工科大MOTの講義でVCのビジネスシステムを話す機会があったので、改めていろいろ調べたりして、いくつか改めて発見。
日米のVC比較だと、
投資額は圧倒的に少ない。日本は2千億円くらい。米国は2百億ドル強で、10倍。
分野は、米国がITとバイオ・ヘルスケアでほとんどを占めるのに対し、日本は5割強にすぎない。
ステージでは、米国が8割がレータ/イクスパンジョンに対し、日本はアーリーが4割と多い。これは金額と件数が混同されている気もするが。。。
投資家としては、米国は年金、保険、基金がトップ3で8割超。日本は銀行がトップで、年金は5%未満でしかない。
EXITとしては、日本は経営陣への買戻しが一番で、後はIPO。米国はM&Aが8割超。
日本のVC環境も良くなったと言うのが持論ながら、こういう比較から見るとまだまだ。
切実なところでは、資金の出し手としての年金、基金の活性化、EXITとしてのM&Aの地位向上などは是非政策的にも検討してほしいところ。
VB-VCとして気になるのは、投資額。日本は2千億円うらいを2千件に投資するから、平均で1億円。感触的にはもっと少なくて5千万円くらいではないかと思うけど、MBOなどの大口投資も入っているのかも知れない。
問題は平均投資ロットが小さいことだ。
昨日の講義でも質問もあったが、アーリーステージだと少額の投資でもシェアが高くなってしまうし、IPO時にはVCシェアは流動性が高くなると忌避される。
優先株を使えばガバナンスの問題はクリアできるが、IPO時のVCシェアの問題は残る。
やはりアーリーステージの時から、できるだけ高いバリエーションでVCに売り込むしかないのか?
アーリーステージでも5~10億円くらいのバリューをプロポできるようでないとダメか。
講義の最後に、「VCは儲かる良い商売か?なかなか儲からない難しい商売か?」を聞いたところ、
まさに半分半分。
でも一番正面に座っていた彼が、後の方に高々と手を上げたのが印象的。
この話はつづく。