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薄利多売をするのは大企業
竹花さんが言うには今やっている事業がうまくいっていなければ、どう立て直すか、あるいは起業してどう事業をつくっていくかで軸になるのは、上記の図のように商品、サービスなどの1個の単価と売る個数、この単価を上げる施策をするか、単価を下げて売る個数を多くする施策をするか、単価を上げてかつ売る個数を多くする施策をするか、事業で行う施策はこの3つしかないのです。前のブログでは市場価格よりも高く商品、サービスを売らないといけないといいましたが、竹花さんは商品、サービスの利益率がオンラインでの事業で50%、店舗で20%確保できるなら、市場価格より安くして個数を多く売るのはよいといいます。ただやってはいけないのは、利益率を小さくして単価を下げて個数を多くする薄利多売の施策です。薄利多売は個人事業主や中小企業ではできません。薄利多売はそれ相応の規模と手法を持つ大企業ができることです。価格を下げれば、商品、サービスは売れます。しかしたくさん売るには労力、費用もかかります。人数が少ない会社で薄利多売をすると手が回らず商品、サービスの質が落ちて売れなくなり、やがては潰れます。また薄利多売では商品、サービスの利益が小さいため、原材料などが高騰したり、すぐに赤字になり、値上げをしないといけなくなります。薄利多売では値上げをするとお客さんはすぐに離れて売れなくなり、やはり潰れます。あと薄利多売だと質の悪いお客さんが増えて苦情を言う人も多くなり、その対応が大きな負担にもなります。また競合が値下げするば価格勝負でじり貧となりやっぱり潰れます。個人事業主や中小企業でも薄利多売をしているところもありますが経営が苦しいところが多いと言われます。一般的にも言われていることですが、薄利多売は個人事業主や中小企業には向いていないのです。まずこの講座では大企業が安く商品を売っても儲かる仕組みを説明します。
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大企業の低価格戦略
関東中心にすしざんまいという有名なすし店を51店舗を展開する株式会社喜代村は最近まで、木村清社長がマグロの初せりで数億円も出して競り落とし、店で解体されるのがテレビなどで放映されよく話題にもなりました。このすしざんまいは回転すしである店舗は一部しかなく、それでも安い価格で寿司を提供しています。水産物など生鮮食品は、漁師や農家、漁協や農協などの生産者から卸売業者が仕入れて市場に持っていきます。この卸売業者は数が少なく、日本一の取引量を誇る東京の豊洲市場でも、水産物の卸売業者は7社しかありません。市場では生鮮食品を市場内に店を持つ仲卸売業者が競り落として卸売業者から買います。仲卸業者は競り落とした生鮮食品を市場内にある自分たちの店に運び、すし店などの飲食店、魚屋、スーパーなどの小売店、かまぼこ屋などの加工業者向けに、買いやすい量や大きさに小分けしたり、袋に入れて店頭に並べます。また飲食店などに配達したりもします。これが水産物などの生鮮食品の流通です。ちなみに豊洲市場の水産物の仲卸業者は481社あります。しかし木村社長は直接漁港に足を運んでいい魚を選んで市場を通さずに仕入れたり、すし店にもかかわらず、卸売業者から直接競り落とすこともしました。こうして従来の流通にしばられず、木村社長は独自の流通ルートをつくることができたのです。これは木村社長が若い頃に当時のマルハニチロに入社していたのがきっかけで、長く水産業界に関わっていたためにできたことでした。もちろん周囲からの反発もありましたが、新しいことをしないとやっていけません。また社長は世界を飛び回り海外の65ヵ国と取引できるようにして、多くの産地から、いつでもいいすしネタをお店にそろえて安く売ることが可能になったのです。
次にアパレル業界の大手ユニクロの話ですが、アパレル業界では従来の流通の仕組みが、洋服の糸などの原材料を商社を介して洋服メーカーが買って商品を作り、その商品を卸業者がメーカーから仕入れて、デパートや洋服店などの小売店が卸業者から仕入れるといった複雑なものでした。これだと、商社や卸売り業者が入るので中間手数料がかかり、洋服も高額になってしいます。
