自由
それは例えば
自転車を
一人で漕げた時
こげた!
こげた!!
その舞い上がる
約20秒間の気持ち
嬉しすぎて
教えてもらったコツが
吹っ飛んでも
まだこげる!!!
補助輪も
父さんも
いないけど
すすんでる!!
あの喜びを
覚えている足が
今日も漕がす
自転車を!
自由
それは例えば
自転車を
一人で漕げた時
こげた!
こげた!!
その舞い上がる
約20秒間の気持ち
嬉しすぎて
教えてもらったコツが
吹っ飛んでも
まだこげる!!!
補助輪も
父さんも
いないけど
すすんでる!!
あの喜びを
覚えている足が
今日も漕がす
自転車を!
断ち切るつもりもないのに
もう少し心地よい距離感でいいのに
「あわよくば」をずっと抱いていたいのに
断言してしまった
もう答えは二つしかないなんて
もうこのままじゃいられないなんて
もうまっさらに笑い合えないなんて
過去が遠のいていく
断ち切るつもりもないのに
一緒にいたいという気持ちを
一言にして言っただけなのに
私はあなたを悲しませるかもしれない
私はあなたをがっかりさせるかもしれない
私は今のあなたにとって
いい私じゃないかもしれない
生まれてきた私にはどうすることもできない
時にめくられ時に触れられ時に眺められて
私はあなたの前に展示されている
戻れない扉の入口のように
私はあなたを導いてしまうかもしれない
私は願っている
いつかあなたにいい私になれることを
再び誰か に出会う日のために
私は倉庫の中でも
展示し続けている
怒ったからって
物に当たるなんて
芸がないし
やりきれないからって
叫ぶなんて
ダサいし
だけど何かにしなくちゃ
いられない
いられない
握りしめたこぶしには
恥ずかしくて見せられない
ベタすぎる感情
時にさらわれそうな
心の今のうちに
書き留める
沈みゆく過去から
言葉をすくい上げる
今に濡らされていても
失われつつある
感触を手に
刻み付けるように
あの瞬間の
せめて残り香でも
書き止める
読み返す日は
来るのだろうか
あの一行を
庭の隅で
息絶えたバッタを
蟻んこが持ち去っていく
後に残された
陽だまり
格好よく滅びたつもりの
廃墟だって
まだ滅びる途中で
壁は崩れ
草は生い茂る
終末は
そこに留まってはおれない
始まらずにはおれない
にわか仕込みで
覚えた絶望は
跡形もなく消え去る
滅びのイメージなど
すぐに滅ぼされていく
一輪の花によって
ヘッドフォンをしている間
外の音は聞こえない
降り出した雨に
気づくのはしばらく後のこと
どんなに素敵な音楽も
心のこもった朗読も
誰かの耳を奪っている
世界から耳を遠ざけている
何かに耳を塞いでおかねば
何かを聞き取ることもできない
何かに盲目でなければ
何かにしっかり向き合えない
どんな素晴らしい絵画でも
綺麗に折り重ねた言葉でも
誰かの目を求めている
こっちを向けよと言っている
薄っぺらなアイマスクが
賑やかな夜を塞ぐ
目蓋の上に蓋をして
欲張りな瞳を寝かしつける
はなをさかせたので
なまえをください
このはなびらにあう
なまえをください
いちねんじゅう
さきほこっていられるような
なまえをください
よるはまっくらいから
なまえをください
あのまどべににあう
なまえをください
つみとることが
つみぶかくおもえるような
なまえをください
はながかれても
わたしはいきているから
いつだってよんでくさだい
なまえを
ええい言ってしまえと思った時に
君は寝息を立てて寝ている
僕の行く宛のない眼は
壁の白さをひたすらに確かめる
今日はなかったことにした言葉だけど
気持ちまでは消さないように
積み上げられた現実を一つ
また一つと片づけることに追われて
つっかえの取れない胸に
胃薬を放り込んでとぼとぼと歩く
今日は叶えられなかった望みだけど
祈りの灯までは絶やさぬように
耳に入った痛い言葉
目に入れられたかっこ悪い場面
今日は笑って受け流したけれど
心までは濁しはしないように
討論なんてしたくない
答え合わせするつもりもない
秋に染まりかけた
木の葉をぼんやり見つめながら
一人で思っていたい
受け入れようなんて言わない
だけど拒んだりもしない
あなたが発した言葉を
耳の片隅に残しておいて
一日を過ごしている
劇的になんて望まない
進化だなんて大げさだ
まだ半袖のシャツに
新しい季節を染み込ませて
誰にも気づかれないくらいに
こっそり変わっていきたい