NEOの取引が好調だという記事が日経に載っている。
今のところは、超逆風の中でも健闘している・・・とのこと。ベンチャー・新興市場に手厳しい日経にしては珍しい。
国際的に新興市場を比べると、
①銘柄数
東証マザーズ 189
大証ヘラクレス 164
JASDAQ 976
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NASDAQ 3,181
ロンドンAIM 1,637
②時価総額(2007年3月末)
東証マザーズ 3.6兆円
大証ヘラクレス 2.3兆円
JASDAQ 15.6兆円
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NASDAQ 461兆円
ロンドンAIM 24兆円
③銘柄あたり月間取引額(2007年3月実績)(カッコ内は取引総額)
東証マザーズ 59億円(1.1兆円)
大証ヘラクレス 35億円(0.6兆円)
JASDAQ 10億円(1.0兆円)
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NASDAQ 410億円(130兆円)
ロンドンAIM 9億円(1.5兆円)
為替変動とサブプライムショック前のデータではあるが、NASDAQはとりあえず対象外として、英国復活の原因の一つであり、また経営環境も良好と言われるAIMと比べると、
・銘柄数はAIMが圧倒的に多い。市場創設時期(1995年)を考えると、年間IPO数が非常に多いことがわかる。
・銘柄あたりの時価総額では、AIMと、ヘラクレス、JASDAQではほぼ同じ程度。
・銘柄あたりの取引額で見ても、AIMはJASDAQと同じくらい。ヘラクレスの方がむしろこの月は多かった。
要は、『銘柄数が多くて、銘柄あたりの取引額が少額だと、市場としては儲からないし、存在価値も低い。』というのは、間違いで、市場の経営が非効率であるだけだ。その上で登録銘柄数を多くすることが、日本経済活性化の起爆剤となり、また市場経営も好転する。IPOのハードルを悪戯に高めることは自殺行為ではないだろうか?
新興市場が一つ減るのは困るが、大証とJASDAQが合併して、市場が効率化することが新興市場の健全化に資するのであれば、それも止むを得ないかも知れない。
初心に帰って、投資家の自己責任に基づいて投資する新興市場の位置づけを再度みんなで確認して、将来性のあるベンチャー企業、高潔な志を持ったアントレプレナーに率いられた会社が早期にIPOして、その成長資金をキチンと調達できる市場を育てるべきだ。
羹に懲りて膾を吹くでないが、確かにライブドアをはじめ常識で考えられないことを平気でした悪しき前例もあった。だからと言って、審査のハードルを高めるばかりでなく、可能性を、将来性をみんなで楽しみにすることがあっても良いのでは?