9月26日の後半 | バレーボールワールド     中西美雁の日々是排球

9月26日の後半





試合開始の2時間前になったのでタクシーで会場まで行く。7ユーロ。チケットが売り切れていたらどうしようという恐怖の元、前目前目に行動しようとしている訳だ。チケット売り場を探していると、小汚い親父に声をかけられる。いかにもダフ屋という風情だ。Cカテゴリを定価で売るという。当日券の有無を調べてからにすればよかったのに、売り切れだった挙げ句にこの親父にもう会えなかったらという恐怖心が先に立って買ってしまう。15ユーロ。






 






当日券売り場に行ってきいてみると、A席がまだあるという。しまった。買うんじゃなかったと思っても後の祭り。今日の分と明日の分と両方A 席で買ってほくほく。






嬉しかったので、妹にメールで報告。






 






開場までに並んでいた前の人は、松本選手のおじさんおばさんご夫婦だった。甥っ子が全日本とは鼻も高かろう。






 






試合が始まる前に隣の人が来て、その人も日本人で一人で来ている人だった。元々ジャニーズが好きで、でもワールドカップのブラジル戦を見てバレーに魅せられて、こうして海外まで一人で見に来るようになったという。この流れがあるなら、ジャニーズとの提携も悪くはないのではないかと私は思う。ちなみに、仕事でジャニーズの人たちを間近で何度も見たことがあるけど、自分より華奢そうな人たちばかりで、自分が惚れ込むことはなかったんだけどね。小林コーチも同じようなことを言っていた。もっとも、ブラジル戦まではそこまでのめり込まなかったそうで、つまりはプレーの善し悪しが重要だということなんだけど。






 






試合の感想は…今回は取材ではなくて、自分の趣味で来たからには思いっきり楽しもうと思ったんだけど、はい、そうです。楽しくなかったですね。前述のワールドカップ2007ブラジル戦のように、負けても応援したくなる試合というのは確かに存在するのですが、なんか淡々とやって淡々とシャットされたりミスしたりして、淡々と負けてました。






 






植田監督に夏に取材する機会があり、その時彼は宇佐美の離脱、阿部が間に合うかどうか分からないことにかなり憔悴していたようで、世界バレーのcs番組の取材だったにもかかわらず、「世界バレーはオリンピックまでの通過点に過ぎない」という発言が飛び出して、同行した編集さんたちの肝を冷やしていた(もちろん記事中には書かなかった。番組宣伝記事だからね)。が、そういう監督の思いというのは、選手たちに伝わってしまっているのではないだろうか。






 






また、「このチームは清水福澤のチーム」とも断言していて、なんだかなーと思ったのも確かである。まあ、昨年のアジア選手権優勝、グラチャンメダル獲得という成績がそう言わせたのかもしれないが、グラチャンを見た限りでは、まだそこまで言えるようなチームではないように思えたのである。






ブラジルやキューバにセットとれるようになってからそういうことは言わないと。






おまけに、清水福澤の良さを挙げてくださいという質問に対しての回答は、真っ先にあがったのが「自分のプレーをちゃんと分析できること」であって、プレーの善し悪しではなかったのである。あえてプレーに関しては、というつっこみには、「パワーバレー。日本人離れしたパワーを持っていること」との答えで、それはどちらかというと、清水福澤の長所と言うよりは、清水石島の長所では、とも思ったし。清水も福澤もいい選手なのだから、それぞれうまく自然に成長するのを見守れないのが今の日本の苦しい現状か。






 






それに、伝え聞く会見のコメントでは、宇佐美がいないことを敗戦の理由にしていたようだ。リカルドがいなくても、ブラジルは銀メダルだったし、本当に清水福澤のチームだというなら、たとえ宇佐美がいなくても、イタリアにあんな負け方をしたり、ましてやイランに星を落とすなどということがあっていいわけがない。






しかし、替わって入った越川もあまりさえなくて、つまりはチーム作りに失敗したということなのだろう。






 






ここに書きそうになって書かなかった懸念が現実のこととなる可能性が濃厚になってしまった。つまり、全日本が第1次ラウンド敗退してしまうということである。






 






第2次ラウンドはグループ1位2位がカターニア、3位がミラノなので、そのままミラノでやってくれると楽でいいんだけどななどと思っていたのだが、それどころではない。ファイナルの最終日まで、長い観光の旅になってしまわないよう、27日なるべく点差をつけて勝ってほしい。カターニアに行くことになったときのために、地球の歩き方イタリア編のほかに南イタリア編まで買って持ってきたのに、凄く不要なものになってしまった。