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  本物のお札が刷れるプリンター

 

 

ビジネスモデルという言葉があります。ビジネスモデルとは商品やサービスなどの付加価値の提供と、それによって得られる収益の獲得の仕組みを指します。この自分のビジネスモデルを説明できないと仲間がいても事業は進みません。お客さんからお金をはらってもらえません。銀行からもお金を貸してもらませんし、投資家から投資を受けることもできません。竹花さんが考えるビジネスモデルとはまず大まかに言うと「一番最短でお金持ちになれる方法」であるといいます。妙な話ですが、1万円のお札を1枚買ってくれといわれれば、皆いくらだ出すでしょうか。ただし1万円未満では売ってもらえません。1万円以上で1万円のお札1枚を買う人はいないでしょう。1万円未満で買おうとすると売ってもらえません。当たり前ですが1万円のお札1枚は1万円の価値しかありません。

 

 

ではあり得ない話ではありますが、自分が本物の1万円のお札を毎月30枚、30万円分印刷できるプリンターを持っていたとします。そのプリンターはもう1年使うことができて、1年たつと必ず壊れます。しかしこのプリンターを売らないといけなくなりました。では皆さんプリンターはいくら出で売るでしょうか、30万円では売らないでしょう。1年使えますが、360万円だと買ってもらえないので300万円ぐらいで売ったりする思います。皆さん貯金していると思いますが、貯金が100万円なら100万円の価値しかありません。しかしその100万円を元手にして事業を起こしてうまくいって毎月30万円利益が産み出せるようになります。これは毎月30枚、本物の1万円札を印刷できるプリンターを手に入れたのと同じなのです。ビジネスモデルとはお金のプリンターでもあると竹花さんはいいます。あと利益が上がる事業は売ることもできます。一般的に事業を売る場合の価格は
 

純資産(誰かに返済する義務のない企業の資産)+(営業利益×2年~5年)

 

が相場といわれています。なので毎月30万円の利益なら、5年で計算して売れれば、1800万円+αで売れることもあります。この事業を売って手に入れたお金を元手に、さらにもっと多くの利益をあげられる事業をつくり、またその事業を売ってお金を手に入れて、そのお金でまた事業をやったり他の人の事業に投資したり、お金が余ればローリスク、ローリターンの金融商品を購入したりするのです。地味で長くかかるじゃないかと思われるかもしれませんが、これが最短でお金持ちになる方法なのです。

 

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  どう儲けるのか

 

 

ビジネスモデルで考えることのひとつに「どう儲けるのか」あります。これはサービスを収益化し、どのような価格で販売するか、原価はどのくらいで、他にどれだけの費用の費用がかかるのかということです。まず「どう儲けるか」で考えるのは、売る商品。サービスの価格です。例えば事業を行う場合に、セグメンテーションといって地理、人口、生活習慣、過去の行動などの基準からさまざまなな切り口で市場の人々を複数の層に細分化することで、どの層で自社が勝てるのかを見極めることです。しかしこの細分化した後で、さらにターゲティングといって、例えば、化粧品なら20代から30代の女性に売り込むなどする場合があります。竹花さんはせっかく市場を細分化して絞り込んでいるのに、さらに絞る必要などなくお金が払える人すべてターゲットすればよいといいます。今の時代は男でも化粧はするし、80歳のおばあさんが若い女性向けの化粧品を使ってもよいからです。
自分が事業をやる場合「世の中の需要と供給のバランスで市場価格が決まるからどこもこの値段で売っている。ならうちも同じ値段にしよう」と市場価格で商品、サービスを売っていると絶対にうまくいきません。なぜなら、市場にはほとんどいっていいほど、大企業がいます。この大企業は規模にものを言わせて、個人事業主や中小企業では売れないような価格で商品やサービスを売っています。それが市場価格に反映されてしまっているからです。

 

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  BEP

 

ならどう価格を決めるか、これはまず固定費と変動費考えます。前にも説明しましたが、固定費は、事業の売上や生産量、販売数などに影響されない、一定に発生する変わらない費用のこと。給与・賞与・退職金や福利厚生費などの人件費や減価償却費、家賃や光熱費、リース料などがありますが、業種によって、光熱費やリース料が変動費となったりすることもあります。
変動費は事業を行うのにかかる経費のうち、売上や生産量、販売数に比例して増減する経費のこと。 原材料費、仕入費用、販売手数料、外注費、支払運賃が該当します。



価格を決めるにはまず上記のような縦軸は収益・費用、縦軸は売上高の固定費と変動費のグラフをつくります。
仮に自分が店をつくるとして、売るものの市場価格が1000円で、自分も1000円売ることにします。変動費である原材料費は300円です。固定費は月60万円です。

価格が1000円で原材料費が300円なので1000円-300円=700円
価格から原材料費を引いたこの700円の儲けは限界利益といいます。

これで商品を1つ売ると700円儲かることがわかりました。そして今度はBEP:Break-even point(損益分岐点)をグラフに書いて可視化します。BEPとは、費用を収益で補って損益が「0」になる利益状態で「損」と「益」が別れる点をいいます。BEPがマイナスになれば、事業は赤字、プラスになれば事業は黒字です。限界利益は700円で、固定費が60万円であれば、

60万÷700円≒858
売上は1000円×858個=85万8000円
変動費は85万8000円-60万円=25万8000円

これが価格1000円のBEPの指標となり、固定費を回収し事業を赤字にしないためには1ヶ月858個、商品を売らないといけません。

 


これを先程の固定費と変動費のグラフに書き込みBEPとします。1ヶ月857個であれば、1か月30日、定休日は月8日として1日39個、店の営業時間は8時間なら1時間に5個商品を売らないと赤字になります。1時間に5個も売れないとなると、市場価格である1000円ではやっていけないので、価格を上げないといけません。仮に価格を2000円にすれば、

限界利益は2000円-300円=1700円、60万円÷1700円≒353
売上は2000×353個=706000円
変動費は70万6000円-60万円=10万6000円

 



これが価格2000円のBEPの指標となりますので、グラフを修正します。事業を赤字にしないためには1か月353個、1日16個、1時間に2個売れれば赤字になりません。これなら売れるとなれば、価格を2000円にすべきなのです。こうしてBEPをグラフにして可視バケルしておけば、この価格であれば、これだけ売れば赤字にならないという具体的な商品の個数をはっきりわかりますし、本当に1時間でその個数を売りさばけるのかというものもわかります。事業を行うのにBEPをグラフにしないで加減にしていると絶対に失敗します。竹花さんの会社は、赤字になりそうなときは、営業に「あと営業で○○円売り上げないといけない」と言いません。金額だと営業で何件とらないといけないかわかりづらくなるのです。なのでBEPをグラフにしてはっきりさせて「あと営業で○○件とらないといけない」と必ず件数をいいます。ただ、そのまま2000円にしても売れるはずがありません。これは2000円で売れるようにする工夫が必要になるのです。

 

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