サニーサイドアップっていうプロモーションと有名人のマネイジメントをする会社が、大証ヘラクレスに上場する。

なんと!中田英寿が第4位株主で、金メダリストの北島康介やゴルフの上田桃子、元サッカーの前園なんかも株やオプションを持ってたりする。

Lifeに出てくる亡き飯島夏樹さんの奥さんもオプション持っているようだから、いい株価がついて、天国の飯島さんが少しは安心できるとよいなあ・・・。


しかし、面白い会社が公開するもんだ。

しかししかし、何のために公開するんだろう。公開にはあまり馴染まない業態のような気もするが・・・・。




走る人

試験採点を終えました。

出来はひどい。惨憺たる結果。

教師が悪い!と一義的に反省。

その一方、字があまりに汚い。そして誤字脱字。

ワープロが普及したからかも知れないが、小学校レベルの漢字はちゃんと書けないと日本人としては信頼されないでしょう。外人として行き抜くなら何も文句はありませんが。


SWOT分析を書かせるところは比較的よく出来ていた。レポートにもしたしね。

採算計算をするところは、ほぼ全滅。売り上げは単なる掛け算なんだが、それすら1割にも正答は満たない。

資本政策における持ち株シェアの円グラフは、何と正解は1名。

そして社長に相応しい人材は?と言う設問は、実は正解は0名。仕方ないので大甘で何でも論理的に書いてあれば○にした。講義の中でしたアントレプレナーに求められる資質と照らし合わせれば、全く新規に外部から調達すべきとわかりそうなものを。。。

最後は、赤字で昇給できない中で社員をどう処遇するか。

当然、一番の答えはストックオプションだが、業績連動型の賞与、給与等にすると言うのも前近代的ながら○にした。しかし、一番多かったのは、「昇給できない」から他の処遇施策が問題なのに、「給料を上げる」との回答だった。処置なし!


おそらくこれが僕の工科大での最後の講義・テストだったであろう。

自分なりにレポートもテストも、採点に時間がかかることを覚悟の上で、皆さんの意見を取り入れつつの講義を目指したが、ほとんど目論見外れだった。

講師の質が一番の原因だが、受講生もあまりにひどい・・・と思わざるを得ない。




パンチ!

明日はいよいよ工科大・ベンチャービジネス論の試験日。


前もって言っているように、今更勉強することは無いので、60分の試験時間、一生懸命考えて書いて頂戴。

授業に出ていて、レポートをまじめに取り組んできた人にとっては、

 「またか!」

という問題だけど、授業に出ていなかった人にとっては、かなり難題だろうな。


僕は理科系(工学部)だったこともあって、試験と言うと問題を解くものばかりだったし、スタンフォードで聴講した時も試験は意見陳述よりもやはり問題を解く形式だった。

それからするとかなり趣の異なる試験問題。

実は採点がたいへんなんだが、まあ、これも半ばボランティアで始めたことであり、初心忘れずべからずで最後は辛抱強く頑張ってやろうと。だから受講生のみんなも最後もう一頑張りで。


試験直前で心配でこのブログを読んだ人は、

-今更、勉強することは何もありません。よく寝てスッキリした頭で考えた方がむしろ良いでしょう。

-試験時間中は結構忙しいはず。文字もたくさん書かないといけないでしょう。

-2回のレポートは返却している(取りに来てない人も多いが)から、発言点も含め、自分の持ち点はわかっているでしょう。


そしてニつお願い。


-字は綺麗に。あまりに汚いと読まないこともあります。

-誤字はしない。減点します。




時計

悪戯コメントが止まらない。


いちいち削除するのも面倒だし。。。

しかし、ホストだとか、エステだとか、こうやって書き込むバイトが成立するってことだろうから不思議だ。

それといつになったらアメブロが対策を練るものか?ちゃんとしないと悪評のネタになりますよ。


ブログがベンチャーで持て囃されたのも、早や昔の感がある。

しかし結局、ドリコム以外、ブログベンチャーでIPOするところは出ないんだろうか。

シックスアパートは良さそうだけど?資本がUSだからなあ。日本売上だけではNASDAQ公開はできないか。


ブログ→SNS→検索→リコメンド・・・・???

廃り流行はあるけど、どれも広告モデルだと言うのは同じ。

広告モデル万能だとは思わないし、ちょっとバブルの香りもしないではないが。。。


何事も結局、本質が重要では?

広告も必要なところでは確実に必要。でも、ネット広告のバリューは正当だろうか?

