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URUオンラインスクールは主に起業や経営について学ぶものですが、竹花さんが日本経済について語った動画を見て、なぜ日本は今の経済状態になったかに興味を持ちました。またそれを知るためには日本経済に影響を与えた国際政治の歴史も勉強すべきと思い、学んだ知識を使ってブログを書きました。このブログの参考になった動画は一部公開ですが、YouTubeで以下のリンクから見られます。全て見たくなった方はぜひURUオンラインスクールに入学してください。
ボルカーショック
ボルカー総裁は1979年8月にFRBの議長に就任し、カーター政権の後1981年1月に発足したレーガン政権でも議長を続けました。アメリカのFRS(連邦準備制度)の加盟銀行は、預金残高の一定割合の連邦準備銀行への預け入れが義務付けられています。この預け入れるための資金が足りない場合に、加盟銀行が互いに短期資金をやりとりする市場で成立する金利のことをFF金利(Federal funds rate)といいます。日本では無担保コール翌日物にあたります。FF金利が成立する市場をFF市場といい、日本のコール市場にあたります。このFF金利はアメリカの景気や物価の安定など金融政策上の目的を達成するためにFRBが設定する誘導目標金利というもので、これがそのままアメリカの政策金利になり、金融機関の預金金利や貸出金利などに影響を及ぼします。FRBは不景気になれば場合はFF金利を下げて通貨供給量を増やし、好景気が過熱した場合はFF金利を上げて通貨供給量を抑制し、需給調節を行っています。しかしアメリカの今のスタグフレーションによる経済危機を食い止めるには、FF金利を上げて金融引き締めを行いインフレ食い止めるしかないとボルカー議長は考えていました。
FRBがFF金利を上げるとクレジットカード債務から住宅ロ資金、事業資金借り入れまであらゆるものの金利が上昇します。事業資金の借り入れ金利が高くなると、企業活動は縮小して雇用が減ります。住宅資金の借り入れ金利がが高くなると、アメリカ国民は家を買わなくなります。クレジットカードの金利が高くなると、アメリカ国民は支出を減らし請求額も減ってしまいます。その結果、支出が減り、通貨の需要もなくなりアメリカ国内の通貨量も減り、インフレは抑えられますが、ただでさえ悪い景気がさらに悪化して失業率は激増します。これは政治家の選挙の当選に関わるため、これまでのFRBは政治家の圧力で大幅なFF金利の引き上げはできませんでした。
FF金利は1979年8月の11%でしたが、10月にボルカー議長は、大幅な利上げを断行します。80年1月は13.5%、3月は16.5%、8月は11%に下がりますが、11月は15%、12月に17.5%、81年3月は15.5%、5月は19%にもなります。これは「ボルカ―ショック」ともいわれ。81年7月からアメリカは1929年の世界恐慌以来の大不況に突入します。
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おさまったインフレ
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上下両院をあわせたアメリカ連邦議会議員としての在任期間がおよそ57年半にも及び、アメリカ議会史上最長の在任期間記録を持つ民主党のロバート・バード上院議員はボルカ―議長を「インフレを抑えたりドルを守ったりするために、大勢の人々を失業させ、工場や鉱山を閉鎖するのは絶望的な政策だ。」と激しく批判。激痛を伴う経済の荒療治にはアメリカ国民の反発も激しく、住宅建設の仕事が激減した建築業者たちが使わなくなった木材をボルカー議長の事務所に送りつけたり、経済的に苦しくなった農民たちがワシントンのFRB本部をトラクターで封鎖したり、1980年4月には高金利に怒ってFRB本部に押しかけて来た群衆に対してボルカ―議長自らがマイクで説得することもありした。
アメリカの失業率は82年には9.7%、83年には9.6%にもなりましたが。しかし80年に13.5%だったCPI上昇率は81年は10.3%、82年は6.2%、83年には3.2%とようやくインフレは収まりました。失業率も緩やかに下がっていき、82年に9.7%、83年には9.6%だったのが、84年は7.5%、85年は7.2%、86年は7.0%となります。
このボルカ―議長の決断はアメリカ国民を大変苦しめたもののアメリカ崩壊の危機を救い、その後のアメリカの経済成長につながったといわれ、1992年から2020年までアメリカのCPI上昇率は4%を超えることはありませんでした。激しい批判からうって変わってボルカ―議長はFRBで最も成功した人物として世界中から賞賛されます。
