港区の社会保険労務士 内海正人の成功人材活用術!! -4ページ目

逆パワハラへの対応について

今回は「逆パワハラへの対応について」を解説いたします。

 

 

皆さんの会社に、少し注意をしただけで「パワハラだ!」と反発し、指導に応じない社員はいませんか?

 

近年、このような、社員から管理者などの上司に対するパワーハラスメント、いわゆる「逆パワハラ」が増えています。

 

本来会社は、使用者として、社員に対して当然に業務上必要な注意指導をする権限があります。

 

そのような場合に、社員が注意指導に応じないばかりか、逆に会社側に責任を追及してくるようなことがあれば、事業運営に多大な支障を来します。

 

さらには、注意指導をする管理者等の上司の側としても、部下から激しい追及を受け、注意指導に法的責任があるかのような言動を繰り返されることにより、自信をなくし、精神的に追い詰められ、最悪の場合には精神疾患を発症して休職を余儀なくされることもあります。

 

「逆」パワハラは、と言うものの、その実態は「パワーハラスメント」となんら変わるところはありません。そうすると、逆パワハラの要件は、パワーハラスメントの要件と同様に、やはり以下の要件から判断することとなります。

 

1.優越的な関係を背景とした言動であって

 

2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

 

3.労働者の就業環境が害されるものであり

 

4.「1」から「3」までの3つの要素を全て満たすもの

 

ハラスメントへの対応が社会問題となっている中で、弁護士に相談に行く、労基署に相談に行く、訴える、などと言われると、当然、会社としては当惑しますし、そのような社員に対して、腫れ物に触れるような対応をしたくなるのは当然です。

 

しかしながら、このような社員を放置することは、他の社員への対応と差を設けることになり、職場の秩序が乱れることは必至ですし、何より、職場環境を良くしたり、業務改善をするために注意指導をした上司の言動を否定することにもなりかねません。

 

逆パワハラに対しては、会社として、毅然とした態度で対応することが最も重要なのです。

 

何らかの問題行動が見られた際、最も簡易で且つすぐにできる注意指導の方法は、口頭での注意指導です。

 

注意指導は、逆パワハラなどの問題行動を現認してすぐに行うようにして下さい。

 

なぜなら、問題行動を現認したにもかかわらずその時にはこれを放置し、時間を置いてから注意すると、「あの時何も言わなかったのに急に今なんでそんなことを言うんですか?」「言いがかりです」などと、逆に反撃を受けるだけでなくよほど客観的な証拠が存在している場合でない限り、「私はそんなことはやっていません」と言い逃れをする可能性すらあるからです。

 

 

なお、注意指導には、もちろん社員の行動の改善を促すという役割がありますが、他にも、必ずしも客観的な証拠が残るものではない社員の言動について、「○○の行動に対して注意指導をした」という形で証拠を残すことで、合わせて、社員の行動をも記録するという役割もあるのです。

 

整理解雇での解雇回避努力について

今回は「整理解雇での解雇回避努力について」を解説いたします。

 

 

企業の業績が思わしくなく、やむを得ず整理解雇を検討することがあります。

 

労働法で、「従業員の解雇」は最終手段ともいわれ、実際に解雇を実施するにはとてもハードルが高いといわれています。

 

 

特に整理解雇を実行する場合、会社の都合での解雇を実施するので、4つの要件を検討し、実施しないと法的に無効とされるケースもあるのです。

 

整理解雇の4要件

 

〇人員削減の必要性

 

〇解雇回避努力

 

〇被解雇者選定の妥当性

 

〇手続きの妥当性

 

以上の4つの要素を総合的に判断して、実施することとなっています。

 

 

そこで、客観的に評価を行うことが難しい要件が「解雇回避努力」なのです。

 

これは、整理解雇を行う前に、配置転換や出向、希望退職の募集など、回避する努力をしたかどうかが問われます。

 

そうした手段による対処をせず、いきなり整理解雇を行っても認められないということです。

 

しかし、解雇回避努力については、企業の規模、業種、人員構成、労使関係の状況に照らして実現可能な装置が実施されているかを検討することなのです。

 

概要の話だけではなく、具体的にいろいろなことを考慮しないといけないのですが、「回避努力は認められないのではないか?」と感じてしまう人が多いように感じております。

 

 

