デュースの末に惜敗 最終順位2位で春季リーグを終える | 早スポオフィシャルブログ

早スポオフィシャルブログ

早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

春季関東大学リーグ戦 5月19日 慶應義塾日吉記念館

 

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)最終日となる11戦目、早大は日体大と対戦した。日体大の守備力に押され流れに乗りきることができず1・2セット目を落とすも落ち着いて切り替え3セット目を取り返す。4セット目、デュースまでもつれ込む熾烈な争いとなったが、あと一歩及ばずセットカウント3―1(21―25、16―25、25―19、28―30)で敗戦し、最終順位は2位で春季リーグを終えた。

 

 第1セット序盤、相手のブロックシャットやスパイクで1―4と先行され追いかける形が続くも、OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)やOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)が鋭いストレートコースのスパイクを決め応戦。そんな中ラリーの末に取ったと思われた1点が判定によって覆ってしまうという事態が発生。しかし動揺せずにその直後の展開でリベロ布台聖(スポ2=東京・駿台学園)が懸命につなぎMB板垣慧(政経3=京都・洛南)がブロックで得点するなど粘り強さを見せラリーを制する。日体大の守備が固く中々得点を重ねることができない状況も、佐藤のブロックポイントやセッター前田凌吾副将(スポ3=大阪・清風)のフライングレシーブから板垣が二段トスを上げ畑が打ち切り20―22と迫る。しかし点差を詰め切ることができず最後はブロックしたスパイクが偶然相手の体に当たりそのままコートに返ってくるという不運に見舞われ21―25でこのセットを落とした。

 

ライトからの畑のスパイク

 

 続く第2セット。日体大の守備のプレッシャーの影響かスタートから早大にミスが続き日体大が3連続得点とまたも先行される展開。MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)のクイックやこのセットスタメン起用のOH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)の守備面の貢献などで差を広げられないように食らいつく。しかし、相手のブロックやこちらのミスが続き終盤にかけて点差が開いていく。勢いを加速させる日体大のライト平行やサイドの攻撃に対応することは難しく、16―25と大きくリードされた状態でセットを落とした。

 先ほどのセットの雰囲気を切り替えたい3セット目。徳留の強烈なストレートへのスパイクで得点しスタート。MB菅原啓(教2=山形南)のクイックや畑のスパイクで得点を重ね一進一退。そして相手の攻撃をワンタッチにかけ佐藤の切り返しのスパイクや畑のブロックで4連続得点を生み出し遂に早大が抜け出す。その後も勢いを緩めず板垣のサービスエースや相手のミスを誘い再び4連続得点。最後は相手のサーブミスで25―19でセットを取り切った。

 

スパイクを打つ徳留

 

 第4セット、日体大リードで試合が進む。早大は前田のディグから布台の二段トスを畑が決め、徳留もサイドアウトを取り対抗する。菅原や佐藤もスパイクを決めるも相手のサーブに押される場面もあり中々追いつくことができず10―15となる。しかし畑がワンタッチを取ったボールを二段で自ら打ち切りブレイク。さらにしっかりとコースに構えていた布台が連続でバックアタックを上げ、徳留が決め切り再びブレイクし大きく盛り上がる。また、ラリー中の丁寧なブロックフォローやディグでつなぎ、佐藤が決め1点差まで迫ると、二段で中央から畑がスパイクを決め終盤ついに同点となる。試合はデュースに突入。菅原が自分でレセプションしたボールをそのままクイックで決め、さらにまたも布台のディグから佐藤が決めるプレーがあり27―26と前に出る。だがサイドアウトを取り合う展開の中で早稲田にミスが出て逆転された瞬間を日体大は見逃さなかった。最後は日体大のワンタッチからのバックアタックを後少しのところでつなぐことができず28―30でセットを落としセットカウント1―3で敗戦となった。

 

レシーブ・二段トスで躍動した布台

 

 最終順位2位で春季リーグを終えた早大。ここに至るまでの道のりは決して順調ではなく万全とは言えない時も多くあっただろう。しかし選手たちが自分たちの力をどのように出し切るかに焦点を当てて臨んだ今試合では技術、精神面ともに多くの発見があったはずだ。また、黒鷲旗や春季リーグで経験した苦しい瞬間が収穫となって自分たちのチームを見つめ直し、一層チームの成長につながることを信じている。今大会期間で多くの経験をした若いチームのこれからの進化とさらなる活躍に期待したい。

 

(記事 井口そら、写真 井口瞳、町田知穂)

 

セットカウント

早大1―3日体大

 第1セット 21―25

 第2セット 16―25

 第3セット 25―19

 第4セット 28―30

 

スタメン

アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)

アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ1=静岡・聖隷クリストファー)

ミドルブロッカー 板垣慧(政経3=京都・洛南)

ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)

オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)

セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)

リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)

 

途中出場

滝谷照(スポ4=宮崎・日南振徳)

伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)

菅原啓(教2=山形南)

徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)

 

コメント

畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)

ーー春季リーグを振り返って

僕と凌吾(前田凌吾)最上級生ということで、チームを引っ張ることの難しさや上級生としたのコート内での振る舞いという難しいことを少しずつ学んでいけたかなと思いました。

