フリーランス翻訳者の 「英語で生きる」

フリーランス翻訳者の 「英語で生きる」

中学校の義務教育課程で英語に初めて出会って40年、54歳にしてやっと英検1級、57歳で全国通訳案内士資格、59歳で国連英検特A級に受かり、そのまま勢いで30年以上続けたのサラリーマン生活に別れを告げてフリーランス翻訳者としての道を歩き始めたおっさんです。

今日は前立腺生検の結果が出る日。

 

ずっと今日が怖かった。

 

覚悟を決めようとして、癌の告知を受けた場合の心理状態を、数えきれないぐらいの回数頭の中でシミュレーションした。時折もたげてくる希望は、最悪の事態となった場合の失望を増幅する要素にしかならないと思い、抑えつけた。

 

病院に向かう時は軽い吐き気さえ感じた。

受付を済ませてからの待ち時間、いつもは早く自分の順番が来て欲しいと思うのだが、今日ばかりは名前を呼ばれるのが怖かった。

 

そしてついにアナウンスされた自分の名前。

意を決して診察室に入る。

 

自分が椅子に座るか座らないかのうちに発せられた医師の第一声は、「14本の生検をしましたが・・・」というもの。息を飲んで待った次の言葉は、

 

「癌細胞は見つかりませんでした。だから心配ないと思います」

と言うものだった。

 

思わず、「ああ、良かったー。心配してたんです」と声に出していた。

 

人間ドックで異常を指摘されてから約6ヶ月、辛かった。毎日、不安が頭を離れなかった。

今後の人生をどう遣うかばかり考えて、先を見据える気力も失っていた、

 

それでも、前立腺癌の性質からして、これで発症の可能性がゼロになったわけではない。たまたま生検で見つからなかっただけかもしれない。

でも、今日はひとまず気を緩めたい。


 一時すべて幻のように思われ出した人生の全てが、また実体を持つようになった。

これでまた再び頑張れる。神様、ありがとう。

タイトルの通り、ラテン語を勉強してみることにした。

 

だいぶ前から英語以外にもう1つ2つ、外国語を勉強したいと思っていた。第一候補は、学生時代に第二外国語として履修しながらほとんど勉強しなかったフランス語だったのだが、思い切ってラテン語に挑戦してみることにした。

 

自分はホラー映画も結構好きなのだけど、典型的なシーンとして、古い地下室などで発見された怪しい古文書を見たカトリックの神父とか学者とかが、「ラテン語で書かれている・・・」なんて呟くというものがある。そういうシーンを見て、ラテン語に神秘的なイメージを抱き、ロマンを感じていた、

 

また、フランス語やドイツ語だったら勉強している人はいくらでもいるが、ラテン語を勉強するとなると少数派だろう。

それに、言葉と同時にいろいろ知らなかったことを勉強できそうだし、「学問」をやってるみたいでちょっとかっこいい。

 

ただ、ネットで色々調べてみるとラテン語は半端なく難しそう。

ちょっと身につけられるイメージが湧かないが、「ラテン語がどういうものか」ぐらいでも分かればいいと思う。

 

手始めに、初心者向けの本として勧めている記事をネットで見たので、「教養としてのラテン語の授業」をAmazonで買ってみた。

 

 

早速読み始めたところ、語学書というよりはラテン語を巡るエッセイのような感じでとっつきやすく、最初の1冊としては良さそう。

 

毎度のことながら、新しいことに取り組み始めるのはワクワクする。

数日前、応募していた出版翻訳のオーディションで最終候補に残ったという連絡が来た。

 

それで原書をKindleで購入し、半分以上読み進めたところで今日落選の連絡・・・。

 

選考まで1週間程度かかるだろうと思い、この週末で全部読むつもりではりきっていたのだが、中止。

 

同じ事がこの1年ぐらいの間で3,4回ぐらいあった。

最終選考までの打率は比較的上がって来たように思うが、案件の獲得にまで至らない状態が続く。最終候補者といっても10人ほどいたようなので決して壁は低くないのだけど。

 

売れない画家か作家にでもなったような気分。

Facebookグループで見つけたのですが、この面白さ分かりますか?


コメント欄を見るとネイティブでも分からなかった人が結構いるようです。

答えは単純なのですが・・・。


【ヒント】

「無人島」は英語で・・・?

