バレーボールワールド     中西美雁の日々是排球 -4ページ目

生きてます^^;

長らくご無沙汰してました。長いこと体調を崩し、心身共に沈没中だったのですが、ようやく浮上。

昨日、一昨日と取材に行ってきました。久しぶりの取材の前に、ボイスレコーダーの電池を入れ替えてチェックしてみたところ、うんともすんとも動かない。こ、壊れてる…。チェックしてみて良かった。

何の記事かは、また掲載が決まったらお知らせいたします。

皆さんもご自愛ください。

in ローマ




フィレンツェからユーロスターに乗ってローマのテルミニ駅に着く。ジプシー(今はそう呼んではいけないらしいのだが)の親子連れが近寄ってきてお金をくれとねだる。断ると立ち去っていったが、直後に切符買おうとしたら、ウェストポーチの口がぱかってあいていた。いつの間に、どうやってやられたのかわからないが、地球の歩き方などに書いてある手口と同じだった。




 




幸いにも口が開いていただけで中身は無事だったのでそのままホテルに行き、チェックイン。体育館に近いところにしたので、今回もやたら市内から遠い。駅からも遠い。最寄りの駅はエウル・フェルミというのだが、事前に旅ブログなどを読んで、タクシースタンドにタクシーがいない駅らしいので焦る。同じくネット上の旅のQ&Aコーナーみたいなところで国鉄との乗換駅であるエウル・マリアーナ駅でタクシーを拾えるのではというアドバイスを見てそこに向かう。でも、乗換駅だからたぶん大丈夫でしょうというアドバイスで、実際の処はどうなのかはわからなかった。地下鉄に乗ると、駅の上にいくつかのマークがあって、タクシーマークも書いてあった。ところが、それによるとマリアーナ駅にはタクシーマークがなく、終点のラウレンティーナ駅にはあるという。迷いに迷ったが、地元の情報を信じることにして、終着駅で下りる。地下鉄駅からタクシースタンドまでは5分以上歩いたが、一応タクシーがいたので助かった。




 




ホテルにチェックインして、試合まで時間があるのでコロッセウムに向かう。今度は荷物がないので、地下鉄まで歩こうと思ったが、途中でバス停があったので乗ってみた。バスは無事地下鉄の駅に停まり、コロッセウムの内部を見学して、来た地下鉄を逆戻り。今度はパラスポルツ駅で降りる。電車の中に、イタリア国旗をまとった女の子が混じっている集団がいて、その集団も一緒に下りる。どうやら体育館に向かうようだったので、そのグループの後を追うと、じきに体育館に着いた。




 




5時からの試合は3位決定戦。主催国のイタリアとセルビアだ。大歓声で、イタリアの試合は毎試合そうなのだけど、国歌斉唱の時に体育館中の合唱となる。これがなかなか迫力がある。観客と選手の一体感もあるのかな。日本との違いかもしれない。だが、せっかくのホームにもかかわらず、イタリアはどうもぴりっとしない。1セットとったけれども、粘りのよいセルビアが勝った。次の試合はなんと夜9時からである。今回の世界バレーはみなそうだったのだが、1試合目と2試合目の間が長いよ~。




 




暇をもてあましまくりながらやっとのことで第2試合の開始。前回も書いたが、私は軽いブラジルファンなのでブラジルを応援する。ところが、どうやらイタリア人たちは皆相手のキューバを応援するようで、ブラジルが何かやるごとに凄いブーイングである。何なんだろう。前の日にブラジルに負けたからなのか、それとも、うがった見方をするなら、第2次ラウンドでキューバら強豪と当たりたくないが為に、なんと控えのオポジットをセッターに起用するなどして積極的に負けに行ったブラジルが卑怯だからブーイングしているのか…。でもそんなへんてこなシステムを作ったのは、もちろん主催国であるイタリア。イタリアがゆる~いプール(日本が初戦でまんまとかませ犬になった)を作ったのも周知の事実。そんなイタリアにブラジルをブーイングする資格があるんだろうか。




 




それと、シモンとジバはイタリア人にも人気があることが分かった。私もこの二人は好きなのでちょっと嬉しい。




 




キューバは1次ラウンドでブラジルを破っているから、どうなることかと見守ったが、終始ブラジルがリードして試合が進む。キューバは若さが出たのか、大舞台の決勝という場でミスが連発。サーブミスが多かったのももちろんだが、アタックラインの踏み越しを何度やったか分からない。ブラジルは、なかなかサービスエースはとれないものの、確率のいい、崩すサーブを確実に入れてくる。ブルーノはそんなに調子が良さそうでもなかったが、大崩れもしないでそのまま3-0で試合を終えた。ジバはまるっきり出なくて、ムリーロとダンテが対角を組んでいた。




