東日本男子3位女子全勝優勝達成 | 早スポオフィシャルブログ

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5月19日。中央大学多摩キャンパス体育館にて東日本大学リーグ戦が開催された。男子は予選リーグで日大、慶大に危なげなく勝利し決勝リーグに駒を進めた。決勝リーグでは、青学大に引き分けると、中大、明大に敗戦を喫したが、青学大との勝ち点の差により3位入賞を決めた。女子は日大、中大、青学大A、Bに勝利し、優勝を果たした。

 

相手の胴へ蹴りを入れる井澤
 
男子は1大学7人の団体戦となる今大会。初戦は日大との対戦となり先鋒の松崎滉生(法4=東京・早大学院)が2本先手して先手を取ると、その後参鋒・田中芳和(教2=山梨学院)、中堅・松木義一(文3=東京・西)が続いて敗北するもその後は持ち直し5勝2敗で勝利した。その後の慶大との一戦では先鋒・橋口翔平(人4=鹿児島中央)が開始11秒で面突きを決め、その3秒後に胴突きを決め勝負を決すると、初戦と同じく5勝2敗で早慶戦を制し決勝リーグに駒を進めた。決勝リーグ最初の相手は青学大。ここは勝っておきたい戦いであったが、勝利と敗北を繰り返しなかなか勝ちきれないまま3勝3敗1分に終わった。次戦は格上である中大との一戦。先鋒・金田空大(教4=大阪明星)が開始12秒、胴蹴りで1本を奪われるも果敢に攻める姿勢を崩さず、相次いで抑え込み、その抑え込みからの胴突きを決めて幸先の良い試合展開を見せた。続いた次鋒・福田翔馬(先理2=山口・聖光学園)も最初の1分間は拮抗した試合展開を繰り広げていた。しかし、残り1分21秒のところで相手からの抑え込み胴突きを食らい、その後50秒を待たず同じ攻撃を受け試合が終了した。参鋒・寺内優貴(文2)も流れを手にする間もなく敗北した。しかし続く中堅・橋口が中大に一矢報いる展開を見せる。序盤から攻める姿勢をとり相手に隙を見せることなく胴蹴りで2本を先取。2勝2敗となり勝負の行方はわからなくなった。ただその後は中大の猛攻に苦しむことになる早大。参将・田中、副将・辰巳大悟(法3=東京・早実)、主将・重松猛(人3=神奈川・横浜国際)は試合序盤にそれぞれ面突きを食らうも、ひるまずに反撃を試みる。しかしながら相手から流れを取り返すことができず、そのまま敗北した。今大会最終戦、明大との一戦では終始相手から流れを取り返すことができない。先鋒・橋口が試合開始30秒経たないうちに鋭い面突きを決め、早大に流れが来たかのように思われた。しかしその後猛烈な反撃にあい試合終盤に胴突きで一本を返される。さらに残り時間7秒、胴突きで逆転され、敗戦を喫することとなった。続く試合では1本もとることができないまま敗北する展開が続き、明大の壁に圧倒され、7敗で試合は幕を閉じた。

 