しかしボルカ―議長の手腕に疑問を呈する意見もあります。ロイター通信の2019年12月の記事で1980年代前半には、石油価格下落のためにほぼすべての国でCPI上昇率が下ってインフレが抑えられており、アメリカがインフレ抑制でとくに優れていたわけではないとのこと。インフレを抑えるのは、経済的なショック、消費者・企業の心理、人口動態、財政政策、金融政策の間の相互作用でであり、ボルカー議長の大幅な利上げはインフレ抑制への効果は少なく、むしろアメリカ経済への悪影響の方が大きかったのではないかいわれます。
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金融引き締めの犠牲
金融引き締めによる高金利のためにドルでの資産運用が有利になり、国際的なドルの需要も高まって、極端なドル高になりました。しかしアメリカの輸出品は値上がりし、国際競争力はどんどん低下してしまいます。アメリカの高名な歴史家のティム・バーカー氏によると、アメリカの輸出不振に加え、利上げで借入金利が20%を超えることも多くなり、負債の返済の金利がかさみ、何万もの企業が廃業に追い込まれました。1982年には不景気が一番ひどくなり、82年2月の失業率は10.8%にもなり、仕事を求めているが探すのをやめた失業者や、安定した仕事を見つけられない失業者を含めると、実際の失業率は20%近くにもなり、1300万人ものアメリカ国民が失業あるいは失業同然の状態となりました。82年のアメリカのGDPは2%のマイナス成長に陥ります。アメリカ国内の工業地帯は最も大きな打撃を受け、失業者の90%は鉱業、建設業、製造業で発生。資金借入は金利も高くなり、投資も進みません。
ミシガン州フリントやオハイオ州ヤングスタウンなどの場所では、労働者の 5人に 1人以上が失業していました。オハイオ州アクロンでは、解雇されたタイヤ工場の作業員がアメリカで認められている売血で食い扶持を得ようと民間の血液銀行に行列をつくります、このため血液銀行は支払う価格を20%引き下げてまいました。ペンシルバニア州ピッツバーグ周辺では、失業者がホームレスシェルターの場所をめぐって争い、自殺とアルコール中毒が急増します。黒人の失業率はさらに悪く、1979年の約12%で既に高かったものがさらに上昇し、83年初頭には 21.2% にも達しました。
また多くの中南米諸国の政府はアメリカの銀行からドル建ての変動金利で資金を借り入れていましたが、ボルカー議長の利上げ後、金利が非常に高額になります。諸国の政府の債務は膨れ上がり、利上げにより中南米諸国との金利差が縮まり、より高い利回りを求めてアメリカへの投資需要が高まり、投資資金はアメリカへと流出した。この資金流出により、中南米諸国の通貨の需要が下がって下落が進行することで、中南米諸国において自国通貨に換算したときのドルなどの外貨建ての債務がさらに膨れます。このため輸入価格の上昇を通じてインフレが加速します。また第二次オイルショックで世界経済が行き詰まり、保護主義のような貿易が行われ、中南米からの輸出量が落ち込んだほか、主要輸出品目で自然の中で採取や採掘され、加工されていない産出品である金属資源、大豆、牛肉、水産物、たばこなどの一次産品の価格が1980年から下がり、輸中南米諸国の経済は苦境に陥ります。こうした中、メキシコは1982年8月、先進国の銀行から借りた資金の元本と利息の債務不履行の宣言を行い、これがきっかけで、ブラジル、アルゼンチン、ペルーなどの中南米諸国が債務不履行の危機にあることが次々と判明します。中南米諸国の政府の債権者となっていた多くの先進国の銀行と国際金融市場は大きな損害を被ったため、IMFはボルカー議長とFRBの要請もあって、財政赤字の削減と経済改革の行うことを条件に中南米諸国の政府を支援します。多くの政府は医療・福祉を優先して削減することで対応しますが、これは多くの中南米の多くの人々の命を危険にさらし、貧困をさらに悪化させ、ボルカー議長の利上げは、アメリカ内外で膨大な犠牲を出したとも言われています。パーカー氏によれば、このような膨大な犠牲ありきではく、もっと人道的な方法でインフレを食い止めることができたのではと疑問を抱く経済学者も多く、ケネス・アロー博士、ポール・サミュエルソン博士、ジェームズ・トービン博士といったノーベル経済学賞受賞者たちは、ボルカー議長の方法は過酷極まりないとして反対していたといいます。
竹花動画コーナー
Y.H X(旧Twitter)
ブログのユアユニの竹花の動画。竹花が考える小中学内で通用する仮想通貨での金融教育。教員不足で厳しい教育現場がこれができる環境になることを願わんばかりである。
— uruz001 (@wJYqoBq2Bv36945) September 30, 2024
竹花貴騎のURU!ボルガ―議長の荒療治https://t.co/PjcxDAgu0j
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