 




やっぱり、経験、それも大舞台の実戦経験は大切なようだ。以前にジバに取材させてもらったとき、彼は「日本にいると、シリアスな試合の経験がなかなか積めないでしょう。ワールドリーグでも決勝ラウンドと予選ラウンドでは全然違うしね」と言っていた。その予選ラウンドにも参加できなくなってしまった今年と来年の全日本。世界選手権で1勝でもできたのが奇跡だったのかもしれない。来年のワールドカップはどうなるんだろう。せめて植田監督だけでも決勝の雰囲気を味わってくれているといいのだけど。




 




MVPはサーブもスパイクもよかったムリーロが獲得。4年前はジバだったなあ、ブラジルは完全に世代交代を果たしたんだなあと感慨にふけりながら拍手して帰路につく。




 




3-0の試合だったけど、表彰式も入れると12時を回ったので、ちょっとあるくけど徒歩圏内のホテルにしておいてよかった。しかし、12時過ぎに女性一人でとぼとぼと歩いてるのはやっぱりちょっと危険だったかな。地下鉄で来ていた子たちはどうしたんだろう。ローマの地下鉄は終電が11時半とガイドブックには書いてあったけども。表彰式の前に帰った人も少なからずいたからその中のどれかだったのかもしれない。




inフィレンツェ


全日本男子がすっかり敗退したあとだというのに、まだフィレンツェにいます。


ほんとうはここでたぶん順位争いをするだろうと思ってホテルをとってしまったのです。


おかげで毎日美術館巡りをしています。


観戦はガイチさんに任せました!


 


明日はローマに移ってファイナルを見る予定です。ブラジルのミーハーファンなので、今日の試合でブラジルが勝ち上がることを祈りつつ。


 


昨日エアをよくよく見たら、14日発だとばかり思っていたのが、実は13日発だったことが発覚。危ない危ない。帰れなくなるところだった。ホテルも14日チェックアウト分まで取ってしまって、ネットで安売りのプロモーション予約だったので返金不可だということでへこんでいる。もっとも気がつかずに14日までいたことを考えれば御の字である。


ミラノでとったフィレンツェ行きの切符も、よくよく見たらサンタマリアノヴェッラではなく、フィレンツェの違う駅に着く切符だった。前の日に時刻表をチェックしていて発覚。当日に駅の切符売り場で無事チェンジしてもらえて今に至る。


 


キャリーのころころが、3つついていたうちの真ん中の1つが外れてなくなってしまっていることに気がついた。そんなに転がして移動していたわけではないので、ミラノで地下鉄に乗ったときか、もしかするとロストバゲージであちこちやられているうちになってしまったのかもしれない。しかも、残りの二つのうちの一つもとれかけでぷらぷらしている。日本に帰り着くまでもってくれますように。


 


 


 


雑談

フィレンツェ大会はお金もないことだしカット。


 


日本は3次ラウンドに出ても9~12位争いに回ると見て、フィレンツェに宿をがつーんと取ってあるので、やたら時間だけはある。


 


一昨日、ミラノのホテルを出てこちらに来たわけだが、実はミラノのホテルは選手と同じホテルだった。選手だけでなく、ガイチさんも月刊さんも、知り合いの日本人カメラマンの方も、松本さんのおじさんご夫妻も、みーんな一緒だった。つまり、ミラノのだいぶ郊外に体育館があって、その近所でそこそこの値段のホテルというのがそこしかなかったのである。


 


ベッドメイクの間、部屋から閉め出されて廊下のソファに座っていた私に、キューバの選手たちは「オラ!」と陽気に声をかけてくれたし、エレベーターで乗り合わせたフランス人選手は「ボンジュール!」とにっこり。これはやっぱりお国柄なんだろうな。全日本の選手たちが同じ状況で見知らぬ外国人女性に「こんにちは!」と挨拶している様子は想像できない。


 


ただ、二日目の朝食時に出くわした全日本チームは、無言でぞろぞろと入っていったのだけど、最終日に出くわしたときは、入り口のホテルスタッフに「ボンジョールノ!」と挨拶しながら入っていったので、結構環境になじんだものだと感心した。


