工科大の学生諸君!レポート2の課題図書くらい読み終わったころでは?

2つ目の課題は、タリーズコーヒーの松田さんの図書を読んでの設問。


第一問は、銀座で第一号店を開業するに当っての目論見を書け、それを評価しろというもの。

すべては一杯のコーヒーから/松田 公太
¥1,365
Amazon.co.jp

ヒントは、P136あたりからあって・・・。

「家賃の高い銀座では最低500人は入らなければ採算は取れない計算だった。」

「当時の原価率は・・・50%近くに達していた。それに加えて、120万円の家賃、アルバイトフェローに払う給料などを引くと、毎月、50万から60万円の赤字が出た。」


そして次のヒントは(この間のことも非常に興味深いので、収益改善のために何をしたか!?は是非、ディスカッションしたい。)、P189に飛んで、

「銀座店が最悪の状況を脱したのは、オープン4ヶ月目の97年1月のこと。同月の売上高は500万円近くに達し、それ以降も安定した伸びを続けていった。」


仮に、平均で看板のラテのショート320円を注文し、5人に一人がサンドウィッチやドーナッツなど300円くらいのサイドオーダーをすると仮定すると、客単価は約380円。

安定売り上げが500万円弱だとすると、月間13,000人の顧客、一日単位にすると430人となり、「最低500人・・・」というのも概ねうなづけるかと。

経費構造は、社長/店長の松田氏の給与は当初は「なし」だったようだから、まず明確なのは、コーヒーやカップ、食材などの原価率が50%ということは約250万円。店舗の賃借料が120万円。残りは130万円だが、アルバイトフェローが常に2人、朝10時から夜10時まで12時間とすると、重複や休憩なども考慮しなくても時給900円で、2人×12時間×30日×900円=約65万円。さらに水道光熱費も10万円では足りないはず。

・・・と残金は55万円。

ここで登場するのが、3,500万円の借り入れに対する利息と返済。仮に年利5%なら月15万円くらい利息だけでも発生する。そうすると返済に回せるのは月40万円で、仮に3,500万円が7年均等返済なら丁度くらい。


コーヒー


・・・ということを第一問では整理して表示すればよいが、かなりキツイねえ。


返済が進むと利息が減る分、余裕が生じるくらいで、自身でも書いているようにコーヒー豆の仕入れ等にも窮する次第だろう。


そしてそこからがディスカッションすべき事項。

じゃあ、どうするか?←これこそが重要。

レポートでもそこを重点的に記述してください。そこから”考える”ことが面白い!


ナイフとフォーク


結局、オフィスは新規に300坪借りるのは止めて、品川近傍で80坪増設に。

社員の通勤も便利だし、資金的なリスクも小さいし。

田町も渋谷も、綺麗で広くて、駅からも近くて良かったが、毎月1千万円を越える賃料はキツイはきつかった。


将来、この判断をどう思うか?

良かった!と思うのは、事業が「中」以下で推移したときで、

「最良」だった場合には、「一気に勝負すれば良かった!」と後悔するから、

むしろ「後悔」するくらいになるようにしないと。


しかし、先日、丸の内の高層ビルから周囲を見渡すと、

その昔、「皇居が丸見えだから・・・」と物議を醸し出した東京海上ビルの赤いビルは、高層ビル群に埋もれてしまって、丸の内から東京駅周辺は超高層ビルラッシュ。

この数年で、東京駅の周辺はTOKIA、2つの丸ビル、オアゾ、そして八重洲側と、ほぼぐるりと林立した。

商事ビルももうすぐ完成する。

さらに、丸の内の北側では、総合庁舎エリアから、公庫や経団連ビル、農林ビルらが建っていたエリア、さらにちょっと南のNTTや国際郵便局のエリアと、確かにちょっと古いが結構大きなビル群が取り壊されて、超高層ビルに生まれかわると言う。


すご~いオフィス供給が日本のど真ん中に出現することになる。

にも関わらず、新しいビルの賃料はまだまだうなぎ登りらしい。

丸ビルも、当初はフリーレントで大幅実質割り引いたとの噂がもっぱらだった、今や、更新すると賃料アップという噂も。

しかし、これだけのオフィス需要がどこから出ているのか?