しかし、実際の裁判で解雇回避努力が認められたものがあります。

 

<カーニバル・ジャパン事件 東京地裁 令和5年5月29日>

 

〇新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を運航する日本法人の元従業員の30代男性が、解雇は合理的な理由がなく無効だとして地位確認などを求めた

 

そして、裁判所は以下の判断をくだしました。

 

〇訴えを退け、会社の主張を認めた。

 

 

会社は2020年6月、従業員67人のうち24人に退職を勧奨した。

 

元従業員の男性は応じず「連合ユニオン東京」に入り団体交渉したが、同月に解雇されたのです。

 

そして、希望退職募集と新型コロナ対策の雇用調整助成金の活用など、同社が解雇を回避するための努力を尽くしていないと主張していたのです。

 

 

しかし、裁判所は希望退職を行っていなかった会社側の理由を認めました(各部門で中心的な役割を行っている社員が退職すると組織存続にかかわる。勤労意欲の低下を避けたかった)。

 

また、雇用調整助成金の活用がなされなかったとして、解雇回避努力が不十分とは言えないと判断したのです。

 

 

この裁判からいえることは、企業の規模、業種、人員構成、労使関係の状況に照らして実現可能な装置が実施されたか否かということです。

 

同様の事象が発生した場合、ケースバイケースとなりますが、実現可能な措置か否か?それが企業規模、業種、人員構成、労使関係の状況を鑑みて判断することが重要なのです。

 

精神疾患とハラスメントの因果関係について

今回は「精神疾患とハラスメントの因果関係について」を解説いたします。

 

 

パワハラやセクハラによってうつ病や適応障害になってしまった場合、労災認定となる場合があります。

 

労働者が業務上の事由、あるいは通勤によって、負傷、疾病、障害又は死亡したとき、労災保険により、療養費や休業の補償がされます。

 

パワハラやセクハラによって発症したうつ病や適応障害に関しての労働災害は長時間労働による場合に比べて、務との因果関係の立証が難しく未だ認定されるケースが少ない状況です。 

 

しかし、仕事によるストレスなどが原因で発病した精神障害について労災請求件数は増大しており、それと共に認定件数も増大しています。

 

労災認定されるまでは、「私傷病による休暇・休職」が会社の就業規則などで認められていれば、それを利用して休むことができる場合があります。

 

会社に「私傷病による休暇・休職」の制度がない場合には、年次有給休暇が残っていれば、それを用いて休み、有給休暇がなくなると欠勤になります。

 

仮にハラスメント等で精神疾患になってしまったと考えられる場合、行為者及び会社に対して多額の損害賠償の請求を行うケースが多くあるのです。

 

このような場合、多くは被害者側のみの訴えに基づいてなされていることから、このようなケースの裁判の認定がどのようなものなのか?はっきりしないとされています。

 

しかし、参考となる裁判があります。

 

<A社事件 東京地裁 令和5年5月29日>

 

〇女性社員Aは部長Bからセクハラを受けていた(・写真数枚の無断撮影・私的な飲み会の帰りのタクシー内での抱き着き)

 

〇これらの行為によりAは適用障害となった。

 

〇その後、医師による診断でPTSDとなり、AはBと会社を訴えて損害賠償、約1700万円の請求を起こした

 

そして、裁判所の判断は以下となったのです。

 

〇会社の安全配慮義務違反は認められない

 

→個人的な飲み会と判断

 

〇不法行為の慰謝料として55万円でそのうち写真の無断撮影は5万円が相当であると判断された

 

→業務中の無断撮影なので、この部分のみ会社の連帯責任を認めている

 

〇PTSDの因果関係は認めらない

 

事例の裁判では、セクハラと精神疾患の因果関係について否定されています。

 

この裁判ではPTSDの発症とハラスメント行為の内容を細かく分析し、症状が数年間も続くような重篤な精神障害が発生したとは認められないとして、因果関係を否定したのです。

 

そのうえで慰謝料の積算に入っているのです。

 

 

一般的に精神疾患の場合、精神科医の診断をいもとに多額の賠償請求をされることが多いのですが、診断自体が被害者側のみの訴えに基づいてなされるので、裁判所の判断となると大きなギャップが生まれてくると考えられます。

 