 


inミラノ 10月3日


負けました。これで全日本男子の世界選手権は終わりました。


 


アルゼンチンは、速い攻撃主体で戦っているチームでしたが、ミスも多く、つけいる隙は十分にあったように思います。


ベンチメンバー、松本に代えて鈴木をin。スターティングメンバーは、阿部、富松、山村、清水、福澤、ゴッツ、酒井でした。ゴッツがジャンプフローターで狙われて崩され、米山に。第2セットは日本がとって、第3,第4ととられました。


 


会場の雰囲気は、結構アルゼンチン観客が多くて、ノリノリでした。でも、イラン戦の時ほどではなかったかな。


 


気になったのは、コンビミスが多発していたことと(誰もいないところにトスを上げてしまったこともあった)、ブロックにあまりにも素直にぶつけすぎてシャットアウトを食らう場面が多かったこと。トスがちょっと近かったのかもしれませんけど、リバウンドやブロックアウトねらいではなく、正面からぶつけてしまうケースが多々ありました。


 


4セット目終盤で越川選手を福澤選手に替えて投入するも,時すでに遅し。


 


選手の皆さんは、私以上にストレスがたまった大会だったでしょうね。


 


私はフィレンツェのホテルで沈没することにします。美術館巡りとかもしようかな? 本当は、体育館の正式名称と住所を問い合わせたときに、唯一返事をくれたのがフィレンツェの大会運営委員会だったので、フィレンツェ大会には是非行きたかったのですけど。


inミラノ 10月2日

昨日の試合は、やっぱり淡々とやって淡々と負けてしまった感が強いです。スタメンは阿部、富松、山村、清水、福澤、石島、リベロ酒井

第2セット目で、石島に替わって米山、福澤に替わって越川が入りました。ここで少しムードがあがったのですが、そのままセットを落とし、3セット目はそのままスタメンに米山と越川が入りました。中盤でリードしたときもあったのですが、なかなかサーブが入らず、フランスのジャンピングフローターに悩まされました。米山が入るのはムードをあげるのにもいいですね。越川は、せっかくピンチサーバーでなくコートを任されたのですから、もっと本来の生き生きしたプレーを見せてほしかった。

最後は、富松を松本に代えていたかな。




後は全体的にサーブミスが多かった。一緒に見ていた日本総領事館の方たちに、「何で日本のサーブはこんなに入らないんですか」ときかれてしまいました。


 


このフランス戦もそう、イラン戦もそうですし、イタリア戦も、私は見れませんでしたが、ほかのイタリア戦を見ていて、そこまで相手が決して歯が立たないといった感じではないだけに歯がゆさが残ります。

なんだか自分たちで自滅している感じを凄く受けました。




 


イタリア戦はもちろん、イラン戦やエジプト戦と違って,相手チームの応援はたいしたことなかったので、そんなに「アウェイの雰囲気の中」ということはなかったと思います。静かーな体育館でした。まあ日本人ファンがほとんどいなかったという意味では、「アウェイの雰囲気」だったのかもしれませんが。


 


普段メモをとったりしていて,応援はしたことがなかったので、ずいぶん久しぶりに「応援」をしたのですが、一人しかいないと応援もやりにくいものです。今回、ミラノ日本総領事館の方に声をかけていただいて、一緒に応援することになりました。準備よく、スティックバルーンもあって、私も貸していただいて応援しました。へー、こんな風にたたくのか、と思いながらとりあえず得点の時にばんばんたたいてみる。


 


今回の旅では第1次ラウンドでお会いしたhさんや、ミラノ総領事館の方など、いろんな方とふれあえて、なかなか楽しかったです。って締めくくってどうする。まだ1戦(少なくとも)あるんだぞ!


3試合見ての今の感想は「プライドを持ったプレーをしてほしい」ということ。たとえ最初は53人でも、本当のセッターやキャプテンは別にいても、あなたたちは、今年度最高の試合のトップ14人なのだから、日本という国を代表して、誇り高いプレーを最後までしてほしいのです。エジプト戦のゴッツは、途中で,サーブの時のルーティン(大股に数歩歩いてからボールを受け取る、受け取ってからボールを拝んで…という一連の動作)をやめてしまいました。あ、ゴッツ、試合とこの大会を投げたな、と思わされた一瞬でした。




 