いろいろな説があるが、どれもシックリこない。



満空



オフィスが満杯。

いくつか不動産屋さんに紹介いただいて、浜松町から渋谷で300坪くらいの物件を見て回っている。

お客様に来ていただくことと社員の通勤を考えると、今の品川からあまり不便でないところにしたいが。


田町の物件はキレイだし、機能的にも充実していて、駅3分。

それ以上に高層階だと、お台場・レインボーブリッジと、東京タワー・六本木ヒルズ、さらには富士山と眺望抜群!ただ、ちょっと予算オーバーであるが。。。


しかし、渋谷はIT系が不調だから?結構、新しいビルでも手ごろな値段で空きがある。

副都心線も開業して便利になったはずなのに。。。

いかにこのIPO不況が深刻か、この辺からも垣間見られる。


ウチもキレイで広いオフィス(=高い賃借料)に移って、半年で尻尾を巻いて逃げ出すようなみっともないまねだけはしたくない。

そうするとやはり増設かな。。。しょぼいが。それに抜群に便利な品川に居られるし。

ただ、二拠点も効率が悪いからなあ。それはそれで成長が止まったり、利益率が低下する一因だし。昔の反省もあるし。。。 悩ましい。



爆弾

今月のIPOは、イナリサーチ 1社だけ。

先月もプライムワークス 1社だけ。

その前月もアールテックウエノ 1社だけ。

要はこの四半期(4-6月)で、3社だけという危機的状況。

第三次ベンチャーバブル以来の年間100社IPOも、今年は大きく割り込むことが確実。

50~60社に留まるのではという悲観的な噂もチラリホラリ。。。

それはすなわち、公開会社が減ることを意味していて、すご~く重要なことだと思うけど。

あまり騒がれない。

政治家も、官僚も、票にもポストにも結びつかないから、真剣にやらない。

開業率の減少が、日本産業の、ベンチャー界の危機的指標として使われたが、

会社が減る、特に公開会社が減るってことは、まさに国力の低下に他ならない深刻な問題であるはず。

ベンチャーをやろうと言う意欲が、新しいことへのチャレンジマインドが萎んでしまう。

せっかくこの10年で曲がりなりにも整ってきたベンチャーインフラが崩れてしまう。

今こそ政官協力して、政策誘導すべきところはすべきだと思うが!?

今日、工科大のフードコートで昼食にかき揚げそばを食べたら、450円もした!

ビックリ!

僕が学生のころ、駒場生協のカフェテラスでは、素そば・うどんが90円、カレーライスが150円だった!

さらに院に進んで駒寮食堂にお世話になるようになると、いわしが一尾20円だった!

物価高と言うよりも、学生さんがリッチになったのか、工科大が商業主義が徹底しているのか、少なくとも学食が市井の料金よりも高いと言うのはいかがなものか?


まあ、お陰でマーケティングミックスの例題解説のネタになってよかったが。


 マーケティングミックスの4Pでは、Price(価格)が一番難しい。

 特にブルーオーシャンになれば、競合との類似で価格設定はできないし、原価に基づく価格設定はハナから否定すべき。そうすると顧客へ提供するバリュー等、顧客を考えた価格設定と言うことになるが、これが言うは安く・・・である。「適正価格はいくらですよ!」と教えてくれる神様みたいなお客様は滅多にいるものではない。


また、Promotion(宣伝)に投入する予算の妥当性も難しい。

  

 いくらセグメンテーションを絞りこんだターゲット限定で宣伝すると言っても、その予算の妥当性、費用効果分析をすることは難しい。また、当初予算を投入しても、効果が得られるかが鍵であるが。


ことほど作用に、一言、マーケティングの4Pがそのままワークすることは難しい。

あくまでフレームの知識とそれをオペレーションした実績を身に着けるのが課題です。



グッド! グッド!

たまにはフツーのブログっぽくお店の話。


たまたま金土とランチをホテルで中華を食べた。


金曜日は、会社の経理を長らくお願い(押し付け)していた社員が、育児に専念するため退社するので、その送迎会を、品川港南口出てすぐのストリングスホテルにあるチャイナシンドーへ行った。

まあ、卒業祝いということで一杯乾杯して、飲茶のランチコースをいただいたが、景色といい味といい申し分無かった。ただ、料金もそれなりで安くは無かった。 《投資いただいているVCの方々、自腹ですからご安心を!