昨日から1日入院で前立腺の生検を受けた。

 

前立腺癌判定の決め手となるのがこの生検で、多いのが腰から下に麻酔をかけ、仰向けになった姿勢で足を開き、肛門の上から前立腺目掛けて十数回(自分は14回だった)針を刺して、細胞を採取するというもの。

 

始める前に医師から、「麻酔担当医師が全身麻酔の方が楽なんじゃないかと言ってるので、相談して決めてください」と言われた。

 

やはり意識を失うことがちょっと怖くて最初の予定通り下半身麻酔にしてもらったが、手術室では麻酔担当医師が全身麻酔やる気満々で

おり、少しだけ揉めた。

 

下半身麻酔初体験だったが、本当に全く感覚がなくなり、下半身付随状態を疑似体験した。事故等で下半身の自由を失った人の味わう衝撃や、車椅子生活の苦労を垣間見られた気がする。

 

生検は日帰りで行う病院もあるらしいが、自分の利用した病院は1日入院。でも、カテーテル経由で血尿がだいぶ出ていたので、結果的に入院で良かったと思う。

 

ベッドを離れるなと言われ、横になっていただけなのに全身に疲労感がある。いつもは入院中でも比較的よく眠れるのに、昨日は余り眠れず。iPhoneの睡眠時間計測アプリを見たら2時間45分だった。

今日から1週間程度アルコールを控えなければならないのが辛い・・・。

 

結果の通知は9/11とのこと。

まだまだ試練はこれから。

 

それにしても、と思う。

 

自分は心筋梗塞で死にかけて以来、ストイックに体調管理をしてきた。

体組成、血圧は毎日測定、2ヵ月ごとの定期検診の数値はすべて正常範囲に収めてきた。Apple Watchに心電図計測機能がついたのを契機に購入し、入浴時間以外は、睡眠中を含め24時間着用して可能な限りの体のデータを収集・確認している。

 

食事にも気をつけ、家では玄米ご飯、肉は極力避けて魚、それも調味料をほとんど使わない焼き魚メイン。毎日レタスを皿に山盛り食べているが、ドレッシングは塩分取り過ぎの気がして、塩をパラパラと振るだけにしてオリーブオイルをかけて食べている。

 

まあ、昼食はどうしても外食になってしまうが、これがいけないのか・・・?

 

でも、しまいに医者から「貧血気味ですね」と言われるまでになっている。

 

強いて言えばアルコールは成人男性標準(1日ビール500ml以内)をちょっとオーバーしている(終末の缶チューハイやワインなど)が、一定以上の度は超さないよう注意し、肝臓関連の血液データはすべて正常範囲に収めている。

 

喫煙経験はない。

 

さらに、自分は無宗教だが、毎晩寝る前には心の中で「神様」に1日生きられたことを感謝し、翌朝も無事目覚められることを祈り、毎朝起きると新たな1日を与えられたことを感謝するようになった。

そうしないとまたあの発作が起きるような気がしたから。

 

それでも、病気になる時はなるのだ。

 

結局、好きなものを飲み食いすることを無理して我慢するより、あまり神経質にならず、「病気はなるもの」と覚悟し、その代わり頻繁に健康チェックして早期発見・対応に努めるのが正解なのかも知れない。

同窓会に出席するかどうするか、回答の締め切りぎりぎりまで悩んだが、結局行かないことにした。

 

大きな理由としては、自分の今の毎日に自信がなかったこと。

きっと配偶者や子供、人によっては孫の話などを聞かされるのだろうな、と思った。

 

加えて同窓回の日程では既に前立腺癌の生検結果も出ているはずで、さらに癌の診断まで受けている状況で同窓生の幸せ話は重すぎると想像してしまった。もちろん行ってみなければ分からないけど、暗い気持ちで帰ってくる可能性も小さくない。

 

それに、20代、30代ならいざしらず、40年振りに同窓生に会ったとして、人生に何か進展があるという期待も薄い。皆に会ったからと行ってこれまでの人生を取り戻せる訳でもない。

 

本当は、一人、気になる女性が出席になっているのを見て、行ってみようかとも思いかけた。

 

彼女は当時自分の隣の席に座っていた。英語が余り得意ではなかったようで、授業中に指名される度に自分に「ちょっと、教えてよ!」と小声で助けを求めて来た。

その頃の自分は面倒臭いという気持ちの方が先に立ち、嫌々ながら自分が伝える答えを、彼女がそのままオウム返しに棒読みして答える、ということを授業のたびにやっていて、そのうち同級生に冷やかされるまでになった。

 

あの時代全般は、高校生ぐらいで異性と付き合うという人は少数派だったので、彼女とは何事もなくそのまま卒業したが、今思い返すと甘酸っぱい気持ちが広がる。

 

とは言え、お互いにもう還暦超え。恐らくは彼女も結婚して家庭を築いている可能性はかなり高い。

 

幸い今はいい時代になり、同窓生専用のSNSもできたので、縁があれば再会することもあるだろう。ちょっと寂しい気持ちもあるが、今回は思い出のままにしておくことにした。

今日はついに癌を疑われる前立腺の再検査。

 

この1週間は不安が募り、「心配疲れ」とでも言うのか、何もやる気が起きず、ダラダラ過ごしてしまった。幸い(?)翻訳の仕事も入らず、翻訳本の原書併読ばかりしていた。

 