ーーボールが偏る場面もありましたが、プレッシャーはありましたか

プレッシャー自体はそんなになかったのですが、シンプルに実力が足りていないので、もっと成長しないといけないなと思った春リーグでした。

ーーチームとしては

下級生が多く出ているチームで、その中で相手がいい雰囲気の時に立て直すのが下手なチームで、その時にもっと僕と凌吾が引っ張って下級生を支えてあげないといけないチームだなと感じました。

ーー今日の試合を振り返って

1・2セットはすんなりと取られてしまって、その中で自分たちはサイドアウトが全くできていなくて。3セット目からはそれを立て直して4セット目で負けてしまいましたが、立て直せたことが成長だなと思います。

ーー先週の試合からの切り替え面は

先週の土日は相当チームとしてまずいということで1回ミーティングで自分の思いを話したら、チームを締める役を4年生がやってくれて、今週は自分のプレーに集中できたのでいいプレーができたのかなと思います。

ーー早慶戦への意気込み

自分らしさを出しつつ、チームを引っ張れるように頑張ります。応援よろしくお願いします!

 

布台聖(スポ2=東京・駿台学園)

――春季リーグを振り返って

去年から試合に出ている人が凌吾さんや虎太郎さん(畑虎太郎)と堅斗(麻野堅斗)だけであまり経験がなく若いチームという状況で、自分たちのやるべきことはレセプションをしてしっかりサイドアウトを取るということだったのですが、相手が強くなるにつれて自分たちのペースが掴めなくてレセプションが返らないところが課題でもう一度次の試合に向けてその点をしっかりできるように頑張りたいです。

――今日の試合をチームとして振り返って

1・2セット目に関しては自分たちで向かって行っていなくてミスも多くて、点差を離された時に自分たちが勝手に焦ってミスを出して、相手にやられたのではなく自分たちのミスで負けた試合だったと思います。

――個人として振り返って

レセプションの精度だったりチャンスボールのところでミスがあったり、自分がリベロで守備の要なのですが、ミスがあってパス1本やトス1本でももっと質を高めていかなければいけないし、自分がミスをしていたらチームの守備がどんどん崩れてしまうのでパスをしっかりと上げたいです。

――ディグの調子はいかがでしたか

印象に残るディグはあったかもしれないのですが、緩いボールやもう少し拾える部分が多かったり、上げていても質が悪かったりして、自分の中では今日あまり上げているイメージはないです。もっと緩いボールや何気ないボールをしっかりセッターに返すことと、自分たちが劣勢の中でも自分のディグ一本で流れを掴めるようなレシーブをしていきたいです。

――春リーグを通しての収穫や課題について教えてください

試合には出られていたのですが、自分があまり通用していないなというところでチームを鼓舞できる声出しとかをもっとできるのではないかなって思います。一つ一つのプレーの質が他のチームのリベロに比べて低いので、もっと一本一本拾う練習からしっかり行ってレシーブの質を高めて、他のチームのリベロに引けを取らないようになりたいです。

――早慶戦への意気込み

伝統的な試合というのもあって緊張する試合の中で、ギャラリーなどの人も多い中で自分たちのプレーがどれだけできるかというところと、(春季リーグの)順位的には自分たちが上で慶應さんが下ですけど自分たちが向かっていくという気持ちを忘れずに勝てるように頑張りたいです。

 

徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)

――春季リーグを振り返って

最初の全勝している中、明治大戦、筑波大戦くらいまでは自分の出番はほとんど無かった中で、今日とか黒鷲旗や中央大戦、順天大戦含め、たくさん試合に出るとなった時までの心の準備という難しさを教えてもらったかなと思います。小中高はずっとスタメンで、1年生から出ていたのですが、大学に来て、リザーブ、誰かがダメになった時に出るというのを経験して、いい経験になりました。

――今日の試合を振り返っていかがですか

今日の試合はまあよくできたとは言えますけど、でも負けているし、最後に自分が打ってシャットされるなら全然いいのですが、他の人がミスしたときに自分にトスが上がってこないというところにまだ未熟さを感じます。

――春季リーグの序盤よりもサーブの威力が増した印象がありましたが、いかがですか

ずっと動いてないとエンジンかからなくて、かなりスロースターターになっちゃうんです。中盤から結構上がってくるタイプなので。だからサーブも急にジャンプしてと言われても、ちょっと入れに行くみたいな感じになってしまいます。でも試合にどんどん出れば、試合中に回ってきたサーブはいつも通り打つことができます。自分はサーブが得意な方なのでサービス取ったりとか崩したりとかは動いてる時だったらできるかなと思います。

――今日レシーブの調子はいかがですか

レシーブの調子は良くもないし悪くもないです。調子がいいときは別に無いです。あれが普通です。今日調子いい調子が悪いっていう日はあんまりないんです。あんまりなくて、ずっとあのままキープできる感じです。体が痛かったりとかだるかったりとかはあるのですが、でもバレーになったら全部関係なくて集中して、バレーのことだけ考えてできるので、練習でもあんな感じです。

――1年生らしい元気な姿が印象的ですが試合の中で自分の役割はどのようなものだと思っていますか

自分は考えすぎるとダメになっちゃうので、もうとりあえず何も考えないで。みんなは「相手が強いからやんなきゃ」となってしまうのですが、自分はそんなことないです。よく中学校の時にボールが来たらアンダーパスとオーバーパスすればいいだけなんだって言われて、球が来たらアンダーパスをパスをしてるだけという考えになって。1年生っていうよりかはもう楽しくやろうと思っています。