非常に微妙な問題すが、冷静な対応が求められます。実際はケースバイケースの対応でしょうが、周辺事情も含めた丁寧な対応が必要となってくるでしょう。

 

Z世代の定着化、早期離職防止のために

今回は「Z世代の定着化、早期離職防止のために」をお伝えいたします。

 

 

私のクライアント様からのご相談で多いのが、「社員、特にZ世代が定着しない。すぐやめるのを防ぐにはどうしたらいいか」というものです。

 

そもそも「Z世代」とは、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代、20代から30代前半の方を指します。

 

Z世代に対して、世間一般的なイメージは、「すぐ辞める」、「がまんができない」、「根性がない」などとなっています。

 

しかしながら、このような一般論で決めつけてしまうのではなく、この世代が育つ中で、どのような価値観が形成されたのかを捉えることが重要です。

 

それを、体系的および理論的に捉えることで問題の本質に迫ることができると強く思います。

 

Z世代を取り巻く時代の流れとして、「失われた30年間」、「終身雇用制の崩壊」など、一つの会社に勤めていれば良いという価値観が持ちにくくなり、その結果として「見切り」の早期化を加速させています。

 

言い換えると「キャリアの早期構築願望」が高いのです。

 

このような背景を踏まえると、Z世代が会社を見切る(離職)理由は、大きく2つに分類されると考えます。

 

・この会社にいてもキャリア安全性がない。“居ても無駄” “力がつかない”状態に陥ることによる離職(「不安型離職」)

 

・この会社・組織は何を言っても変わらないという“言っても無駄”な状態に陥ることによる離職(「不満型退職」)

 

これらを踏まえ、会社・組織の現状が、この2つのどちらに当てはまるかを分析し、回避するための具体的な改善策を取ることが重要です。

 

また、不安要因について聞いてみると1位は「仕事をうまくこなせるか」2位は「上司・先輩・同僚との人間関係」3位が「環境の変化に対応できるか」でした。

 

社会人として仕事をしていく上で重要だと思うことを聞いた設問では「良好な人間関係」がもっとも重要視されています。

 

上司や先輩に指導してもらいたいことも「仕事の進め方や基本」が上位です(マイナビ調べ)。

 

この考えのもと、クライアント様へのヒアリングや従業員との面談等を通じて、現状分析し、解決策をご提案させていただいております。

 

現場でのヒアリングを通じて感じることは、経営者は「自分はこう育ってきたんだ」が強い場合や、大手企業の実践例をそのまま自己流で取り入れる、はうまくいかないということです。具体的なものとしては、自己・組織効力感向上を目的とした研修や、従業員(マネージャー層、一般職層など)との面談などがあります。

 

こうした体系的かつ実践的なものの提供によって、徐々に会社と従業員の関係性が変わっていくでしょう。

 

「Z世代だから」「最近の若い者は」という前に離職という結論に結び付く前に「キャリア」というキーワードで働くということを分析し、これからの生き方を含めた形での指導を実施し、未来を見せることがポイントとなってくるでしょう。

 

ここまで考えて示すことが定着化、離職防止につながっていくのではないでしょうか。

 

自然災害時に必要な企業対応とは?

今回は「自然災害時に必要な企業対応とは?」をお伝えいたします。

 

 

企業は、従業員が安全かつ健康に働けるよう「安全配慮義務」を負っています。

 

これは就業時だけのことではなく、自然災害時にも適用されます。

 

自然災害時の出勤では、企業の判断で自宅待機や休業を命じるケースと、本人の判断で出勤しないケースがあります。

 

状況に応じて休業手当の支払が必要になります。

 

まずは、企業の判断で休業を命じるときです。

 

自然災害が起き、事業活動が行える状態にもかかわらず休業を命じるときは、それが従業員の安全確保のための措置だとしても、従業員に対して平均賃金の60%以上の休業手当の支払が必要です。

 

ただし、事業場の建物倒壊や器物破損など、出社しても事業活動を行える状態でないときは、天災事変等の不可抗力による休業となります。

 

この場合は、会社都合の休業とは判断されず休業手当の支払の必要はありません。

 

さらに本人の判断で出勤しないときについてです。本人の判断で出勤しないときや、自然災害の影響により出勤できなかったときは、休業手当の支払の必要はなく、欠勤扱いとなります。

 