てっきりもう一度血液検査をしてその結果で判断するのだと思い、早めに病院に行ったのだが、検査なしに診察室に呼ばれ、「このまま様子を見続けるか、生検をするか、どうしますか」と医師に聞かれた。「今日検査して決めるのかと思ったのですけど・・・」と言うと、「検査をしても同じことだと思います」と言われた。

少々納得が行かないながらも、そこまで言うならと、「それでは生検を受けようと思います」と答え、事前検査を受けた。

 

結果、前立腺の異常判断のバロメーターとなるPSA値は前回よりわずかに悪化。それを聞いていずれにしろ生検に進むしかなかったと腑に落ちたが、念のため、前回のMRIのスコアがいくつだったのか医師に聞いてみた。すると、癌の疑いがある「4」の部分があったという。

 

自分の想像に過ぎないが、きっと医師は前回の時点で「生検の必要あり」と判断していたのだろう。ただ、いきなりそう言うとショックだろうから、こちらが受け止められるよう少し時間を置いたのではないだろうか。

 

生検は28日で、結果はその1週間超後とのこと。ここまでいろんな結果が重なっているので、覚悟は決めておかなければならないだろう。

 

流石に今日はがっくり来て、病院の帰りに昼食を取りに入った店でビール1本飲んでしまった。

 

人生、スムーズには進んでくれないものだ。

高校の同窓会の連絡が来た。


卒業して40年以上ぶり。


高校時代のことは今でも懐かしく振り返ることがある。

特に、好きだった女の子のことは今もよく思い出す。

同窓会でもやらないかな、と思っていたらこの連絡が来た。


でもいざとなると、行ってみたい気持ちがあると同時に、参加を躊躇してしまう思いもある。


今の自分の生活に全く満足できていないのに、結婚して子供や孫に囲まれて、幸せそうにしているかつての同窓生を見て、惨めな気持ちにならないだろうかと考えてしまう。


参加予定者の名前が載っていたので、好きだった女の子の名前を探すと、それらしい人が1人「仮参加」になっていた。苗字は違うが、下の名前は同じだ。他に同じ名前の女性はいない。


きっと卒業した後、好きな人に巡り会い、結婚して幸せな人生を送ったんだろうな、などと、つい品のないことを考えてしまう。彼女の顔を見て、そのあとまた1人家に帰る時、どんな気持ちになるだろう。


ひとまず再検査の結果を見て考えよう。

癌の疑いを抱えながら直面するのはきつそうだ。

今週はついに前立腺の再血液検査。この結果によって癌の確率が一段上がる。前回の検査依頼3ヶ月、毎日が不安との闘いだった(今後もそうだろうけど)。

 

まだ先の話だろうが、以前からもしものことはよく考えることがある。


「エンディングノート」という言葉があるが、自分の場合何かあったらiPhoneを見てもらうのが一番早い。LINEやメール、メッセージのやり取り、SNSの投稿やジャーナル、各種口座管理に至るまでスマホを見れば一目でわかる。いろんな手続きに必要な情報だけでなく、自分の交友関係や人となりも理解してもらえるはずだ。

 

でも、当然iPhoneにはパスワードロックが掛けてある。

それで、iPhoneのパスワードを含めて、自分に何かあった場合の対応を思いつくままに紙に書き残しておきたいと思っていた(ちなみに、iPhoneで本当に見られたくないデータは「Documents by Readdle」というアプリに入れて別パスワードを設定してある)。

 

最初サラリーマン時代に愛用していたロイヒトトゥルムかモレスキンに書いておくことを考えたが、両方とも分厚過ぎて、嵩張る。

それで今回トラベラーズノートに手を出してみた。合わせて公式本も購入。

 

実際に買ってみると、公式本だけでなく、ネットにもいろんな楽しみ方をしている人のアイデアがたくさん見つかって楽しい。デザインの無骨さも人生という航海のパートナーに合っている気がする。



今日姉の納骨を終えた。

 

まったく嫌になるぐらい時間が早く過ぎていくが、5月の連休中に姉が亡くなってから早くも四十九日が経過した。

 

これで、自分の人生のほとんど全てに重くのしかかっていた要素が、完全に過去のものとなったわけだ。

 

終わりは実にあっけないもので、何か自分だけが取り残された気もする。あれだけこの俺を悩み苦しませておいて、一言のあいさつもなしか、という気持ちさえ湧いて来る(姉個人に対して、というわけではない。自分を苦しめた環境全てに対してだ)。

 

家族の事で、いつも心のどこかに引け目を感じて生きてきた。

映画や小説も「家族愛」をテーマにしたものは生理的に苦手だ。

歴史に「If」はないと言うけど、「もしああいう家族事情がなかったら自分の人生は今頃どう違ったものになっていただろう」ということはつい考えてしまう。