土曜日はシェラトン都ホテルの四川。ランチコースもあったが、単品でタンタン麺を頂いた。こちらは1Fだが緑が美しくて雰囲気は良かった。オフホワイト?のチャイナドレスを着たウェイトレスさんが大勢居て、高そ~うと思った割には良心的で、TAX・サービス料とか入れて1,500円しなかったのでは?こちらは自分で払ってないから真相は藪の中。。。そう!タンタン麺のお味は辛味が程よく効いていてとっても美味しかった。

このホテルでは、カフェカリフォルニアもお気に入り。コブサラダが面白くて美味しいです。家でも思わずトライしてみました。


・・・と美味しい話題2題でした。


「フツー 写真くらい入れろよ!」と言われそうですが、ありません。


ラーメン




工科大の学生さんへ;


第一回のレポート(サイバーエージェントの経営環境のSWOT分析)では、自社の「強み」とすべきこと、例えば「有望な顧客とのチャネルがある」は「機会」でなく「強み」です。同様に「弱み」と「脅威」が混同されているケースもありました。また重要なポイント、例えば「機会」では欠かせない「ネット広告市場が爆発的に伸びようとしている」は外せません。

また、SWOT分析から経営判断をするところでは、せっかくSWOT分析をしたにも関わらず、それと関係ない論を展開していた人もいましたが、設問の主旨からはズレます。また、「GO」という結論であれば、弱みと脅威に対する対策を、「NG」であれば機会を見送る理由を述べる必要があります。


さて、第二回のレポート(7/2提出)の課題(1)を修正します。

旧:タリーズ1号店を出店した際の資金調達を整理せよ

  配布テキストにバッチリ書いてしまったので止めて、下記にします。

新:タリーズ1号店を出店した際の1年目(12営業月)の収支見通しを作成し、主な根拠と評価をせよ。


友達とかにも教えてあげて!

ニイウスコーが6/1で上場廃止になる。

ほとんどこの1年で株価が千分の一だから、一般投資家は怒りまくっていることだろう。

元々が野村総研とにほんIBMの共同出資で始まった会社で金融系に強みを持っている。

要は素性の良い会社。

それが、年商7~8百億円の会社で、5年間で682億円、約1年分の水増しがあったそうだ。

監査法人はトーマツで、手法は循環取引と言うが、監査法人だけでなく、フェニックスなど投資ファンドのデューデリでもバレなかったんだから、余程巧妙な手口なんだろう。

ここまで確信犯でして市場を混乱させた罪は重い。

ちゃんと捜査して、役員報酬も含めすべて没収すべく徹底的にして欲しいものだ。

一方で、アスキーS、ニイウスコーと日経新聞さんお得意の連載で、またまた新興市場=危ない市場のイメージアップだが(ニイウスコーは一部→二部で新興市場でないが)、これでまあIPO審査が厳格化しないことを祈る。

南無南無

!!

あと、ウヤムヤにされようとしているがNHKのインサイダー事件に加えて、脱税も大問題。

要は期ズレ操作を故意にやったわけで、公益法人がそんなことをして重加算税まで受けておいて、報道もほとんどしないなんてこれですまされていいんだろうか?

ベンチャーだったら、重加算税を受けるような悪質な脱税行為があるとIPO審査では重大な支障になるはず。

NHKも一年、公からの料金徴収を停止になっても妥当なくらいでは?

メラメラ

VCとして投資先の一つが事業譲渡してアンハッピーなEXITをした。

正確には一先ず実質休眠会社化するだけだから、即EXITではないが、実質もぬけの殻となる。


失敗の原因を反省すると、

-商社の口車に乗せられた。企業の論理で早々に退出されてダメージが拡大した。

-(上記に関連するが)経営チームが腰が据わってなかった。やはり経営チームが重要。

-市場への安易な期待。確実に吹くと思ったフォローの風どころか、強烈な逆風が吹いた。

-経営にスピード感が無かった。それと平行してキャッシュが無くなるスピードが速かった。


最後の点も、要は経営チームが、ベンチャーを見ていたのか、母体の商社を見ていたのかに尽きるかも知れない。甘かった。今となっては商社の重役の口約束に期待したのが間違いだった。しかし、よくもまあしゃあしゃあと・・・とは思うが、一方で微塵も未練を残さず早期に完全撤退した手腕は見事でもあった。ウチではああまで掌を返すことも、投資を諦めることもできない。