このようなときに本人に負担なく休んでもらうためにも、有給休暇の取得を推奨し、振替休日や災害休暇などの特別休暇を就業規則に設けている企業も多くあります。

 

従業員が休むと事業がストップするため、出勤を強要するケースも見受けられます。

 

しかし、無理な出勤は強風や大雨による災害に巻き込まれ、帰宅困難者となるリスクがあります。

 

気象予測の正確性が増し、ニュースなどで事前に台風経路や豪雨情報などを把握できるケースも増えてきました。

 

自然災害が起きても、少ない人数で事業を継続できるよう以下のような対応の検討をおすすめします。

 

・災害時の緊急性の高い業務の整理

 

・出勤しなくても業務ができる体制づくり(テレワーク、振替休日など)

 

・出勤せざるを得ない場合の出勤者の選定

 

・出勤者の災害リスク回避(宿泊場所の確保)

 

・出勤できない可能性のある従業員の業務引継ぎ方法

 

・緊急連絡網の作成と更新

 

・電気、ガス、水道、通信など障害が起きた時の緊急対応(二次災害防止)

 

また、備蓄品の管理も必須です。予期せぬ災害が発生した際、必要な物資を迅速かつ、安全に配給するために重要です。

 

備蓄品の中には、食品の賞味期限や、消耗品の状況確認をはじめ、定期的な点検が必要なものもあり、補充や交換を行いながら、いつでも使える状態を保っていることが大切です。

 

 さらに、備蓄品は、災害が発生した際、避難経路や避難場所の近くなど、迅速に取り出せる場所に保管しておくことも重要です。

 

最近では、BCP(事業継続計画)の策定支援や経費の一部を補助する自治体や業界団体もありますので活用したいですね。

 

 

日本は自然災害が多く発生する国であり、地震などの予測困難な災害も少なくありません。

 

いざという時の従業員の安全確保のため、事前の対策を検討してみてはいかがでしょうか。

 

資系企業の整理解雇は日本企業と何が違うのか?

今回は「外資系企業の整理解雇は日本企業と何が違うのか?」を解説いたします。

 

 

外資系企業の整理解雇は日本企業と何が違うのか?

 

外資系企業と日本企業は、企業文化や働き方に大きな違いがあります。

 

外資系企業は、成果主義を重んじており、個々の社員の役割が明確で、自らの仕事を全うするための責任を持つ文化があります。

 

一方、日本企業は、終身雇用を重んじており、部署移動に伴う職種の変更が頻繁にあります。

 

外資系企業では、パワハラやPIP、退職勧奨など、労働者を辞めさせる手口が多く、人件費の節約やヘッドカウントの削減、ポジションクローズ、パフォーマンス不足、上司との折り合いが悪いなどの理由で労働者を辞めさせることがあります。

 

また、外資系企業では、レイオフ(layoff)も実施されることがあります。

 

外資系企業と日本企業の整理解雇の違いは、外資系企業がよりグローバルな視点で人件費やヘッドカウントを削減することを目指す一方、日本企業は、終身雇用を重んじており、部署移動に伴う職種の変更が頻繁にあるため、整理解雇の理由や方法が異なります。

 

具体的には以下となります。

 

外資系企業と日本企業の整理解雇にはいくつかの違いがあります。

 

〇法的枠組みの違い: 日本の労働法には、従業員の雇用を保護するための厳格な規制があります。

 

たとえば、雇用契約の解除には正当な理由が必要であり、従業員に対する通知期間や解雇手当の支払いが義務付けられています。

一方、外資系企業の多くは、本国の法律に基づいて、雇用契約を解除することができる場合があります。

 

〇解雇プロセスの違い: 日本企業では、解雇は慎重に行われ、通常は従業員との協議の上で行われます。

 

解雇理由や手続きは法的に厳密に管理されます。

 

一方、外資系企業では、解雇プロセスがより迅速に行われる場合があり、法的な手続きが柔軟であることがあります。

 

〇解雇手当の違い: 日本の労働法では、解雇手当が法定で規定されており、従業員に一定の補償が支払われます。

 

外資系企業の場合、解雇手当は会社の方針や契約条件によって異なります。

 

〇文化的な違い: 日本企業では、従業員の雇用安定を重視する傾向があり、解雇は最終手段として扱われます。

 