代表戦というのは、見返りが少ない割に苦しいものだと思います。それでも、頭を高く保って意地を見せてほしい。負けていい試合などありませんが、たとえ負けても、次も応援しようという気持ちに繋がるゲームと僧でないゲームがあるのは間違いない。勝利を狙っていってほしいけど、敗戦濃厚なときも、最後まで気持ちを切らさずに戦い抜いてください。



in ミラノ 10月1日



昨日は、ホテルを1日だけ移っていた。というのも、日本の第2次ラウンド進出が分からなかったので、出発前には28日までの分子か押さえていなかった。現地でカターニアかミラノか、はたまた日本が敗退して放浪の旅か…決めようと思っていたので。無事ぎりぎりで第2次ラウンドに進め、移動の手間も省けたミラノだったのはよかったが、29日だけ連泊でとれなかったのだった。




 




チケットは前売り券を28日の時点で購入できたので一安心。




 




現地でたまたま席が隣だった日本人ファンの方に教えていただいて(凄い偶然だったと思う。日本人ファンはほとんどいなかったし、私は現地で当日券購入、その方は日本から手配していたとか)、ホテルが体育館から徒歩の距離だったことを知ったので、だいぶタクシー代を節約できた。昨日は半日を観光に当てる。ドゥォーモや、ガッレリアを見てきた。日本から持ってきた食料を少しずつ平らげていたのだけど、昨日のお昼はちょっと奮発してリゾットのミラノ風とミラノ風カツレツを食べる。ミラノ風づくしが凄くお上りさんみたいで自分に笑えてしまった。




 




今は現地時間の14時39分。あと少したつと、このネット接続が切れてしまう(このホテルはネット接続が有料なんです。フィレンツェのホテルもそう。こちらではホテルのネット接続は有料が多いみたい)ので、今のうちの更新をしておこう。




 


2日ぶりにメールをチェックすると、アルゼンチンファンのoさんからメール。アルゼンチンは世代交代に成功したようで、前回のワールドカップで人気だったガルシアが控え、OQTでばんばん打っていたチャベスは代表を外れたらしい。そして、もしかしてと思ったが、やはりコンテは、前々回の大会でも頑張っていたコンテの息子さんだという。明日の試合が楽しみである。


 




今日は部屋で彦こもっていたのだけど、電話で部屋のクリーニングをしたいと言われたので、カルフールでぶらぶらして、サンドイッチを食べ、オレンジジュースとクラッカーを買う。そして、ローマとフィレンツェのホテルを検索。本当は、日本が第3次ラウンドに進出しなかったら、予定を早めてローマに入ってファイナル最終日以外の日も見ようと思っていたのだが、ローマでとっていたホテルが、ファイナル最終日前は、1泊3万とか4万!とかするのであきらめた。その分フィレンツェのホテルを延泊した。これで、日本が1~7位に入った場合はさようならと言うことである。




 




あと1時間くらいしたら出かけよう。どうか日本が勝ちますように。




9月27日

懸案のロストバゲージだが、荷物が見つかって届ける旨の連絡が昨日のうちにあった。こおどりしたはいいものの、試合から帰ってきてもまだ届いてない。翌朝になっても状況は変わらず、インターネットで追跡紹介を見ると、「もう修正しました」という表示が出てきて焦る。いや、まだ手元にないし!


自力で電話しようと思ったが上手く繋がらないし、イタリア語はもちろん、英語もおぼつかない私がどうやって交渉すればいいのだろう。と、途方に暮れつつフロントに下りてもう一度届いてないか尋ねると、今預かっている荷物一覧をみせられる。ない。フロントのおばさまが、書類を持ってきたら、私の代わりに空港に電話してくれるという。ありがたいお申し出に飛びつき書類を部屋から持ってくる。やはり繋がりにくく、私はいったん部屋に戻って待機することになった。


 


部屋に帰るとすぐにベルが鳴り、封筒が届いたという。事前に手配しておいた、C席のファイナル最終日のチケットが届いたのだ。どこ対どこになるかは分からないが、見応えはあるに違いない。わくわくして受け取りに行く。


 


しばらくして再度ベルが鳴る。私の荷物が着いたよ、と言っているようだ。オッケーオッケーと答えて下に執りに下りようとすると、廊下で私の荷物を持ってきたおじさんとすれ違いかける。荷物が着いたから持って行くよという連絡だったのか。うーん、私のヒアリング能力は大いに問題がある。おじさんにチップを渡そうとして渡しそびれる。


 


カルフールに買い物に行き、ジュースや牛乳とコーンフレークを買う。これで今晩はコーンフレークをご飯にすることが決まった。


 


