今回はいよいよ来月10月4日にウマ娘アニメのSeason3が始まるということで、キタサンブラックの主にクラシックの時についておさらいの意味で書いていきたいと思います。

詳しい人には知っている情報も多いかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。

 

ご存じの通り、キタサンブラックは競走馬としては中長距離のG1を7勝し、2度の年度代表馬やJRA顕彰馬にも輝いた名馬。

種牡馬としてもイクイノックスやソールオリエンスを輩出し、将来のリーディングが期待されている馬でもあります。

 

しかし当初から活躍が期待されていた訳ではなく、むしろここまで活躍したのがとんでもない奇跡という感じの馬でした。

 

 

初出走は3歳の1月31日。そこから3歳500万下、スプリングSと連勝し、皐月賞へ向かいます。

 

驚くのはこの時の3戦の人気で、新馬戦が3番人気、500万下が9番人気、スプリングSは5番人気でした。

つまり勝てると期待していた人はそこまで多くなく、馬主さんや厩舎関係者の皆さんにとっても本当に嬉しい誤算だったと思います。

実際、クラシック登録はしておらず、皐月賞は200万円の追加登録料を払っての出走でした。

 

人気が無かった理由は恐らく血統。

キタサンブラックはご存じの通り母父サクラバクシンオー。新馬戦とスプリングSが芝2000m、500万下が1800mで距離が持たないと考えられていたのかもしれません。

 

ちなみに母父バクシンオーは実際1200mや1400mを得意とする馬が多いのですが、シュガーハートの子に限るとショウナンバッハが芝2200mを、エブリワンブラックがダートの2000mを勝つなど、中距離で走る馬も出ています。

キタサンブラックも母のそういう部分を受け継いだのかもしれません。

 

 

話は戻しますが、キタサンブラックは無敗の3連勝で皐月賞に挑むことになります。

ただ、そんなすごい馬でもなかなか勝てないのがG1レース。初出走の皐月賞では4番人気3着、ダービーでは6番人気14着と大惨敗してしまいます。

 

ウマ娘のアニメPVでG1を勝てず涙を流しているシーンはおそらくここからだと思います。

 

(ちなみに脱線しますが、最近調べた時にドゥラメンテが賞金が足らず、皐月賞に出られなかったかもしれないと知って驚きました。ただ回避馬が続出し、結局1999年以来の定員割れでのレースとなったようです。詳しくはこちら参照)

 

 

秋に入り、セントライト記念に出走しますが、芝2200m。この時点ではまだ距離不安が払しょくされておらず、6番人気になるも、勝利して菊花賞に向かいます。

 

菊花賞のレースはすごかったですね。

この時は珍しく道中は中段につけて、直線で差し切り、リアルスティールの追撃をしのいでのクビ差勝ち。

直線では最内を狙ったものの前のミュゼエイリアンが壁になり、進路変更でロスがあっての差し切りですから。どうしても母父バクシンオーの馬が3000mを勝ったというイメージが強いですが、レース自体も強い内容でした。

 

 

ちなみにキタサンブラックというと逃げ馬という印象を持つ人が多いかなと思うのですが、実は3歳で北村宏司ジョッキーが主戦だった頃、道中先頭でレースをしたことはなく、先行する時は大体2番手でした。

菊花賞の後、北村ジョッキーが落馬負傷で有馬記念は横山典弘ジョッキーに乗り替わるのですが、この時に初めて逃げを試す事になります(結果は3着。勝ったのはゴールドアクター)。

 

翌年武豊ジョッキーに乗り替わってからは逃げるレースが多くなりましたが、それでもヤマカツライデンやマルターズアポジーなどハナに立つ馬がいた時は譲って2番手でレースをしています。なので実際に逃げたレースは20戦中7戦しかありません。前述の菊花賞や新馬戦、あの出遅れた大雨の天皇賞秋では中段や後方でレースをしてましたが、普通に折り合って1着になってます。

 

その自在性が産駒のイクイノックスにも受け継がれているのかもしれませんね。

 

 

最後に種牡馬として。もちろんイクイノックスの活躍はすごいんですが、他の馬もすごく走っている馬が多く、すでに重賞勝ち馬は6頭います。

 

特筆すべきは走らなかった産駒が突然好走することがある事ですね。例えば今年4月23日の燧ヶ岳特別(1勝クラス)で9番人気のタガノバルコス、3月25日の未勝利戦で12番人気のシステムリブート、8月20日の1勝クラスでは14番人気のワレハウミノコがそれぞれ勝利してます。

そういう意味で人気が無くても走るかもしれない、非常に夢のある馬だと思います。

 

今年は種付け数が非常に多かったですが、馬主の北島三郎さんや関係者、ファンのためにも無理をせず長生きして欲しいと願っております。

 

 

ではでは~