逆に過小評価のビジネスも、折角の高い志が評価されないエリアおある。

まあ、何でも99%の努力と、最後は運だとも言えるが。



むかっ


金-土と一泊二日で、某社主催の研修に行ってきた。

天城山中の緑に囲まれた研修施設で、みっちりの講義と、美味しい食事と懇談で、快適&充実した時間を過ごすことができた。

会社のある品川からは、踊り子号で最寄の伊東までは乗り換えなしで行けるので、往復も便利快適だった。


しかし、グローバル企業の某社が、ああいった施設を持って、顧客を(ウチは顧客でないが)招待して、こういったセミナーを通じて、営業推進を図っている。加えて、『顧客の革新を進めるのが業務』とクライアント・ファーストの姿勢を強烈に打ち出しておられる。

一見、世界トップの研究所が牽引しているようで、こうした営業活動の面でも世界トップさを見せつけられた感があった。


よほど、当社をはじめ、中小企業の営業の方がヌルイと反省。


毎週土曜日9時のNHKドラマ・監査法人が面白い。

http://www.nhk.or.jp/dodra/kansahoujin/index.html


以前のハゲタカに匹敵する面白さ。ちょっと脚色がすぎるところもあるが。

主人公も若杉の家庭シーンがなければもっと絞まったはず。

次回は早くも最終回。再放映が待たれるところ。


昨日は井上社長率いるドーナッツチェーンのベンチャーが、預かり金を不正に売り上げ計上して、売り上げ利益を水増しし、それを知った上で監査法人が、「無限適正」の監査報告書にサインをするもの。


あり得ない!


・・・と思うが、未だに公開した後に、大口契約が失注したり、売り上げ基準の変更で赤字転落したり、第3回で出てきた循環取引すら未だにある話で、そんなことは"フツーにわかる"話で、どうしてそれが監査法人にも、証券会社の公開引き受けにも、そして証券市場の審査部にもわからないのかが不思議。

まさか、ドラマのように知ってても知らん振りしてサインしているとは思えない/思いたくないが。。。


監査法人や証券会社等自身の内部管理が問題だな。

印刷会社や証券会社でインサイダー事件が連発していることと同様に。

そのつけを善良な?法人や市民に押し付けないで欲しい。




ドンッドンッ


大分と遅くなったが。。。


先々週と月曜日、株主総会ラッシュだったが、勉強も兼ねて、興味深かったIT系2社の総会に出席した。

一社は大幅な売上未達に併せて、不良資産を特別損失計上したので、赤字が売上のウン倍となり、株価も大暴落したもの。しかも社長は世界アントレプレナーなんとかで、優秀なベンチャー経営者として表彰されたばかりだから皮肉なものだ。

「私は社長のビジョンに感銘して株を買って、もう何分の一になっている」

「社長はスピーチは長いが、経営者としては不適格ではないか」


もう一社は売上基準を変更、というか今頃、進行基準の会社があったんだ!って感じでもあるが、それがキーとなって税効果会計を否認され、さらに現地子会社等の評価減もあって、債務超過に陥った。こちらも社長が3つの大学で、ベンチャー経営などを教えているからこれも皮肉だ。

「私は社長の言を聞いて、3億円株を買ったが、今では1千万にも満たない。」

「コンサルを業とする会社がこんな体たらくで、業務になるのか」


個人的にも、昨今の上場審査というか引受指導の段階で、

-売上は保守的に。検収基準は当然。

-計画は確実な根拠に基づいて。

-投資先評価は厳格かつ保守的に。

-役員は社業に専念。

等々、厳しく指摘されるが、昔、公開した会社は、"当たり前"のことすらしてなくても公開企業でいられるのだから、全く不公平だし、これらの会社がまたこういう事態だと東証/証券会社の指導が厳しくなる。不公平だ。。。


さて、前向きにこれらから学ぶこと。


前者は、「オンリーワンだから採択されない」と言う。オンリーワンで完璧な完成度の商品なら良いだろうが、この会社の商品でも、従来品よい「マッチ・ベター」なだけで、完璧でない。それを「オンリー・ワン」と称して競合を排除するから、ますますクロージングしなくなるのでは? 『ブルーオーシャンのジレンマ』かも知れないが、その手前の問題かも知れない。ともかく、オンリーワン/ブルーオーシャンならではの販売方法の考案が必須だ。


そして、その会社はオンリーワン商品の有効性立証のために、それを使ったサービス会社を設立したが、餅は餅屋の逆で失敗して赤字を積みますだけになった。ブルーオーシャンの悪あがき=専門外領域への進出はしてはいけない。


後者は、元来、拡張性に限界があるコンサル会社が上場してはいけない、成長性をアピールしてはダメだと言うことか。会社の将来像をキチンとイメージして、IPOの時期も市場選択もすべきだ。


!!