試合を見に行く。阿部、松本、山村、清水、福澤、石島、リベロは昨日と同じく酒井が入っている。第2次ラウンドのことを考えると、さっくり少しでも点差をつけて勝ちたいところ。


しかし、2セットを連取され、史上初になるのか? 第1次ラウンド全敗で敗退か? とショックを受けかけていたところ、サーブで狙われて崩されていた石島に替わって、米山兄が投入された。これが奇跡を呼んだ。サーブレシーブが安定し、攻撃の方でも平行トスを上手く決めるシーンが何度かあり、ほかの選手たちも息を吹き返してきた。


清水もサーブが入るようになって、そのサーブがよく走るようになる。


結局、フルセットに持ち込み、日本は何とかぎりぎりで一勝をものにした。


開場の雰囲気は、エジプトの応援が結構あり、日本はぱらぱら、という感じ。松本のおじさん夫婦も頑張っていた。渡しも慣れないながらも応援に参加しようとする。こういうとき、なかなか日本の応援は団結できないのである。ガイチさんがちらちらと廻りの様子をうかがっている。日本の応援がかすかにあちこちでぱらぱら鳴っているこんなとき、選手や関係者は何を思っているのだろうとよく思う。嬉しいのか、恥ずかしいのか、まさかとは思うが馬鹿にしているとか? くだらないことを考えているのは集中していないしるしなので、とっとと応援に身を入れる。


 


日本が勝って、第2次ラウンドに行けるかどうかは、この後のイランイタリア戦にゆだねられることになる。


 


イタリアもフルセットぎりぎりでイランを振り切り、日本が2次ラウンドにコマを進める。


よかった、長い観光旅行になるんじゃないかと、十中八九覚悟していたところだった。米山がいてよかった。山本がいればもっとよかったかもね。


9月26日の後半





試合開始の2時間前になったのでタクシーで会場まで行く。7ユーロ。チケットが売り切れていたらどうしようという恐怖の元、前目前目に行動しようとしている訳だ。チケット売り場を探していると、小汚い親父に声をかけられる。いかにもダフ屋という風情だ。Cカテゴリを定価で売るという。当日券の有無を調べてからにすればよかったのに、売り切れだった挙げ句にこの親父にもう会えなかったらという恐怖心が先に立って買ってしまう。15ユーロ。






 






当日券売り場に行ってきいてみると、A席がまだあるという。しまった。買うんじゃなかったと思っても後の祭り。今日の分と明日の分と両方A 席で買ってほくほく。






嬉しかったので、妹にメールで報告。






 






開場までに並んでいた前の人は、松本選手のおじさんおばさんご夫婦だった。甥っ子が全日本とは鼻も高かろう。






 






試合が始まる前に隣の人が来て、その人も日本人で一人で来ている人だった。元々ジャニーズが好きで、でもワールドカップのブラジル戦を見てバレーに魅せられて、こうして海外まで一人で見に来るようになったという。この流れがあるなら、ジャニーズとの提携も悪くはないのではないかと私は思う。ちなみに、仕事でジャニーズの人たちを間近で何度も見たことがあるけど、自分より華奢そうな人たちばかりで、自分が惚れ込むことはなかったんだけどね。小林コーチも同じようなことを言っていた。もっとも、ブラジル戦まではそこまでのめり込まなかったそうで、つまりはプレーの善し悪しが重要だということなんだけど。






 






試合の感想は…今回は取材ではなくて、自分の趣味で来たからには思いっきり楽しもうと思ったんだけど、はい、そうです。楽しくなかったですね。前述のワールドカップ2007ブラジル戦のように、負けても応援したくなる試合というのは確かに存在するのですが、なんか淡々とやって淡々とシャットされたりミスしたりして、淡々と負けてました。






 






植田監督に夏に取材する機会があり、その時彼は宇佐美の離脱、阿部が間に合うかどうか分からないことにかなり憔悴していたようで、世界バレーのcs番組の取材だったにもかかわらず、「世界バレーはオリンピックまでの通過点に過ぎない」という発言が飛び出して、同行した編集さんたちの肝を冷やしていた(もちろん記事中には書かなかった。番組宣伝記事だからね)。が、そういう監督の思いというのは、選手たちに伝わってしまっているのではないだろうか。






 






また、「このチームは清水福澤のチーム」とも断言していて、なんだかなーと思ったのも確かである。まあ、昨年のアジア選手権優勝、グラチャンメダル獲得という成績がそう言わせたのかもしれないが、グラチャンを見た限りでは、まだそこまで言えるようなチームではないように思えたのである。






