9月26日の前半 | バレーボールワールド     中西美雁の日々是排球

9月26日の前半

さて、フライトは延着し、トランジットし損ねて次のフライトになり、ロストバゲージして試合は見れずじまいというさんざんな結果だった一夜が明けた。昨日からホテルの洗面所の水が出ない。「旅の指さしイタリア語会話」という本の「トラブル」というページから「水が出ません」という例文をそのままベッドの枕元にあったメモに書き写し、洗面所に置いておく。シャワーは幸い使えたので、水を飲んだりうがいをしたりするのも、コップを持ってシャワーの下で待ち構えて、シャワーの水をためて使った。シャワーの水をコップにためるのはずいぶんまどろっこしい思いをするものだと分かった。





フロントに下りて、ロストバゲージしたので、スーパーに買い物に行きたいと相談したら、「今日は日曜だからお休みよ」と言われる。がーん。そうなのだ、こっちの方では日曜はスーパーは閉まっちゃうんだよね。で、今日の買い物はあきらめたが、参考までに近所を散歩してみる。このホテルのすぐそばには、カルフールというでかいショッピングモールがある。日本にも一時期上陸したアレだ。私はスペインに行ったときも、チャンピオンズリーグを見にギリシャに行ったときも、五輪を見に北京に行ったときも、このカルフールで買い物をしている。今回泊まったホテルは、世界バレー会場に近めのところをとったので、カルフール以外、まわりには何にもないのである。あまり遠出をすると、方向音痴の私は帰って来られなくなってしまう恐れがあり、カルフールの前をただてくてくと歩いて帰ってきた。



昼ご飯は、朝ご飯からくすねておいたパンとチーズを食べるとして、夜ご飯は何を食べたらいいのだろう。もしかしてホテルのレストランで食事という贅沢をしなければいけないのかもしれない。しかし、その前にチケットがちゃんととれて、イタリア戦まで見て帰ってきたら、そのレストランさえもやっていないかもしれない。日本の都会にはコンビニが乱立して、24時間何でもそろうようになっていて、そんな生活になれてしまっている身としては、かなり辛いものがあるのだった。



散歩して帰ってくると、ちょうど私の部屋のクリーニングの最中だった。しばらく待っていると中からメイドさんが出てきて、「もうokよ」と言ってくれる。そして、私の書いたメモ紙をとりあげて、手を引いて洗面所に連れて行く。そして目の前で水の出し方を実演してくれた。コックを縦横にまわしていたのだが、それは温度調整のためのもので、水を出すには横にひねればよいとのこと。何だ。自分がトラブル続きに見舞われていてへこんでいたが、これはトラブルでも何でもなかった。ちょっとおかしくなってしまった。