面突きを放つ井上
 
今大会は、女子は1大学3人の団体戦であった。初戦は日大との一戦。先鋒・星野奈穂(スポ2=東京・小山台)が試合開始直後から鋭い突きで試合を優位に進める。連続で面突きを2本決め、試合開始27秒で決着をつけた。次鋒・中村陽和(政経3=埼玉・早大本庄)は不戦勝でおさえ、続く試合に繋いだ。参将・井上晴未(政経3=神奈川・山手学院)は試合のほとんどの時間が膠着状態であったが、残り時間4秒で展開が動く。相手の突きが面に入った判定となった。しかし井上がその後の一瞬を突いて面突きで1本を返し、最後の1秒までの粘りを見せつけて引き分けた。続く中大戦では、先鋒・星野が試合中盤に2本とられ抑え込まれるも、次鋒・鎌田琴未(スポ3=東京・日本女子大)の不戦勝を経て参鋒・井上が持ち直し、中盤に連続する突き2本で勝利した。3回戦の青学大Bとの試合では、先鋒・星野が1回戦の日大戦と同じように突きで2本を先取し勝負を決した。次鋒・中村は開始1分15秒まで拮抗した試合展開を見せていたが突きを狙い近づいた隙を突かれ胴突き、面突きを連続で決められ、敗戦を喫した。しかし参鋒・井上が相手に流れを持って行かせない。面突きでまずは1本をとったのち、相手を抑え込むことに成功し、そのまま上から面突きを叩き込み、優勝にリーチをかけた。最終戦青学大Aとの一戦。先鋒・鎌田は試合開始2分が経過しても未だ決定打に欠けていた。しかし、残り時間38秒というところで、相手の胴へ放った突きが入り、1本を奪う。そのまま勝利し、次鋒・星野へ繋いだ。星野、参鋒・井上は相手と実力が拮抗していたが、相手に隙を見せることなく引き分け、1勝2分。ここに早大の優勝が確定した。

 

優勝杯を受け取る星野
 

男子は日大、慶大を破り3位入賞を果たした早大。決勝リーグでは明大、中大に敗れたものの、フルメンバーではないにも関わらず善戦する試合展開も多く、府立からのオフシーズンでの選手たちそれぞれの強化の成果が見えた。しかし、明大、中大の壁は高く、今大会は多くの課題を発見する大会でもあった。女子は前回の大会から着実に力をつけ、華々しい優勝を手にした。突きの精度が上がり、さらに抑え込みに成功する場面すら見られた。ただ、選手自身はまだまだ課題を抱えている自覚があるという。これから続く大会での選手たちの飛躍に期待し、注目したい。
 
(記事 小川ゆりえ 写真 帖佐梨帆 取材 矢彦沢壮真)
 
結果
▽男子団体戦予選リーグ
1回戦
対日本大学 5勝2敗
〇先鋒 松崎滉生
〇次鋒 井澤嵩斗
●参鋒 田中芳和
●中堅 松木義一
〇参将 福田翔馬
〇副将 橋口翔平
〇大将 金田空大主将
 
2回戦
対慶応大学 4勝2敗1分
◯先鋒 橋口翔平
●次鋒 金田空大主将
◯参将 辰巳大悟
△中堅 松木義一
◯参将 井澤嵩斗
◯副将 松崎滉生
●大将 重松猛副将
▽男子団体戦決勝リーグ
1回戦
対青山学院大学 3勝3敗1分
●先鋒 松崎滉生
〇次鋒 寺内優貴
◯参将 重松猛副将
●中堅 松木義一
△参将 井澤嵩斗
◯副将 橋口翔平
●大将 金田空大主将
 
2回戦
対中央大学 2勝5敗
◯先鋒 金田空大主将
●次鋒 福田翔馬
●参将 寺内優貴
◯中堅 橋口翔平
●参将 田中芳和
●副将 辰巳大悟
●大将 重松猛副将
 
3回戦
対明治大学 7敗
●先鋒 橋口翔平
●次鋒 金田空大主将
●参将 福田翔馬
●中堅 田中芳和
●参将 井澤嵩斗
●副将 辰巳大悟
●大将 重松猛副将
▽女子団体戦決勝リーグ
1回戦
対日本大学 2勝1分
〇先鋒 星野奈穂
〇次鋒 中村陽和
△参鋒 井上晴未
 
2回戦
対中央大学 2勝1敗
●先鋒 星野奈穂
〇次鋒 鎌田琴未
〇参鋒 井上晴未
 
3回戦
対青山学院大学B 2勝1敗
〇先鋒 星野奈穂
●次鋒 中村陽和
〇参鋒 井上晴未
 
4回戦
対青山学院大学A 1勝2分
〇先鋒 鎌田琴未
△次鋒 星野奈穂
△参鋒 井上晴未
 
 
 
 
 
