春季リーグ最終戦 東女体大相手に10点差で敗北 強豪相手に3連敗も大きな手応え  | 早スポオフィシャルブログ

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関東学生春季リーグ 5月26日 東京・国士舘大学多摩体育館

 

 全13試合の春季リーグもいよいよ最終戦。勝てば3位、負ければ4位とこの試合によって結果が決定するという中で、早大は東女体大との対戦。1次リーグ敗戦のリベンジを果たすべく準備は万全だった。しかし試合開始直後から相手の度重なる速攻に苦しみ、瞬く間に点差が開いてしまう。前半を7ー17と厳しい状況で折り返す。それでも後半はディフェンスがうまく機能し、そこからの得点シーンも目立った。早大の見事なチームワークで立て直したが、前半につけられた差を埋められず23ー35で最終戦、白星を飾ることはできなかった。

 

13試合、センターでチームを支えた井橋

 

 開始25秒、今リーグ輝きを見せてきた山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)のミドルシュートで幕を開ける。その後は速攻からのチャンスを生かし切ることができず、山野の2得点目以降の10分間は無得点という状態に。その間、東女体大は粘り強いセットオフェンスからのサイドシュートや早大のミスを利用した速攻からの得点で着実に点数を追加した。そしてこの試合早大は、相手ディフェンスに苦しんだ。2枚目のけん制によって普段通りの攻め方ができず、チームワークに乱れが生じた。前半13分のタイムアウト後からはなんとか相手の度重なる速攻を阻止し、里村采音(商2=岩手・不来方)、江頭理沙(スポ2=東京・ICU)らが得点。山野のパスからの江頭がサイドシュートという流れが何度もみられ、うまく連携が取れた。後半は堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)、作本夕莉(スポ2=福岡・明光学園)のGKコンビも踏ん張りを見せ、7ー17で前半を折り返した。

 

シュートを決める里村

 

 大きく開いた先を少しでも縮めたい後半、前半大活躍だった山野がペナルティスローの獲得や強力なミドルシュートでチームを勢いづける。すると、相手のマークによって前半シュートまで行き着けなかった杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)もポストシュートで2連続得点。さらに石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)もサイドシュートやロングシュートなど多彩なシュートで追い上げを見せる。また、オフェンスの際にボールをカットされた場面では相手の逆速攻になりかけたが、ノーマークシュートを作本が体を張って止めて見せ、仲間のミスを取り返した。最後は井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)の速攻からのシュート、石坂のサイドシュートで得点を重ね試合終了。最後まで粘ったが、19ー29で敗戦となった。

 

好セーブを見せた作本

 

 春季リーグ最終戦は白星を飾ることができなかったが、このリーグ戦で目標としていた「上位リーグ進出」を見事に達成し、後半戦は強敵相手に見事な戦いぶりを見せてくれた早大。上級生らがケガで出場できない中で、全試合スタメンで出場した杉浦は「私が引っ張っていかないといけないなっていう思いが芽生えたことは、成長かな」と自身を振り返った。それぞれの選手が様々な思いを抱えながら戦い抜いた13戦。春季リーグで見つかった課題も成長も全てがこれからの糧になることだろう。早関定期戦、秋季リーグなどまだまだ続く彼女たちの熱い戦いから目が離せない。

 

(記事 大村谷芳、写真 片山和香)

 

結果

早大19ー29東女体大

前半 

早大7-17東女体大

後半

早大12-12東女体大

 

スタメン

GK 堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

LW 石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

LB 里村采音(商2=岩手・不来方)

PV 杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)

CB 井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB 山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

RW 江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

 

コメント

杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)

ーー試合を振り返っていかがですか

 今日の最終戦で勝ったら3位、負けたら4位になることが決まっていたので、勝ちたい思いが強かったんですけど、前半からペースを相手に渡してしまって、流れを持っていけなかったことが悔しいです。

 

ーー相手ディフェンスは2枚目が浮いてきて牽制にも出てきていましたが、どのように攻め込もうと考えていましたか

 2枚目が出てくる分、私が裏を動いて相手の3枚目をうまく動かして、孤立したところでバックが1対1で攻めるイメージだったんですけど、それがうまくいかなかったです。同じスライドの形で1試合通そうとしてしまったのが良くなかったかなと思っています。浮いてる2枚目に対してブロックに行くなど、試合の中で戦い方を変えていけたらもっと良かったかなと反省しています。

