着実に得点を重ねる。序盤、相手が崩れ、ハイセットになったところをMB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)と佐藤がしっかりとブロック。前田は万全でない姿勢からもアンダーで正確なトスを上げ、攻撃を途絶えさせない。OH小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)のスパイクや、ワンタッチを取った畑自らのスパイク等で14-6。その後は互いにサイドアウトを取り合うが、途中、前田の強烈なスパイクで会場を沸かせる。最後は前田のサーブがネットインし、セットを連取した。続く第3セットは麻野のクイックで幕を開けたが、相手が緩急をつけた攻撃でブレイクを重ねていく。相手の強烈なサーブで攻撃の起点を作れず、10-16と突き放されてしまう。畑のスパイク、小野の1枚ブロックなども決まるが、相手サイドの強烈なスパイクから流れを奪うことができず、このセットを献上した。

 

2本目を自らの強烈なスパイクで決めた前田

 

取り返したい第4セット。前田の片手トスを板垣がクイックで決める。ラリーが続く場面でも落ち着いて相手を崩し、ミスを誘う。麻野がクイックをブロックし、今度は自らクイックを決める。畑のバックライトからのスパイクもあり、12-6。その後、またも東海大の強烈なサーブに苦しむが、一度開いた点差は大きく、簡単には埋めさせない。畑・佐藤を中心に得点を重ねていく。前田に代わってコートインした馬渕純(スポ4=岐阜商)と麻野の息の合ったクイックも決まり、最後は相手サーブがネットにかかり、セットを取り返し、勝利を収めた。

 

麻野のクイック

 

この春季リーグを通し、自分たちがやってきたことを発揮することを目標としてきた。先週のようにうまくいかない試合もあったが、そこから立て直し、今試合ではいい形で勝利をおさめられた。早大の強さがまた垣間見えた試合だったのではないだろうか。春季リーグも残るところ明日の1戦のみ。「勝ち負けは関係ない」(佐藤)。明日も自分たちのやるべきことをし、悔いの残らない形でこの春季リーグを終えてほしい。

 

(記事 町田知穂、写真 井口そら、末松花菜)

 

セットカウント

早大3ー1東海大

 第1セット 25ー20

 第2セット 25ー16

 第3セット 19ー25

 第4セット 25ー20

 

スタメン

アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)

アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)

ミドルブロッカー 板垣慧(政経3=京都・洛南)

ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)

オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)

セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)

リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)

 

途中出場

馬渕純(スポ4=岐阜商)

伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)

大谷陸(スポ2=埼玉・川越東)

菅原啓(教2=山形南)

徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)

 

コメント

馬渕純(スポ4=岐阜商)

ーー試合を振り返って

先週2敗してしまってチームとしては落ち込んだ状態で最終週になったので、もう一度一丸となってやっていこうと話していた試合で、勝敗は気にしていなかったのですが、チームとして僕らの中では凄く大事な試合でした。その中でもスタートから最初はリードされた展開ではあったのですが、全員で向かっていこうという姿勢が見えたからこそ1・2セット目はいい形でいけたのかなと思います。3セット目は少し良くなかったのですが、ただ4セット目はもう一度踏ん張り直してできたことはチームとしてよかったと思っていて、もう一度気持ちを切り替えて明日戦っていければなと思います。

ーーほかに4年生がいない中で、コートに入る際にどのようなことを意識していましたか

技術的には全然凌吾に劣っているので、自分にできることは緊張感を和ませることや雰囲気を良くするところだと思っていて、ミスをしてもしなくても笑顔を絶やさず声を出し続けるということはすごく意識していました。4年生でもあるので後輩がここまで頑張ってくれたから勝たせたいというところがあって、気持ちをつくった状態で入りました。

ーー試合中の雰囲気について何か意識していたことはありますか

先週の試合が終わった後にチームでミーティングをして、結構みんな思う気持ちはあったけどバラバラになっていたというところで、3・4年生中心にもう一度チーム作りをやって1週間練習してきて。まだまだ足りないところはあると思うのですが、チーム一人一人が変わろうとしている部分があったからこそ今日いい雰囲気でできたのかなと思います。

ーー試合出場直後にクイックを上げていましたがコンビの状態は好調ですか

自分が長身セッターということもあってミドルにはかなり自信があるので、ミドルからリズムをつくっていきたいところがあって。自分がまずミドルにトスを供給してそこからサイドにっていうリズムで、今まで交代した時もほぼミドルでやっています。やっぱり自分の自信がある強みから勝負していこうと思っています。

ーー最終戦への意気込み

ここに至るまで長い道のりでチームが良くない雰囲気になってしまうこともあったのですが、ここまで頑張ってきてくれた後輩のためにも勝ち負けは関係ないかもしれないけど最後勝って終えたいなと思いますし、もしそれで少し良くない感じになったとしても最後は納得して出し切ったと言える形で、交代で代わる僕を含めたリザーブのメンバーや上で応援している選手もそうですし、チーム全員でもう一度明日に向けて気持ちをつくっていって最後何かを得られたと言えるような春リーグにして締めたいと思います。

 

佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)

ーー試合をチームとして振り返って
先週、自分たちの思うような形で試合ができなかったのですが、今日の試合を通して相手に向かっていくというところでチーム全体で一丸となって試合を行えたのですごく良かったと思います。
ーー先週課題として挙げられた押された展開での雰囲気はいかがでしたか
先週は中央大学さんと順天堂大学さんに向かって来られて自分たちは受けてしまっていたのですが、今日はコートの中の人も外の人も全員で一丸となって東海大学さんに向かっていけたかなと思います。
ーー個人としては
1セット目の入りが悪く、最初にミスをはき出してしまったのはこれからの課題なのですが、3セット目にああいう形で終わって4セット目に入った時に二段トスを託された場面で何本か打ち切れたので、それは今後も継続していきたいです。
ーー先週からの切り替え面では
コンディションの調整というところで疲労もある中でなかなか(調子が)上げきれなかったのですが、その中でどうプレーするかというところを、最後に(ボールを)託される身としては疲労があっても打たなければいけないので、そういったところを考えてやってきました。
ーー最終戦への意気込み
勝ち負けは関係なくて、自分たちがどれだけ通用するのかということと、相手チームに向かって来られても受けることなく、自分たちが向かっていく気持ちでチーム一丸となって、全部出して頑張りたいと思います。