コメント
金田空大(教4=大阪明星)
―― 今回の大会全体を振り返ってみて、いかがでしたか

チームとしてまず、前年度の四年生が抜けて、2年以上経験しているのが4年生の5人と3年生の1人しかいないなか、今4年生が1人怪我していて、そもそも2年以上経験している人が足りないという状況で。今回目標としていたのが、男子は東日本3位を獲るということで、それを達成できたという面においては悪くはなかったです。ただ、自分個人としては4年生が勝たなければいけない場面で勝ちきれず足を引っ張る場面が多くて、後輩に助けてもらったという感覚があります。
 
―― 府立からのオフシーズンで取り組んできたことや、その成果にはどんなものがありましたか
4年生は就活でGWくらいまでは練習に参加することができていなかったんですけど、2年生や3年生は空手部や合気道部、ボクシング部などに出稽古に行って学ぼうとしていたり、他大学にも出稽古に行っていたりして、GWに帰ってきたときに強くなっているのを感じました。
 
―― 今大会を通じて得た収穫と課題を教えてください
一番の収穫は2年生や3年生の試合経験を積めたのが一番大きかったかなと思います。早稲田は団体戦に賭けているので、それを経験できたことは大きな収穫かと思います。課題に関しては、4年生の足が動かないことです。GWに帰ってきて、練習していくなかで、感覚としてはかなり強くなっていた気がしていたんですけど、自分はやっぱり試合になると主将という立場も含めて緊張してしまいました。
 
――新チームとして中央大学や明治大学といった1位、2位の大学と対戦した手ごたえはいかがでしたか  
僕が戦ったのはどちらも1年生のスポーツ推薦の選手だったんですけど、速い、強い、日本拳法についてしっかり考えているんだろうなというのは感じました。
 
―― 最後に、これからの意気込みをお願いします 
 今回2年生や3年生がとても強くなっているのを感じて、むしろ今チームに必要なのは自分が強くなることだと思うので、自身の強化に努めたいと思います。
 
井上晴未(政経3=神奈川・山手学院)
―― 東日本大学リーグ戦を全勝で終えました。今の感想を教えてください

 結構女子は力をつけてきたって最近思っていたので、ちゃんと力を出し切って、結果を残せて良かったです。
 
―― リーグ戦全体をチームとして振り返っていかがですか
 去年は1ー1で回ってきた時に上がってしまって勝ち切れない試合が多かったんですけど、今回は2戦目(中大戦)で1ー1で回ってきた時にちゃんと勝ち切れました。そこは自分の成長で、 最後の試合で鎌田が1勝してくれたおかげで勝てたっていうのもあるので、自分も仲間の成長も感じることができて、すごく嬉しかったです。
 
―― 今大会を通じて得た収穫と課題を教えてください
 去年は勝ち切れずに、やっぱり団体戦で結果を残すことができなかったので。去年も強かったんですけど、 ちゃんと実績として残すことができたのは実りだと思っています。課題としては、自分とチームの課題があるんですけど、自分的にはちょっと一本入りきれないっていうのがあったので、もっと一本の正確性を磨く必要があるなと思いました。チームとしては、黒帯(有段者)が1人しかいないと、1人絶対大将なんですけど、(他の部員も)黒帯になったら(編成を)回せるんですよ。なので他の子が大将になっても安心してチームを任せられるような、全員で支え合えるようなチームになったらいいなと思っています。
 
――オフシーズンに取り組んできたことを教えてください  
 チーム全体としては結構フィジカルメニューを中心にやっています。今はまだ前期で積み重ねの時期なので、技術を磨くっていうよりは、フィジカルで土台を作っている感じです。なので、春学期中はずっとフィジカルをやっていました。
 
―― 最後に、これからの意気込みをお願いします
 次の大会は個人戦で矢野杯(矢野杯争奪東日本学生個人選手権大会)なんですけど、実は(昨年)1回戦負けしておりまして。少なくとも前回の記録を塗り替えられるように努力します。団体戦で言うと、次は選抜(全国大学選抜選手権大会)で全国の大会になります。全国になっても自分の力を出し切れるチームになれるように磨いていきたいと思っています。
※掲載遅れて、申し訳ありません。