一方、外資系企業では、業績や市場の変化に応じて組織の再編成が行われることがより一般的であり、解雇が比較的頻繁に行われることがあります。

 

これらの違いは一般的な傾向であり、個々の企業や状況によって異なる場合があります。

 

 

現在の労働法では、少なくとも成文法でも裁判法理でも、通常の事例と特殊な事例とで適用される法理を異にする根拠はありません。

 

仮に、裁判となった場合、解雇の有効性の判断においては、雇用慣行等を背景とした労働契約の内容を踏まえつつ、上記諸要素を考慮するより他にないのが実情と考えられます。

 

外資系企業だから、日本企業だからという区分企業文化、働き方に違いがありますが、法的な判断は国内法で判断されるので、ここの基準は同じといえます。

 

 

不採用の理由を伝えないと法律に抵触しますか?

今回は「不採用の理由を伝えないと法律に抵触しますか?」をお伝えします。

 

 

法律は国や地域によって異なる場合がありますが、一般的には、不採用の理由を明確に伝える必要はありません。

 

不採用の理由を伝えることが法的に必要な場合、その理由は一般的には公平で非差別的である必要があります。

 

差別的な理由で不採用を行った場合、雇用差別の訴えや法的な問題が発生する可能性があります。

 

但し、従業員に対して公正で透明性のあるプロセスを提供し、不採用の理由が必要な場合には、その理由を適切に伝えることが重要です。

 

不採用の理由を伝えないと、労働者が不当に解雇されたと感じることがあり、訴訟に発展する可能性もあります。

 

これに関する裁判があります。

 

学校法人早稲田大学事件(東京地裁 令和4・5・12) 

 

教員公募試験に不合格となり、公正でないと賠償請求した事件です。

 

公募された専任教員の選考過程の情報開示を求めたが、拒否された非常勤講師が損害賠償を求めたのです。

 

書類選考で、不合格で、東京地裁は、職安法は根拠になり得ないなどとして請求を退けたのです。

 

労働組合の団交要求も、義務的団交事項に当たらず応諾義務を否定しました。

 

 

本件は、専任教員の公募で不合格となった原告が、選考過程や不合格の理由等について多様な法律構成(所属組合の団交要求を含め)によって開示を求めた事案です。

 

第一の主張は、契約締結上の信義則違反とのこと。

 

採用手続きが相当に進んでいたり、使用者側に採用を期待させる言動があるなどの事情があれば別段、そこに至らない本件で信義則違反をいうのは従来の裁判例に照らして困難と考えられます。

 

第二の主張は、職安法5条の4です。

 

同条は当該個人情報を収集、保管を規制するもので文言上開示の義務付けの言及はないとし、そこで本判決は、同条による文言解釈により同条による本開示請求を否定したのです。

 

 

第三の主張は、個人情報保護法28条2項です。

 

本判決は原告の要求内容が同法のいう「保有個人データ」であることに疑義を呈したうえ、仮に該当するとしても判決のポイント3の理由により(「当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合」に該当)これを否定しました。

 

原告Aは現在被告の非常勤講師であり、本件で団交事項とする専任教員の採用過程等とは別ルートの雇用関係です。

 

したがって、義務的団体交渉事項には該当しないのです。

 

本判決は個人の本件情報開示・説明義務の不存在にも言及するが簡潔な判示なので団交義務との法的関連がやや分かりにくいです。

 

すなわち一般に法上の情報開示・説明義務が発生しない場合も、事案によっては労働組合に対する資料提供や説明が労組法7条2号の誠実交渉義務の内容となることがあり得るからです。

 

しかし、団交の要求の対象が全く別ルートの採用問題であるので、本件はそもそも前提となる私法上の義務がないので結局被告には団交応諾義務はないと考えられているのです。

 

 

部署ごとで独自のフレックスタイム制度の運用は可能でしょうか?