ブラジルやキューバにセットとれるようになってからそういうことは言わないと。






おまけに、清水福澤の良さを挙げてくださいという質問に対しての回答は、真っ先にあがったのが「自分のプレーをちゃんと分析できること」であって、プレーの善し悪しではなかったのである。あえてプレーに関しては、というつっこみには、「パワーバレー。日本人離れしたパワーを持っていること」との答えで、それはどちらかというと、清水福澤の長所と言うよりは、清水石島の長所では、とも思ったし。清水も福澤もいい選手なのだから、それぞれうまく自然に成長するのを見守れないのが今の日本の苦しい現状か。






 






それに、伝え聞く会見のコメントでは、宇佐美がいないことを敗戦の理由にしていたようだ。リカルドがいなくても、ブラジルは銀メダルだったし、本当に清水福澤のチームだというなら、たとえ宇佐美がいなくても、イタリアにあんな負け方をしたり、ましてやイランに星を落とすなどということがあっていいわけがない。






しかし、替わって入った越川もあまりさえなくて、つまりはチーム作りに失敗したということなのだろう。






 






ここに書きそうになって書かなかった懸念が現実のこととなる可能性が濃厚になってしまった。つまり、全日本が第1次ラウンド敗退してしまうということである。






 






第2次ラウンドはグループ1位2位がカターニア、3位がミラノなので、そのままミラノでやってくれると楽でいいんだけどななどと思っていたのだが、それどころではない。ファイナルの最終日まで、長い観光の旅になってしまわないよう、27日なるべく点差をつけて勝ってほしい。カターニアに行くことになったときのために、地球の歩き方イタリア編のほかに南イタリア編まで買って持ってきたのに、凄く不要なものになってしまった。






 






 






9月26日の前半

さて、フライトは延着し、トランジットし損ねて次のフライトになり、ロストバゲージして試合は見れずじまいというさんざんな結果だった一夜が明けた。昨日からホテルの洗面所の水が出ない。「旅の指さしイタリア語会話」という本の「トラブル」というページから「水が出ません」という例文をそのままベッドの枕元にあったメモに書き写し、洗面所に置いておく。シャワーは幸い使えたので、水を飲んだりうがいをしたりするのも、コップを持ってシャワーの下で待ち構えて、シャワーの水をためて使った。シャワーの水をコップにためるのはずいぶんまどろっこしい思いをするものだと分かった。





フロントに下りて、ロストバゲージしたので、スーパーに買い物に行きたいと相談したら、「今日は日曜だからお休みよ」と言われる。がーん。そうなのだ、こっちの方では日曜はスーパーは閉まっちゃうんだよね。で、今日の買い物はあきらめたが、参考までに近所を散歩してみる。このホテルのすぐそばには、カルフールというでかいショッピングモールがある。日本にも一時期上陸したアレだ。私はスペインに行ったときも、チャンピオンズリーグを見にギリシャに行ったときも、五輪を見に北京に行ったときも、このカルフールで買い物をしている。今回泊まったホテルは、世界バレー会場に近めのところをとったので、カルフール以外、まわりには何にもないのである。あまり遠出をすると、方向音痴の私は帰って来られなくなってしまう恐れがあり、カルフールの前をただてくてくと歩いて帰ってきた。



昼ご飯は、朝ご飯からくすねておいたパンとチーズを食べるとして、夜ご飯は何を食べたらいいのだろう。もしかしてホテルのレストランで食事という贅沢をしなければいけないのかもしれない。しかし、その前にチケットがちゃんととれて、イタリア戦まで見て帰ってきたら、そのレストランさえもやっていないかもしれない。日本の都会にはコンビニが乱立して、24時間何でもそろうようになっていて、そんな生活になれてしまっている身としては、かなり辛いものがあるのだった。



散歩して帰ってくると、ちょうど私の部屋のクリーニングの最中だった。しばらく待っていると中からメイドさんが出てきて、「もうokよ」と言ってくれる。そして、私の書いたメモ紙をとりあげて、手を引いて洗面所に連れて行く。そして目の前で水の出し方を実演してくれた。コックを縦横にまわしていたのだが、それは温度調整のためのもので、水を出すには横にひねればよいとのこと。何だ。自分がトラブル続きに見舞われていてへこんでいたが、これはトラブルでも何でもなかった。ちょっとおかしくなってしまった。