そこでユニクロは従来の流通の仕組みではく、アメリカのアパレル業界の大企業であるGAPのドナルド・フィッシャー会長が1986年に提唱したSPA:Speciality store retailer of Private label Apparel「製造小売業」という企画、物流、販売までを全て自社で行う仕組みをとりました。ただしSPAは工場での商品の生産や原料の調達は協力してくれる別会社に任せるやり方が主流です。商品の生産、流通で主導権を持ち管理もユニクロが行うことで、商社や卸業者を通さず、中間手数料がないため、費用をおさえて、高品質の商品を安く提供できます。SPAでは自社の商品を直営の店舗で売るので、お客さんと直接接触できて、需要の予測もしやすくなりますし、工程や作業の始めから終わりまでにかかる所要時間であるリードタイムを短縮できるので、売れ行きに応じて臨機黄変な生産調整もしやすいと言うメリットもあります。しかしSPAは仕組みをつくるのに、莫大な費用、多数の人手、高度な知識が必要であること、卸売業者を通さないので、売れない場合には自社で在庫を大量が抱えると言うデメリットがあります。
すしざんまいとユニクロは確かに安いのですが、利益率が低い商品を大量に売るのではなく、商品を売るためのコストを下げて安く売っても利益を大きくしているのです。薄利多売のように見える他の大企業でも、実は薄利ではなく価格は安くても利益率が高い商品をたくさん売って儲けているところが多いです。このようなことは個人事業主や中小企業が今できるようなことではありませんし、やろうと思っても長い時間がかかり、そもそも実現も大変困難です。
アパレルの世界的なブランドであるZARAについても紹介します。ユニクロと同じくSPAの仕組みを用いていますが、低価格のユニクロと路線が違います。
ユニクロ
・老若男女問わず幅広い需要がある一般的な普段着を売る
・低価格だが、極端な低価格ではない。5000円程の商品も多いし、数は多くないが
1万円以上の商品もある。
・流行を追わず、需要を調べて、商品を時間をかけてつくり、大量生産して長く売る。
ZARA
・主に流行やおしゃれなデザインにこだわる20代から30代の男女向けの衣料品を売る
・価格はユニクロよりもやや高め。
・流行を追うため、時間をあまりかけず商品をつくる。少量生産で基本的に追加生産もしないが、商品の入れ替わりが速い。
ZARAはスペインのインディテックスという会社が持つブランドです。インディテックスは世界最大の売り上げを誇るアパレル企業でもあります。ZARAはプロモーションなどにはお金をかけませんが、商品の流通を早くするために、あえて費用の高い航空便を輸送に利用したりします。この商品の入れ替わりの速さがZARAの魅力にもなり、ユニクロよりもやや高い価格でも売れるのです。
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フォーエバー21の失敗
KnowerMagというファッション情報サイトで、ファッションアドバイザーのMBさんの2019年11月の記事にあるのですが、アメリカのアパレル業界の大企業であったフォーエバー21は2019年9月に破綻。日本からも撤退しました。フォーエバー21は若者向けに安い衣料品を売り、注目を集めましたが、フォーエバー21はSPAでなくOEMという仕組みをとっていました。OEM:Original Equipment Manufacturer「相手先ブランド製造」といって企画から生産まで全てを別の複数の会社に委託する方法です。OEMは費用や人手をかかけずに、商品を増産できたり、自社では対応できない商品をつくれるメリットがあります。しかしOEMでフォーエバー21がやることは他の会社がつくったサンプル商品のプレゼンを見て、気に入った商品だけを買ってあげて、それをフォーエバー21のブランド商品としてお客さんに売るだけでした。そうすると、ユニクロやZARAのように自社で苦労して考えて商品をつくらないので、ZARAのようなおしゃれではなく奇抜過ぎて大企業が売るのにふさわしくない中小のブランドが売るようなデザインの商品がたくさん出て来てしまいました。それにOEMなので商品の入れ替わりも遅いです。価格は数百円の商品まであり、安いですが、「生地がペラペラ」「縫製が甘い」といった声も多く、ユニクロのように品質がよくありませんでした。品質も悪くデザインもよくないとなると、「安かろう悪かろう」となり嫌がられてしまい、お客さんはユニクロやZARAに流れてしまいました。結局フォーエバー21は市場で選ばれなくなり、破綻してしまったのです。フォーエバー21はアメリカのブランド管理会社であるオーセンティック・ブランズ・グループに買収され、再建が進み、2023年4月に大阪に再上陸後の1号店を出店しています。このように大企業さえもでもいいかげんな薄利多売は失敗してしまうのです。
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