同窓会の出欠 | フリーランス翻訳者の 「英語で生きる」

フリーランス翻訳者の 「英語で生きる」

中学校の義務教育課程で英語に初めて出会って40年、54歳にしてやっと英検1級、57歳で全国通訳案内士資格、59歳で国連英検特A級に受かり、そのまま勢いで30年以上続けたのサラリーマン生活に別れを告げてフリーランス翻訳者としての道を歩き始めたおっさんです。

同窓会に出席するかどうするか、回答の締め切りぎりぎりまで悩んだが、結局行かないことにした。

 

大きな理由としては、自分の今の毎日に自信がなかったこと。

きっと配偶者や子供、人によっては孫の話などを聞かされるのだろうな、と思った。

 

加えて同窓回の日程では既に前立腺癌の生検結果も出ているはずで、さらに癌の診断まで受けている状況で同窓生の幸せ話は重すぎると想像してしまった。もちろん行ってみなければ分からないけど、暗い気持ちで帰ってくる可能性も小さくない。

 

それに、20代、30代ならいざしらず、40年振りに同窓生に会ったとして、人生に何か進展があるという期待も薄い。皆に会ったからと行ってこれまでの人生を取り戻せる訳でもない。

 

本当は、一人、気になる女性が出席になっているのを見て、行ってみようかとも思いかけた。

 

彼女は当時自分の隣の席に座っていた。英語が余り得意ではなかったようで、授業中に指名される度に自分に「ちょっと、教えてよ!」と小声で助けを求めて来た。

その頃の自分は面倒臭いという気持ちの方が先に立ち、嫌々ながら自分が伝える答えを、彼女がそのままオウム返しに棒読みして答える、ということを授業のたびにやっていて、そのうち同級生に冷やかされるまでになった。

 

あの時代全般は、高校生ぐらいで異性と付き合うという人は少数派だったので、彼女とは何事もなくそのまま卒業したが、今思い返すと甘酸っぱい気持ちが広がる。

 

とは言え、お互いにもう還暦超え。恐らくは彼女も結婚して家庭を築いている可能性はかなり高い。

 

幸い今はいい時代になり、同窓生専用のSNSもできたので、縁があれば再会することもあるだろう。ちょっと寂しい気持ちもあるが、今回は思い出のままにしておくことにした。