今回は「部署ごとで独自のフレックスタイム制度の運用は可能でしょうか?」を解説いたします。

 

次のような相談がありました。

 

「当社はフレックスタイム制を導入しており、コアタイムは、適用者全員一律の時間帯としています。一部の部署で、繁忙となる月末に労働者間の連絡調整がうまくいかないことがあり、もう少しコアタイムを伸ばせないかと思います。不利益変更の問題はさておき、特定の部署・期間だけ別の定めをすることは可能なのでしょうか。」

 

フレックスタイムの適用については、企業や組織によって異なる規則が設けられています。

 

一般的には、部署ごとに異なるフレックスタイムの定めができることがあります。

 

ただし、これは組織の方針や業務の性質によって異なりますので、具体的なポリシーやルールは、所属する組織や会社の人事部門や労働組合などから確認することが重要です。

 

具体的には、フレックスタイム制(労基法32条の3)では、任意で、コアタイムとフレキシブルタイムを設定できます。

 

コアタイムの時間帯は、労使協定で自由に決められるとしています。

 

設ける日、設けない日を設定したり、日によって異なるものも可能です。コアタイムを分割することもできます。

 

 

このため、部署や時期により異なるコアタイムを適用することも可能といえます。

 

よくある規定例として、原則のコアタイムを決めつつ、ただし書きで経理部所属の者は毎月20~24日に限り、異なる時間帯を設定するものを挙げていました。

 

なお、始業・終業とコアタイム間のフレキシブルタイムが30分程度しかないような、フレキシブルタイムが極端に短い場合は、始業等の時刻を委ねたことにならないとしています。

 

 

また、フレックスタイム制における部署ごとのルール化は、問題が生じるおそれがあります。

 

特に、部署ごとに異なるコアタイムを設定すると、部署間のやりとりに支障が出るおそれがあります。

 

このため、フレックスタイム制を導入する企業では、コアタイムの設定や運用ルールについて、事前に従業員に対して説明を行うことが重要です。

 

また、フレックスタイム制を導入するにあたっては、就業規則への明記や、労働基準法の遵守も必要です

 

 

フレックスタイム制度での労働時間の管理方法は、コアタイムとフレキシブルタイムに分けられます。

 

コアタイムは、労働者が必ず働かなければならない時間帯を定めたもので、企業の就業規則に基づいて設定されます。

 

一方、フレキシブルタイムは、労働者が始業・終業時間を自由に設定できる時間帯で、労働時間の管理は、企業の就業規則や労働基準法の規定に基づいて行われます。

 

フレックスタイム制度を導入することで、残業時間の定義が変わるため、結果的に残業が減る場合もあります。

 

また、フレックスタイム制度では、労働時間の管理が複雑化するため、労務管理の重要性が高まります。

 

そのために、運用でのトラブルが多く見受けられます。

 

トラブルを回避するにあたり、第一に会社側も従業員側もフレックスタイム制度への理解を深めることが重要となります。

 

部署ごとで独自のフレックスタイム制度の運用は可能でしょうか?

今回は「部署ごとで独自のフレックスタイム制度の運用は可能でしょうか?」を解説いたします。

 

 

次のような相談がありました。

 

「当社はフレックスタイム制を導入しており、コアタイムは、適用者全員一律の時間帯としています。一部の部署で、繁忙となる月末に労働者間の連絡調整がうまくいかないことがあり、もう少しコアタイムを伸ばせないかと思います。不利益変更の問題はさておき、特定の部署・期間だけ別の定めをすることは可能なのでしょうか。」

 

フレックスタイムの適用については、企業や組織によって異なる規則が設けられています。

 

一般的には、部署ごとに異なるフレックスタイムの定めができることがあります。

 

ただし、これは組織の方針や業務の性質によって異なりますので、具体的なポリシーやルールは、所属する組織や会社の人事部門や労働組合などから確認することが重要です。

 

具体的には、フレックスタイム制(労基法32条の3)では、任意で、コアタイムとフレキシブルタイムを設定できます。

 

コアタイムの時間帯は、労使協定で自由に決められるとしています。

 

設ける日、設けない日を設定したり、日によって異なるものも可能です。

 

コアタイムを分割することもできます。

 

 

このため、部署や時期により異なるコアタイムを適用することも可能といえます。

 

よくある規定例として、原則のコアタイムを決めつつ、ただし書きで経理部所属の者は毎月20~24日に限り、異なる時間帯を設定するものを挙げていました。

 

なお、始業・終業とコアタイム間のフレキシブルタイムが30分程度しかないような、フレキシブルタイムが極端に短い場合は、始業等の時刻を委ねたことにならないとしています。

 

 

また、フレックスタイム制における部署ごとのルール化は、問題が生じるおそれがあります。

 