投資先で、まあよくもこれだけ・・・と思うくらい私財を投入して、ほとんど執念で続けているアントレプレナーもいる。自分の会社は、今は借り入れもほとんどないが、やはり信頼してくださるお客様、そして社員とその家族を考えたら、代表者たるもの私財を投げ打ってでも”何とかする"---例え、IPOできなくても、皆が不幸になる、期待を安易に裏切ることはできない、と自分は思う。ただ、その境界線はケースバイケースで難しいが。


今度のケースもギリギリ社員とお客様はより大きな器へ譲渡できたから、最悪の状態にはならずにすんだ。一番アンハッピーなのは投資家で、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。これを良い教訓にして今後の糧にしてお返しするしかない。


反省に浸る週末。


DASH!


DVDを立て続けに3本観た。

中でも良かったのが、『STAND-UP』---あまり宣伝とか記憶に無い、ひょっとすると一般の評価はアカデミーものでなかったかも知れないが、良かった。

70年代にアメリカの鉱山で働きだした女性らが、偏見に苦しめられながらも、最後で勇気をもってSTAND-UP(立ち上がる)話。一番、考えさせられたのは、偏見の中で勇気を持って立ち上がるシーンもだが、昨今のニート問題とか、働けるのに働かない、また働く環境の過保護に思いを寄せていた。

まずニートのかたがた、そして会社で不遇を嘆く方たち、昔の労働者と比べれば今は天国のようなもののはず。特に日本など民主的な資本主義国では、機会はかなり平等にあるはず。恵まれた環境の重箱の隅に文句を言うより、充実した社会人となるべく、全うな努力を、研鑽をすべきでは・・・と思う。


確かに、職場で映画にあったような筆舌つくしがたいようなセクハラはもっての他である。

一方で、ベンチャーであれば深夜までガッツで頑張るのも必要だ。スピード展開しなければいけない時に、当然採用は後手に回らざるを得ないし、それでも頑張ることはむしろ美談だと思うし、"好きで好きでだまらない仕事""遣り甲斐があって面白くてたまらない仕事"をしていれば、時間はあまり問題でないはず。

されど、今の労働法体系は違う!それは違法行為となりかねない。


工科大のレポートでサイバーエージェントの藤田社長が書いた本を参考図書として経営環境をSWOTで分析して、判断することを課題とした。

その中には、

-週100時間労働が一般化していた。→これは明らかに労働基準法違反で労基署から改善命令を受ける事項

-残業代を支給せず、アルバイトにさえ一時金で凌いだ。→これも同様で未払い残業代で決算修正が必要となる事項

-バリュークリックの規程をそのまま使った。→著作権法違反で業務停止命令または損害賠償訴訟になうr事項

-サイバークリック営業開始時にはシステムが未完成。→これは詐欺スレスレ

-バリュークリックの代理店からサイバークリック事業へ進出。→通常代理店契約に競業避止条項があるべきで、もし無かったらバリュークリックの落ち度。あればサイバーAの契約違反

あと、当初資本の7割を占めていたインテリジェンス比率を下げて、当初2割に過ぎなかった藤田社長のシェアを公開時には、IPO時の売り出しと社員への譲渡をしているから、相当株数が移動しているが、IPOお1年以内の移動でかつ価格的に妥当?仮に10%シェアをIPO直前(この話があるのはIPO前半年以内だろう)に移動させて、IPO時の時価総額が1千億円超だから、かりにその半値の10%としても、とても無償譲渡で済む話でない。

などなど、さすがにIPO時のチェックで核心を明確にしていないところがあるが、そうでなくても法令違反の恐れが推測される。


良いときにサイバーAはIPOしたと言えるかも。そうでなけえば赤字でIT企業がIPOはできなかっただろうし、IPOしていなければ、Mixiの投資益など多角化の恩恵もなかっただろう。そうすると本業の黒字化は確か今期だから、今までIPOはできなかった???


そう思うと、今回のレポートでも、「IT技術の蓄積を経て、商品が安定供給できる目処がつくまで新事業=サイバークリックには進出しない」と言う意見も多くてかつ説得力もあるが、歴史的にはその戦略を選択していたら、今のサイバーAはない可能性が高そうである。

かなり危ない橋でもそれを藤田社長以下駆け抜けたところにサイバーAの、ベンチャーとしての成功が勝ち取れたのかも知れない。



音譜