 

ーーこの試合特に後半、ディフェンスで相手の勢いを止めていた場面が印象的でした、チームの中で共通の意識などありましたか

 ちゃんと利き腕を取ってハードワークで当たりに行くことが、みんなの共通の認識だと思います。前半よりは、後半1対1に対して強く当たりに行けてたのが良かったところだと思います。

 

ーー春季リーグを通して、チーム全体や自身の成長を感じられた部分はありますか

 キャプテンのももさん(木村百花主将、スポ4=東京・白梅学園)がまだ試合に出られない状態で、同期で副キャプテンの梨央(山田梨央副将、スポ3=千葉・昭和学院)がケガして、その後にもう1人の副キャプテンの先輩(鶴田文乃副将、スポ4=山梨・日川)もケガしてしまって。そんな状況もあって、自分がもっと引っ張っていかないといけないなっていう思いを持つことができるようになりました。前までだったら人任せになってしまっていたと思うんですけど、やっぱり窮地に立たされた時にここは私が引っ張っていかないといけないなっていう思いが芽生えたことは、成長かなと思います。あとはプレーの面で、昨年まではシュートたくさん外してしまっていたんですけど、今年は昨年よりもシュート確率を上げることができたかなっていうのは個人的な思いです。

 

ーー春季リーグを終えて、これからの練習で強化していきたい部分はありますか

 今日の試合で特に目立ったんですけど、オフェンスでミスしてしまった後のバックチェックができなかったので、まずはオフェンスでしっかり点を取れるようなシステムをつくっていきたいです。オフェンスからディフェンスに戻る時には、誰がどこのマークなのかを見失うところがあるので、バックチェックを強化していきたいなと思います。 あとディフェンスは、まだまだハードワークが足りないと思うので、自分の前の人をしっかり止めてフリースローまでとるという意識をみんなで共有して練習したいと思います。

 

井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

ーー試合を振り返って

 やはり前半は1人1人前に行けずガツガツ行けない、1対1のような積極的なプレーが全然できなくて、 ディフェンスから逃げてるというか、上辺のパスしかできていませんでした。それが相手の逆速攻とかに繋がってしまって、点差が離れてしまったので前半は良くない流れでした。後半は、ハーフタイムに前半全然積極的に行けていないから、もっと積極的に行こうという話や13試合の最後の試合だし、東女体大という強い相手となかなかできることもないから、もっと全部自分たちの力をやりきろうっていう話が出て、後半みんな積極的にいくことができ、前半よりは良かったのではないかなと思います。

 

ーー相手の2枚目がけん制に出てきたと思いますが、それに対してどう対応しようと考えていましたか

 東女体大は2枚目が高いディフェンスなので、試合前からもそういう話が出ていて、その高い2枚目と低い3枚目のこの段差を詰めようという話だったので、2枚目と3枚目の間を攻めようというようことになっていました。

 

ーーバック、ポストとの連携は

 上の3枚だけだと東女体大もディフェンスが強いので、 1対1とか限りがあって、ポストが浮いてきてくれたり、サイドの人が切っていってくれたりっということが前半にできなかったので、後半でそういうプレーをやろうということがありました。

 

ーー速攻で攻めあぐねる中で、最後は速攻で得点を決めました、自身のシュートを振り返って

 自分は1対1を狙おうとしていましたが、全然1対1を抜くことができませんでした。3枚目も低いので、そのミドルを打とうと思っていましたが、なかなか入らなくて。 自分は止まった位置から打ってしまうのですが、速攻の場面や走り込みながらのシュートだと、自分はすごく筋トレしていて力を持ち味として発揮できるのがその遠くからの強いシュートでもあるので、 速攻で前を狙おうというのはすごく意識してました。

 

ーー早関戦や秋季リーグに向けて一言お願いします

 この春季リーグで鶴田文乃さん(スポ4=山梨・日川)とか山田梨央さん(スポ3=千葉・昭和学院)がケガをしてしまって、みんな今までやっていないところのポジションをやっていてる中で、色々反省点や良かった点が出てきました。ビデオを見返して客観視して、出た課題を改善し、早関戦や秋季リーグでそれを発揮できたら良い思います。