しかし、懲りないと思うのは、

前者は、社長が会長に退き、営業を新社長に委ねた。それは正しいと思うが、その後の懇談会でも会長の一人舞台で、社長が主導権を発揮することはなかった。甘く考えて体裁を取り繕っただけだと、来年の総会では怒号が飛び交う場になろう。

後者は、社長が自宅を現物出資して債務超過を脱して、圧倒的なシェアを握った。悪く解釈すれば、IPO時の高値の売り出し益で買った邸宅を、高い評価額(厳密に評価したと言うが、実売価格でない、要は短期には売れなかったので・・・)で会社に売りつけて、安く株を買った・・・とも言えるのでは?寄付するくらいの誠意があってしかるべきと思うが。ただ、社長としてはヤル気を出して業績回復を図るか、どこかに高値売却しようとのインセンティブにはなるから楽しみではあるが。


いずれにせよ来年が楽しみ!



パンチ!





本日の講義で発表希望者が不在(超!ショック)なので、講義で話すかわりに。


IPOしたベンチャーの社長が言うのは、「資本政策は後から取り返しが効かないから、用意周到に」と後悔めいたことを口にする。

反省の弁をもう少し詳しく言うと、

-自分のシェアが低くなった。

  -創業者利益が思ったよりも少なくなった。

  -経営権の危機または買収対策を練らなくてはならなくなった。

-株を与えた社員が公開したら即座に退職していった。

-VCのシェアが高くて、流動比率/個人株主が多くなりすぎた。

と言ったことのようだ。


これはファイナンスとヒューマンリソースの両面で議論ができる。

ファイナンス的には、必要な資金をどのように、いつ、いくら調達するか?

-銀行借り入れを上手く使えばシェアは下がらない、ただ社長の個人補償が必要だからリスクは大きくなる。

-VC等からの調達をできるだけ遅く、少額にすればシェアは保てる、ただVCとの交渉に時間とパワーを削がれる可能性がある。

上手く行ってしまうと、どうしても後半のことを忘れてしまうのだろうが、VCから余裕をもって成長資金を調達できれば、結果的に上手く行った場合には余分なシェアを与えたと後悔もしようが、それを持って得た時間と心の余裕は貴重かも知れない。要はバランス。


ヒューマンリソース的には、ベンチャーにとってストックオプションは人材募集の際に大企業ができない大きな武器だ。たまに「ウチは大企業以上の給与を支給してます」と言う立派なベンチャーもあるが、それで黒字なら何ら言うことはないのだが、オプションと言う武器の活用も当然選択肢としてはある。

その分、IPOしたらその果実を持ってさっさと退職する社員も出てこよう。ただ、それを嘆くのはこれもまたお門違い。IPOしたら、オプションに代わる会社の魅力を打ち出す必要がある訳で、少なくとも公開企業と言うバリューがあるはずでそれを有効活用できていないことこそ反省すべきでしょう。ただ、これも結局はバランス。


さて、懸案のタリーズを松田さんの著書を元に振り替えると、

-松田社長のシェアは会社設立時で29%、これは米タリーズと同じで筆頭株主

-その後、VC等から2回の資金調達を経て、大証ヘラクレスに公開

-松田社長は、公開後も借入をしてまで買い入れをしてシェアを高めた。

-さらにファンドと組んでTOBによる上場廃止をして非公開企業になった。


松田社長は、会社設立時のシェアについて、

「企業の経営者と所有者は別であるべきだと思う。たとえ創業者が経営者を兼ねていようと、株主から罷免される緊張感がなければ、健全な経営は難しいのではなかろうか。」

と述べている。

非常に高邁な考え方だ。

そして、結論的には幾多のいきさつを経て、松田社長はまさに「株主から罷免され」(少なくとも外形的には)た。

松田社長の目指す「文化の懸け橋になる」理念と、業績のギャップが一因とされる。

今やタリーズは、「お~い、お茶」の伊藤園の傘下で、中国スィーツから撤退し、コンビニでの販売を開始するなど新機軸を打ち出している。

会社創業時の松田社長のシェアをもっと高くしておけば・・・と外野からは思われて仕方ない。

とは言え、高邁な志を貫いた松田さんには敬服するし、その行動力、グローバルな視点と語学力、発想力、そして人心掌握術など経営者としては非常なポテンシャルを持ち、かつ得難い経験を積んだ訳で、今後に大いに期待したい。日本のためにも。ヨセミテでキャンプ暮らしをするのはもう一勝負した後にしてもらって。


アップ



シリコンバレーで活躍しているVCの日本人パートナーのお話を聞いた。

-米国ではEXITとしてIPOよりもM&Aが主流

-NASDAQ上場はここのところ非常に少ない。日本よりはるかにクローズしている。

-日本の銀行系VCのようなプレIPO案件よりも、ハンズオンが主流

などなど、大凡思っていたとおりで、目新しいものは無かった。むしろ、

-日本のVCは少額の分散投資をしてリードを取りたがらない。

-日本のVCは追加投資をしたがらない。

などなど、人づての話を鵜呑みにしているようなところもあり。最近のVCの投資スタンスは違う。


ただ、一つ感銘を受けたのが、ホームラン案件について、

-立派なVCリストは、ホームラン案件をなぜだかいくつも拵える。

-ホームランは10倍に留まらず、ビックリするような倍率になる。

ということ。ファンドパフォーマンスは、宝くじの当りを如何にポートフォリオの中にコンスタントに入れるかであって、ヒットの本数や、三振の数は問題でないこと。


なるほど。

そうなるとVCリストは、祈祷師か?