特に、部署ごとに異なるコアタイムを設定すると、部署間のやりとりに支障が出るおそれがあります。

 

このため、フレックスタイム制を導入する企業では、コアタイムの設定や運用ルールについて、事前に従業員に対して説明を行うことが重要です。

 

また、フレックスタイム制を導入するにあたっては、就業規則への明記や、労働基準法の遵守も必要です

 

 

フレックスタイム制度での労働時間の管理方法は、コアタイムとフレキシブルタイムに分けられます。

 

コアタイムは、労働者が必ず働かなければならない時間帯を定めたもので、企業の就業規則に基づいて設定されます。

 

一方、フレキシブルタイムは、労働者が始業・終業時間を自由に設定できる時間帯で、労働時間の管理は、企業の就業規則や労働基準法の規定に基づいて行われます。

 

フレックスタイム制度を導入することで、残業時間の定義が変わるため、結果的に残業が減る場合もあります。

 

また、フレックスタイム制度では、労働時間の管理が複雑化するため、労務管理の重要性が高まります。

 

 

そのために、運用でのトラブルが多く見受けられます。トラブルを回避するにあたり、第一に会社側も従業員側もフレックスタイム制度への理解を深めることが重要となります。

親睦費などの給与天引きについて

今回は「親睦費などの給与天引きについて」を解説いたします。

 

 

先日、こんな質問がありました。

 

「新卒で入社した社員から、親睦会費の天引きの取扱いに納得ができないといった意見がありました。賃金控除の労使協定は締結済みですが、このまま会費の徴収を進めたとして、労基法上問題があるのでしょうか。」

 

親睦会費の給与天引きについては、会社や団体の方針や規則によって異なります。

 

一般的には、親睦会費の支払い方法は以下のようなものがあります。

 

〇給与天引き(控除):会社や団体が親睦会費の支払いを、従業員の給与から天引きしていく方法です。通常、従業員の同意を得て行われます。月々の給与から一定額が差し引かれ、親睦会費として親睦会に支払われます。

 

〇自主支払い:給与からの天引きではなく、従業員が自主的に親睦会費を支払う方法です。通常、口座振替や現金支払いが選択されます。

 

〇給与一括支給:一部の企業では、年次ボーナスや特別な支給の際に親睦会費もまとめて支払われることがあります。

 

〇支給なし:一部の場合では、親睦会費を支払う必要がないとする場合もあります。その場合、親睦会活動の費用は会費ではなく、別途集められることもあります。

 

会社や団体の方針によって異なるため、具体的な方法はその組織によって異なります。  

 

また、労働基準法において、使用者は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせ、または貯蓄金を管理する契約をすることはできないとしています(労基法18条)。

 

いわゆる「強制貯金の禁止」といわれています。

 

親睦会は会社とは別組織ですが、会費等は賃金から控除されていることが少なくありません。

 

賃金控除協定に関する解釈例規(平11・3・31基発168号)では、協定の様式は任意ですが、控除項目ととともに控除を行う賃金支払日を記載するよう求めています。

 

都道府県労働局の協定書の記載例においても、親睦会費などを列挙したものがあります。

 

強制的な貯金は禁止されていますが、労働者の委託を受けて使用者が任意に貯蓄金を管理することは可能です。

 

ただし、労働契約に附随するものは禁じられているため、貯蓄契約をしなければ解雇するといったものは認められません。

 

貯蓄金として管理する場合、使用者は労使協定の締結や届出の他、労働者の返還請求には遅滞なく応じる義務を負います。

 

 

従業員全員に賃金の一部拠出が義務付けられている場合でも、それが労働者相互の共済互助活動としての組織の掛金であり、拠出金が、結婚祝金等特定の事由が発生した労働者についてのみ支払われるようなものは、労基法18条の貯蓄金とは考えられないとされています。

 

その他、労基法には、退職の場合の金品の返還について規定した条文もあります(23条)。

 

ただし、対象となるのは、労働関係に関連して使用者に預け入れまたは保管を依頼したものとなっています(前掲書)。

 

 

なお、本人の同意がない賃金控除が問題にならないとはいい切れません。

 

規約等を整備して、拠出額以上の給付を受けることもあるなど従業員に対して加入のメリットを説明するのが肝要でしょう。