止まらない慶大の猛攻 早慶戦3大会ぶり勝利はならず | 早スポオフィシャルブログ

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早慶定期戦 5月19日 神奈川・慶応義塾大学日吉キャンパス

 

  1Q 2Q 3Q 4Q
早大
慶大 10

▽得点者

永岡2、花井、樫尾

 

 大学ラクロスを長年にわたってけん引してきた早大と慶大。1993年に始まった早慶定期戦(早慶戦)は、今回で32回目を数える伝統の一戦だ。その両校男子部の対決は、慶大の17勝に対して早大は9勝。直近2大会連続で敗北を味わっている早大は、関東学生リーグ戦(リーグ戦)でも対戦を控える慶大に対し、逆襲を期して試合に臨んだ。立ち上がりはきっ抗した展開で幕を開けたが、第1クオーター(Q)に先制点を奪った慶大がそのまま7連続得点。早大も反撃を試みるが点差はなかなか縮まらず、大観衆を背に挑んだ一戦だったが4-10と大敗を喫してしまった。

 

ボールを保持するMF樫尾拓斗(政経4=アメリカ・テナフライ)

 

 第1Qは落ち着いた幕開けだった。詰めかけた大勢の観客の応援を受けながら、早大はディフェンス陣が奮闘。DF中原健太(商3=東京・早大学院)やDF田中進士主将(商4=神奈川・桐蔭学園)が激しいボディチェックを見せて会場を沸かせた。しかし、ここまであまりパスをつなげていなかった慶大が、ゴール前でつかんだチャンスを逃さずに弾丸シュート。G大賀円太(文構3=神奈川・光陵)は反応できずに先制点を許してしまうと、ここから慶大の猛攻が始まる。自陣内での攻防で隙ができると、無人のゴールへシュートを許してすんなり2点目を献上。続いてゴールに3点目を流し込まれ、一気に慶大サイドが盛り上がりを見せた。第2Qに入っても、その勢いは衰えることはない。G坂本直追弥(政経4=東京・早大学院)が相手のシュートを一度は止めたものの、すぐさま押し込まれて4点目。その後も慶大オフェンス陣に縦横無尽に走り回られ、早大はなすすべなしという状態に。鳴りやむことのない『若き血』を耳にしながら、0-7まで開いた点差に天を仰ぐ様子もあった。それでも、早大は決して諦めてはいない。ボールを保持するとMF樫尾拓斗(政経4=アメリカ・テナフライ)からAT花井コルトンヘイズ(国教3=アメリカ・マッキントッシュ)へ丁寧につなぎ、反撃のシュート。ようやく1点目を奪うと、その後も果敢にゴールを狙っていった。

 

ボールを保持するAT永岡秀斗(創理4=東京・早実)

 

 迎えた第3Q。流れをつかみかけた早大だったが、慶大ディフェンス陣がその前に立ちはだかった。ゴール付近に入り込めないうちに、今度は慶大が8点目のシュート。再び7点差となる厳しい展開も、まだまだ諦めないのが早大だ。ボールを得たAT永岡秀斗(創理4=東京・早実)が相手の合間を縫ってゴールへ突き刺すと、味方の士気を高めるように腕を突き上げた。最終第4Q。2-8からの逆転を狙い、早大はさらなる反撃に出る。ゴール付近でパスを受けたMF樫尾が素早いシュートで3点目を奪うと、今度は再びAT永岡だ。ゴール裏から回り込んで押し込み、これで4点差に。じりじりと点差を縮めていったが、試合終了時間は着々と迫ってくる厳しい状況。すると、慶大ボールとなって放たれたシュートは、G大賀が体に当てながらもゴールへ。踏ん張っていた早大は、ついにここでダメ押し点を与えてしまった。最後はゴーリーも前に出ながらの反撃を試みたことにより、ハーフライン手前から振り抜かれた慶大のシュートが無人のゴールに吸い込まれて勝負あり。リーグ戦の前哨戦でもあった伝統の一戦は、むなしくも4-10と完敗で散った。

 

試合後、あいさつをするDF田中進士主将(商4=神奈川・桐蔭学園)

 

 こうして、早慶戦3大会ぶりの勝利を飾ることはできなかった早大。無念の敗北となったが、リーグ戦では慶大をはじめとした強豪校との試合が続くことになる。DF田中主将が試合後に語ったように、この負けが意味のある負けであったと言えるような快進撃を期待したい。RED BATSの逆襲は、ここから始まる。

 

(記事 西村侑也 写真 廣野一眞、飯田諒)

 

◆コメント

AT永岡秀斗(創理4=東京・早実)

――試合全体を振り返っていかがでしたか

 前半に結構流れを持っていかれてしまって、そのまま押し切られたかたちなので、リーグ戦ではさらに一回り強くなってリベンジしようかと思います。

 

――2得点を挙げた自身のプレーを振り返っていかがでしたか

 自分自身ももっと決め切れていればチームに流れを持ってくることができたと思うので、しっかり決め切れるようにリーグ戦に挑もうと思います。

 

――六大学交流戦でも対戦があり勝利を収めた慶大ですが、前回対戦から相手に変化はありましたか

 前回とは違ってゾーンディフェンスをしてきたので、それに対して自分たちの対応が遅くなってしまったというのがあったので、そこは改善していけるように頑張ります。

 

――早大と慶大に差があるとしたらどのようなところだと思いますか

 スコアとしては差がついてしまったのですが、実力としてはそこまで差はないのかなという感じなので、次は絶対勝つという気持ちでやっていきたいです。

 

――これからのリーグ戦に向けて意気込みをお願いします

 リーグ戦では今日とスコアを逆にして大差で勝てるように頑張るので、応援よろしくお願いします。