確かに、DeNA、Mixiがポートフォリオの中にあれば、そのファンドのパフォーマンスは良くなる。

それをコンスタントにできればそれに超したことはない。


ただ、まさに「運」だのみ。

何しろDeNAはオークションサイト運営だったし、MixiはFindJobで転職支援だったわけで、どちらもたまたま軽~く追加で始めた新事業が当った!もので、計画的でないし、決してVCがそれを意図して投資したわけでないし。

そうすると、強運の持ち主である起業家を見極める強運を持った人がVCリストということか?

僕も現在、「運」を貯めているはずなんだが。。。 そろそろ。




首を長~く続報を待っている学生諸君もいる?と思うので、第二弾。

第二問は、タリーズコーヒーの資本政策を考えるもの。


タリーズの会社設立当初(事業自体は当初個人事業として開始)の株主構成は、P227~228に書いてあるとおりである。松田社長と米タリーズが780万円ずつで29%シェア。他は内装業者や仕入業者、VCとして三井物産系列のMVCが410万円(15%)を出資している。

松田社長は、高潔な志(解雇される緊張感等)から、この資本構成を「是」としているが、フツーならこうしない。

また、すでに開業して実績を築きあげつつあった銀座店のもの(投資額7,000万円)がこの会社にどう踏襲されたかがわからない。当時だと現物出資にはいくつものハードルがあったから、それはできなかったかも知れない。

僕だったら/今だったら、当初からタリーズジャパンで始めるし、さもなくば、早期に自分と米タリーズの2社でまずタリーズ・ジャパンを設立して、そこに銀座店の権利関係を移動し、その場合、ミッキーからの借入は個人借入としてエクイティにスワップして、銀行借り入れは借主チェンジをすれば、現物出資と合わせて、社長個人の資本金3,500万円が確保でき(それが780万円だった!という可能性もあるが)、その段階で米タリーズと2社で会社にする。


次の資金需要は、98年8月の銀座店拡張のための5,000万円で、実際には三菱銀行からの融資で賄っているが、この分の調達だったはず。実際にはこの内装を請け負う業者を株主に入れて、このヘンの記述は曖昧だが、内装代金との相殺もあったはず。あまり好ましくない。

この前のタイミングで増資をして、次の2・3号店の資金まで目処をつけたいところ。

「銀座店オープン直後からVCからの投資話が舞い込んできた」と言うから、ビジネスプランを書いて持っていけばかなりの確率でもっとシェアを落としてVCから資金を集めることが十分可能だったと思う。


たとえば、

97.1 会社設立時:社長3,500万円(100%)(銀行借り入れ3,500万円) @5万円

97.8 銀座店開業時:米タリーズ出資 500万円(12.5%) @5万円

98.4 銀座店黒字化:関係業者、MVC出資 4,000万円 @10万円

99.4 3店舗黒字:VC 12,000万円 @30万円

とすればかなり社長のシェアは守れたはず。


さらにタリーズでは2000年4月に関連する大企業等から5億2,500万円を調達した後、2001年7月にナスダック・ジャパンにIPOして、公募調達で5億円を集めた。

しかし、2000年4月の5億円余の調達は本当に必要だったか?銀行からの借入で十分だったのでは?と、後だしジャンケンでは思う。そうすれば先の皮算用で44%シェアだから、IPO時に売り出したとしても30%以上のシェアを保てたはず。


ちなみに、会社支配と株式シェアの関係で言うと、

2/3以上シェア 特別決議(事業譲渡、会社閉鎖等)が一人でできる。ほぼ会社完全支配

50%超 普通決議が一人でできる。役員選任も思うがまま。

1/3超  最初の逆で特別決議に対して拒否権が生じる。

さらに面倒なのは実効支配で、決議に欠席する人はカウントされないから、さらに低いシェアでも通常は支配できる。逆に”通常でない"場合はプロキシファイトに最後はなるから、やはり法定シェアも必要であるが。


タリーズジャパンの場合、米国タリーズと仲良くやろうと、同じシェアで出発したが、後に仲たがいしてしまうし、その後、松田社長は借金までして自社株を懸命に買い集めている(本人談では、もっと高い志ゆえであるが)から、シェアの低さを後悔していたのでは?

そして、ファンドの力を借りて株式公開を取りやめ、プライベートカンパニーとしての飛躍を期するが・・・・。

この後の後日談は講義当日にでも。


音譜