東京六大学春季リーグ戦 5月18日 神宮球場

 

法大 000 101 000=2

早大 000 000 03✕=3

 

 ここまで全カードで勝ち点を獲得してきた早大。この日は今秋のドラフト候補・篠木健太郎(4年)を擁する法大と対戦した。4回にソロ本塁打で先制を許すと、6回にもスクイズで追加点を奪われる苦しい展開に。それでも、8回に山縣秀(商4=東京・早大学院)、前田健伸(商3=大阪桐蔭)の適時打で3点を奪い逆転すると、8回から登板した香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)が、9回も完璧に法大打線を封じ込めゲームセット。難敵を打ち崩し、厳しいゲームを制した。

 

 先発マウンドに上がったのは、エース・伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)。ここまで抜群の安定感を見せてきた伊藤樹だったが、この日は制球に苦しんだ。初回から先頭の武川廉(4年)に四球を与えるなど、6四死球を与える。ストライク率も59.3%にとどまるなど、精彩を欠いた。4回には、𠮷安遼哉(4年)に打った瞬間それと分かる本塁打で先制を許し、6回にも篠木のスクイズで追加点を奪われた。7回には𠮷安の痛烈な打球が伊藤樹の太腿に直撃する。処理もままならずに倒れ込んだものの、続投を決断。投球再開後もストライクが入らず、2死満塁の絶体絶命のピンチを背負いながら、相手打者から三振を奪い、マウンドを託した。この日伊藤樹が許した出塁数は15。苦しい投球の中でも粘り続け、7回を2失点にまとめた投球は、まさに早大の背番号『11』に相応しい、エースの覚悟を示す投球だった。

 

ピンチを抑え、ほえる伊藤樹

 

 粘投を続ける伊藤樹を援護したい打線だったが、初回と3回に尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)が単打を放った他は、篠木を相手に6回まで無安打に抑え込まれる。得点圏に走者が進むとギアを明確に上げる篠木は、この日150㌔を複数回記録。4回以降は無安打に抑え込まれるなど、6回まで攻略の糸口を全くつかめなかった。それでも7回、簡単に2死を奪われたものの、梅村大和(教育4=東京・早実)が相手守備の緩慢な動きを突く好走塁を見せ、二塁打を放つ。続く石郷岡大成(社3=東京・早実)も完璧なセーフティーバントを決め、2死一、三塁の好機を作る。この場面で代打として起用されたのは壽田悠毅(社2=東京・早実)。東京六大学リーグ戦初安打を放ち、なんとか1点を返したかったが、左飛に倒れ、この回も無得点。7回までは篠木に徹底的に封じ込められる展開となった。

 

この日全打席で出塁した尾瀬

 

 8回には香西が登板。安定してストライクを奪い、三者凡退。2三振を奪う投球で早大に流れを呼び込んだ。流れに乗った早大は、打線がその裏に篠木を攻略した。先頭の尾瀬が左前安打で出塁すると、相手の失策の間に二塁まで進塁。山縣は3球でツーストライクに追い込まれるも、粘りを見せ6球目をしぶとく中前に運び、尾瀬を本塁に迎え入れた。その後、山縣が5番・小澤周平(スポ3=群馬・高崎健康福祉大高崎)の打席で盗塁を決め2死二塁とすると、小澤は死球で出塁。2死一、二塁の好機で打席に入ったのは、今季ここまで本調子とは言えなかった前田健伸(商3=大阪桐蔭)。初球、完璧な打球を放ったものの、わずかにポールを外れ、特大ファウル。それでも打ち直しとなった2球目を捉え、右中間フェンス直撃の逆転適時二塁打を放って見せた。今季初の長打は、殊勲の逆転打に。篠木をマウンドから引きずり下ろす、一挙3点の猛攻で逆転に成功した。

 

8回に逆転の適時二塁打を放った前田健

 

 9回も続投した香西は、8回に続いて支配的な投球を披露。4番・松下歩叶(3年)、5番・𠮷安を連続三振に斬って取り、試合を締めた。

 

9回、最後の打者を抑え、ガッツポーズをする香西

 

 終盤の猛攻で厳しい試合を制した早大。試合前の防御率1.03の篠木から3点を奪い攻略した勢いそのままに、明日の2回戦を制し、連勝で勝ち点奪取を目指す。

 

(記事 林田怜空、写真 沼澤泰平)

 

 

 

◆コメント

前田健伸(商3=大阪桐蔭)

ーー今日の試合の振り返りをお願いします
 厳しい試合だったのですが、勝ち切ることができてよかったと思います。

ーー2点をリードされ、6回まで2安打と苦しい試合展開でしたが、どのようなチームの雰囲気でしたか
 終盤に強いチームだとみんなで話していたので、焦らず、最後に逆転できてよかったなと思います。

ーー8回の逆転適時打を振り返っていかがでしたか
 チャンスだったので最初から積極的に振っていこうと考えていました。それが結果につながってよかったです。

ーー最後に、明日の2回戦への意気込みをお願いします
 明日勝つと負けるのでは大きな差があると思います。優勝に向けて、大事な一戦になるので、今日の1勝をものにできるように頑張りたいと思います。